概要
水木しげるの大人気怪奇漫画『ゲゲゲの鬼太郎』を原作とした松竹系(アニメ版の版権を持っている東映ではない)の特撮ホラー映画。2007年4月28日公開。監督は本木克英。
もともと『鬼太郎』は1987年に『ゲゲゲの鬼太郎 魔笛エロイムエッサイム』として映画化されていたのだが、こちらはビデオ限定であり、劇場公開はされていない。ちなみにこっちはアニメ同様に東映が製作している。
原作となった主なエピソードは「天狐」「妖怪大裁判」「妖怪列車」。なお、これ以前には見上げ入道の起こした事件を鬼太郎が解決したという設定。
ウエンツ鬼太郎の姿を拝見された御大は、当初「カッコよすぎる」とダメ出しをしたことでウエンツを凹ませたらしい。しかし本編を見て評価を高くした。
それだけでなく、猫娘のキャストも田中麗奈女史が担当しているので全体的にキャラクターの頭身が高め(もっとも、後年の猫娘も頭身が高くなってしまうのだが)。
一反木綿の出身地域に合わせて彼が鹿児島弁で話したり、鬼太郎が墓の下中学中退であったり(元ネタは「続ゲゲゲの鬼太郎」で登場した「墓の下高校」)、霊界テレビが鬼太郎の家に家具として置かれていたり、(本作では「妖怪テレビ」)。ねずみ男が「怪奇現象研究所」の肩書を用いたり(この手の胡散臭い肩書は原作などで見られる)、輪入道が車輪の代わりになったりと原作やアニメ版の小ネタがかなり拾われているのが特徴。
また、月曜ドラマランド版に出演した竹中直人氏も蕎麦屋の主人役でゲスト出演している。
また、井上真央が関連するバラエティ番組にて「鬼太郎には両目がある」とコメントしていた(本シリーズの鬼太郎は義眼を使用しているという設定である)。
ちなみに、小説版では健太の友人の従姉という設定で天童ユメコも登場している(アニメ3期から時間経過した設定である)。
主題歌は小池徹平の「ゲゲゲの鬼太郎」。挿入歌としてウエンツ瑛士の歌う「Awaking Emotion 8/5」
あらすじ
鬼太郎の家の妖怪ポストに、小学生・三浦健太から手紙が届いた。どうも彼の住む団地がテーマパーク建設のために立ち退き工事を行われた日から、様々な妖怪が出現したという。
一方で妖怪の世界でも異変が起きていた。件の工事が行われている団地の近くの稲荷神社から、伝説の「妖怪石」が何者かの手により盗み出されてしまったのだ…。
キャスト
- 鬼太郎:ウエンツ瑛士(※)本作では350歳の設定。
- 目玉親父:田の中勇(声の出演)
- ねずみ男:大泉洋
- 猫娘:田中麗奈
- 砂かけ婆:室井滋
- 子泣き爺:間寛平(※)本作では関西弁で話す。
- 一反木綿:柳沢慎吾(声の出演)
- ぬりかべ:伊集院光(声の出演)
- 見上げ入道:石原良純(声の出演)
- 傘化け:デーブ・スペクター(声の出演)
- ぬっぺふほふ:きたろう(声の出演)
- 化け草履:立川志の輔(声の出演)
- べとべとさん:石井一久(声の出演)
- つるべ火:軽部真一
- 百々爺:神戸浩
- 貧乏神:藤井隆
- ろくろ首:YOU
- 輪入道:西田敏行
- 天狗ポリス:安田顕(声の出演)
- 大天狗:中村獅童
モブ妖怪
妖怪大裁判の傍聴席にいた妖怪たち。水木デザインに準じたものから現代的な解釈をされたものまで幅広い(名称は基本的にパンフレットに準ずる)。
- 朱の盆
- おとろし
- 小豆とぎ
- 油すまし(※)パンフレットの解説によれば原作通り「ゲゲゲの森の村長さん」のようである。
- 白蔵主
- 河童
- 縊れ鬼
- 一つ目小僧
- だるま
- 天邪鬼(※)なぜかプロレスラー風の姿をしている。
- 鉄鼠
- 餓鬼
- さざえ鬼
- 岩魚坊主
- 百目
- 座敷童子(※)なぜか体操服姿。
- あまめはぎ
- ひょうすべ
- 魍魎(※)狒々とのデザインの取り違えは起こっておらず、水木絵に準じたデザインになっている(いわゆる邪魅に流用された方)
- 山びこ
- かわうそ
- 幽霊狸
- 山姥(※)容姿はヤマンバスタイルとなっている
用語
妖怪石
強い心の持ち主に力を与える一方で、弱い心の持ち主に様々な悪影響を及ぼす妖怪世界の秘宝。
その影響力は凄まじく、日本史に様々な影響を与えてきた。
これを危惧した天狐たち妖狐族によって封印され、管理されてきたが、ねずみ男が持ち出して売却した挙句、三浦姉弟の父である晴彦がそれを万引きした事から空狐一派、天狗ポリスをも巻き込んだ大事件に発展する。
3500年前に悪の妖怪たちが作り上げ、人間たちの邪心や数千年分の悪しき妖怪の怨念が宿っているとされている。
あの世ランド
茶谷建設が主導するあの世をテーマにした遊園地。
三浦一家の住む団地近くに誘致が決定しているが、立退きを拒む現地住民によるデモが活発化している。
これを商機と見たねずみ男によって傘化け、ぬっぺふほふ、化け草履、べとべとさんを使った地上げ行為が実行された。
妖怪城
元ネタはたんたん坊を城主とする「妖怪城」。
こちらでもその設定は残っているが、現在は大天狗が裁判長を務める裁判所として利用されている。
刑の中には妖怪すら簡単に溶かす「釜茹での刑」がある。
墓の下倶楽部
墓下にあるとされるダンス倶楽部。
陰気な名前に反してゾンビたちで結成されたDJが奏でる楽しげな音楽をバックに毎晩、妖怪たちが踊り狂う。
ろくろ首や猫娘がよく利用している。
黄泉の国
いわゆるあの世のこと。輪入道が稼働させる妖怪機関車に乗車すれば生きている者でも行く事ができる。
2作目では閻魔大王の存在も語られているので、この世界観でのあの世は仏教と日本の文化を折衷したものになるようだ。
関連動画
特報
予告編
参考文献
- 公式パンフレット「ゲゲゲの鬼太郎」(松竹株式会社事業部・2007年)
外部リンク
関連項目
千年呪い歌:続編。