CV.三木眞一郎
概要
元・クロスベル警備隊所属。その後クロスベル警察特務支援課の一員となる。
過去の経歴は当初明らかではなかった。
本編開始前
『零』開始の1,2年前に流れるようにクロスベル自治州に辿り着き、クロスベル市内のカジノに入り浸った後に、クロスベル警備隊に入隊。
警備隊に入隊してからは、スタンハルバード(導力ライフルと合わせて警備隊隊員の標準装備)を得物とするようになり、軍務もわりと誠実だったという。のちに仲間となるノエルや恋仲となるミレイユとも同僚として知己を得ている。
しかし、導力ライフルとスタンハルバードの使用が必須にもかかわらず、導力ライフルの使用を頑なに拒絶したため当時の警備隊司令(ただし、人物的には最悪の者だった)に目を付けられた末に対立し、除隊を申し渡される。
そこを副指令ソーニャ・ベルツが知己があるクロスベル警察のセルゲイ・ロウに紹介し、特務支援課に配属されることとなった。
ちなみに除隊の原因で多く言われていたのは女性関係のトラブルだったという。除隊の真の理由となった導力ライフルの使用拒絶の理由は警備隊以前、クロスベルに辿り着く前の経歴が大きく影響していたためである(後述)。
零の軌跡
クロスベルに到着したロイド・バニングスがクロスベル警察に着任、そしてセルゲイの案内を受けて警察本部の会議室にて初めて顔を合わせ、同席していたエリィ、ティオの4人で特務支援課がスタートすることになる。
さながら遊撃士の対抗部署と揶揄されるものの、ランディはロイドらを助けつつもその支援任務を行っていく。
それとほぼ同じ頃、クロスベル市議会議長・ハルトマンが保養地ミシュラムにて主催する『黒の競売会』にランディら特務支援課一同で潜入する。ロイドと競売会会場に向かう際には白ジャケット姿の正装で臨んでおり、競売会の出品物で、トランクに収まっていた少女の人形…それがキーアだった。
キーア保護後にミシュラムより脱出する折に、特務支援課はハルトマンの共催をつとめるマフィア・「ルバーチェ商会」の若頭ガルシア・ロッシと対峙。ガルシアはランディに「《闘神の息子》」と挑発されるが、ガルシアはかつて猟兵団「西風の旅団」の副団長を務めていた実力者で、正にランディにしても因縁の相手であった(後述)。
ガルシアを退けた後クロスベルに帰還するが、その後、クロスベルを取り巻く暗部が次々と特務支援課を襲うようになっていく。
終盤、薬物・グノーシスによる事件が多発し、ついにはグノーシスを投与された(前述の警備隊司令の命令による)クロスベル警備隊一部隊と交戦。その相手にミレイユがおり、彼女もグノーシスを投与されて己を見失っている状態ながらランディが押される状況だった。(この事に対しランディは怒りのあまり咆哮をあげていた)
そのグノーシスを流したのは聖ウルスラ医科大学教授にして、壊滅したはずの邪教集団「D∴G教団」最後の司祭・ヨアヒム・ギュンターだった。特務支援課はヨアヒムが待ち構えるクロスベル郊外の古戦場奥の「太陽の神殿」に「強制捜査」に赴き、ここで遊撃士・エステルとヨシュアの助力を得て神殿に突入、途中ヨアヒムの手下となり、グノーシスを投与したアーネスト・ライズ、そしてガルシアがその行く手を阻むもこれを退け、ついにヨアヒムと対峙する。
ヨアヒムは当初邪教の司祭の力で攻めるが、敵わぬとみると「赤のグノーシス」を大量に服用して魔人化、その力は強大で特務支援課が返り討ちにされるところでレン操る人形兵器「パテル=マテル」が参上、援護攻撃を得てヨアヒムが怯み、ついには無力化するがヨアヒムは赤のグノーシスの副作用により身体が崩壊、死亡し、逮捕はかなわなかった。
この一連の事件は「教団事件」と呼ばれ、同時にクロスベルの暗部と癒着が明るみに出、前述のクロスベル警備隊司令はこの一件で失脚することになり、ランディもひと安心した様子であった。
出自ネタバレ
その正体は大陸最強の猟兵団「赤い星座」の団長《闘神》バルデル・オルランドの息子、
ランドルフ・オルランド。
中世から続く狂戦士の末裔であるオルランド一族に生まれた彼は、4歳の頃から戦闘技術を徹底的に叩き込まれ、9歳の時に初の実戦を経験。その後12歳で小隊を、14歳で中隊を任され、18歳頃に次代《闘神》となるための試験として、大陸で商売敵とも言える大猟兵団西風の旅団の大部隊と交戦(前述のガルシアも相手になっている。)。その後も部隊を率いて戦場の中心におり、《闘神の息子》《赤い死神》(あるいは単に《死神》)の異名を持つ凄腕の猟兵へと成長する。単純な戦闘力だけではなく戦術眼も確かでまさに戦場の申し子ともいえる存在だった。
