「灰色のオモチャ振り回して、政府の犬ってのは気持ちいいものなのかよ?」
プロフィール
所属 | 自警団《ファフニール》リーダー→トールズ士官学院・第二分校・《Ⅷ組・戦術科》→特務科《Ⅶ組》 |
---|---|
年齢 | 17歳 |
武器 | ヴァリアブルアクス |
CV | 前野智昭 |
概要
一見陽気だがどこか影のある猛々しい不良青年。
トールズ士官学院・第Ⅱ分校《Ⅷ組・戦術科》から、のち《新Ⅶ組》に所属。
登場前
出身地は不明(後述)だが、3~4歳のときに『しょぼくれたオッサン』に手を引かれて帝国西部の歓楽都市ラクウェルにて水商売をしていた養母に預けられて2人暮らしで育った(アッシュ曰くメシマズだが面倒見が良くお人好しで強い女であったらしい、また学がなかったためアッシュに色々本をすすめておりアッシュの読書家は母の教育によるものである。)その養母も6年前に癌で亡くなっている。
そして内戦当時は地元の不良一同と愚連隊めいたチーム「ファフニール」を結成し、歓楽都市を襲った野盗団を半殺しにしつつ撃退し、正規軍や遊撃士協会からも一目置かれるほか、手伝いもしていたという。しかしそれらの勧誘を全て断り、幼い日に失われた“彼の過去”を知る何者かの推薦(後述)で《第Ⅱ分校》に入学することになる。
閃の軌跡Ⅲ
入学当初はⅧ組・戦術科に所属した。ここの担任教官はくしくも同タイプなランディだった。
入学当初からリィンやその生徒であるⅦ組に何かと突っかかったり学院外でトラブルを起こしがちな問題児で、とりわけ機甲兵教練ではリィンとさながらタイマン勝負を行い、場合によってはリィンを叩きのめす状況であった。
その割には文武共に優秀であり面倒見が良く仲間が困った際のフォローによくまわっており同じ戦術科の面々からは良く慕われている。前述の事からジャンル問わず目に付いた本は片っ端から読むという事もあり部活は文芸部に所属、本人のイメージとは裏腹に活動は真面目にこなしているようである。
同じ部に所属しているタチアナには最初の頃は恐れられていたが、話が進むにつれ段々と心を許すようになりアッシュが後述の大事件に巻き込まれた際にはアッシュの無実を絶対的に信じきる程であった。
特別実習においては主計科のミュゼと共にⅦ組と協力して猟兵や結社を出し抜きリィン達のサポートにうまく立ち回ることが出来たが、二度に渡る実習での過度の独断専行による処分として6月に新Ⅶ組に移籍する(元々少数であったⅦ組の補充メンバーという事も兼ねてであり、オーレリア分校長もいずれ自らの権限で移籍もさせる予定だった)。
しかし、7月、アッシュは帝都の実習時において皇帝・ユーゲント三世陛下に向けて銃を発砲、緊急逮捕されてしまう。同級生のミュゼが結成したヴァイスラント決起軍によって救出され、一時儀礼艦パンタグリュエルにて身柄を確保されている。
閃の軌跡Ⅳ
冒頭、アッシュはパンタグリュエルより機甲兵ヘクトルを奪取して脱出、その後自身の本当の生まれ故郷・ハーメルにまでたどり着き、この場で朽ち果てる腹積もりだった。
そこに新Ⅶ組のユウナ・クルト・アルティナが現れ、戻って来いという呼びかけにも応じないところで、クルトに胸倉を掴まれ
「お前、このままやられっぱなしでいいのか!!」
と激昂される。
その折に今度は結社「身喰らう蛇」の強化猟兵ギルバートが現れ、甘言を言って自らの強化猟兵団にアッシュを誘い、これにアッシュが応じてギルバートに同行したところで・・・
「おい、今だ!!」
とアッシュが身をかがめて叫び、ユウナ・クルト・アルティナが一撃を放ちギルバートら強化猟兵を叩き、この時をもってアッシュも新Ⅶ組に合流する。
この騒動の際同じ文芸部仲間であったタチアナが、気弱な性格でありながらアッシュを助けるために身体を張ってハーメルに向かっていた事もあって二人の仲は少し親密な関係に進展しつつあるようで、最終決戦前のミシュラムでは二人で共にまわる姿が見受けられていたのである。
合流後は自身も旅装に身を包むが、いわゆるロングコートだったため、「暑くないの?」とユウナに聞かれるほどであった。
その後は同じく離脱していたミュゼ…ミルディーヌ公女とも合流、そして教官リィンの救出のため黒の工房の本拠地に突入してリィンを救出。そして敵…オズボーン宰相や黒のアルベリヒら大戦を推し進める帝国軍・帝国政府、そして自身の因縁たるオズボーンの部下レクター・アランドールとの対決にその身を投じる。
