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目玉おやじ(本来の姿)

こどもをまもるためならなんでもするいけめんちちおや

『ゲゲゲの鬼太郎』アニメ第6期14話で登場。 「目玉おやじ」が業病を患い、目玉と化す以前の姿である。

子供を守るためなら何でもする、ただの父親だ。

夢はいつか覚めるからこそ尊いもの...。この夢終わらせてもらう!

概要

目玉おやじの説明は当該記事を参照。

TVアニメ第6期14話、『枕返しと幻の夢』に登場した、目玉親父の全盛期に近い姿。

夢の世界に魂を囚われ廃人となってしまったマサシの父・アキノリを救うため、鬼太郎たちは妖怪枕返しの助けを借りて(※1) 夢の世界に入り込む。しかし、『夢繰りの鈴』を持つ少女の霊に心を縛られ、心地良い夢の世界から出たがらないアキノリ(子供姿)は、スケッチブックに書き込んだ絵からどこかで見たような巨大ヒーローロボットを具現化させて抵抗する。

空想したことをそのまま具現化できる夢の世界では、子供らしく常識にとらわれない、途方もない夢があるほど、より強い力を形にして戦うことができる。

だが、不幸な生い立ちゆえに子供らしい夢を持つ余裕などなかった鬼太郎には、普段通りの攻撃しかできない。いつもとは勝手の違う戦いに戸惑った鬼太郎は隙を突かれ、鈴を操る少女の力に絡め取られる。ついには、あたりを覆いつくす奔流と化した彼女の毛髪に飲み込まれてしまった。

これまでにない危機に陥った愛息子を助けるために、目玉おやじは枕返しに力を貸せと喝を入れると、毛髪の奔流へと飛び込む。そして彼の、

「こんな姿ではなく、鬼太郎を守り、もっとのびのびと子供らしい夢を見せてやれる父親でありたかった」

という強い想いが、枕返し(※1)が放った妖術により、病を得る以前の力強い姿となって具現化された。

(※1) 本作の枕返しは、謎の高僧(余談参照)に成敗されて改心した味方妖怪として登場。彼と同等の能力を持った(というより、彼から間接的に力を奪った)少女の悪霊が敵役として登場していた。

容姿

砂かけ婆が思い出しただけで惚れ惚れするほどの端正な容姿をしている。

原作の田中ゲタ吉(高校生となった鬼太郎)をも彷彿とさせる、銀髪(白髪)に赤い瞳を持つ壮年(人間だと40~50代)の男性(余談の項目も参照)。

本体は隻眼ではなく、「目玉おやじ」の元となった目玉も左目だが、この時見せた容姿は鬼太郎同様に左目を隠して右目を露わにしている。

服装は着流しで、一族伝来の霊毛ちゃんちゃんこを羽織り、足には下駄を履いている。全体的に、鬼太郎をそのまま成長させたような感じの姿である。

戦闘能力

かつて地球を支配していた幽霊族、その王族の末裔で、しかもまだ子供の鬼太郎と違って大人である彼は、鬼太郎以上の戦闘能力を誇っている。鬼太郎を抱きかかえた状態でも敵の猛攻を易々と避け、息子のそれとは比べものにならないほど高威力の指鉄砲を片手で放ち、敵のガードをものともせずに勝利を収めた。ただし、この力は目玉おやじの「子供を守れる父親でいたかった」という願望が具現化されたものであるため、生前にも同様の戦闘力を持っていたかは不明。

目玉おやじの元の姿について

本作(アニメ6期14話)での描写について、視聴者の一部で「原作の醜くく不気味な姿=ミイラ男のような風貌を美形に改変した」という(中には批判的な)声も聞かれた。

これには原作やアニメ『墓場鬼太郎』第1話で「全身を包帯で包んだ大柄な『ミイラ男』のような容姿」が「目玉おやじの生前の姿」として描写されていたため、単純に「生前の姿=ミイラ男と思い込んだ誤解による意見」と、「病に関わらず、幽霊族がイケメンなはずがないという意見」の二つが存在する。

前者の「生前=ミイラ男」については、あの姿は「不運にも体が溶けて死に至る『不治の病』(※2)に罹患し、醜く変貌してしまった末期の状態」ゆえのものであることは原作にも記されているため、明らかな誤りと言える。

問題は後者の「幽霊族がイケメンなはずがない」だが、これは『鬼太郎誕生』での病に冒された鬼太郎の父母の容姿などから、「不気味な風貌だったからこそ、幽霊族は人間に嫌われて人目の付かない場所に身を潜めたはず」と一部のファンに解釈されたことがもととなっている。しかし、原作には「幽霊族は人と似た姿をしている」とありこそすれ、「幽霊族は生まれつき不気味な容貌をしている」と言う記述はない。

また、原作で鬼太郎の父親が元気な体だった時の姿が描かれたこともなく、鬼太郎の母親も、鬼太郎を妊娠していた状態で作中に登場していたが、彼女も長い心労が重なった事もあって既に夫とは異なる重い病気(具体的な詳細は不詳)に罹っており、数か月後の鬼太郎誕生直前に他界したので、登場時が元からの姿だったのか病気ゆえの変貌だったのかは、夫同様に元気な頃の描写が無いため明確ではない。

