概要
ザ・ドリフターズ（通称：ドリフ）主演で、1969年から1985年まで放送（※途中休止期間あり〈後述〉）されていた毎週公開生放送のバラエティー番組である。
要するに爆発はするわ、物は壊しまくるわ、天井からたらいは落下してくるわ、しまいには家の屋根の上にパトカーが飛び乗ってくるわの何でもありのスタイルで人気を博し、平均視聴率27％、最高視聴率50％を叩き出しており、「伝説のお化け番組」とも呼ばれる事があり、バブル経済期の潤沢な資金に規制など皆無に等しかった放送体制もあったからこその内容でもあり、まさに時代を象徴する番組ともいえる。
誰もが聞いたことのある「かーらーすー なぜ鳴くのー からすの勝手でしょー」や「いっちょめいっちょめーわーお、いっちょめいっちょめわーお」、「ピッカピッカのー一年生」はこの番組から誕生した。
現在は、特番やDVD等で、過去に放送したコント等の番組内容の一部を見る事が出来る。
全員集合のスタイルは現在ではBPOの存在などからほぼ不可能であるが、ドリフ大爆笑で何度か全員集合でかつて行われたコントを復刻した事があった。
ちなみに、少年少女合唱隊はドリフターズが紅白出場の際に紅組白組合同で復活した事もある。
8時になると、いかりやが「8時だョ!」というと他メンバーと会場のお客さんが「全員集合」といって番組がスタート、なおこれは8時になる前に何回か会場で練習していたらしい。そして短いトークを挟み「北海盆唄」の替え歌である「ドリフ音頭」が流れる。
また番組が終わる際には「いい湯だな」の替え歌である「ビバノン音頭」が流れ、その終盤に加藤が「宿題やったか」「歯磨けよ」「夜更かしするなよ」「また来週」などと合の手を入れていた。
まんが日本昔ばなし→クイズダービー→8時だョ!全員集合の流れはTBSの土曜日のゴールデンタイムの鉄壁の布陣とまで呼ばれていた。
主なコーナー
22分コント
この番組のメインであり、オープニングの後にやるコントである。
いかりやがツッコミ、高木・仲本・加藤・志村がボケとなるが、ボケの回数は加藤・志村が圧倒的に多い。
志村後ろ!が誕生したのもこのコーナーである。コントの最初はいかりやの「おいっす」ではじまり「元気いいね」や「声が小さい」などの理由でもう一回「おいっす」をやるのが定番だが、たまにやらない人がいると「ちょっとお母さんやらなかったでしょ」などといって個人客を指名して「おいっす」をやらせることもあった。
学校コント
いかりやが先生役、他メンバーとゲスト（アイドルであることが多い）が生徒役となる。
ドリフメンバーがいつも遅刻し、いかりやにメガホンで叩かれるのが定番のスタートとなる。
母ちゃんコント
いかりやが母役、他メンバーが子供役となる。このコントのスタートは、他メンバーがいかりやに対し「お父さん」などとボケて箒で叩かれるのが定番となっている。
会社コント
いかりやが課長や編集長などの上司役を担当し、他のメンバーが出社に遅刻するところから始まる。電話の取次ぎのトラブルや電卓で計算している時の音が変になったり、電話の保留音が度々変わったり、週刊雑誌の場合は取り上げるネタでボケたりする。
その他のコント
スポーツ系・冒険系・職業系等様々なコントがある。
ゲストの歌
22分コントや少年少女合唱隊などのコーナーが終了直後にやるコーナーである。
- トップバッターはアイドル歌手やアイドルグループが担当する。
- 大トリはベテラン格の歌手やトップアイドル歌手が担当する。
- それ以外では若手から中堅の実力派歌手やシンガーソングライターなどが担当する。
- またゲスト歌手が3組の場合は、キャンディーズなどの女性レギュラーが歌う事が有った。
- なお、大トリ以外は、当日の出演者の顔ぶれや他コーナーの状況次第で順序が若干左右する。
少年少女合唱隊
ドリフメンバーやゲストが童謡などを脱線しながら合唱したり、リズムに合わせて早口言葉を言っていく。このコーナーより東村山音頭（当然茶化した方）が誕生した。
時期によってはこのコーナーの代わりに「今週の○○（スポーツコーナー・今週の花嫁候補など）」が行われていた。
ベスト100
通称「後半」であり、基本いかりやが進行役、他メンバーとゲストがコントに徹する。いかりやの演奏と「後半参りましょう、後半出発!」ではじまる。
