概要
江口連による日本のライトノベル。イラストは雅が担当している。オーバーラップノベルス(オーバーラップ)より、2016年11月から刊行し現在既刊7巻(2019年11月現在)。
コミックガルドでは漫画家:赤岸Kが担当し連載が開始された。2017年12月25日に1巻刊行し現在既刊3巻。
2018年9月からスイが主役のスピンオフも連載されている。
第1巻発売直後の書泉ブックタワーによるライトノベル週間ランキングで1位を記録している。特典、書籍限定掲載以外の本編は小説家になろうで全話読める。
ちなみにゲーマーズのみ書き下ろし小冊子がついた特典版(通常版別)が販売されており、これはweb版と書籍版には収録されていない。
2018年4月25日にドラマCD付き特装版原作5巻発売。先行してコミックガルドのサイトにてボイスドラマが公開された。
(2020年1月25日、ドラマCD第2弾付き特装版8巻が発売予定。 )
なろう系で定番の「無双」にはあたるが、戦闘で活躍するのは主人公ではなく主に従魔達である。残虐な部分は割と控えめで、全体的にほのぼのとした飯テロ作品なのが特徴。また、主人公目線で物語が進行するので料理描写もリアリティのある内容となっている。
ちなみにメインヒロイン不在の『異世界もの』であり、本編で旅に出る主要キャラは今の所男(オス?)所帯である(登場キャラ自体は美少女、美女だけでなく老若男女バランスよく登場し、時には冒険者パーティと一時的に行動する事もあるが恋愛運がない)。
物語
レイセヘル王国によって異世界の勇者として召喚された…のではなく巻き込まれたサラリーマン向田剛志。
しかも鑑定では一級スキルと優秀なステータスを持つ勇者の少年少女達と違い、自分は『ネットスーパー』という戦闘力皆無のスキル。そして王様の身形を見た向田は…
「ダメだ。これはあかんタイプの異世界召喚だ」
と、二十枚の金貨(20万円)を得て退散。
本名を隠してムコーダと名乗り、『ネットスーパー』で様々な食品や調味料を調達して護衛を雇い飯を作っていると…何と匂いにつられて現れたのは伝説の魔獣『フェンリル』。
フェンリルはムコーダの料理を気に入り半ば強引に従魔契約を結ぶ。フェンリルを『フェル』と名付けて商人兼冒険者の異世界放浪メシ生活が始まる。
登場人物
※CVはドラマCDの出演者。
主要人物(ムコーダ一行)
ムコーダを筆頭にメシの為に活躍する冒険者パーティ。序盤からフェンリルを従魔にしたことから噂が拡散し冒険者達に知れ渡っている。現在は4つのダンジョンを踏破。パーティ名は未定だが、ブリクストの冒険者副ギルドマスターであるバルトロメオからはムコーダ一行と呼ばれている。従魔が強すぎてランクは(ランクCとランクAの期間はそれなりにあったとはいえ)あっという間にランクSに上がった。
CV:細谷佳正
2016年に勇者召喚に巻き込まれた主人公。職業は「巻き込まれた異世界人」。
本名は向田剛志。名字を名乗れるのは貴族のみなので異世界人である事を隠す為、ムコーダと名乗っている。料理が得意な元サラリーマン。冒険者兼商人として活動し従魔と異世界を放浪中の主夫。彼女募集中だが恋愛運は壊滅的。ちなみに自他ともに認める程、ネーミンズセンスが悪い。
固有スキルは地球の物資を購入する事ができる『ネットスーパー』
CV:杉田智和
ムコーダの最初の従魔でありメインパートナー。フェンリル。風の女神ニンリルの眷属。
CV:久野美咲
ムコーダの二体目の従魔。特殊個体のスライム。素直で大人しい。
CV:下野紘
ムコーダの三体目の従魔。ピクシードラゴン。やんちゃ。
ムコーダの四体目の従魔(ただし300年の仮契約)。エンシェントドラゴン。マイペース。
今の所、従魔の中で唯一神の加護を得てない。
神々とその眷属達
天上の世界に住む異世界の神達とその眷属達。それぞれ神界の宮殿に住んでいる。
酒や食事もあるがその水準は地上と同等で、異世界(地球)の物資にハマってからはムコーダ一行に加護を与える代わりに祈りと貢物を献上させている。
ムコーダの『ネットスーパー』を重宝し過ぎる余りにパーティー全員に加護を与え、『完全防御スキル』『経験値獲得倍化』まで授け、しまいには創造神の登場でムコーダの寿命を延ばすという前代未聞な現状になっている。
神々にはそれぞれ眷属がおり、眷属達は神界や地上で活動中。風の女神ニンリルにはフェルや漫画版で登場した世話係の女性らがいるが、それ以外の眷属は未だに出番がない。
ムコーダは創造神や地球の神以外の付き合いの長い神々を時々まとめて神様ズと呼んでいる。
女神
ムコーダの貢物と引き換えにムコーダとその従魔たちに加護を与えるが、それ以外の手助けは一切しない。ストーリー上でもweb版455話でムコーダに質問されるまでムコーダへの情報提供すら行わずネット通販の紹介しかしなかった。
CV:佐倉綾音
眷属のフェルを通じてムコーダを知り、加護を与える代わりに貢物と称して甘味をたかる。神々の内では年長であるがムコーダを含めて周囲から敬られていない。若く絶世の美女の見た目に反して口調は年寄。銀髪で向日葵の髪留めをつけている。火の女神や男神以上に早く貢物を消化してしまう堪え性がない残念女神の代表格。最近は甘味のせいで太り気味。
貢物に夢中になりすぎて仕事をさぼり気味なのか風の女神の教会がボロボロな状態を見てフェルに危機感をもたれたり、こんな教会なら存在しない方がマシと神様ズのお笑いの対象になっている駄女神。
残念女神ではるが、フェルを含む眷属達からは一応尊敬されている。外伝スイの大冒険ではフェルは女神の残念ぶりに気が付かないふりをしている。
風の女神の眷属:フェル、他
ニンリルが貢物をたかっている場面を目撃し他の女神達にばらした。適性のあるムコーダに加護を与える代わりに美容製品を貢物とする。口が達者で要領が良く、ややヒステリック。豊満な肉体を持つセクシーな美女。金髪で牛の角の装飾が特徴。地上では豊作・豊穣の神として祭られている。一応水の女神の次にしっかりした女神である。
キシャールに教えてもらい適性のあるムコーダに加護を与える代わりにビールやつまみを貢物として求める。口調も砕けた活発な美女。露出度が高い恰好をしており、赤髪褐色肌。日常的に従者達と槍の厳しい鍛錬に励んでおり恐れられている。好物が親父臭い。
