概要
タケノコのように逆立った髪と太い毛虫眉毛が特徴で、目の下には両親と同じく線が走っている。父と同じく三面六臂を持つ超人。
彼が生まれた頃、既にアシュラマンは改心し(『マッスル・リターンズ』でも正義超人の親善試合を観戦に向かっている)正義超人に転向を図っていた。これにより相方であったサンシャインは、ただ一人残された悪魔六騎士としてd.M.p設立に向かうこととなる。
アシュラマンはシバを正義超人として育てるべく、自身が悪魔超人だった頃のことは隠蔽し立派に教育を施していた。ところが、シバはある日アシュラマンが隠していた悪魔六騎士時代の血に塗れたコスチュームを発見し、次第に狂気に駆られていく。己の父の化身である蜘蛛を惨たらしくひきちぎったり、鶏の首をくくる残酷な遊びに熱中していくシバを見て、イボンヌはそれを咎める。
だがシバはただ鬱陶しく思った、それだけの動機でイボンヌに阿修羅バスターをかけて殺害。
駆け付けたアシュラマンはその無惨な骸を見て愕然とするが、シバは「こんなことしてしまうなんてボクも汚い悪魔の血を引いているせいか」と釈明しながら血に塗れた姿でアシュラマンに縋りつく。
母殺しの罪を咎めたアシュラマンは、シバにアルティメット阿修羅バスターをかける。しかしシバはその状況においても、「パパは悪魔の血を引くボクを粛清したいだけだ」と挑発し、アシュラマンは逆上して降下を始める。
その最中、その言葉は発せられた。
いや、発せられてしまった。
「パパ……怖いよ~っ」
自らの子を自らの手で殺めたことにより、アシュラマンは正義超人の座を捨てる。
その後、悪魔の種子として全盛期の肉体を手に入れたアシュラマンは、キン肉万太郎との戦いにおいて、「シバを殺した動機はただの嫌悪の情によるもので、自分より強くなるシバの存在を疎ましく感じたからにすぎない」と嘯く。しかし、改良阿修羅バスターに捕らえられた万太郎が、「リングの上で言ってはいけない」とキン肉マンから言われたその一言を発し…。
考察
『キン肉マンⅡ世』はそもそも、あまりに血統を重視しすぎているきらいがある(ヒカルドとか)が、本エピソードはその中でも最も陰鬱かつ悲壮な話であり、「俺たちが見たかったアシュラマンはこんなのじゃない」というファンも多くいる。
しかし、改めてこの回想シーンを見てみると、シバの三面の一つ「笑み」の顔がおそらく意図的に、とある顔に酷似した姿で描かれていることがわかる。そして「その存在」こそが、アシュラマンを戦いの場に戻した張本人であることを鑑みると…。