開始当初はタイトル通りランキング形式で行う音楽コントであるが、ネタ切れで音楽以外のコントが行われるようになった。
ヒゲダンス
加藤・志村によるコント、詳しくは当該記事参照。
余談
一時休止～空白の半年間
途中1971年4月から9月までの間、ドリフターズが当時所属していた芸能事務所の意向により、全員集合は一時休止となり、その間ドリフは日本テレビで「日曜日だョ!ドリフターズ!!」という公開生番組に出演。一方、ドリフの抜けたTBS土曜8時枠はその兄貴分にあたるハナ肇とクレージーキャッツによる「8時だョ!出発進行」というバラエティ生番組が放送されていた。
伝説のハプニング
公開生放送ということもありハプニングとは決して無縁ではなかった。
伝説となった「OP早々会場の電源が落ちて停電発生」（会場観覧の落選者が腹いせで会場の電源を落としたのが原因と言われている）は放送事故でも有名で現在でも語り草となっている。
真っ暗になった会場でも加藤がアドリブで対応したり、電源の復旧がされるまでの間にゲストさんの紹介をするなど場を繋いだことも有名である。
（ちなみに公開生放送は原則会場観覧希望者を抽選で行っており、全員集合の全盛期はまさに当選ハガキはプラチナチケットも同然であった。またこの時カメラと音声はTBSの中継車からのものだった為、停電で真っ暗になった以外は正常に中継できていた。その為ハプニングの最中の騒ぎが放送されていたわけである。）
また民宿コントでは、加藤が建付けの悪い襖を力任せに閉めたら隣の便所が傾いて中に入っている志村が壁を突き破って外に飛び出る・・・まではよかったのだが、セットの不備で傾いた便所がそのまま倒れてしまい飛び出た志村が危うく押し潰されてしまうハプニングがあった。しかし「志村が壁を突き破って飛び出る→便所がさらに倒れて飛び出した穴に志村が収まる→タイミングよく開いて便所のドアがうずくまる志村が姿を見せる」という流れの良さに観客やお茶の間の視聴者は最初ハプニングとは思っておらず、そういうネタだと思われていたが、とっさに志村と加藤がアドリブを効かせて、観客と視聴者に実はハプニングである事を明かしたのである。前述のように建物崩壊といったセットの破壊が前提だった大掛かりなコントを常に行っていた為に、違和感がなかったハプニングであった。
これ以外にもセットに関しては、探検コントではまだ塗料が乾ききってなかったセットに火薬の火花が引火して火災報知器が鳴るハプニングも発生しコントがそこで中止になった（この時最初に中本が異変に気づき、続いて加藤が『山火事だ、山火事! 山火事を消せ!』とアドリブを入れて鎮火を行い、いかりやも燃え残りがないかを確認したという。一歩間違ったら会場そのものが火災現場になりかねなかったこの事態は、後に全国巡回のスタイルを止めた理由の一つになったらしい）ほか、「ベロベロに泥酔した加藤が送り届けてくれた志村を無理矢理新居に招いて酒を勧めたら、悪酔いして家具を破壊される」というコントをやるはずが、冒頭の問答で力加減を間違えた加藤に引っ張られた志村が勢いそのまま新居のセットに衝突して倒壊させてしまい、大幅にスケジュールを詰める事態になったこともあったり、逆に進行役だったいかりやが早めに切り上げてしまい、加藤と志村にやるはずだったオチを代行させられたこともあった。またいかりやがのどの手術をしたために2週間程声が出なくなっていた時も、笑いで上手く切り抜けている。
なお、上記のように有名になったハプニングだが、それ以外では企画会議で常に綿密に計算したコントを練っていた為に「一見ハプニングに見えるが実はよく練られた上でリハーサルがされたネタ」だったものも多々あるらしい。
悲しみの8時だョ!全員集合
いかりやの通夜会場で、弔問にかけつけたファンが午後8時になった途端にカセットテープに録音していた「8時だョ!全員集合」のOPを再生し、それに合わせて「全員集合」のコールが発せられる出来事があった(「長さん、8時だよ!」の声もあったらしい)。場が場だけに下手をすれば不謹慎と炎上しかねる事態だったが、ファンからの哀悼が込められた「通夜の弔問客＝全員集合」をかけたこの行動にいかりやの長男はむしろ深く感激したという。
関連動画
8時だョ!全員集合と言えばこの曲である。
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