キシャールに教えてもらい、ムコーダに加護を与えようとしたが水魔法の適性がない為に従魔のスイに加護を与えた。貢物は洋菓子や御飯。大人しく幼い外見をしているが神達の中で一番のしっかり者で創造神デミウルゴスの謹慎処分中でも時間停止効果のあるアイテムボックスを利用して計画的にムコーダの送った貢物を楽しんでいた。口数が少ないが喋るのが面倒なだけで無口というわけではない。青髪でフリルドレスを着ている。
男神
ムコーダの貢物と引き換えにムコーダとその従魔たちに加護を与える。ダンジョン攻略の情報やスキルやアイテムを授けたりと女神達よりムコーダに協力的(ただし下心あり)である。
アグニの酒の匂いを嗅ぎつけ、酒を求めてフェルとドラちゃんに加護を与えた。女神達よりムコーダに協力的?でレベル上げやダンジョン踏破をさせるべく、ヘファイストスと組んで『獲得経験値倍化』『神の聖刻印』を贈った。長髪の精悍な男性で骨の装飾を身に着けている。好戦的な性格。
ヴァハグンの教会形態は戦神を信仰している者たちが集まって集団生活しているような場所である(ムコーダ曰く虎の穴)。フェンリルの正体を見抜ける者が師範(冒険者Cランクの実力者)以外いなかったので冒険者ランクの実力でいうとDランク以下である。戦神の信者は群雄割拠の小国群に多く、エルマン王国とレオンハルト王国にある戦神の施設は、小国群に多くいる傭兵の子どもの受け皿としてできた。
アグニの酒の匂いを嗅ぎつけ、酒を求めてスイに加護を与えた。女神達よりムコーダに協力的?でレベル上げやダンジョン踏破をさせるべく、ヴァハグンと組んで『獲得経験値倍化』『神の聖刻印』を贈った。小柄で筋肉質な老人の姿をしている。
鍛冶神の教会形態はエルマン王国ブリクストでは鍛冶屋そのもので信者はドワーフが多い(web452話)。ムコーダは寄付の為に熟練ドワーフ作の魔鉄製のウォーハンマーを購入した。
鍛冶神自身もドワーフの信者が多い為、信者に危害を加えるルバノフ教を嫌っている。
創造神デミウルゴス
web285話で登場した異世界の最上位に君臨する神。神達がムコーダに貢物をたかるのを見て怒り、貢物を没収した。勇者召喚は地球と異世界両方を滅ぼす禁忌の術である為に地球に帰せない代償に、無理やり異世界に召喚された者達に多少融通を利かせている。地球の神と仲が良く、日本の酒が大好きで定期的に酒を提供してもらう代わりにムコーダに加護を与えた。
ムコーダにとっては色々な情報を提供してくれる上、貢物をたかる神々を制御する強力な後ろ盾として最も重要な存在となっている。
他の神々と違い創造神は下界に関わる事は滅多になく、加護を授かった人達も創造神の存在を隠し、知られないようにした。神託もほとんどなかったとされている為、教会は存在せず地方の言い伝え程度でしか伝わっていない。なおムコーダへの神託は多い方でありムコーダの人生を娯楽として楽しんでいる雰囲気すらある。
ムコーダからの貢物はデミウルゴスの眷属が嫌がる仕事へのやる気を出させる為に有効活用されている。
神々の貢物を没収した時は眷属らと分け合い貢物を消化しきった。
なお創造神デミウルゴスの眷属たちは未だ未登場である。
地球の神
創造神デミウルゴスと知り合いで唯一ムコーダと関わっていない神。
勇者召喚者
カイト一行
レイセヘル王国によって勇者として召喚された三人の高校生達。一級スキルと優秀なステータスを兼ね備えた『異世界からやってきた勇者』。魔王討伐ではなく実は領地拡大の兵力として呼び出され、国の企みに気づくと国外へ脱出し冒険者パーティを結成。パーティ名は不明。現在Cランク。
異世界の世界観に合わせて後に三人仲良く結婚した。
高校生。聖剣士。王の言葉を鵜呑みにしハニートラップに引っかかって危うく隷属化されるところだった。王国の目論見に気づき魔物の襲撃に伴い二人を連れて国外へ脱出した。
炊事洗濯は駄目だが、火の魔法を利用し風呂を沸かす事は得意になった(何処かの異世界の劣化内密さんみたいな存在)。
異世界の結婚の価値観に困惑していたが、後に莉緒と花音の二人と結婚して夫婦となる。ジャニーズ系のイケメン。
女子高生。聖槍使い。櫂斗と同じく王の言葉を鵜呑みにしていたが莉緒の豹変に危機感を覚え、櫂斗と脱走計画を練り魔物の襲撃の際に国外へ逃亡した。クールな性格で掃除が得意。スレンダーな体型の長髪美人。
女子高生。支援特化型で聖魔法を習得している。意中の騎士から贈られた『隷属の腕輪』を嵌めたことで性格が豹変し奴隷化した。しかし、魔物の襲撃で腕輪を嵌めていた方の腕が切断されたことで正気を取り戻し、二人とともに国外へ脱出。その後、創造神デミウルゴスの計らいでダンジョンで劣化エリクサーを発見し、失った腕を復活させた。勉強家で料理も得意。小柄なアイドル系美少女。
なお、書籍4巻ifのムコーダが3人の勇者を助けるルートだと料理の趣味が一致してムコーダと彼女に恋愛フラグが立つ。
松本和希
2014年、大学生だった和希はバイトに向かう途中にムコーダが召喚された世界の600年前のアスタフィエフ王国の勇者召喚に巻き込まれた。非道な隣国から助けを求められたが悲壮感や説得力がなく国に疑心をいだき、能力を確認される前に確認したら賢者だった為、勇者2名に気を取られている内に自分の能力を隠蔽書き換えし国を騙しきった。「市井で静かに暮らす」と言うと認められたが、5日後に辿り着いた辺境の地の森で国の兵士らに置き去りにされMPKされかける(勇者召喚の噂は他国にも伝わっており、役立たずを即処分すると外聞が悪い為、直接処刑はできなかった)。賢者の固有スキルで魔法を短時間で習得していた為、森の魔物を倒してアスタフィエフ王国を脱出し、隣国のスレザーク王国で「カズ」という名で冒険者登録をした。
冒険者ギルド
web4話で登場した超国家組織。登録することで冒険者として活動できる。
ムコーダは当初、冒険者登録ではなく依頼者側として、フェーネン王国までの護衛の依頼を出し冒険者達を雇った。
各地にギルドが設置され、依頼を受けることで報酬を貰い失敗すると違約金を払うシステムになっている。G~Sの8つのランクがあり、実力が認められればギルドマスターの権限で階級が上がる。討伐した魔物を解体する費用は他より安くなる為、ムコーダは鉄の意志(アイアンウィル)の勧めで従魔の狩る魔物を解体してもらう為に加入した(web版13話)。
登録当初はGランクから始まり、最初に受けられる依頼もGとFランクのみである。
