CV:江口拓也
概要
帝国の武門として知られる「ヴァンダール家」の生まれで、空の軌跡にて登場したミュラー・ヴァンダールの弟(異母兄弟)一族の中では珍しい青灰色の髪を持つスマートな美男子。
トールズ士官学院《第Ⅱ分校》の《新Ⅶ組》に在籍し、クラブはチェス部に所属している。性格は真面目で冷静だが、何事も考え込む癖がある。
10歳まで紡績町パルムのヴァンダールの剣術道場で暮らしていたが、その後ヴァンダール流総本山へと移った。
母はヴァンダール家の後妻にしてヴァンダールの“風御前”ことオリエ・ヴァンダール。
クルトの体格や髪の色は母に似たため、言わなければヴァンダールの一族と気づいてもらえない。これがクルトにとってコンプレックスになっているようである。
華奢な体格故にスピードを活かしたヴァンダール流双剣術を会得し、この若さで中伝にまで至るほどの才能を持つが、大型の剣が主流のヴァンダール流において双剣は傍流(ただし、祖先のロラン・ヴァンダールの得物はまさにこの双剣で、実は元祖である。『Ⅳ』ではこのロランの双剣を手に入れるイベントがある。)であるため、これも彼にとってのコンプレックスとなっているようだ。
トールズ士官学院《第Ⅱ分校》への入学初日のオリエンテーションでアインヘル小要塞Lv0攻略をすることになったのだが、突然床が空いて滑り落ちる際に不可抵抗力でユウナにラッキースケベをされてしまい、その際に「事故というのは関係なさそうだ。一発張り飛ばしてくれ。」と冷静に受け答えをしたことが余計ユウナの怒りに油を注ぎ、思いっきりビンタを食らった。その後謝罪で和解し、有事の際にアルティナを含めてお互い励まし励まされるような関係になっている。
中性的な容姿を持つ美少年で女性にとてもよくモテる。ただ本人は自分の華奢な体格同様の中性的な顔立ちにも(兄や叔父と比較して)コンプレックスがあるため、子供に「キレーなおにいちゃん」と言われると落ち込んでしまう。
武器は先に書いた通り双剣。剣舞を踊るかのように二本の剣の連続切りで敵を切り刻む。
突然失った『誇り』と『使命』
ヴァンダール家は代々皇族の護衛を任される名誉ある一族だった。
しかし≪鉄血宰相≫ギリアス・オズボーンの「皇族の護衛は一貴族に独占させるべきではない」という言葉により皇族の守護職から解任され、一族はそれぞれ僻地へと飛ばされてしまった。
兄・ミュラーとオリヴァルト皇子の関係を見ていて、いつか自分もセドリック皇太子の護衛になるのだと思っていたクルトはその使命と目標を突然失ってしまったのだ。
失望感からトールズ士官学院への入学を辞退しようとするが、兄ミュラーの勧めで迷いながらも《第Ⅱ分校》への道を歩むことととなる。
《第Ⅱ分校》へ入学してしばらく経った頃セドリック皇太子がリィンをトールズ士官学院本校へ引き抜こう現れたのだった。かつては大人しく優しい性格だったセドリック皇太子が、自信に満ち溢れ強引で高圧的な性格へと豹変し、文武に渡りクルトを追い抜かんとしている姿を目にして戸惑いを隠せなかった。
その姿に「すっと傍でお守りすべきだったのでは」と一瞬《第Ⅱ分校》入学を後悔したが、そんな彼にリィンは「とことん迷えばいい。いつかきっと“道”は見いだせる。ユウナやアルティナ、他のクラスの生徒たち、俺も含めて同じように迷い続ける仲間たちと一緒なら。」と助言を送っている。
『クルト・ヴァンダールの剣』を掴むまで
華奢な体格、一族と異なる容姿と髪の色、傍流の双剣と、概要にあるようにクルトは父や兄、叔父に対し様々なコンプレックスを抱き、それに加え失った一族の誇りと使命、豹変したセドリック皇太子など彼を悩ませる事柄は多い。
兄ミュラーがオリヴァルト皇子の護衛から外され僻地へ送られても尚迷いなく自ら信じる道を貫き、あまつさえクルトの悩みを言い当てて心配し『お前だけのヴァンダール流を見つけるがいい』と助言する姿から、兄と迷うばかりの自分とのあまりの落差に打ちのめされる。
それに対しリィンは、「迷いを恐れるな。迷ったからこそ俺は教官という道を見出した。君たちⅦ組もそうやって試練を乗り越えてきたんじゃないか?きっとミュラー中佐や君の父上もそうしてきたはずだ。」と説き、クルトに迷うことは前へ進むために必要な事なのだと気づかせた。
自棄で《第Ⅱ分校》に入学したこともあって当初リィンに対して「大したことない」と思っていたが、初めての演習時で不器用ながら敢えて突き放された事や様々な心に響く助言、そしていつ暴走しかねない危険な「鬼の力」を抱え、力を抑えながらも懸命に足掻く姿を見て心から尊敬するようになっていく。
そして、リィンの前で2年生に上がる前に貴方から3本に1本は取れるようになってみせる。そしていつの日か貴方を超えられればと思っていると宣言する。
それに対しリィンは「教官として、一人の剣士として光栄の至りだ。君のその挑戦、必ず受けて立つ。」と返すのだった。
その剣技はかつてリィンとともに学んだⅦ組メンバーも認めており、同じく剣を得物とするラウラやユーシス、スピードについてもフィー、サラとの専用掛け合いが存在する。