概要
エレボニア帝国貴族で『四大名門』と称される侯爵家、フェルナン・ハイアームズ侯爵の三男。兄二人もエレボニア帝国の外交官となっている。当初はⅦ組を敵対視していた。
閃の軌跡
トールズ士官学院に入学し、当時はまだ貴族生徒・平民生徒とで区別されていたこともあり、パトリックは貴族クラスであるⅠ組に所属していた。
部活動ではフェンシング部に所属し、その腕前は同期入部で入った平民生徒のアランがまったく歯が立たない程の実力を持っていた。ただし、部長で貴族生徒であるフリーデルには逆に全くかなわなかった。
名門の家柄である故に常に取り巻きを寄せ付け、さらには周囲に傲慢な態度を取り平民生徒を見下していた。そのため貴族、平民、留学生による寄せ集めのⅦ組の事を嫌い、Ⅶ組のユーシスにも、Ⅶ組と付き合わずに自分たちと組むように貴族専用サロンへしきりに誘っているが、当のユーシスからは「興味がない」とあしらわれている。
とりわけⅦ組の要であるリィンの事は出自不明の養子が男爵家にいるという理由から見下しており、ついには中間試験の成績で自分たちⅠ組がⅦ組に抜かれたことで激高、授業中に乗り込んで果し合いを叩きつけ、女子一同とユーシスの参戦を認めさせない上で叩きのめすことを目論んだ。
しかし、その果し合いで返り討ちにされ、ついには
「平民や蛮族ごときが、調子に乗るな!!」
と逆上し、これにはさすがにⅠ組の取り巻きらも青ざめるほどだった。
これを見かねたガイウスに「貴族は何をもって立派なのかを説明してもらえるか?」と問われ、パトリックは貴族とは誇りと身の頂点であることと返すが、同じくガイウスに
「なるほど…確かにラウラやユーシスの振る舞いを見れば、納得できる答えではある。だが、それでもやはり疑問には答えてもらっていない。伝統と家柄、気品と誇り高さ…それさえあれば先ほどのような言い方も許されるというものなのか?」
と返され、返答に詰まるほどだった。
中盤、トールズを訪ねたリィンの義妹・エリゼに一目惚れし、案内していくうちに旧校舎に二人で迷い込んで現れた魔煌兵に襲われるが、救出に駆け付けたリィンに
「お前…エリゼに何をした!!」
と激高され、恐怖を抱いたこともある。この時は先輩であるクロウの仲裁と指示もあり、一触即発の状況は避けられている。
その後士官学院祭後の内戦勃発、貴族連合によるトールズ士官学院占拠の際は、敵軍勢に対峙するリィンたちⅦ組の後衛を受ける発言もしていた。
閃の軌跡Ⅱ
士官学院が貴族連合首魁・クロワール・ド・カイエン公爵によって占拠され、平民生徒の大部分が学院から追い払われる中、貴族生徒は割合優遇され、パトリックは士官学院の警備を務める騎士団としてそのリーダーを務める。
ここで前述のような選民思想を抱き続けているならクロワール公に感化されてさらなる悪事を働くものだが、同じ貴族生徒の先輩や同級生、自身の兄的存在であり父・フェルナン侯の懐刀であったセレスタン執事から言い含められたのか、あるいはパトリック自身にも思うところがあったのか、あくまでも士官学院の警備以上の事はしなかった。
そして終盤、トールズ士官学院奪還のため、リィンたちⅦ組やトワ生徒会長、アンゼリカ両先輩が突入したときはこれを迎撃する。ただし、あくまでも自分達貴族の在り方についての答えを見出すための戦いで、貴族連合の目的などは最初から眼中になかった。
迎撃に敗れたのちはトールズを解放。Ⅶ組とともに貴族連合へ反旗を翻し、カレル離宮での貴族連合兵との戦いや、帝都ヘイムダル市内での魔煌兵との戦いでも奮闘している。
後日譚では、改めての意味でリィンと果たし合いをして、これを機に和解が成立した。その後リィンとはよき友人関係となり、Ⅶ組の周りが特例による飛び級卒業して唯一残った彼のサポートも行っていた。
閃の軌跡Ⅲ・閃の軌跡Ⅳ
トールズ卒業後は父・フェルナン侯の名代としても多く帝国貴族間で奮闘する。領邦会議では世話役として活動し、新Ⅶ組からも信頼を得る。
卒業後も自身の得物・細剣の腕はさらに磨かれておりエリゼやアルフィンに襲いかかろうとした2体の魔煌兵を一撃のもとに怯ませることに成功させる。(マキアスの見立てから星杯騎士団の従騎士よりも強いと思われる)