なお、地図も売っているを知らずムコーダは冒険者に騙されぼったくりにあった(web28話)。
極小の水の魔石と火の魔石なども1個金貨2枚で売っている(web318話)。
レオンハルト王国冒険者ギルド
web61話カレーリナのギルドマスター。元Aランク冒険者。薄毛で白髪の壮年男性。
王宮から至急の伝達及びムコーダをCランク冒険者に一気に昇格し、冒険者ギルドで滞りがちな高ランクの依頼をギルドマスター経由から直接受けてほしいとムコーダ一行にお願いした。
ラングリッジ伯爵と懇意の仲。ムコーダが拠点することを大歓迎した。
のちにムコーダ製『神薬毛髪パワー』により頭髪が快復。
web63話で登場したカレーリナ冒険者ギルドの解体屋。禿の中年男性。
ムコーダ一行と付き合いが長くなってくると数々のSランクの魔物素材で耐性がついたのか、web456話では多少警戒しながらも古竜の鱗やフェンリルの毛にも興味をもちはじめた。
web117話で登場したドランのギルドマスター。元Sランク冒険者。美形な壮年エルフ。
ドラゴンをこよなく愛するが故に暴走する自由人だがドラゴンを解体できる技術と豊富な魔物の知識を持ち、薬学にも精通している。ムコーダ一行と組んでエイヴリングのダンジョンを攻略した。
ムコーダの固有スキル「ネットスーパー」を知る数少ない人物で異世界の食べ物にハマっている。詳しくは後述。
悪人ではないが面倒くさい人である為、ドラちゃんのストレス対策の為にもドランを拠点にすると拠点に住みつかれる可能性があったので止めておいた。
web160話でムコーダと知り合ったドランの副ギルドマスター。元Bランク冒険者。宝石等も目利きできる有能な人物。
自由奔放なエルランドに頭を抱える苦労人。上司に容赦なく毒を吐くが全て正論。妻子持ち。中年で少しお腹が出ている。
ムコーダは商人ギルドに宝石を安く買い叩かれそうになった時にウゴールの介入で助けてもらった事もあり、ムコーダはエルランドの行動で苦労しているウゴールにお礼として色々差し入れを贈っている。その贈った品はエルランドよりも多めでいいものだったりする。
- ロドルフォ
web107話で登場したクレールの冒険者ギルドマスター。元Sランク冒険者。ドワーフ。
かつてエルランドとは同じパーティを組んだ仲間で理解者でもある。
冒険者ギルドの大口取引先のブルーノ商会の依頼でヴェノムタランチュラ(大蜘蛛)の糸が必要で生息地がこの街の北にあるイシュタムの森で毒持ちの蟲系魔物と言う事で受ける冒険者が皆無だったがムコーダ一行によってその悩みは1日で解決された。
- ヨーラン
web178話で登場したネイホフのギルドマスター。元冒険者(ランク不明)。
仙人のような老人。温厚。
陶器の原材料になる粘土採掘している採掘場に人の味を覚えて住みついたキュクロープスの討伐とネイホフの西の森は街の一部の陶器工房の窯の薪の採取場所になっていたが、食虫植物イビルプラントが大量発生したので早めに討伐してほしいと依頼されたムコーダ一行によって2日で討伐された。
- マルクス
web203話で登場したベルレアンのギルドマスター。元Aランク冒険者。海賊のような風体をした長身強面の男性。現役時代に片目を失って引退し、ギルドマスターの職に就いた。愛妻家で親子程年離れた妻と娘を溺愛する。
滞ってたクラーケン討伐をムコーダ一行に依頼したが、ムコーダ一行が海上に出る方法以外はさほど苦戦する事はなかった。
- カルロッテ
ベルレアンの女性職員。宝石類に詳しく、ムコーダが商人ギルドと取引する前に同行を依頼した。
- ナディヤ
web230話で登場したエイヴリングのギルドマスター。元S級冒険者。『巨人姫』の異名を持つ。豪胆な人物で怒るとエルランドが竦む程の気迫を見せる。エイヴリングダンジョンの踏破冒険者誕生の為にエルランドのムコーダ一行への仲間入りを認めた。
- ジャンニーノ
ローセンダールのギルドマスター。元冒険者(ランク不明)。ぽっちゃり体型。
見るからに人のよさそうな人物。
エルマン王国冒険者ギルド
- イサク・シェルヴェン
web版392話で登場したヒルシュフェルトのギルドマスター。貴族出身で冒険者経験無しの学卒。事務職の有能さから若くして昇格し問題のあるギルドを転々とした結果、気苦労が重なりバーコード頭と化した。
- トリスタン
web版405話で登場したブリクスト冒険者ギルドのギルドマスター。腰の低さは、商人ギルドのギルドマスターといった方がしっくりくる人物。ムコーダのプリクストダンジョン踏破を期待していた。ギルドの運営に関することやドロップ品やらの売買に関することを担当している。
古竜の正体を瞬時に見抜き気絶した。後日バルトロメオと一緒に商談を行った。
ひい爺さんがドワーフだった為、ルバノフ教を嫌っている。
- バルトロメオ
web版447話ブリクスト冒険者ギルドの副ギルドマスター。筋肉ムッキムッキだけど暑苦しさがない無精ヒゲを蓄えたダンディなイケオジ。
冒険者への依頼や冒険者への指導など直接冒険者に関することを担当している。
気絶したトリスタンの代わりにムコーダ一行を迎えた。細かい所に気が付く人物。
冒険者
冒険者ギルドに所属する冒険者達。少数だがソロで活動する者もいる。
Cランク以上になるとフェンリルの正体を見分けられる実力者。
- 鉄の意志(アイアンウィル) Cランク
web版では4話、小説版では1巻、漫画版では1話から登場。
リーダーはヴェルナー。剣士のヴィンセント。斥候のリタ。魔法使いのラモン、回復術師のフランカの五人メンバー。
フェーネン王国までの護衛としてムコーダが初めて依頼した冒険者パーティ(金貨8枚徒歩移動食事付き)。フェンリルの情報からロックバードの解体(ムコーダは追加報酬として肉以外の素材を渡した)、フェルの捕った魔物解体の為にも冒険者ギルドを活用した方がいいなど色々と助言したことで懇意の仲となる。
web10話で別れてもムコーダの料理を恋しがっていたが、後に念願叶ってドランダンジョンの12階層で再会した(web132話)。
- 不死鳥(フェニックス) Cランク
リーダーはラーシュ。他のメンバーはムコーダ曰く「DとEレベル」。ランベルト商会の貨物を護送中に盗賊に襲われていた所を、カレーリナに向かう途中のムコーダ一行に助けられ難を逃れた。義理難くムコーダがごちそうしてくれたお礼に力を貸すことを約束する。
