概要
正式名は「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」。エニックス(現在のスクウェア・エニックス)のコミック誌、月刊少年ガンガンに連載されていたドラゴンクエスト>を題材にした漫画である。作者は藤原カムイ。少年ガンガン黎明期の主力作品であった。CDドラマや劇場版も公開されている。
しかし、同時期に週刊少年ジャンプに連載されていた『ダイの大冒険』のほうが知名度が高く、残念ながら『ロトの紋章』は地味になりがちな傾向にある。
現在、ヤングガンガン誌にて、続編「ロトの紋章 紋章を継ぐ者達へ」が連載中。
17年9月7日からドラゴンクエストモンスターズスーパーライトのイベントで初の登場。異魔神、ティーエ、獣王グノン、冥王ゴルゴナを仲間にできる。また、黒い隼の剣、ロトの紋章などのアイテムもモンスター専用アイテムとしてクリア条件や福引きで入手可能である。
18年8月上旬から星のドラゴンクエストで魔王軍侵攻イベント及びストーリーモードのイベントが登場し、アバターをアルス、キラ、ヤオ、ポロンへと変えられる(後半ではジャガン、アステアの服も追加)。敵では血塗られたロトの鎧のジャガンや、魔剣ネクロス装備のサーバイン、ヤマタノオロチ・強が相手になる。武装に於いては賢王のローブや杖、拳王の服などオリジナルが展開される。同年11月では緊急襲来イベントでジャガンとヤマタノオロチ・強と戦う。
その1年後である19年6月上旬より復刻開催。上記の装備に加えイヨ、イズナの装備、すれ違い冒険者では全国各地でロトの紋章のコラボ限定の地図の配布、新たに原作のストーリーに準じたクエストなどの新要素が追加。
ストーリー
時間軸としてはDQ3とDQ1の中間に相当。魔王バラモス・大魔王ゾーマが倒され、平和が戻った世界が舞台となる。
勇者ロトの子であるローランとカーメンが地下世界アレフガルドから帰還する。両者はもぬけの殻となった竜の女王の城とネクロゴンドに王国を建国し、『ロトの紋章』(ロトのしるし)を二つに分け、己たちの証しとした。そして勇者の旅の仲間であった3人のケンオウ(剣王・拳王・賢王)たちも各地に散り、ゾーマの残した最期の予言にあった『闇』の襲来に備えるべく自らの技の伝承に従事していく。
それから100年後、世界は異魔神と呼ばれる闇の存在に脅かされようとしていた。カーメン王国の王子・アルスは、生まれて間もない日に魔王軍によって故郷を奪われ、父母と離ればなれになってしまう。そして10年後、バハラタ辺境の仙人の隠れ里で成長を遂げたアルスは、やがて世界を救う自らの使命と運命にその身を投じていくこととなる…。
総評
全21巻と、月刊誌ではかなりの長編作品になる。同時期に連載されていた『ダイの大冒険』と比べ、初期から命のやりとりが多く非常にシリアスであり、人間ドラマ全体的にも重厚。物語が佳境になるとそれがより顕著になり、相次ぐ仲間の死や途中パーティ解散など、少年漫画の域をある種脱しているような部分もある。また大規模戦闘のシーンも多く、スケールの壮大さはドラクエ漫画史上でも当時としては類を見ないものであった。
ゲームへの影響
主人公・アルスの名前が、のちにDQ7の主人公のデフォルト名に設定されている。また例えば「マダンテ」のように、後のゲーム要素に技や呪文の設定などが反映されている部分もある。