CV:細谷佳正
概要
帝国の北東にある異郷の地「ノルド高原」に住む遊牧民の出身。ノルド高原は正確にはエレボニア帝国領ではないため彼は留学生という扱いである。
出自
エレボニア帝国最北部・ノルド高原(後述)の遊牧民に生まれ、少年時代から狼相手に腕を磨いたというノルドの民伝統の騎馬槍術を操り、恵まれた体躯と褐色の肌を持っている。
また、その体躯に見合った大らかで落ち着いた性格の持ち主で。Ⅶ組の中でも一番精神年齢が高く、メンバー1の常識人である。
実家は羊の放牧と馬の育成を生業として、家族は父母、弟と二人の妹の四兄妹。弟妹からは「あんちゃん」と呼ばれている。(余談だがⅦ組の中で唯一実の両親が健在である)また少年時代より日曜学校の代わりに、七耀教会の巡回神父グンター・バルクホルンのもとで学んだこともあり、女神への信心も深い。
また女神の他にもノルド独自の風習で『風』を信仰の対象としており、物事において良くも悪くも『風の導き』によるものと考えており、「風の~~」と言うのが彼の口癖である。
他にもラインフォルト社会長を解任されたグェン・ラインフォルト(アリサの祖父)がノルド湖周辺に隠遁したときも一家ともども親交を得ている。
当時、エレボニア国境でノルド高原に隣接するゼンダー門にゼクス・ヴァンダール中将率いる帝国軍第三機甲師団に異動し、ゼクスは司令として着任した。この後にノルド高原を視察していたゼクスが魔獣に襲われたところに、通りかかったガイウスが加勢した縁からゼクスと知己を得、
「ノルドの地を守るためには、一度故郷を離れて外で何が起こっているのかを知る。」ため、ゼクスよりトールズ士官学院への入学の推薦を受けた。
閃の軌跡
ノルドの民の特徴なのか風を読む能力を持っており、人の気配や霊場など特別な空気を読むことができる、そのため気配察知能力はリィンと並びトップクラスの持ち主である。
また、少年時代より『友』と慕っている鷹のゼオを手なずけている。
趣味は絵画でありそのため部活は美術部に所属、同じく美術部に在籍するリンデは彼と部長であるクララの互いの独特な空気感によく戸惑っている。
身分制度の無い土地の出身なので帝国民が持っている身分差別の感覚が無く、中盤でパトリック・T・ハイアームズらⅠ組に絡まれ、「蛮族」と悪態をつかれた時も、
「よくわからんが…貴族というのはそんなにも立派なものなのか?そちらにしてみれば、確かに俺は外から来た『蛮族』だ。貴族は何をもって立派なのかを説明してもらえるか?」
と反論し、これにはパトリックも貴族のあるべき姿を語るが、ガイウスは
「なるほど…確かにラウラやユーシスの振る舞いを見れば、納得できる答えではある。だが、それでもやはり疑問には答えてもらっていない。伝統と家柄、気品と誇り高さ…それさえあれば先ほどのような言い方も許されるというものなのか?」
とさらに反論し、パトリックらを沈黙させた。
ただし良識で判断したり他者をフォローする能力はあるものの、リィンのようなリーダーシップを持ってメンバー同士の仲裁をする能力はさほど高くはないようである。
PS3・PSVITA版ではDLCで私服が用意されており、青セーター・灰デニムにマフラーを巻いており、ラフなスタイルともいえる。
閃の軌跡Ⅱ
前作終盤・貴族連合軍によるトールズ士官学院制圧・占拠によりⅦ組もまた散開を余儀なくされる。ガイウスは実家であるノルドにアリサやミリアムと退避。
そして、ノルドにてリィンたちと再会・合流するが貴族連合軍はノルドにも牙を剥き、監視塔最上階でアルティナと貴族連合に協力する結社の執行者・怪盗紳士ブルブランと交戦することになった。
