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センシティブな作品

概要

1990年にサイバーコミックスにて掲載された漫画作品。原題は「ガンダムVS伝説の巨神」。

機動戦士クロスボーン・ガンダムを手がけた長谷川裕一によるガンダムシリーズの外伝的作品であり、同氏がはじめて手がけたガンダム漫画でもある。

ガンダム伝説巨神イデオンの世界観をつないだクロスオーバー作品であり、宇宙世紀0091を舞台に『機動戦士ガンダムZZ』と『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』の空白の期間に起きた出来事を描くという体裁を取っている。

一見すると荒唐無稽と言える組み合わせだが、ガンダムの世界観とイデオンの世界観を真面目かつ自然に繋げており、ガンダムの世界観に独自の解釈で切り込んでいるのが特徴(あまりの荒唐無稽さに打ち合わせ段階でギャグ漫画と思われていたのは作者の言)。

また、後のクロスボーンに登場するメカニックの原型となったメカが登場するのも見どころの一つである。

ただし、本作はサンライズ公式設定が広く広まる前に発表された作品である為、2000年代後半に宇宙世紀年表が細かく整理され、ジュドーがジュピトリスⅡで出航したのが宇宙世紀0089年3月15日、アムロが5thルナで戦ったのが宇宙世紀0093年3月5日とされた(更にアムロはνガンダム設計のため、これより3ヶ月前には地球圏に帰っていなくては不整合が生じる)ことで、時系列的に二人の出会いは不可能になってしまった(地球圏~木星への往復は4年以上必要とされる)。

更に、2010年に『機動戦士ガンダムUC』が映像化されると、本作へのミネバの登場や、ラストシーンの『(巨神が)地球圏の行く末をアムロかシャアのどちらかに託す』という示唆がサイコ・フィールドで上書きされてしまう等、複数の不整合が生じてしまい、結果的に完全なる二次創作という立ち位置へと変化する事となった。

作品は学習研究社から単行本が刊行されたが、現在は絶版。以降は「機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス」(旧版では「機動戦士Vガンダム外伝」)に収録される形で刊行されている。

学研版には「わかりすぎた結末 あるいは失笑した宇宙 キャプテン・オーマイガーの華麗なる挑戦」が併録されていた。

なお、ガンダムシリーズとイデオンは後にスーパーロボット大戦シリーズでクロスオーバーしている。

あらすじ

ネオジオン戦争終結後、木星圏で暮らしていたジュドー・アーシタは、木星圏へとやってきた一年戦争の英雄アムロ・レイと出会う。

ZZガンダムにオールレンジ攻撃能力を追加したカスタムMSメガゼータを駆ってアムロと共に偵察にでたジュドーは、巨大な隕石から掘り出されている途中の巨大な人型MSを発見する。

巨大MS内でミネバ・ラオ・ザビと邂逅し、一度はミネバを救出したジュドーだったが、ジュドーがハマーン・カーンを倒した者だと知ったミネバは感情を暴走させ、ミネバの怒りと悲しみに感応した伝説の巨神が復活し銀河を切り裂く。

登場キャラクター

ジュドー・アーシタ

本作の主人公。ネオジオン戦争後は木星圏で暮らしていた。なお共にジュピトリスに乗船して木星圏に旅立ったルー・ルカとは破局している。

ZZガンダムのカスタム機メガゼータを駆ってアムロと共に偵察に出た際に巨神を発見。内部に潜入しミネバと遭遇する。自身がネオジオン戦争の際にハマーン・カーンを倒した者である事を知ったミネバの暴走で巨神を目覚めさせてしまうものの、アムロとシャア、そしてミネバと協力して巨神を破壊。その後はミネバを「ミネバ・アーシタ」としてひきとった。

アムロ・レイ

一年戦争の英雄にして元祖ガンダムパイロット。

シマ・八丈鉄面皮を率いて木星圏に現れ、ジュドーと共にメガゼータに乗って巨神を発見する。

巨神が目覚めるとシャアと協力して破壊した。

ミネバ・ラオ・ザビ

ネオジオン戦争中に、シャアの手によりアクシズから連れ出された本物のミネバ。

伝説の巨神を復活させるためにそのNT能力を利用されていたが、ジュドーに救出される。

しかしヒトーリンによりジュドーがハマーン・カーンを倒した者である事を知ると、怒りと悲しみの感情を爆発させて伝説の巨神を復活させてしまう。

全てが終わった後は、ミネバ・アーシタとして生きていく事になった。

ヒトーリン

木星圏のネオジオン軍を束ねる存在。「地球人です」の注釈が必要な人間離れした外見をしている。

シャアの命令を無視して伝説の巨神の復活を画策し、ミネバと巨神の力で新たな帝国をつくりあげようとしていた。

シャア・アズナブル

ネオジオン総帥。自らの命令に背いたヒトーリンの粛清と、巨神の破壊の為にはるばる木星圏まで部隊を率いて現れた。

味方を巨神に殲滅させられてしまうものの、ヒトーリン殺害後は宿敵アムロと協力して巨神を破壊した。

ヨシユキ・トミノ

木星帰りのシャリア・ブルパプテマス・シロッコが夢に見たと言う血まみれの巨人の話を元に「伝説の巨人」というフィクション小説を著したとされる人物。

本編には本人は登場しない。

伝説の巨神

一言で言うと「ジム神様」。

木星の巨大隕石から発掘された100メートルを超える人型巨大ロボット。

ジュドーやアムロが発見した際は半分岩塊に埋まった状態であったが、ミネバの怒りと悲しみに感応して目覚めた。

シャアが率いてきた部隊を全方位ミサイルで壊滅させる程の凶悪な戦闘力を発揮したが、ジュドーとミネバ、そしてアムロとシャアのコンビネーションにより破壊された。

余談

寺田貴信氏がスパロボの開発に行き詰ったとき、本作を読んで勇気が湧いたと述べている。

(本作が元ネタと言う説は間違い。そもそも映画『マジンガーZデビルマン』や『グレートマジンガーゲッターロボ』が既に存在しており、初代スパロボのラスボスも『グレート対ゲッター』のギルギルガンである)

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