概要
黒いガングニールのシンフォギアを纏い、ノイズを操る力で全世界へ宣戦布告をした希代の歌姫マリア・カデンツァヴナ・イヴ……
その正体は、かつてシンフォギア装者たちと死闘を繰り広げ、ルナアタックの元凶となった先史時代の巫女フィーネが輪廻転生した姿であった。
彼女の宣戦布告により新たな激戦の幕が切って落とされ、その中で彼女は強敵として君臨するのだろうと多くの視聴者が想像した。
……が、物語が進行するにつれ、目的のために非情になり切ることができず、民間人を巻き添えにしてしまった際には号泣するなど精神的に脆い面が目立ち始める。そもそも第1話の時点でせっかく取った人質を全員解放するという行為に及んでいるのだが、この時点では「実は優しい人なのでは？」という程度の印象であった。実際は覚悟のなさゆえだったわけだが。
シンフォギア装者としての実力も、アンチLiNKERによって適合係数が低下した翼より少し強い程度で、時間制限付きという点を考慮すると二課組に比べて些か劣るのは否めなかった。
そして新生フィーネという肩書きも、武装組織「フィーネ」を束ねるために演じていた（つまり詐称していた）だけという事実が明らかになり、当初の印象が覆されてしまったのだ。
劇中で最初に示された設定がことごとく嘘っぱちであり、歌手活動もテロリストになったために再開は絶望的……ということで、ファンは「マリアに残っているもの（マリアにしかできないこと）は何なのか」と疑問を浮かべることになる。
そして7話、ナスターシャ教授の「あなたはフィーネの魂など宿してはいない。ただのやさしいマリアなのですから」の台詞から、やさしい以外に取り得がないヘタレという揶揄を込めて「たやマ」という敬称が使われるようになった。意味合いとしてはマダオとほとんど変わらないと思ってよい。
自らの甘さ・覚悟の無さがもたらす結果を知り、決意を新たにしようとした矢先に「もう新生フィーネを演じる必要はない」とハシゴを外されてしまった彼女には余りにも酷い仕打ちであるが、序盤からポンコツっぷりが徐々に明かされていたため、視聴者が「マリア＝ヘタレ」という印象を抱くのも仕方のないことではある。
極めつけに、12話では暴走するウェル博士によって殴り倒され涙を流す。さらに追ってきた響と対峙するも、すでにガングニールを失っていた響に槍を素手でつかまれるという醜態を晒した。もはや普通の人間を追い散らすことさえできなくなっていた辺り、メンタルがボロボロであることがうかがえる。そしてトドメとばかりに、響によるガングニール強奪＆全世界全裸配信が行われた。
死体蹴りやめてあげて。
そんなマリアさんですが
精神的な弱さが何かとネタにされがちなマリアではあるが、強気な態度と正反対の脆い内面も彼女の魅力のひとつといえる。
そしてマリアの心境の変化が物語を大きく動かす要因となっており、フィーネという演目を捨てた彼女はマリア・カデンツァヴナ・イヴとして人類の救済に乗り出す。彼女もまた、シンフォギアＧになくてはならないキャラクターなのである。
また、調と切歌もフィーネの転生者だからマリアを手伝っていたのではなく、自分たちに優しくしてくれたマリアを純粋な気持ちで慕っていた。
マリアはヘタレだったかもしれないが、己の未熟さを呪い人を救おうとする優しさは本物であったことを、彼女の名誉のために追記しておく。
しないフォギアでのたやマ
「戦姫絶唱しないシンフォギア」ではオカン状態のマリア（アイドルになってよかったことは時折ケータリングで仲間に料理を持ち帰ること）など、本来優しく気弱な彼女が苦労しながらも奮闘する姿を見ることができる。「引っ込み思案の私」とも発言しており、精神的に弱い自覚は以前からあった模様。
なお、ライブ前の楽屋で翼と緒川に強気な姿勢を見せているが、実は内心ビビりまくっていたことも判明した。やっぱヘタレじゃねーか。
GXでのたやマ
GXでは（政治的理由によるものの）歌手活動を再開し、3話では自ら志願してS.O.N.G.に転属。当初は纏うギアを持たなかったが、エルフナインの手によりアガートラームが修復され、7話でついに戦線復帰を果たした。