ムコーダ一行はカレーリナを拠点にしているので外伝のスイの大冒険でも登場する事があり、地味に出番は多い。
- 嵐(テンペスト) Aランク
web136話で登場した冒険者パーティ。
リーダーはジェローム。シリル、ジュリオ、ダミアン、フランシスカ、ベラの男4人女2人の六人メンバー。Aランクはリーダーを含んだ2人。Bランクは4人。ダミアンの彼女が回復役。
2回目のドランダンジョン22階層で前回の慢心により今回の魔物増殖に対応できずダミアンが並の回復魔法では治療できないほどの瀕死の重傷を負い、ムコーダから(スイ特製)上級ポーションを購入(金貨15枚を渡してきたので下級ポーション3本をおまけにつけた)して窮地を乗り越えた。それから軽食(ポークチャップバーガーとコンソメスープ人数分で銀貨6枚)も買って撤退した。
限定小冊子によると冒険者ギルドの調査でムコーダへの恩から協力を拒否している。
- 嵐の使者(ストームプリンガー) Fランク
web190話で登場した冒険者パーティ。冒険者になり半年でFランクに上がったばかりだった。
リーダーは剣士のアントン、剣士のフィリップ、弓士のブリジッタ、魔法使いのパウルとリヴィアの少年少女の五人で構成されている。
魔法使いのパウルは土魔法のピットフォールで強敵を倒すきっかけを作ったり、冒険者ギルドで情報収集していた事でムコーダ一行の正体がAランク冒険者(彼らと出会った当時)である気づいたりと機転がきく。ムコーダ一行がネイホフでスイの超巨大化スキル確認後の食事準備中にムコーダ一行と知り合い、疲れ切っていた彼等に食事を提供した後に彼らをスイに乗せて街に送った。
彼等は翌日にムコーダ一行を街案内した。アントンとブリジッタの実家は工房主。
限定小冊子によると後にAランクパーティとして名を馳せる。
- 影の戦士(シャドウウォーリア) Cランク
web196話で登場した冒険者パーティ。
リーダーは大剣使いアロンツォ、片手剣使いクレメント、斥候マチアス、火と風と回復魔法使いアーネストのゴツイ強面の四人メンバー。
ネイホフのオークの集落殲滅依頼でムコーダ一行と協力して完遂したオークスレイヤーでもある。スイに乗って移動したので1日で任務完了した。
彼等からベルレアンとエイヴリングの情報を得た。アロンツォは魚が苦手だった。
後にエイヴリングで再会(web272話)し祝勝会で『箱舟』とも交流を持つ。
エイヴリングダンジョンの特別個体大量発生の周期を、何度も助けられてきたマチアスの勘の鋭さで回避した。
- 箱舟(アーク) Aランク
web247話で登場した冒険者パーティ。リーダーはバスタードソード使いの剣士ガウディーノ。槍士のギディオン、ドワーフのジークヴァルド、魔法弓使いエルフのフェオドラの4人メンバー。エイヴリングのダンジョン14階層でムコーダ一行とエルランドと出会い、食事を共にした。エイヴリングダンジョン2回目のアタックだったが、5~10年の特殊個体大量発生の周期に当たってしまった事で人数分準備してた毒消しポーションが足りなくなった為。撤退の為、14階のボス部屋の魔法陣までムコーダ一行に同行する事になった。
ムコーダ一行の踏破後は祝勝会で『影の戦士』と交流を持ち、お礼にブリクストのダンジョンの転移石を贈った。ムコーダは食事を美味しそうに食べるエルフのフェオドラに好感を抱いていたが、五人の子供と孫を持つ年配女性であることを知ると諦めた。
アークのシーグヴァルドが「魔鉄製のウォーハンマー」を所持していた事がきっかけでweb452話でムコーダは鍛冶神の教会に寄付として同じ武器を購入している。
過去に存在した冒険者団体
- 陽光の団 Sランク(引退)
32年前に解散したパーティ。人数は不明。
かつてエルランドとロドルフォが所属していた。引退後はメンバーがギルドマスターになっている事から現役時代は非常に優秀だった模様。
ドランダンジョン30階層のボスであるベヒモス直前まで踏破したが、勇気ある撤退を選んだ。
エイヴリングダンジョン17階層まで踏破(18階はアンデット階層だったので撤退)
- 虎の牙(タイガーファング) Cランク(奴隷落ち)
任務に失敗して違約金が払えず奴隷落ちしたが、ムコーダ邸の警備の為に買取られた。
- 実力派冒険者パーティー(名称不明) ランク不明(プリクストダンジョン37階層で全滅)
リーダー、大斧の獣人冒険者、片手剣の細身の冒険者、赤虎を操るテイマー、キツイ顔立ちの女性冒険者、エルフの女冒険者の6人で構成されていた。
ギガントミノタウロス相手に一人一体なら倒せるほどの実力がある。
ブリクストダンジョンで戦闘中のどさくさに紛れて流れ矢でムコーダの負傷離脱を狙うがフェルの結界と完全防御スキルで無効化された。
彼等の企みに気づいたフェルとドラちゃんが、ムコーダに知られないよう念話相談し彼等に力を見せつけてムコーダに手を出させない作戦を決行。フェルやドラちゃんやスイがギガントミノタウロスを一撃で倒した事によりムコーダ一行に関わらずにダンジョン攻略を優先させたが、攻略を急いだ彼らは12匹のギガントミノタウロスのボス部屋に閉じ込められ8匹倒したものの全滅した。
- カズ Sランク
2014年に600年前の異世界に召喚された日本人。本名は松本和希。元大学生で職業は賢者。大学生でありながら危機的な状況を把握してムコーダと同じく召喚された王国を見限り、魔力で能力を隠蔽し意図的に追放される形で出国した。『賢者カズ自叙伝』と開発した魔道具、転移魔法陣を後世に残しムコーダの手に渡る。詳しくは後述。
固有スキルはあらゆる魔法に関する理解力を深める『深遠』
冒険者(書籍版)
書籍版のみに登場する冒険者
- ヨハンネス Eランク
書籍版3巻のみ登場するソロ冒険者。ムコーダの数少ない友人。
珍しい採取専門で植物の知識が豊富。両親が営む飲み屋が経営難に陥り悩んでいたが、ムコーダの協力で新メニューを売りに出すとたちまち人気店となった。
- マウリッツ Bランク
書籍版5巻のみ登場するソロ冒険者。狼の獣人。
不良に絡まれていたムコーダを救った好漢。人間の妻との間に二人目の子供を儲けるべく、精力剤目的にムコーダと一時的にパーティを組んだ。
商人ギルド
