フォント・ボー
ふぉんとぼー
”幽霊”の名を持つ機械よ……
もし消えゆく人の痛みと悲しみが ほんのひとかけらでも わかるなら
力を貸せっ!今だけでもいいっ!
人物像
サイド3(旧ジオン公国)のズム・シティに住む高校生の少年。
所謂オタクであり、クラブ活動で作ったAIハロロを搭載したタブレット端末を持ち歩いている。
また、モビルスーツに深い造詣を持つ。自身も古今東西の兵器の情報を彼なりにまとめてウェブサイトに公開する事を趣味としており、中にはGPシリーズのような歴史から抹消された機体のデータも掲載されていた。
ある日、偶然ザンスカール帝国の兵器「エンジェル・ハイロゥ」の情報を入手した彼は、何の気なしにそれを自身のページに掲載した結果、ザンスカールから命を狙われてしまう。そして、木星のエージェントであるカーティス・ロスコに命を助けられ、自身と親族の安全を条件に彼が率いる特殊部隊「蛇の足」への参加を決め、以降彼らと行動を共にする事になる。
モビルスーツの操縦技術も習得しおり、MSに乗っての戦闘も行う事もあるが、それはあくまで成り行きに過ぎず、本人は戦闘を得意とせず、持ち前の知性と知識、そして技術のみを頼みに生き抜く知性派である。また、操縦技術もあくまで趣味で身につけた物に過ぎず、本格的な戦闘に参加出来る程の物ではない。
しかし、豊富な機械知識を活かしたトリッキーな作戦を編み出す事に長けており、加えて蛇の足のエージェント達がただの一人も解く事ができなかったエンジェル・ハイロウのデータをあっさりと解いてしまうなど、ハッカーとしての才能もある(カーティスが彼を巻き込んだのも、彼の才能を評価してのこと)。
主な搭乗機はサイド3の戦争博物館から拝借したザクⅡおよびファントムガンダム。
元々戦争に巻き込まれた身であった為、自身が戦う理由を見つけられずにいたものの、キゾ中将の命を軽視する作戦に反感を覚え、ギロチンで処刑されたカーティスの友人の「百年争いの無い国を作る」という目標を受け継ぎ戦う事を決意する。
また、戦争と向き合う内に戦争と命に対する明確なビジョンを有するようになっていき、元来の責任感の強さと相まって彼の心を支える柱の一つとなっている。
カーティスの見立てではニュータイプ能力は持っていないとされているが、その反面デバイスの扱いに長けており、即座の判断力は他の追随を許さない。
しかし、それゆえに個人の裁量を超える決断を短時間で繰り返してしまい、その結果「理性」を暴走させ、効率を優先するようになる。結果としてそれがカーティスとの不和を呼び、彼の身を案じたベルの手によって、カーティス達の下を去る。その際、クロスボーンガンダムゴーストを持ちだした事からかつてクロスボーンガンダムのパイロットであったシーブック・アノーと出会い、彼とベルの献身によって自らの過ちを認め、再びカーティス達の下へと戻り戦う決意を下す。
そして、エル・ザンスカール帝国としてザンスカール主流派から独立し、エンジェル・コールで汚染された艦隊をエンジェル・ハイロゥへ特攻させるべく活動を開始したキゾに対して最後の戦いに臨んだ。
だが、戦闘の最中に汚染艦と共に太陽へ進路を取った「林檎の花」をキゾによって占拠され、また自分達を支えたカーティスも重傷を負い、残された戦力でキゾとの決戦を余儀なくされる。これに対してフォントは持てる手段を全て投じて戦闘を演じ、途中再度理性が暴走しかけるが、ジャックの犠牲によって我を取り戻し、辛くも勝利した。
戦闘後、既に地球から遠く離れつつあった「林檎の花」から生還するべく、救出したベルと共に非常用冷凍睡眠カプセルで眠りに付き、カーティス達が自分達を捜索してくれると賭けて地球への帰路へ付くが、カプセルのビーコンが故障していた事から彼らが再び目覚めたのは15年後の情勢が一変した世界であった。
自分達に繋がる物が一切無くなり、更に目標も見失った状況で一度は自分が幻になってしまったのではないかと思い込むが、彼を救出した一派のリーダーがかつて自分が助けた子供の一人だった事、そして死んだと思い込んでいた仲間が生きていた事に希望を見出すと、自らを「ゴースト」と名乗り、世界がどう変わったのかを見て回るべく旅に出た。
名前の由来は、本作と強い関連性を持つ「機動戦士Vガンダム」の主人公、ウッソ・エヴィン(嘘・鋭敏)を反転させた「本当・呆」と、フランス料理の出汁の一種「フォン・ド・ヴォー」。
後日譚
最新作機動戦士クロスボーン・ガンダムDUSTにももう一人の主人公として登場。かつて自らが救い上げた子供の一人で本作の主人公アッシュ・キングと対峙し、彼に試練を与える存在として立ちはだかった。長引く宇宙戦国時代にピリオドを打つべく地球連邦軍の部隊であるキュクロープスに入隊しており、”幽霊(ゴースト)”の異名よろしく暗躍している。
数々の修羅場を経験してきたためか前作に比べどっしりと落ち着いており、前作で暴走していた理性もバランスのとれた思考の元に制御している。