フィーネを演じていた時のようなメンタル面の不調はなくなり、潜在的な戦闘ポテンシャルを存分に発揮。アガートラームの汎用性の高さも手伝い、LiNKER必須というハンデはあるものの、総合戦闘力は装者の中でもトップクラスとなる。
……が、新登場した強化手段であるイグナイトモジュールの扱いには苦労し、一度は暴走してしまった。翼やクリスも最初は抜剣に失敗しているが、暴走したのはマリアだけである。やはりまだ精神的な脆さは払拭しきれていなかったようだ。もっとも、翼とクリスは手を握り合うことで心を支え合っていたため、それがなければ2人も暴走していた可能性はある。
その後は無事に抜剣に成功し、単身でガリィを撃破するという活躍を見せた。劇中でオートスコアラーを撃破したのは、これが初めてである。また、序盤はメンタル絶不調の響を叱咤する一方、エルフナインとの交流によって優しい一面を見せるなど、頼りになるお姉さんキャラとしてのポジションを確固たるものにした。
その結果ついたあだ名が「たよりになる やさしい マリア」略してたやマ
彼女は今後もこのあだ名とよろしくやってくしかないようである。
た運マ
第4期AXZの前半ごろから、一部で使われ始めた派生形。
「ただの運転手のマリア」の略。
マリアはGでもティルトローター機のパイロットを務めており、「フィーネ」にとっては戦闘以外でも重要な役割を果たしていた。
そのため、このころから「マリア＝運転手」という印象を抱く視聴者は少なくなかったと思われる。GX2話でも、ファラの襲撃からの逃走中に自動車を難なく運転している。
そしてAXZ1話ではヘリコプターを操縦。
敵のミサイル攻撃を回避するなど、卓越した操縦テクニックを見せつけた。
同じく1話のBパート冒頭でも自動車を運転。
1話ラストまでは戦闘に出ず、短時間に2種類の乗り物を扱ったことで、すっかり運転手のイメージが定着してしまった。
とはいえ、本人も好き好んで「た運マ」になったわけではない。
この時期のF.I.S.チームは、エルフナインによるLiNKERの開発が思うように進んでおらず、迂闊に戦闘に出られない状態にあった。
そのため、どうしても後方支援に回らざるをえなかったのである。
6話にて無事にLiNKERが完成したため、それ以降は戦闘にも支障をきたさなくなり、「た運マ」の名は卒業した。
……と思っていたら、7話で愚者の石を探すために潜水艦を操縦。
もはや運転できないものがないんじゃないかとさえ思える。
9話で調神社に向かう際にも車を運転し、翼のバイクと並走する様子が見られた。
「運転もできるマリア」になったとはいえ、マリアと乗り物は切っても切れない関係にあるようだ。
余談
2016年2/27～28に行われた「シンフォギアライブ2016」のMC内にて、マリアを演じた日笠陽子から「『たやマ』って…なに？」という発言が飛び出している。（この発言があったのは2日目）
関連イラスト
関連タグ
秋山澪：マリアを演じた日笠陽子氏を代表するキャラクター。ツリ目で語気が強い、それに反比例して気が弱い、歌が上手い、巨乳であるなど、実は共通点が多い。
エルザフォルテ：中の人繋がりだけでなく、外国人キャラ、歌手活動している、初登場がシリーズ2期目と共通点が多く、キャストが日笠氏であると発表された際に一時話題に上がった。負け知らずでマリアとは精神面で真逆のようだったが96話で主人公に敗れて、その後母親との抱擁の場面はまさしく「ただのやさしいエルザ」と言える描写である。
オリオン座のエデン：男性キャラクターだが、『G』の放送とほぼ同時期に、平行世界の同一人物では？と疑うレベルのそっくりさんが存在していた。このキャラクターも体育座の聖闘士として有名な上、大切な人を喪って名前を連呼する・再起した後はやたらと頼もしい強キャラになるなど、かなりの共通点が見られる。ついでに装着する聖衣が銀色な上、片腕が大きい。