web10話で登場した国を超えた組織。アイアン、ブロンズ、シルバー、ゴールド、ミスリルの5つのランクがあり規模によって登録金、年会費と会費が異なる。ムコーダの場合は異世界を旅したいという動機で一番ランクの低いアイアンランク(行商人、屋台など店舗なしで商売する者)を選択。
各地にギルドが設置され、商品の売買も可能。ダンジョンのドロップ品目当てに冒険者ギルドと協力することもある。
フェーネン王国商人ギルド
- ロベール
web版12話にて登場したファリエールのギルドマスター。ムコーダから塩と胡椒を購入し品質の良さに驚愕し、彼に『ネットスーパー』の利点を実感させた。
レオンハルト王国商人ギルド
- アドリアーノ
ドランのギルドマスター。ムコーダからダンジョンで入手した宝石を最初に提示した額で購入しようとしたがウゴールの介入で大幅に引き上げた金額で購入した。しかし、只では転ばず、街の限られた食事メニューを増やそうとムコーダに依頼しフライドポテトを教えて貰った。それは後にドラン発祥の名物料理と化した。
- ゲルト
ベルレアンのギルドマスター。ムコーダがダンジョンで入手した宝石を購入したが、ドランの一件でカルロッテにも査定して貰い、増額した金額で購入した。
- ハンソン
エイヴリングのギルドマスター。六十代後半。
物腰丁寧で腰が低い。ダンジョンを踏破したムコーダ一行とエルランドからドロップ品を購入すべく冒険者ギルドと協力した。
ランベルト商会
ランベルト商会の頭役。カレーリナで代々続く商人。四十代の男性。
フェニックスに護送を依頼し街に帰る途中で盗賊に遭い、ムコーダ一行に救われる。
以降は彼の良き相談相手として交友となる。妻の勧めでムコーダと取引し、シャンプー等の美容洗剤を売る。
ランベルト商会の一員でランベルトの妻。三十代。美人で押しが強く、旦那を尻に敷いている。ある事情で夫が試用していたシャンプー等の美容洗剤を聞き出し効果を実感。家での販売を勧め、店の売り上げに貢献した。
ムコーダ邸
ムコーダがカレーリナを拠点にするべく購入した豪邸の事。豪邸を管理する為に買った14人の奴隷達の主な仕事は屋敷の掃除担当、庭の担当、商品の管理、外の警護等である。奴隷落ちする以前より良い暮らしが送れているので全員がムコーダに感謝している。
詳しい説明はムコーダ邸の記事を参考。
その他
- ダリルとイーリス
web156話で登場したドランに住む幼い兄妹。オーク達に襲われている所をムコーダ一行が助けた。ダリルが10歳でイーリスが8歳である。父親は冒険者だったが、4年前に行方不明になった。病に伏せる母の治療の為に小銭を稼いでいたが、ムコーダに薬(スイ特性劣化エリクサー)を譲ってもらった。ダリルは小さいながらも時間経過の遅いアイテムボックス持ちでいつか商人になった後で恩を返そうと思っている。
- メイナードとエンゾ
web357話で登場したローセンダールの孤児院に住む子供。料理人を目指し、ムコーダを「師匠」と呼び慕う。肉祭りではムコーダ直伝のモツ煮込みと秘伝のタレを使ったモツ焼きを販売し、見事5位に入賞した。
世界観(創造神デミウルゴスの世界)
ムコーダ曰く「中世ヨーロッパみたいな世界」。よくある剣と魔法の世界である。
ファンタジーに例外なく異種族や魔物が存在する魔法文明である。空気中には魔素という特殊な原子が存在する。
異世界(地球)の方がはるかに文明が進んでおり、物資も共通する言葉はあるが個々によって名称は違う。
創造神デミウルゴスが創った世界であるが、地球の神が創った地球のように召喚された異世界に正式名称があるわけでもない。
種族
この世界で最も人口を占める種族。能力は平均的。国によっては信仰上の都合で異種族を迫害している。
- エルフ・ハイエルフ
耳長で美しい容姿の種族。性格の特性は自由奔放。魔力も高めでアイテムボックス持ちが多く、全種族の中で最も長寿であり寿命は500年程。30歳で成人を迎え、300歳以降になると老いていく。酒は苦手だが舌が肥えているので「美味いものが食いたければエルフに聞け」という諺が存在する。ハイエルフだと1000~1500年と寿命も長い。種族魔法は草木魔法。
低身長に筋肉質といった体格を持つ種族。性格の特性は頑固で、無類の酒好きでもある。血気盛んな性質と手先の器用さから冒険者や鍛冶職に就いている者が多い。エルフよりは劣るが長命種で寿命は2、300年程。全種族の中では魔力は低め。
獣の特徴を持つ人型の種族。身体能力が高い。ドラマCD版によると獣型の魔物と種類が同じだと本能的な上下関係が存在する。
魔族領及び別大陸に住む種族。人間やエルフ、獣人に似て非なる容姿を持ち中にはオークやゴブリンに似た種族もいる。寿命は2、300年程。全種族の中でも最も魔力に長けている。種族魔法は黒魔法。
巨人族の島に住む種族。その名の通り長身の種族で魔族と国交を持つ。
貨幣価値
1か月4人家族で金貨6枚あれば最低限暮らしていける。屋台の串焼きが1本鉄貨5枚。宿は1泊食事付で銀貨4枚(web2話)。石鹸1個で銀貨3枚(web3話)。
鉄貨1枚⇒10円 銅貨1枚⇒100円 銀貨1枚⇒千円
金貨1枚⇒1万円 大金貨1枚⇒10万円 白金貨1枚⇒100万円
マルベール王国
レイセヘル王国と国境に接している国。人種差別もない平等国家であるが北に魔族領、南にガイスラー帝国、東にレイセヘル王国、ルバノフ神聖王国があり隣国に恵まれない。王宮は亡命した勇者達であるカイト一行を察知してるが、その時点では王国兵達と強さがあまり変わらず、政治問題にもなるなどメリットが少ないとして諸々の事情で放置している。魔族と組んでレイセヘル王国を滅ぼし、接収した領地を治める事になる。
本編ではカイト一行が拠点に冒険者として活動中。
国宝は魔剣ベリサルダ。300年前当時のマルベール王国出身のSランク冒険者がどこかのダンジョンから持ち帰ったと言われているものを買い取った。その価値は国家予算に相当した。(web155話)
クラーセン皇国
レイセヘル王国の東隣にある国。歴史ある国家であるが皇族による内輪もめにより治安が荒れている(web27話)。
130年前の当時クラーセン皇国にあったラッカムという中規模の街がジャイアントコックローチ(ようするにG)の大群に襲われて一夜にして滅んだ”ラッカムの悲劇”が長寿種の中では有名な話になっている(web254話)。
クワイン共和国
海側の小国が併合して誕生した平等主義国家だが、早くも分裂状態(web27話)。
