概要
型式番号AMX-107。ジオン公国系MSでも数少ない分離可変型MSでもある。
アクシズはグリプス戦役末期から可変MSであるガザCを実戦投入していたが、ガザCの変形機構は簡易型であったため、敵対勢力であるエゥーゴやティターンズが投入する可変MSに対して十分な戦果を発揮することが出来なかった。結果、本格的な可変MSとして本機の開発が急がれる事になった。
本機は、アナハイム・エレクトロニクス社の『Z計画』に携わっていた、旧公国系の技術者が開発を主導したとも言われており、所々の形状がΖガンダムに酷似している。
最大の特徴は、飛行形態において機体の上下を分離して運用ができることである。
当初は機体制御に複数のパイロットを搭乗させる案や、バウ・ナッターを遠隔操作で運用する案も上がっていたが、アクシズの人員不足やミノフスキー粒子散布下での制御困難から一時は可変機構を排して騎士(士官)専用機として改修された経緯を持つ。
しかし、パイロットを務めたグレミー・トトの手によって本来の開発案に戻され、下半身には慣性誘導装置と弾頭が積み込まれるに至っている。
これにより下半身を大型ミサイルとして射出し、敵機にぶつけるという戦法が可能となり、変形分離することで攻撃機としても運用可能な機体となった。
なお、便宜上、上半身はバウ・アタッカー、下半身はバウ・ナッターと呼称される。
完成した朱色の試作機には士官に成り立てのグレミー・トトが搭乗し、後に士官用として緑色の量産機が開発された。なおグレミー機の左フロントアーマーには龍飛(バウ)の文字がマーキングされている。
グレミーがハマーン・カーンへの反乱を企てた際には、量産型をグレーにリペイントした機体が運用された他、第2次ネオ・ジオン抗争の後袖付きに合流した機体がエングレービングを施した上で運用された。
なお、袖付き仕様機はバウ・ナッターの弾頭が外されコックピットブロックが増設されている。
武装
ビームサーベル
出力0.88MW。前腕部にグレネードとの選択式で収納されている。
グレネードランチャー
先述の通り、サーベルとの選択式で4発内臓する。
ビームライフル
出力3.6MW。モードの切り替えでアサルトライフルのような速射が可能。第23話ではロング・ビームサーベルを発生させ、ジュドーのZガンダムとつばぜり合いを行った他、第32話では、オウギュスト・ギダンのドライセンがこれを装備していた。
ミサイル
背面のフレキシブル・ウイング・バインダーに計6基を装備する。
メガ粒子砲付シールド
出力0.77MWのメガ粒子砲を5門内臓したシールド。
バリエーション
リバウ
型式番号AMX-107R。
バウの現存機を「袖付き」が大幅な改修を施した機体。
リバウ・アタッカー、リバウ・ナッターへの分離機構はそのままに、それぞれの機首部分にサイコフレームを搭載している。
詳細はリバウを参照。
GPBカラー
ガンプラビルダーズに登場した、コウジ・マツモトの追っかけの女性ビルダー・オオイガワ(CV:遠藤綾)が製作、操縦したガンプラ。全体的にピンク色で塗装されている。分離変形機構を活かして善戦していたが、イレイ・ハルのビギニングガンダムに敗退している。
もう一人の追っかけ女性ビルダー・イワモト(CV:金元寿子)のザクⅠスナイパーカスタムとセットでプレミアムバンダイ限定でキット化されている。
ガンプラ
『ZZ』放送当時に1/144スケールのプラモ(旧キット)が発売。
その後HGUCとして1/144スケ-ルでグレミー機、量産型が一般販売。 GPB仕様は、プレミアムバンダイ限定で販売された。
そして1/100スケールとして『RE/100』にてグレミー機が発売。量産型及びリバウがプレミアムバンダイ限定で発売されている。
小話
- 最初は、バーザムなどの生みの親【岡本英朗】氏によるデザインだったが、途中で岡本氏が出渕氏に渡している。
本機は【バーザムを分離可変型としてデザインされたもの】で、鶏冠の造形はその名残である。
ラフスケッチの段階での名前は「飛竜(ヒリュー)」で、「コウリュー」と呼ばれる量産タイプの頭部パーツのデザインが存在していた。
出渕氏がクリンナップを行う際に本機を『【モノアイのZガンダム】をイメージしてデザインした』とコメントしている。
- 腰部アーマーに施された文字は、監督の富野氏がプラスしたものだったのだが、出渕氏はアニメーションに起こす時に困難になってしまうため『これは、監督の指定だよ』(要約) と但し書きをしたという