しかしある時、敵対する猟兵団を殲滅する作戦において、民間人に犠牲を出さないはずであったのにもかかわらず、酒場で知り合った青年を一人死なせてしまい、それから自身の生き方に疑問を持ち、団を出奔したという。その後は前述にあるように本編開始前の1、2年前にクロスベルに流れ着いたのである。
前述の導力ライフルの使用拒絶の理由は、猟兵時代に自身が得物にしていた大型ブレードライフル【ベルゼルガー】を用いて多く殺戮していたことがその理由である。クロスベルに流れ着いた時もベルゼルガーは小分けして所持しており、その後懇意にしたクロスベル歓楽街のカジノのオーナーに預けていたのである。
碧の軌跡
「教団事件」後、一時クロスベル警備隊に復帰して、《教団事件》でグノーシスを投与され弱体化した警備隊部隊の『リハビリ』と称する再訓練に従事する。クロスベル警察学校近辺の森林にて訓練が行われたが、ロイド達特務支援課一同が新たな足となる導力車を駆って街に戻るところを訓練のさなか見届けている。
特務支援課でもメンバーが増員され、かつての警備隊の同僚であったノエルが出向の形で加わり、また地元の不良軍団・「テスタメンツ」を離脱したワジもくわわった。
そして、クロスベルで行われる通商会議の裏にて、かつての古巣・《赤い星座》がクロスベルに来訪。教団事件で壊滅したルバーチェ商会跡地に拠点を設けられており、ランディもその因縁に巻き込まれていく。父の死後団長を引き継いだ叔父・《戦鬼》シグムント、そしてその娘でランディの従妹にあたる《血染め》シャーリィ・・・ランディはふたりと対峙することになる。
更には《赤い星座》は「クロスベル独立国」大統領となったディーター・クロイスに協力して「クロスベル独立国」の裏の兵隊として動き、舞姫イリア襲撃・黒月本部焼き討ち、クロスベル中央銀行ビルを焼き払うなどの蛮行を行っていくが、これらはのちに黒幕のひとりたるマリアベル・クロイスの指示でもあった。
中盤、マインツ鉱山でのシャーリィとの対峙にあたり、ランディは夜明けに一人特務支援課を抜けて、懇意にしていたカジノのオーナーに預けていた自身のかつての得物、【ベルゼルガー】を受け取ると、旧市街の修理屋にて組み直してその封印を解いた。
しかし、状況は特務支援課に不利に動き、ついにはディーターら新国家の障害と断じられ、アリオス・マクレイン国防長官の一刀により全員逮捕・無力化されてしまう。さらにはキーアもディーター・マリアベルの大願の道具として、引き渡されてしまった。
ランディは軟禁状態に置かれるが間隙を縫って脱出し、国防軍にならなかったミレイユら警備隊一部隊らと鉱山町マインツを拠点にレジスタンス活動を行う。そして同じくクロスベル拘置所を脱出したロイドと合流、すでに合流を果たしていたツァイト、ワジ、ティオ、ノエルと再会・合流した。
ワジの持つ飛空艇・メルカバ玖号機を駆ってその後エリィとその祖父・ヘンリー・マクダエル議長を救出して、クロスベル共和国の不当性をエリィとともに救い出されたエリィの祖父・ヘンリー・マクダエル議長がメルカバ機内にて宣言したことによりディーター大統領・国防軍を追い詰め、ディーターの身柄を確保。そして、キーアを捕らえていたマリアベル、そしてこの筋書きを描いた黒幕・イアンが待つ碧の大樹に向かう。
碧の大樹にて待ち構えていたのが、シャーリィ、そしてシグムントだった。ランディは二人を、特務支援課として打ち倒すが、とりわけ叔父・シグムント打倒時には彼より
「少しは兄貴(バルデル)に顔向けできるような顔になったようだ…その強がりが…どこまで貫き通せるか…これからの生き様で、証明してみせろ…」
と告げられており、実際のところは《赤い星座》一同、父・バルデル、叔父・シグムントとも団を抜けたランディを案じていたことが窺えた。
その奥地にて黒幕・イアンを始末して特務支援課に牙を剥いたマリアベルを無力化するものの、そこで「零の御子」となっていたキーアが力を開放・黒のデミウルゴスとしてランディら特務支援課を襲うが、死闘の果てにキーアを奪還することに成功した。