カイト一行のカイト情報によるとマリベール王国、エルマン王国、レオンハルト王国に次いで神々の信仰の自由が認められている小国。
エルマン王国
大陸の東にある国。レオンハルト王国とは協力体制にある。強力な軍事力を持つ差別のない平等主義国家。上層部は一度ムコーダ一行を取り込もうとしたが、レオンハルト国王の警告書簡でそれを諦めてレオンハルト王国と同じ方針を取った。
web版389話で入国し、ブリクストダンジョン攻略後、455話にて出国した。
ムコーダがトリスタンとバルトロメオ達と献上品の相談をした甲斐もあり、トリスタンらによって届けられたサファイアで統一した指輪とネックレスとイヤリングの組み合わせが王妃の心を射止め、好印象を与えた。国王も黄金に輝くズラトロクの角を寝室に飾るほど気に入った。ムコーダが国家存亡に関わる無理難題や理不尽な要求をしなければ彼の要望する一般の冒険者と同じ自由に暮らしを叶える為に直接干渉しない事にした。
同時にルバノフ教は国外追放する方針に決まった。
書籍4巻のifでは3人の勇者カイト一行とムコーダがこの国を拠点にしている。
レオンハルト王国
大陸の東にある国。北に位置するエルマン王国とは協力体制にある。強力な軍事力を持つ差別のない平等主義国家。国王は「確実に実を採るタイプ」で王族や貴族はムコーダ一行(正確にはフェル様の怒りで国を滅ぼさない為)を干渉しない代わりに緊急時にはお願いしますという条件で制約している。冒険者ギルドでも強い影響力を与えており、ムコーダはお礼として国王にエルランド経由で解毒のネックレスを献上している。
国王はムコーダに会いたがっているが、従魔リスクによる亡国回避の為、断念している。
近年ではムコーダ一行の活躍により二つのダンジョンが踏破され、異世界の食文化や物資が広がりつつある。
国宝は魔剣アロンダイト。この国の初代国王がこの国にあるダンジョン(ちなみにここドランダンジョンではない所)から持ち帰ったものである。(web155話)
ちなみにムコーダの魔剣(当時)を合わせると国内で二本も所蔵しているが、エルランドの反応を見た後は報告も献上もされていない。
カレーリナ
カレーリナの街はレオンハルト王国でも5番目に大きな街。後にムコーダ一行の拠点となる。
人間至上主義国家・ルバノフ国教国家
- レイセヘル王国
ルバノフ教を国教とする人間至上主義国家。エルフ、ドワーフ、獣人を奴隷とし、魔法の腕輪で拘束している。領地拡大を目論み魔族領とマルベール王国に勝つべく禁忌の術である勇者召喚で向田剛志、斉藤櫂斗、大野花音、吉田莉緒らを召喚した。
勇者達が全て逃亡した後も再び勇者召喚を行ったが、その愚行に神に見放され勇者召喚は失敗し、結局は神やムコーダ一行が直接手を下すまでもなく魔族領とマルベール王国双方の総攻撃と奴隷の内乱で崩壊し、王族や王派の貴族は全て処刑されマルベール王国に併合され滅亡した。
- フェーネン王国
レイセヘル王国の南東に位置する国。人間至上主義国家。奴隷の扱いは安賃金をもらえる上に最低限の生活の保障はされているので他の人間至上主義国家よりはマシである。
フェンリルを従魔にしたムコーダに取り入ろうとするが失敗している。
当時後ろ盾のなかったムコーダは冒険者ギルドの解体屋から噂で聞いたフェンリル説とAランクの魔物グレートウルフ説を聞き、勧誘トラブルを避ける為、レオンハルト王国に入国するまでの各地で偽情報を流した。
web9話で『鉄の意思』と共に入国し、web17話でファリエールの街を出た後、web23話でレーデン村、web25話で図書館のあるラウテルの街に立ち寄り、地図のぼったくりにあった後は人里に寄らずにさっさと隣国を目指した。
- ガイスラー帝国
ルバノフ教を国教とする人間至上主義の独裁軍事国家。奴隷の獣人やエルフ、ドワーフなどは家畜扱いされている(web27話)。
国宝は魔剣ブルトガング。400年ほど前にガイスラー帝国のダンジョンから出たもので、この魔剣を手に入れるために3万人の兵士をダンジョンに送り込んだ(web155話)。
- ルバノフ神聖王国
ルバノフ教を国教とする人間至上主義の宗教国家。エルフ、ドワーフ、獣人を邪教徒としている(web27話)。
国宝は魔剣ジュワイユーズ。700年前に神に選ばれた勇者がダンジョンから持ち帰ったと言われている(web155話)。その為過去に勇者召喚を行った疑いがある。
- ソレフ王国
ルバノフ神聖王国に属国扱いされている。内情はルバノフ神聖王国と大差ない(web27話)。
魔族領
魔族が住む国で隣接した国と国交はないらしく、謎が多い。
賢者の自叙伝によると元は魔族と巨人族が住む別大陸に住んでいた魔族達が水難事故に遭い、辿り着いたこの大陸で根を下ろし、そのまま魔族領となった。
その末裔達が国を作り、600年前時点ではアンドラス、キマリス、ラウムの三カ国が存在した。実は国自体の面積は狭く、人口も少ない。
- 魔族の大陸
魔族が住む別大陸。ムコーダ達がいる大陸とは別で、魔族領に住む魔族達は元はこの土地に住んでいた。巨人族と交流を持つが魔族領の魔族達の存在は知らないと思われる。
- 巨人族の島
魔族が住む大陸側にある巨人族が住む島。魔族と交流を持つ。
過去に存在した国
※ムコーダが異世界召喚された後に滅んだ国は除く
- アスタフィエフ王国
600年前に勇者召喚を行い、二人の勇者と賢者を召喚する。
後の賢者カズの自叙伝によるとレイセヘル王国と同じく私腹を肥やした愚王のように記されている。レイセヘル王国と違い使えない異世界人の暗殺を間接的に目論む程度の悪知恵はあったが、勇者召喚する情報は他国にも流れており、松本和希を直接処刑して他国の外聞を悪くするリスクは避けた為、森に放置してMPKする暗殺に失敗した。
レイセヘル王国と同じく滅亡している。
- フォンデル王国
小国群の小競り合いによって亡国になり今は紛争地帯になった(web452話)。ブリクストの戦神の教会に寄付に来たムコーダ一行は戦神の施設師範からダンジョンの情報を得た。
用語
ダンジョン
世界各地に存在する魔物の巣窟。難易度は地下層の階数による。
魔物を倒すとドロップ品や宝箱を得られるが、ダンジョン内で死ねば肉体は吸収される。
栄養を得ることで成長続けるので一つの生き物として考えられている。