その後も貴族連合軍との戦いにおいても、ケルディック焼き討ちを実行したヘルムート・アルバレア公爵をパーティメンバー参加時にはユーシスやリィン、ラウラとともにその蛮行を糾弾している。
また、本編では上位Sクラフトを全員使えるようになるが、ガイウスが最速のタイミングで体得することになる。
閃の軌跡Ⅲ
内戦終結の功により、ガイウスもまた飛び級でのトールズ卒業となり、ノルドへと帰郷する。
しかし他のⅦ組メンバーが連絡を取り合う中、彼だけは3章開始時まで一切音信不通であったが6月になってようやく連絡がつき、ブリオニア島にて再会を果たす。
そこで同じ師・バルクホルンより教えを賜った兄弟子で、ノルドの血を引く帝国貴族ウォレス・バルディアスとも対面する。
終盤の王都でのパーティではパトリックが前述の学生時代での出来事を謝罪、いずれノルドへ観光に来た際には案内すると約束をしたのである。
その後皇帝陛下銃撃の事件で帝国の情勢は激化、そこでガイウスは現在の素性を明かすことになる・・・・
「—―そういえばまだ名乗っていなかったか。
第八位《絶空鳳翼》ガイウス・ウォーゼル——《吼天獅子》に代わりお相手する!」
実は星杯騎士団の一員、それも聖痕を持つ12人の守護騎士の一人になっていたのである。
トールズ卒業後、故郷のノルドはカルバード共和国との国境紛争が起き、ガイウスは家族を守り必死の抵抗も空しく危機に陥っていた。そんな中、ガイウスの師であり先代守護騎士であるバルクホルンがガイウスを庇い瀕死の重傷を負う事になる、そして覚悟したバルクホルン神父が自らの聖痕をガイウスに継承したことにより彼は聖痕を手にする事になる(実際には裏があった。バルクホルンことベルガルド・ゼーマンの項を参照)。
その後トールズ時代の元教官の一人でかつ星杯騎士団副長であるトマス・ライサンダーと連絡をとってアルテリア法国に出向き、守護騎士になるための修練を受ける。序盤で音信不通だったのはこのためである。
余談ではあるが、歴代の星杯騎士団の守護騎士は過去が明らかになっていない面子を除くと聖痕が原因で家族を失った者や不和を招いた者などと暗い過去があることが多いが、ガイウスは重態のバルクホルンから聖痕を受け継いだからか特にそのような過去はない。ただし目の前で愛する故郷を焼かれて尊敬していた師の重態にあうと言うのは精神的にも辛い出来事と言えるだろう。
閃の軌跡の頃からガイウスの故郷に対する愛情は何度も描写されており、彼はその故郷を守るために外の世界に飛び出したのに紛争が起きてしまったのだ。
事実その時のガイウスは家族を守るために飛行艇に槍を投げるほど錯乱してしまっている。
《黒キ聖杯》での戦闘においてラウラやエマと共に劫炎のマクバーンや鋼のアリアンロードと対峙した。
閃の軌跡Ⅳ
それでも『巨イナル黄昏』を起こさんと目論む敵勢力…ギリアス・オズボーンや黒の工房の長アルベリヒらの猛攻には耐えられず、退却を余儀なくされる。初代Ⅶ組の同級生・エマの故郷・エリンの里に退避するが、ミリアムの討死とリィンが敵勢力の手中に墜ちたことを受け、ガイウスだけでなく初代Ⅶ組は意気を失い、再起不能に陥っていた。
しかし、この様に激高した後輩の《新Ⅶ組》ユウナの一喝を受け、ガイウス含めた初代Ⅶ組は目を覚まされることになる。
その後、ガイウスもリィン奪還のため情報収集を行い、帰還後は新Ⅶ組の全員再合流を待って黒の工房本拠地へ突入、リィン奪還に成功する。
奪還時に、バルクホルンより引き継いだ守護騎士専用飛空艇「メルカバ捌号機」を用いて黒の工房を脱出。その後はトマス副長の従騎士でありトールズでの同級生だったロジーヌをオブザーバーとして中盤まで新旧Ⅶ組をこの飛空艇とともに支援した。
