概要
革翅目に属する昆虫の総称。その名称の通り多くの種類では前翅は革状になっておる。その小さな前翅から想像し難く、扇子のような飛行用の後翅はその下に折り畳んでいる。
最大の特徴は何と言っても腹部後端のハサミ、これはコオロギやカゲロウの尾端にも見かける「尾毛」という器官から特化したものである。また、オスのハサミは常にメスよりも大きい。
生態
多くのものは雑食性で、種によって果物;他の昆虫;更に他の動物の糞までも食べる。
特徴的なハサミは決して飾りではなく、防御・捕食:喧嘩などに使える。サソリの尾の様に、器用な腹部でハサミの向きを操る。
一方、母が巣を作り、卵と子供の世話をする習性もハサミムシの特徴である。
世界最大のハサミムシはセントヘレナという南大西洋の島から8㎝のサイズを誇る「セントヘレナオオハサミムシ」である。しかし、1967年から生体が再発見できず、人類活動(外来種捕食者の持ち込み)によって絶滅したと判断された。
人間との関わり
一部の種類は果物の中に住んで侵食するが、ハサミムシは人間に無害な昆虫である。
海外では、ハサミムシは風評被害の代表格ともいえるほど酷く誤解されている。
人間の耳に住む・脳で産卵するなども有名な都市伝説で、当然いずれも真っ赤な嘘である。これはハサミムシの英語名「earwig」の由来にもなっている。
また、よく似た別の昆虫ハネカクシと混同され、「毒持ち」だと勘違いされることもある。