また、クロスベルにおいては、聖ウルスラ医科大学病院に担ぎ込まれ、辛くも命を取り留めたユーゲント陛下と再会、アッシュも謝罪する一幕があるものの、ユーゲント陛下も「よいのだ。呪いが悪いのであってそなたが悪いのではない。」と赦免と言える一言をかけている。
最終的には陛下の一存もあり銃撃事件は赦免され元の学生生活に戻れるようになり最後のオリヴァルト皇子とシェラザード妃の結婚式にも出席、祝いの場で酒を飲もうとしていたがリィンに没収され初代Ⅶ組達の酒の席を口惜しそうに見ながらジュースを飲んでいる姿が見受けられた。
創の軌跡
大戦終結後、一連の事態の引き金を引いた自責の念は拭えず、退学しようとしていた。しかし、全校生徒で打った芝居で残留を余儀なくされ、半ば強引に初代生徒会長になる。その際、首謀者がミュゼであることを見破って、仕返しに副会長にした。
界の軌跡
卒業後、かつてのアンゼリカのようにバイクによる大陸横断の旅に出ている。ただ、戻った時にはクルトと共に教官代理を務めていた。
バトルスタイル
登場作品共通の得物はヴァリアブルアクス。斧に加えて鎌も仕込んだ特別な武器で、その鎌でリーチを伸ばす事が出来、意表を誘って仕留めるという半ばダーティさも併せ持つ。
もっとも斧の一撃も重く、新Ⅶ組随一の物理攻撃力を持つパワーファイターとして立ち回ることになる。「Ⅳ」ではダーツも武器にしているが、魔法攻撃扱いで、本人自身は魔法攻撃力は低めのためか威力は少ないほか、やはり斧の重さもあるのか命中率や行動力は低めである。
アッシュの真価は一対一でのタイマン勝負時にあり、クラフト「ヴォイドブレイカー」は威力SSと高く、『Ⅳ』で追加されたSクラフト「ギルティカーニバル」は威力4S+かつ斧での連撃のあと、ダーツの一撃を放ち爆発を起こすという豪快な技だが、いずれも単発攻撃であるため、単発出現のボスキャラクター戦では大きな戦力になる。
オーブメントの固定属性は「火」×2、「幻」×1。やはり攻撃力アップと状態異常のクォーツを主に装備するほか、命中率と行動力の強化も図りたい。
※閃の軌跡Ⅲ終盤およびⅣのネタバレあり
ネタバレ
「・・・・・・なあ・・・・・・教えてくれよ・・・・・・
この疼きを消すのに・・・・・・オレは"誰"を殺りゃいいんだ・・・・・・?」
実は14年前に「百日戦役」が起こるきっかけとなった「ハーメルの悲劇」で生き残った
ひとり焼かれるハーメルの村で取り残されたアッシュをラクウェルに連れて行ったのは当時行商をやっていたミゲルで、ミゲル自身「何でこんなガキを連れて行かなければならないんだ」と言いつつもラクウェルでアッシュの養母に押し付けている。本編ではそのミゲルは新Ⅶ組をハメたりしたラクウェルの情報屋となるほか、『Ⅳ』では新Ⅶ組を帝国軍に引き渡そうとするほか、呪いの影響で敵対する態度を見せていた。
その時の事件以来、事件の光景が未だに目に焼き付き、頭の中では「一番悪いヤツを殺せ」と言う声が聞こえるようになるほか、左目の眼光が黒く光るようになっていた。
そんなアッシュに第Ⅱ分校入学を推薦したのは帝国軍情報局レクター少佐だった。実はレクターの実父ルドルフ・アランドールがハーメルの悲劇の実行犯のひとりだったため、その罪滅ぼしもあったという。
村を襲った猟兵(実際は帝国軍の一師団で、前述のルドルフ・アランドールが実行犯の中枢だった)や首謀者(真の黒幕も含む)とことごとく処刑・あるいは逃亡され行き場のない恨みが「呪い」によって増幅し、前述のようにハーメルの件を黙認した責を自ら受け入れたユーゲント皇帝に凶弾を向けたのであった。
『Ⅳ』サブイベントで前述のミゲルはかつての仲間「ファフニール」を手下として武器をかき集めさせて死の商人を取り仕切ろうとするが、それを阻むべく現れたアッシュ・リィンと対峙、銃を向けたところで、アッシュは
「俺をハーメルから連れて行ったのは、あんただな?」
と言い、ミゲルがためらいを起こしたところで「ファフニール」をハメた落とし前をつける鉄拳制裁を行っている。
ハーメルのもう一人の生き残りであるヨシュア・ブライトとはクロスベルの湿地帯で再会する。その際は互いに気まずい事もあり大した会話をしなかったが、その後パンタグリュエルでの際にハーメルでの出来事を知る事になる。
当時の名前は『ヨハン』
