歴史
元来は座談会などの発言記録において、発言者や聴衆が笑った(声を上げる上げないは不問)ときに記される表現であった。通常は文節の最後に付け加えられる。
そのうち拡大解釈され、文章中の笑い所や、会話文において感情を表現する場合などにも用いられるようになる。
特にネットでは、インターネット普及前のパソコン通信時代から顕著で、「(苦笑)」「(爆) = 爆笑(爆発音の意のこともある)」などの派生形もあったが、現在ではほとんど死語になっている。
長らく普通の笑いを表現する語であったが2003~2004年辺りから少しずつ嘲笑のニュアンスを帯びて来る。
これにはいくつかの要素が絡んでいるが、「一般的な笑いの表現」の地位が、同義のネットスラング「w」と入れ替わってきたことが大きい。
それ以前はむしろ「w」のほうが、(普及していた)2ちゃんねる内でさえ嘲笑のニュアンスが残っていたのだが、この辺りの時期には、同じく2ch内で笑いの表現として使われていた「(藁」「(ワラ」等が廃れ、「w」に一本化されてきたことにより見慣れてきたこと、さらにはニュー速VIP板の開設(2004年)により語尾に「wwwwwww」と多数並べるVIP語が2chを(荒らしも含め)席巻し、「1個くらいなら(相対的に)普通じゃないか」と思わせたこと等で、徐々に普通の表現として扱われるようになる。さらには2ch外にも広まっていった。
結果、入力も面倒な「(笑)」は必要性も薄くなり、元々パソコン通信時代の表現や顔文字に拒絶感が強かった2chでは皮肉めいたニュアンスで使われることが増えていく。
この流れを完全に決定付けたのは2007年、当時のマスコミが突如「お菓子やデザート等は"スイーツ"と呼ぶべき。従来通りに呼ぶのは流行遅れでダサくて恥ずかしいこと」…のような大々的な喧伝を始め(※)、それに反発したネットワーカーが「スイーツ(笑)」という表記を使い始め、ネット流行語大賞2007の銀賞にまで選ばれてしまったことである。
反発は判るのだが、罪も無い「(笑)」が生贄にされた感は否めない。
※…スイーツという表現自体は90年代半ばごろにはあったが、あまり知られてはいなかった。
用法・注意
前述のように、今日では「スイーツ(笑)」のように表現することで、侮辱や中傷を示す表現として用いられることが主流となっている。
基本的に軽いノリの笑いを表現していることが多く、文脈よっては侮辱と受け取られるおそれもあるため、注意が必要である。
また単語と組み合わせ「○○(笑)」のように表現する場合、より甚だしい侮辱と受け取られる場合もあり、サイトと管理者によっては掲示板・チャットなどで「(笑)」の使用自体を禁止している場合もあるので、特に気をつけよう。
「わらい」「しょう」「わら」「かっこわらい」など読み方は複数ある。
活字で表現する場合「(笑)」(全角の括弧)と、「(笑)」(半角の括弧)の混在による、揺れがある。