中盤のパンタグリュエルでのセドリック皇太子と結社の猛攻でメルカバが破損してしまうが、その後オリヴァルト皇子が駆るカレイジャスⅡに乗り換え、メルカバ捌号機は修理のため最終決戦まで離脱した。
最終決戦前にはミシュラムで元トールズの美術部仲間であり現在は第二分校の専任看護師を務めているリンデとは親密な感じを醸し出していたようである。
黎の軌跡
エンディングの一枚絵にて登場、他の守護騎士達と共に死んだと思われていた師のバルクホルンと再会しており嬉しそうに接していた。
Ⅱでは本人は登場していないがセリスとリオンが話題に挙げておりワジ以外の先輩達とも上手くやっている模様。
バルクホルンの最後の弟子で彼が身を挺して守り聖痕を託したのでトコトン扱くつもりでいたが、「若いのに最初から完成されている」と言わしめるほどの人格者だった。ノルド出身でⅦ組のメンバーでもあるのでうかうかしていられないと感じるほどらしい。
対人関係
Ⅶ組--クラスの中では唯一の留学生であったが、風格と落ち着きから全員の信頼が篤い。トールズ入学の動機もクラスで最も大きく、尊敬もされている。
リィン・シュバルツァー、エリオット・クレイグ--入学時のオリエンテーリングでパーティを組んでから、一緒にいることが多い。同期の男子では最も仲が良く、卒業後も良好な関係を築いている。
アリサ・ラインフォルト、ユーシス・アルバレア--両親から愛情を受け、弟と妹とも仲が良いガイウスは理想の家族像であり、家族と確執のあるアリサやユーシスにとってはまぶしいものであった。育った環境が正反対であったためか閃Ⅰの中盤以降はユーシスとよく話している姿が多く見られる。
リンデ--トールズの同期で同じ美術部の仲間である第Ⅱ分校の看護師。Ⅶ組に次いで親しい関係であり互いに無自覚ながらも惹かれ合っているようで、リィンや双子の妹のヴィヴィはそれを察しているようである。
クララ・ヴォーチェ--一年先輩で美術部の部長。無関心なようでアドバイスを送る人柄でガイウスとリンデからも尊敬される。卒業後は芸術家として成功を収め、更に1209年で共和国のアラミス高等学校の学藝祭に出品するほどの知名度を獲得しており、共和国のある女性芸術家は熱烈な対抗意識を燃やしている。
ロジーヌ--同じトールズの同級生で、元々はトマス副長の従騎士だが、ガイウスの星杯騎士就任後はトマスの意向もあり臨時でガイウスの従騎士としてサポートに回ることが多い。立場上はガイウスの部下だが、同期生故に気軽に接する仲。
グンター・バルクホルン--ガイウスの前任である守護騎士の先代第八位、守護騎士と判明する以前からノルドへ巡回神父として訪れており彼に武術のみならず世界の在り方を説き、トールズに進むきっかけを与えたガイウスの師匠。
トマス・ライサンダー--同じ守護騎士でありトールズ時代の教官、守護騎士拝命後はまだ経験の浅いガイウスのサポートをしている。
ワジ・ヘミスフィア--同じ守護騎士の仲間、守護騎士としては先輩であるが年も近いためプライベートではフランクに接しているようである。
バトルスタイル
登場作品を通じて得物は槍。物理攻撃力は勿論高いが、HPと防御力がⅦ組メンバーで一番高く、当然前衛キャラクターとして活躍ができる一方、魔法攻撃力・魔法防御力はともにⅦ組では低いため、アーツや魔法攻撃で攻められると苦戦する。クラフトは槍を用いた範囲攻撃が多く、多くの敵を攻撃できるのが特徴。固定属性は地×2、風×1。