この一件は「碧の大樹事件」と呼ばれる。なお、マリアベルは結社「身喰らう蛇」に幹部として招かれたため、ランディら特務支援課を前にして逃亡してしまう。
閃の軌跡Ⅲ
「碧の大樹事件」解決後、ディーター大統領の逮捕などで実質クロスベル独立国は瓦解、直後にエレボニア帝国が侵攻し、クロスベル自治州を併合。クロスベル警察も軍警に改組されて特務支援課も散開となってしまい、メンバーは厳しい監視を受けることとなった。この折にランディはルーファス・アルバレアクロスベル総督の指示・推薦により新設されたばかりのトールズ士官学院・第Ⅱ分校の戦術科教官を拝命することとなる。当初乗り気ではなかったが《赤い星座》がエレボニアで活動していることを聞き、エレボニアの地を踏むことになる。
同じ教官であり、劇中の1年前に相棒のロイドと因縁があったリィン・シュバルツァーとはここで初めて出会い、彼に対して当初は気まずい雰囲気であったが、一緒に飲みに行った事をきっかけに打ち解けるようになり「シュバルツァー」と呼んでいたのを「リィン」と呼ぶようになった。それから約2カ月後、貰ったマリオンズ・ラムのテイスティングに呼んだ際には今後の状況次第では互いに対立する事、しかしそんな状況でも可能性は信じて欲しいと言われた事、この事がきっかけになり彼にとってリィンは「良き同僚」から「歳下のダチ」へと変わっていったのであった。
また、クロスベル警察学校改め軍警学校にて上層部と対立し、結果全単位取り消しを受けて第Ⅱ分校に転学したユウナ・クロフォードの実質上保護者的存在でもある。
似た境遇であるサラやフィーとは猟兵時代からの顔見知りであり、共闘するのはこれが初めてになった。
閃の軌跡Ⅳ
前作終盤、《黒キ聖杯》での戦いで新旧Ⅶ組は敗北し、敵勢力の目論む『巨イナル黄昏』が発動してしまう。エマの故郷・エリンの里に退避したものの、敵の手中に落ちて捕らえられたリィンに代わり、ユウナ含めた新Ⅶ組の教官代行として序盤引率することになる。
ハーメル廃村ではこれまた因縁があり、死を聞いていた「西風の旅団」団長・ルトガー・クラウゼルと戦闘になるが、この一戦でルトガーはランディに
「団を抜けてから器がデカくなった。《闘神(バルデル)》も心残りはねぇだろ」
と前述の叔父・シグムントと同じく賛辞したほど。その後サザーラント州で活動する第Ⅱ分校生のサポートをするため、ユウナらと別行動を始める。そしてアガット、トマスと合流して、リィン救出に向かった新旧Ⅶ組とは別ルートで《黒の工房》に突入。ここではアガットとともにアリアンロードと戦った。
リィン救出を見届けた後、分校生たちのフォローをするべく再び別行動を取るが、リィンたちⅦ組とティータがついに第Ⅱ分校を奪還するにあたり再合流、第Ⅱ分校教官として協力することになる。そして第Ⅱ分校にてトールズ本校生徒を制圧し、ここで軟禁されていたティオを救出する。
中盤、儀礼艦パンタグリュエルにてミルディーヌ公女が立ち上げた「千の陽炎作戦」の会席において、ついに別行動だったロイド・エリィ・キーアと再会。特務支援課再集結となった。
そこに帝国皇太子・セドリックの急襲を受け、ランディも戦うことになるが、セドリックに協力するのは結社「身喰らう蛇」で、その執行者になっていたシャーリィともまた対峙することになる。完全に押された状況となるが、そこに現れたのはオリヴァルト皇子駆る新型巡洋艦・「カレイジャスⅡ」で、セドリックや結社の軍勢をここで退却させ、オリヴァルトは《光まとう翼》として第3の道を提唱、これにランディをはじめとする特務支援課もその一員として活動することになった。
最終決戦では、リィンらⅦ組を最終決戦の地・《幻想機動要塞》に送り込むため、ランディはロイド・エリィ・ティオ、そしてキーアのサポートのもと《塩の杭》のひとつの攻略に赴いた。
ちなみに、教官としてのランディは白コートに黒シャツ・ネクタイ姿だが、『閃Ⅳ』のDLCに特務支援課時代のオレンジジャケットが用意されている。
創の軌跡
クロスベル自治州の再独立が決定したことにより、クロスベル警察も帝国占領前の体制に戻されることとなり、特務支援課も再開されることとなった。これを受け、ランディもクロスベルに帰京することになりトールズ第Ⅱ分校の教官を退官することになった。
退官直前、本編冒頭では総督府で抵抗を続ける総督親衛隊に対しての制圧にロイド・エリィ・ティオ、そしてユウナとともに乗り込み、これに成功する。