ダンジョン内のどこかに核があり、常に移動し破壊されればダンジョンそのものが崩壊し穴倉と化す。フェルなら核を破壊する事も出来なくはないが、遊び場を破壊する事は愚行と考えている。
魔素が濃い場所や、高ランクの魔物(魔石持ち)の亡骸があったり、魔素が溜まりやすい地形であると稀にダンジョンが生まれる。階によっては休憩地であるセーフエリアも備わっている。
ダンジョンに集合した集落はダンジョン都市と呼ばれ多勢の冒険者達が集う街になっている。
冒険者にとっては命懸けだが、ムコーダ一行の従魔であるフェル達にとってはアトラクションや食料庫のような場所である。
ダンジョンは生物である為、土魔法と草木魔法の大半は無力化されてしまう。
ダンジョンコア
ダンジョンの核。書籍版で判明するが、実は意識がある。
コア次第で魔物の数や配置を変えることができる。長年階層を築き上げたプライドがあり、踏破されることを恐れている為、ムコーダ一行が訪れた時に限って魔物の動きが活発化(特殊個体大量発生)する傾向がある。外界から遮断されている為、世の情報に疎い。
レオンハルト王国ドランダンジョン
宝箱にはほぼ毒ガス(即死級のものもある)や攻撃魔法などの罠が仕掛けられているが、危険な分それなりの宝も入っている。過去にエルランドが踏み入れた25階から29階は森林地帯だったが、ムコーダ一行が来た時には28階層は沼地、29階層は砂漠に変わっていた。
後日期間によって25階層から29階層の様相が変わることが発表され、高難易度ダンジョンに指定された。
ドランで赤竜解体のついでに再びドランダンジョンに潜ると宝箱罠の落ちたら二度と出られない落とし穴などフェルの結界や神の加護対策としてダンジョンコアがムコーダ抹殺の為に知恵を出したと思われる凶悪罠も誕生し、ドランダンジョンの性格はだんだん悪くなっている。
エルマン王国ブリクストダンジョン
20階に隠し宝部屋を作ったりする反面、餓死を狙った41、42階層の荒野フィ―ルド、43、44階層の魔物の多い砂漠フィールド、45、46階層の雪原フィールドがありフェルに乗った状態でも、踏破するにはそれなりの日数が必要となる。
荒野フィールドの時点でフェルの安定した速度で丸2日かかる距離である為、普通の冒険者だと2、3か月かかる距離で魔物肉のドロップも出来ず、水の確保もできないので実質ダンジョン踏破不可能な作りになっている。Sランク冒険者達でも十分な備えが可能なアイテムボックスと、少なくともフェルやスイなどのように馬車の速度以上の効率的な移動手段がないと実質攻略不可能で、この事実を知ったブリクストの副ギルドマスターを悩ませた。
最下層47階層のボスはブラックドラゴンで即死級の呪いを使う為、39階層の森のアリの巣を殲滅した時に出た宝箱に「解呪のペンダント」を用意するなどの一応隠し救済処置を用意している。隠しアイテムや広いフィールドを作る事を意識しているようだ。
加護
天上の世界に住む神々が「世界をより良くする」と見込んだ者(魔物も含む)に授ける能力。
状態異常無効化、魔力削減強化に授けた神の属性スキルが特化する効力を持つ。稀な形ではあるが神の加護(小)だと通常の加護より劣るが三つだと同効果。
ちなみに加護を連発し過ぎると創造神に怒られる。
不老不死を得られる加護も存在するが、実際は人なら1500年に寿命が伸びて、致命傷を負えばその怪我が元で死ぬ事もあるので必ずしも不死身というわけでもない。
ルバノフ教
人間至上主義の宗教。他の種族を邪教徒とし、各地で国教として根付いている。
実は人間であるルバノフという男が金集めの為に作り出した宗教で、神々によるとルバノフ神という神は存在しない。神聖な力を謳い文句に各教会ではアンデット対策として武器に聖印を付与できるが、それは数百年前にマルベール王国のダンジョンで入手した魔道具効果によるもので本体はルバノフ教総本山に保管されており、各教会にあるレプリカは中途半端な効力しか持たない。信徒を広めるべく活動してるが自由な平等国家では「付与」以外に相手にされていない。
ちなみに聖印を超えた強化版「聖刻印」は男神らの協力によりムコーダが個人的に所有している。神以外でムコーダ一行が所有していると知っているのはエルランドのみである。
ムコーダは戦神、鍛冶神、トリスタンによって教団の悪行を知っているので彼らに関わらない事にしていたが、web453話で遂にルバノフ教徒達が初登場し、ムコーダ一行の借家に押しかけ寄付(金銭)を強要してきたが、従魔のガンつけ攻撃であっさり追い返された。なお、フェルや古竜の実力を見極められる冒険者Cランク以上の実力者は今の所この組織で登場していない。
勇者召喚を悪用したレイセヘル王国やクルベツ男爵率いるスタース商会でもなれなかった野盗や雑魚担当位にはなれそうである(冒険ギルドやレオンハルト王国がいい仕事をするのでムコーダ一行に敵対するダンジョン以外の今までのほとんどの敵は第三者によって滅ぼされている)。
薬神の教会
web452話で登場した宗教団体のひとつ。神々によると実際に薬神は存在し、研究好きの為500年以上自分の宮に引き篭もっている事が判明した(web455話)。
トリスタンさん情報では、世間では薬神教徒達は1日中研究三昧の変人集団だが、いくつかの有用なポーションの開発もしている優秀な集団でもある。薬師によって薬効にばらつきがあるが、エルマン王国ブリクストの薬神の教会のポーションは高い薬効があり冒険者ギルドに卸されるほどの腕前。
勇者
異世界(地球)から召喚された人間の呼称。
作品内で召喚された勇者は600年前に2人の勇者と賢者、過去に神の加護を2つ得た勇者、ガーリケという異世界食材をニンニク呼びして根付かせた勇者、古竜に戦いを挑んだ無謀で傲慢な勇者、そしてムコーダと3人の勇者で作中では10人異世界召喚が確認されている。
大抵、職業欄は『勇者』になるが稀に『賢者』や『巻き込まれた異世界人』という例も存在する。さらに称号にも『勇者』があり職業とは別に能力補正がつく。
召喚者には勇者であるなしに関係なく時間停止と容量無限大の『アイテムボックス』と『鑑定』スキルが与えられる。
地球言語を異世界言語に翻訳したり、異世界語を読み書きできる特典もついている。
勇者は高ランクの豊富な攻撃・魔法スキルに加え、高いステータスを持ち、別職業の召喚者は勇者より弱いかわりに特殊な固有スキルが備わっている(それでも異世界一般人よりは強い)。