「閃Ⅲ」より使えるSクラフト・『吼天鳳翼衝』は威力は勿論高いが、さらに『絶対遅延』の特性があり、この技を放つことで遅延のクォーツ装備でも効かない強敵ボスキャラクターを確実に行動を遅らせることができるため、CP回復手段と、Sクラフト硬直軽減があればこの技を効果的に使って敵を一切攻撃させずに完封できるという戦法も取ることができる。
余談
ノルド高原
ガイウスの生まれた地・ノルド高原帝国中興の祖ドライケルス帝が第三皇子と呼ばれた当時、挙兵した場所であったため、以来永きに渡りノルドの民たちは帝国とは友好関係を築いてきた。だがカルバード共和国が領有権を主張し始め高原の東に住む遊牧民たちと関係を持ち始めてから次第に状況がおかしくなっていく。
共和国が広大な高原には似付かわしくない基地を設け始め、それに危惧した帝国も監視塔を立てるようになり、次第にノルドの地に不穏な空気が流れるようになっていった。
少年だったガイウスは子供心に不安を覚え独自に調べた結果、国同士の争いで消えていった少数民族がどれほど多いのかを知った。
美しく雄大なノルドの大地を愛するガイウスは、いつこの地で戦争が起きてもおかしくない状況からノルドの地を守らなければならないと強く願うようになっていったのである。
ウォレス・バルディアスとの関わり
前述にもあるが、帝国内戦時に貴族連合軍の司令のひとりであったウォレス・バルディアス少将は、ウォレス自身も祖先がノルド遊牧民であったことや、ガイウスと同じくバルクホルンに師事していた一人で、いわばエレボニアでのガイウスの兄弟子的存在である。得物もガイウスと同じく槍で、閃Ⅳではガイウスと槍を携えた馬上対決を行い、『守護騎士』や『Ⅶ組』という立場の中で忘れかけていた『ノルドの民』という自らの原点を思い出しガイウス自身の迷いを悟らせている。
ノルドの民のルーツとその役割
黎の軌跡Ⅱにおいてカシム・アルファイドから語られた、クルガの民と祖を同じくする「兄弟の一族」とはノルドの民のことである。
その場にいたヴァン・アークライドは「兄弟の一族」という単語から「帝国との緩衝地帯」を連想しており、ビジュアルコレクションにおいても「兄弟の一族=ノルドの民ですよね?」という質問に対して「元は同じ民族だったのでしょうね」との回答があった。
すなわち1000年ほど前に中東からノルド高原に移住した一派の末裔がノルドの民であり、中東に残った一派の末裔がクルガの民である。
この分裂についても何らかの意図があって行われたことらしく、歴史的に見てノルドの民が帝国の歴史を動かす人物に助力してきた(顕著な例としては獅子戦役時のドライケルス、現代のリィン)のもノルドの民の目的に合致している模様(カシムは「かつて祖を同じくする兄弟の一族が為すべきことを為した」と述べている)。
関連項目
グンター・バルクホルン - 師匠。『黎の軌跡』にて再会を果たした。
兄弟弟子
ウォレス・バルディアス セリス・オルテシア リオン・バルタザール ヴァン・アークライド
星杯騎士団の同僚
トマス・ライサンダー ワジ・ヘミスフィア ケビン・グラハム リース・アルジェント ロジーヌ ヴァルド・ヴァレス セリス・オルテシア リオン・バルタザール
その他
カシム・アルファイド フェリ・アルファイド--『兄弟の一族』と呼ばれているクルガの民のキャラクター。ちなみにカシムはガイウスと同じく弟一人・妹二人いる長男である。
他作品の関連キャラクター
機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズのキャラクター。中の人が共通していた為か、漫画「ファルコム学園」にて彼の持ちネタをやらされていた。