そしてクロスベル帰京後、いよいよ再独立調印式に臨むことになったのだが…。
人物
女好きで遊び人、ナンパやカジノが趣味で楽天的な性格。一見だらしないが、仕事に関しては誠実であり年としてメンバーのフォローを的確に行うこともできる頼れる兄貴分である。
ロイドとは軽口を言い合いながらも互いを信頼し合う相棒のような関係で、また兄貴分として彼の成長を見守っている。
親しい人を呼ぶ時は渾名で呼ぶ癖があり、とりわけ女性相手に言うことが多い。
エリィ→「お嬢」
ティオ→「ティオすけ」
キーア→「キー坊」
シュリ→「シュリぞう」
ユウナ→「ユウ坊」、
アルティナ→「アルきち」
と何故か『坊』や『すけ』と言った男性的な語尾をつけるのが特徴。
また「閃Ⅳ」「創」では
デュバリィ→「デュバりん」
ローゼリア→「ロゼっち」
と呼ぶが、デュバリィからは「おかしな呼び方しないでくださいな!」、ローゼリアからは「誰がロゼっちじゃ!」と不評のようである。
他にも、トワの事を「トワたん」と言うのを考案していたが本人に却下された。
稀ではあるが男性でも、
ヨナ→「ヨナ公」
マキアス→「マッキー」
と呼ぶこともある。
ロイドには渾名を付けてはいないが時折「相棒」とある意味一番特別扱いな呼び方をする。
気さくで頼れる兄貴分ということからファンからは「ラニキ」と呼ばれている。
陽気な彼だが、その一方で前述にもあるように元・猟兵、それも最強と言われる《赤い星座》の次代団長となる身だっただけあり、非常時にはまるで普段とは正反対に禍々しい殺気を放ち驚異の戦闘力を発揮するほか、非常にタフで周りがへばる中一人平然としていることもあった。もっとも、当初ランディは自分の過去を多く語りたがらなかった。
対人関係
特務支援課――クロスベルでの真の足場。警備隊からこちらに転属した後も、警備隊とのパイプなどでフォローしていた。
ロイド・バニングス――支援課での相棒。年長者としてロイドを支える一方で、彼もロイドのおかげで立ち直ったことがある。ただし、エリィがいながらもロイドがモテることに関しては弟ブルジョワジー、弟貴族とひがんでいる。
赤い星座――古巣。元々ここの所属で、父親が団長を務めていた。大陸最強各の猟兵団の後継者だっただけあり、戦闘力は支援課随一。ガレスを始めとした団員達からは今も慕われている。
シャーリィ・オルランド――従妹で、戦闘技術も仕込んでいる。戦闘狂の彼女には辟易しており、またセクハラ癖も手を焼いている。
シグムント・オルランド――叔父。赤い星座を抜けた後のランディを強引に連れ戻して、兄の後継者にしようとしていた。が、肉親の情も彼なりに持っており、通商会議での支援課の失敗が二大国にどう利用されるかを突きつけるなどの助言をしており、最後はランディの道を認めた。
リィン・シュバルツァー、トワ・ハーシェル――トールズ第Ⅱ分校の同僚。帝国人故に複雑な印象だったが、後に打ち解ける。特にリィンとは酒を飲み交わしたこともあり新たな友人となる、ロイド同様にモテるリィンをやっかむときもある。
バトルスタイル
登場作品では共通して得物はスタンハルバード(機械式斧槍)を用いる。一撃の攻撃が重く、特務支援課メンバー1の物理攻撃力とHPの高さを誇る。リィンやⅦ組との共闘となる『閃Ⅲ』以後でも物理攻撃力の高さはトップクラスでもある。その反面魔法防御力が一番低く、アーツで攻められると苦戦を強いられる。
『創』では同じ長物使いであるエステル・ガイウス・アッシュと「どの得物が一番強いか」での掛け合いがある。
前述にもあるように本来のランディの得物・「ベルゼルガー」は特別な工房で作られた大型のブレードライフルで、『碧』中盤・シャーリィとの対決時より使用を再開したが、機関部の故障もあるなどでメインウェポンにするのは厳しく、使うのは原則Sクラフト発動時のみであった。『創』では前述のベルゼルガーの強化版・「ベルゼルガー・シン」のほか、追加された新クラフト「カルネージレイド」でもこのベルゼルガーを使っている。
登場作品
別名・表記ゆれ
ランディ(略称)
関連タグ
クロスベル関連
ロイド・バニングス ティオ・プラトー エリィ・マクダエル
キーア セルゲイ・ロウ
赤い星座
シグムント・オルランド シャーリィ・オルランド
トールズ士官学院
リィン・シュバルツァー ユウナ・クロフォード