木梨猛
きなしたけし
概要
本作の主人公で、仮面ノリダーに変身する男性。主題歌によると年齢は28歳。
元はごく普通の青年であったが、悪の秘密結社:ジョッカーに拉致されて手術を受け、改造人間:仮面ノリダーとして生まれ変わった(このあたりの経緯はオープニングで断片的に描写されているのみ。お馴染みの「ぶっとばすぞぉ~!」という台詞もこの時にジョッカーに対して言い放ったものである)。
かくして、木梨猛は二度と元の肉体に戻れない悲しみを抱えながらも、ジョッカーとの戦いに身を投じていくことになり、ジョッカーから差し向けられる怪人たちを相手に奮闘していくこととなる。
終盤では自分自身の体の中の機械に故障が起きてしまい(このことから、木梨猛は生体改造された改造人間ではなく、機械を埋め込まれた、一種のバイオサイボーグであったということになる)、最終話で遂に限界まで追い詰められてしまうが、この事を予知した猛はジョッカーに襲われ重傷を負った一文字マモルを救助し、仮面ノリダーV2に改造している。
キングジョッカー男を道連れに宇宙に散ったかと思われていたが、V2最終回で地球に帰還し、立花のおやっさんの跡を継いでアミーゴを経営する。そしてラッコ男とファンファン大佐によって復活したジョッカーを壊滅させ、最終的にヒロインのマリナと結ばれた。
ノリダーに変身したのちは、光線技「ノリダーカーニバル&フェスティバル」、ライダーキック「ノリダーキック」や、「ノリダーヘッドバッド」、ジョッカーのみなさんや怪人を突き落す「ノリダー海」「ノリダーあれを取ってきなさい」、2段変身「スーパーNORIだー」などの技を使う。
他に、フォーゼより先に磁力技を使ったり(「恐怖レンタルビデオ男」)、仮面ライダーJより先に巨大化したり(「恐怖ヒゲゴジラ男」)、ディケイドより先に分身したり(ノリダー最終回)、など、平成ライダーの魁とも言える要素が満載である。
余談
元ネタは本郷猛。本家を忠実にパロディしている。
ただし、本郷はとにかくストイックだが、木梨猛はマリナさんに猛烈に惚れている(マリナさんも猛のことが好き)ことが最大の違い。
しかし、時折改造されてしまったことに対する悲しみをふと漏らすこともあり、苦悩するシーンがある。このあたりは本郷と同じだと言えるだろう。
変身する前に、ラッコ男をはじめとした「恐怖○○男」に殴られる(ちなみに、本郷もヒルカメレオンに、変身ポーズを取る際にベルトを凍結され、最大のピンチに陥ったことがある)のと、「向こうで勝負だ!!」と言って跳ぶ際にお互いに蹴りを入れあうのがお約束。
立花藤兵衛に、アミーゴに駆けこむたびに水を要求し、「植物よ、でっかくなーれ!!」もお約束(次第に、「いや、水はいらん。みろ、お前のせいでこんなに大きくなっちまって……。」と立花が返し、「植物も生きているんだなぁ……」というのもお約束になった。
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以下、重大なネタバレを含むので、注意!! |
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劇場版『仮面ライダージオウ Over Quartzer』にまさかのゲスト出演。
クォーツァーの首魁の罠に嵌められ、牢獄に閉じ込められた常磐ソウゴの隣室に「ぶっとばすぞぉ~」というお馴染みの台詞と共に突然現れる。
ソウゴに素性を問われた際には、「仮面ライダーになれなかった改造人間さ」とだけ答え、「木梨猛」という本名は明かさなかった(名前はエンディングクレジットでのみ表記されている。諸事情により“仮面ノリダー”という作品名は使用できないためか、エンドロールではクレジットの後に“In the memory of Kamen hero”というフレーズが付加されている)。
クォーツァーの策略によって王として祭り上げられ、平成ライダーたちの力を奪うためにまんまと利用されていたことを知り、気落ちしていたソウゴを目にすると、「ライダーに選ばれなかった奴なんてごまんといる。」「ライダーとして選ばれたおまえには、ライダーとして戦う責任がある。」と述べてソウゴを叱咤激励する。しかし、これを聞いたソウゴが顔を上げた際には姿を消してしまっていた。
当初はソウゴが見た幻ではないかと思われたが、実は牢獄からジオウをはじめとする平成ライダーたちの戦いを見守っており、ライダーたちが激闘の末にクォーツァーの首魁が変身した仮面ライダーバールクスを撃破するのを目にした際には、大喜びしていた。
なお、『平成ジェネレーションズFOREVER』における野上良太郎(演:佐藤健)と同様、木梨猛が登場することは劇場公開されるまでトップシークレット扱いになっており(そのため、パンフレットにも木梨に関する記述や写真はおろか、本作のキャスト・スタッフのクレジットすらも一切掲載されていない)、劇場公開初日の第1回目の放映終了後に初めて情報が公開された。
元々『仮面ノリダー』は東映側に無断で製作されたパロディ作品であり、それも一因となって過去に東映側と揉めたという経緯があった(詳細は『仮面ノリダー』の記事の「公式か否か?」の項を参照)ことから、ファンの間でもノリダーが登場することが発表された際にはすさまじい衝撃が広がることとなった(結果、TwitterのトレンドやYahoo!の検索ランキングの上位に「仮面ノリダー」や「ノリダー」がランクインするという珍事が起こっている)。
登場できたのはこの劇場版作品が平成ライダー最終回と銘打たれたこと、さらに2013年に東映がノリダーの商標権を取得したことが大きかったのではないかと言われている。
ともあれ、何の前情報もなしに第1回目の放映を観ることになったファンが度肝を抜かれたことは言うまでもなく、都内のとある劇場では、木梨が登場した瞬間驚きの喚声や笑い声が上がったという。
その一方で、展開から30年もの年数が経ってしまったことや、他のレジェンドと違い配信などで気軽に知れる作品でもないために、最後まで誰かわからずポカーンとしていた劇場もあるなど、場所や客層によってかなりの温度差があったこともSNS上等で報告されている(児童層や10代のファンは元より、『ノリダー』をお茶の間で観る機会がなかった20代~30代前半の視聴者の中にも木梨がどういったキャラクターなのかわからず困惑する者が多かったとのこと)。