閃Ⅳでは【翼の閃き】作戦の準備のためにフェリス達トールズOB達の協力のもとⅦ組とは別に極秘で行動、その後パンタグリュエルでのセドリック皇太子と結社身喰らう蛇と猟兵団赤い星座の襲撃の際に、オリヴァルト皇子とともに新型巡洋艦「カレイジャスⅡ」とともに合流を果たし、黄昏への抵抗のために終始動いた。
『翼の閃き作戦』直前ではフェンシング部の仲間のアランが呪いに呑まれ、恋人のブリジットの言葉さえ届かないまでになってしまったのを聞き、彼の目を覚ますためにⅦ組を含む同期生と共に対面、リィンと共にアランの魔煌輝兵を撃破した。
人物
当初は四大名門家の御曹司を笠に傲岸不遜な立ち振る舞いだったが、前述のⅦ組に対する暴言も、さすがに自分自身も言い過ぎたことを気にしていたことから、根は悪漢ではないことがうかがえる。卒業後は自分を「不出来な三男坊」と称しており、当時から屋敷の使用人達からも問題視されていたことが窺える。だが、内戦やリィン達との交流を経て良い意味で貴族らしく成長、後にフェンシング部仲間のアランが呪いの取り憑かれた際には貴族のブリジットに対して自分が平民である事への引け目がある事を推察、「入学当初の傲慢なままなら、自分もアランと同じになっていた」と自分自身を冷静に分析するほどに成長した。
前述の通りリィンの妹のエリゼ・シュバルツァーに好意を持っているようだがリィンが超ド級のシスコンのため恋が成就するかはなかなか難しい所ではあるが彼のこれまでの成長を見てきた事もあって「閃Ⅲ」では祝賀会で一緒にダンスを踊るのを容認されるなど、まだ葛藤はしているものの少しは認めている所があると思われる。また、夏至蔡では模擬戦で蛮族と罵倒したガイウスに改めて謝罪している。
贄となってどこか諦めの境地にいたリィンがエリゼと会話をしている時にいつもの牽制をしない事に「らしくない」と活を入れたり、黄昏によってコンプレックスを拗らせていたアランをリィンと共に説得に行ったりと友のために活躍する姿が見られる。
最終決戦前夜のミシュラムではエリゼを誘う事に対しリィンから特別に許しをもらう事が出来たのであった。(ただししっかりと釘はさされているが)
対人関係
Ⅶ組――貴族のプライド故に貴族出身に加えて平民出身者、奨学生や留学生、猟兵などが入り交じったⅦ組を寄せ集めと馬鹿にしたが、模擬戦で負けた際には出身を理由に罵倒する。が、内戦を経て彼らを認め、他の貴族生徒の同級生や先輩とともにⅦ組をサポートしていく。
リィン・シュバルツァー――貴族の養子という理由で目の敵にしていたが、内戦を経て和解。Ⅶ組の仲間が卒業した後のリィンをサポートしている。エリゼとの仲も多少は認められているが、『閃Ⅳ』の時点ではまだ完全な交際までは認められていない。ハイアームズ家の使用人達からも恋敵や、問題の多かったパトリックを更正した人物と認知されている。
エリゼ・シュバルツァー――本校へリィンに会いに来た際に見かけ、一目惚れしている。以来アプローチを図っているが、リィンが目を光らせているために中々進展がない。とはいえ、ある程度は好意を認められてはいる。
ガイウス・ウォーゼル――Ⅶ組のメンバー。ノルドからの留学生という理由で蛮族呼ばわりした。が、逆に『蛮族』と認められた上で貴族とは何かと問い返され、明確に答えられなかった。結果、リィンとは違う意味でパトリックに良い影響を与え、閃Ⅲの夏至蔡では遅ればせながら、この非礼を詫びた。
アラン――フェンシング部の同級生で、当初こそ確執はあったが良き友人となる。後にアランが恋人のブリジットとの身分差に葛藤して呪いに取り憑かれたが、彼を救うためにパトリックはリィンと共に奮戦する。
フェリス・フロラルド――貴族の同窓生。四大名門ほどではないが、名門貴族ということもあって貴族生徒では最も付き合いが長い。後にⅦ組との一騎打ちやヴァイスラント決起軍の編成、Ⅶ組への救援、アランの説得など同窓生のコンビとして活躍する。
関連項目
同じくトールズ出身の四大名門