村の中では一番の最年少であり赤ん坊の頃はヨシュアやその姉であるカリンがよく子守を手伝っていたらしい。
事件当時、アッシュは亡くなった両親の返り血を浴びて気を失っており、その光景を見たヨシュア達は既に死んでいると勘違いして置き去りにした事が事件の真相である。
ヨシュアは気づかず置き去りにした事、その後14年もの間気づくことができなかった事にたいする申し訳なさ・・・・そしてそれ以上にアッシュが生きていた事が何よりも嬉しかった事をすべて打ち明け、アッシュもその事実を黙って受け入れ二人の14年間ものわだかまりは無事雪解けしたのであった。
その後、最終決戦前に起こったハーメル異界化の事件ではリィンやリベールメンバーと共に解決。
その際、村の慰霊碑に置かれている折れたケルンバイターから懐かしい声が聞こえた気がしたのであった・・・・
幼少期の頃は兄代わりであった二人の事を「ヨシュア兄ちゃん」「レーヴェ兄ちゃん」と呼んでいたようであり、今でもうっかりそう呼んでしまうようである。
あくまで自分はこれまでもこれからも『ラクウェルのアッシュ』として生き続けるであろうが、かつての自分の生まれ故郷と『ハーメルのヨハン』としての思い出も決して蔑ろにすることなく大事しているようである。
対人関係
新Ⅶ組――――途中編入したトールズのクラス。口は悪いが、視野が広く大人の悪い遊びにも通じている点が役に立つことも多い。後に自主退学しようとしたアッシュを引き留めるため、全員で芝居を打ったこともある。
初代Ⅶ組――――リィンと同じく、先輩に対する態度とは思えないほどに慣れ慣れしく、かつ挑戦的な態度を見せる。が、「物好きで夢見すぎで、不器用すぎる先輩達」と尊敬している。ただし、ある意味常識人であるために彼らの同期及び一期上の先輩達については「濃すぎる仲間」と称してやや敬遠気味。
リィン・シュバルツァー――――担当教官にして先輩。『灰色の騎士』として勇名をあげていた彼を入学当初から興味を持っており何かとフランクかつ挑発的に絡んでいた。Ⅶ組編入後もその姿勢は変えず接していたが同時に敬意も持つようになり、リィンが自らを犠牲にしようとした際には一番怒号をあげていた。
アリサ・ラインフォルト――――先輩の一人。クロスベルでの熱烈な様子を聞いたのかリィンの本命とからかい、帝都で再会した際にはユウナたちと共に進展具合を詰め寄ってリィン共々振り回し、見事に自爆させている。
クロウ・アームブラスト――――先輩の一人。悪い遊びに造詣が深いために、一番性格も似ており、『閃Ⅳ』では互いに認め合うような掛け合いもある。創の軌跡でのビーチでの休暇でも一番反応が近い。
ミュゼ・イーグレット――――同じく途中編入の同級生。アッシュの悪い遊びにも理解があり、クラスを引っかき回す二人目のトラブルメーカー。尚、戦争後のとある芝居の首謀者として見破られてしまい、仕返しとして生徒会副会長にさせられる(能力的に最も無難だが、恐らく卒業までこき使われたことだろう)。
タチアナ――――クラスは違うが、同じ文芸部員。箱入り故に刺々しいアッシュを恐れていたが、戦争の引き金を引いてしまった後はⅦ組以上にアッシュを案じてアッシュの無実を信じていた。行方不明になっていた彼がハーメルにいるとわかった際は慣れない機甲兵を駆り救いに行こうと尽力したりと周りからはラヴの気配をおちょくられている。アッシュ自身がどう思っているかは不明だが、最終決戦前は一緒にミシュラムにまわるなどⅦ組やⅧ組のメンバーと違う形で心は開いている。
レクター・アランドール――――アッシュにトールズへの入学を推薦した本人。父の大罪の生存者である事も知った上で本人なりに気にかけていた。真相を知った後も、アッシュは彼を憎み切れていなかった。
ヨシュア・ブライト、レーヴェ――――同じハーメルの出身。置き去りにされたと長い間恨んでいたが、ヨシュアと再会した後に気持ちの整理をつけた。
余談
その性格なのかアッシュは本編でも人物を罵倒することが多い。
リィン←「タラシ野郎」または「スカシ教官」
ユウナ←「ジャジャ馬」
アルティナ←「チビ兎」
マキアス←「堅物パイセン」
クロウ←「出戻りパイセン」
アンゼリカ←「破天荒パイセン」
アリアンロード←「オバハン」
ドロテ←「出血多量になった方がいい」
ちなみに、新旧Ⅶ組の中でリィンのことを「シュヴァルツァー」と苗字で呼んでいる唯一の人物だったりする。