歴史では勇者と思われる冒険者や英雄の逸話が後世に伝わっているが、神か、または他の何者かが隠蔽したのか何故か勇者の名前は語られていない。
勇者召喚
勇者召喚は次元を超える禁忌の術で、行えば双方の世界が滅ぶ危険性がある為に元の世界(地球)に戻ることは不可能である。ちなみに召喚した国の二つは滅亡している。
次元の穴が広がると「天上の世界である神界」に住む創造神含む神々では「地球」と「異世界」双方の崩壊を阻止できない為、創造神デミウルゴスは勇者召喚された地球人に対しては地球に帰せないかわりに多少の融通処置を取っている。
スキル
素質さえあれば体得できる技術能力の総称。
固有スキル
一般の魔法や技術スキルとは違い、既に備わっている個人特有の限定スキル。勇者とは違う意味で極めて特殊かつ異質な能力。作中ではムコーダの『ネットスーパー』と賢者の『深遠』が該当し、召喚者の中で勇者以外の職業欄を持つ人間が得ている模様。
アイテムボックス・マジックバック
スキルの一つで召喚された世界では千人に一人の割合で持っている(web版3話)。
一番小さい容量でも商人の使用する背負い子の3倍入るので一人旅に十分すぎるほどの容量があり商人にとってはあこがれのスキルといえる。しかし、ある程度の大きさのアイテムボックスを持っていないと貴族や大商会に雇われることはないとの事。
自由に物資や武器を異空間に収納ができ、容量は個人の魔力に依存する。通常は時間経過アリだが、異世界人の場合は時間経過無しで容量は無限大。種族の中でも特に魔力の高いエルフが多く体得している。
入れたアイテムは順番にリスト化されるが、数量は確認できないので独自でメモなどを取ってアイテムボックスの中身の数量を把握する必要がある。
アイテムボックスを取得してる子供は使い道があるので孤児院に流れてくる事はない。
アイテムボックスの能力をもったマジックバックも存在しており、大きさが異なったり、時間経過が通常のもの、10分の1の時間経過ですむもの、時間停止効果のあるものなどが存在する。
鑑定
スキルの一つ。文字通り個人のステータスやアイテムを確認できる。
今の所、勇者召喚された異世界人と伝説級の魔獣であるフェンリルやエンシェントドラゴン位しか持たず、鑑定情報内容はスキル所有者とレベルに依存し、鑑定者の性格を反映した説明になる。
通常は古の遺跡から発掘された魔道具を使う為、国家やギルド支部や神殿といった大きい組織でないと所有できず他者の魔導具鑑定で鑑定スキルを知られ勇者の正体を暴かれる危険は少ない。
勇者というよりは商人向けのスキルと言われており、商人にとっては夢のスキル。
結界
スキルの一つ。自分の認識した者に結界を張り防御する。持続時間は個人の魔力による。
大昔に使える者はいたが、現代で使用できるのはフェンリルとエンシェントドラゴンのみ。
職業
鑑定で見れるステータスのひとつ。主に『冒険者』や『勇者』や『料理人』や『賢者』などがつくとその職業に応じた補正効果が出る。『冒険者?』の効果は不明。
称号
鑑定で見れるステータスのひとつ(web版468話で初登場)。職業と同じく補正効果が出る。全てのステータスに補正がかかる『勇者』と料理の調理速度が上がる『孤独の料理人』などがある。
テイマー
魔物を従える冒険者の職呼称。冒険者が魔物を屈服させ、従魔契約を結ぶことで使役できる。
主だけでなく従魔の経験値も獲得でき、テイマーはレベルが上がりやすいともいわれている。
なので一般的には一定のレベルと特殊な才能が必要とされるが実はフェル曰く『魔物が主と認めれば従魔契約は完了する』らしい。
ムコーダの場合は魔物に食事を与える事で戦わずして従魔契約を可能としている。
主と従魔は念波で会話する事ができるが、使用できるのは後者のテイマーであるムコーダのみである。なお、主に内緒で従魔同士の念話も可能である。
ポーション
初級ポーションが銀貨5枚、中級ポーションが金貨1枚、上級ポーションが金貨10枚。
特級ポーションは金貨50枚で切断された手足も時間が経っていなければ繋げられる。
冒険者が通常所持するのは中級までで、高ランク冒険者になると上級を所持する者もいる。
冒険者ギルドでは上級ポーションを保管しているが、特級ポーションは王都の冒険者ギルドにいかないと保管していない(web100話)。
スイ特性ポーションは通常のポーションよりも効力が上である。
魔剣
高難度ダンジョンの最下層ボスを倒すと入手できる剣。
人類がフェンリルや古竜と戦闘するなら魔剣の1本はないとお話にならないらしい。
魔力が付与された武器でもあり、アダマンタイトという伝説の鉱石で作られている。各国の力の象徴とし、厳重に保管されている。
この世に存在していた魔剣はベリサルダ、ジュワイユーズ、ブルトガング、アロンダイトの四本であったがムコーダが五本目である魔剣カラドボルグを入手(ブリクスト踏破次点で更に3本(エッケザックス、グラム、フルンティング)追加)。
web147話で手に入れた魔剣カラドボルグをweb155話で試しにエルランドに見せた時に国家予算相当の魔剣は買取れず、ムコーダ自身は剣が重くて扱えないのと他勢力に干渉され異世界人とばれるのも嫌な為、公表せずに処遇が決まるまでアイテムボックスの中に塩漬けする事になった。
効果の判明している魔剣
- 魔剣カラドボルグ・・・雷魔法が付与された魔剣。アダマンタイト製。
ゲーマーズ特典小話
【一巻】
・フェル、古竜との激戦を語る ・女神様への貢物-ニンリル編-
・女神様への貢物-キシャール編- ・女神様への貢物-アグニ編-
・女神様への貢物-ルサールカ編- ・旅の途中のある町で
・女神様データファイル
【二巻】
・危機一髪 ・火の女神アグニ様のある日の一日
・危機一髪-後日談- ・駄女神、あんこを語る
・たまには野菜を食べましょう ・女神座談会
【三巻】
・勝負料理 ・キシャール、異世界のスキンケア製品に魅せられる
・ダンジョン中での奇跡 ・ダンジョンコアの告白
【四巻】
・異世界でクリスマス ・ドラン冒険者ギルドの苦労人
・デキる女神ルカ様 ・第二回神様ズ座談会
・ムコーダがもし勇者三人と共にいたら(if)
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