鬼太郎についても、原作の物心ついた頃の描写で「どことなく人間と違う醜い顔」と言われた周囲の反応も描かれてはいたが、彼も生まれた直後の不幸で隻眼になってしまい、目玉おやじが陰で支える形で人間に育てられたが、人間の感覚で見れば不可解な行動をした事も総じて不気味がられたわけで、その容姿もまた同じ貸本時代の作品だけでも変容しており、雑誌掲載以後は作風の変化も含めて愛敬のある顔立ちになり、更には歴代のアニメシリーズの影響もあって6期放送までに大きく変化している。

このように鬼太郎一家の変遷を詳細に見ても、「幽霊族は生まれつき不気味な容貌をしている」と断定する事は出来ず、結局これについては、確かな根拠と言うものはないと言うのが正しいところである。

つまるところ、6期14話で披露されたイケメンダディな容姿は、アニメオリジナルのデザインではあるものの、これについての「原作の醜い姿を改変した」という感想は、そもそもの根拠に欠けるため適切な見解とは言えない、ということになる。

※2 なお、原作における「鬼太郎の誕生」譚は、貸本時代から雑誌連載時まで複数回に渡って細部の異なるヴァージョンが描かれており、全体的なリライトも何度か行われている。その中には差別問題を風刺する意味で、彼が患った病気について特定の病名が記述されていた版も存在する。詳細は目玉おやじの記事を参照。

鬼太郎のアニメシリーズは時代ごとに原作を再解釈して再構築され、過去作品も含めてリスペクトを払いつつ、新作の度にキャラクター像の変更・オリジナルの設定・キャラクターの追加などのアレンジが行われてきた。

原作にない描写が登場しても、アニメとして公式作品である事にはちがいなく、解釈の違いも要素の一つとして楽しむべきだろう。

……「多様性の在り方」6期のテーマの一つなのだから。

余談

目玉おやじ、ネットを制す

本邦初公開となったこの姿と活躍ぶりは、視聴者に凄まじい衝撃を与え、大きな反響を呼んだ。

ツイッターでは「目玉おやじ」がトレンドワードとなり、3万件に迫るリツイートが行われたほどで、放送日(2018年7月1日)のうちにGoogleの検索予測で目玉おやじと打つと、すぐ下に「生前の姿」「イケメン」等がサジェスト候補として表れるようになった。

中の人ネタ

本作で目玉おやじの声優を務めた野沢雅子は、数ある代表作の一つとして、ドラゴンボール孫悟空役でよく知られている。

こちらはCV発表直後から中の人つながりで各所でネタにされていたが、今回の「息子を守る強き父親」「エネルギー波の様な指鉄砲」「普段と違う低い男らしい声」などの点から再び悟空を想起する視聴者も多かった。

因みに野沢は、3期で行われたキャスト変更により孫悟空を演じるチャンスを得たという経緯があり、同じフジテレビ系の東映作品であるアニメ版の「鬼太郎」と「ドラゴンボール」も、何かと縁のある作品の一つになっている。

詳細は5期鬼太郎などを参照。

小ネタ

  • 冒頭の台詞の様に、目玉おやじは自身の事を「ただの父親だ」と呼んでいたが、これはアニメ第一作第二作での目玉おやじのクレジットが、『父親』だった事も想起させる。
  • 実写版のウエンツ瑛士が演じた青年鬼太郎は髪が白(銀)髪に近く、当然ながら身長や体形も成人男性のもので、もしかしたら、こちらもモチーフにしているのかもしれない。なお、6期のスタッフはこの実写版にも参加している。
  • 目玉おやじの声優野沢雅子は、かつて初代鬼太郎を演じた人であり、本人自ら「(6期の目玉おやじは)鬼太郎が成長して父親になった気持ちで演じる」と発言していた。それを受けて以前から一部では「愛息子の危機を救うため、全盛期=初代鬼太郎の姿を取り戻す目玉おやじ」という設定での二次創作が行われ、ピクシブ内でもそういった作品が投降されていた。

が、まさか公式がそれに限りなく近いことをやってくれるとは、誰も予想しなかったことだろう。

その他

このエピソードには他にも、

  • 知り合いの親子を救うために一芝居打ったまなのゲス顔
  • 犬猫コンビの妄想の炸裂っぷりと八頭身の鬼太郎
  • その昔各地で妖怪退治をしていたらしい謎の高僧が枕返しの話にも登場し、その僧侶が少女を人柱として捧げる儀式に噛んでいた様子
  • 一度は夢の世界へ逃避しながらも、息子への愛のために父親としての自分を取り戻し、命がけで我が子を救ったアキノリの活躍

など、様々な要素が詰め込まれていた。

しかし、全部目玉おやじに持っていかれてしまった。

全国の視聴者よ、どうか彼らのことも思い出してあげてください。

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