概要
エレボニア帝国貴族家で四大名門と称される大貴族家の一つ、北部ノルティア州を統括・領地とするログナー侯爵家当主ゲルハルト・ログナーの息女。初登場時はトールズ士官学院2年生で、リィンらⅦ組の先輩にあたる。
本編開始前
ノルティア州州都・《鋼都》ルーレ市生まれ。四大名門の一つである侯爵家の令嬢でありながら、制服を着ないでライダースーツで身を包み導力バイクを乗り回す自由奔放な麗人で、巷では不良娘とも呼ばれている。
本編開始の7年ほど前に、各地を放浪していたキリカ・ロウランと出会い、半年ほど侯爵家から家出して、キリカとの旅に同行。この時に泰斗流拳法をキリカより学んだ。
その後、地元のザクセン鉄鉱山で身分を隠してアルバイトをしており、鉱夫とは顔なじみかつ、その働きぶりは本職の鉱夫にも劣らなかったというほど。鉄鉱山と関連が深いラインフォルト社とは父や叔父が役員を務めていた事情から、そのつながりで幼少期から家族ぐるみで付き合いがあり、アリサやシャロンとも長い親交がある。
このザクセン鉄鉱山で働いていた前後にジョルジュと知り合い、導力バイクが縁で親交を深める。
この頃には帝都の聖アストライア女学院に入学することが決まっていたが、ルーレ工科大学のマカロフの誘いに乗ったジョルジュがトールズ士官学院に入学することを決めたという話を聞き、自分も士官学院に入学することを決める。
トールズ士官学院入学後
士官学院入学後、ジョルジュのほか同級生にトワ、クロウとの親交を得、教官となったサラの指導のもと、ARCUSの運用テストと特別実習のテスト生としてエレボニア各地を回った。これが翌年の《Ⅶ組》の創設につながっていく。クロウについては人当たりはいいのにどこか虚ろなところがあることを言い当て、最初の頃は衝突するが、実習を通じて少しずつ交友を深めていく。
なお、メンバーからの名前の呼ばれ方も
クロウ→「ゼリカ」
ジョルジュ→「アン」
トワ→「アンちゃん」
とそれぞれ異なる。なお、士官学院入学当初はまだ貴族・平民生徒で制服の色が違っており、アンゼリカは唯一の貴族生徒であり白制服をまとっていた。このビジュアルは『創の軌跡』にて初めて描かれている。
閃の軌跡
進級後は士官学院の2年生(I組)で、自動二輪部に所属する。この頃には校内でも常にライダースーツを着用している。もちろん、後輩であるⅦ組とも交友を得るが、本編後半でログナー家が統治するルーレのザクセン鉄鉱山で起きた事件や鉱石の横流しに介入したことで父・ゲルハルトの怒りを買ってしまったために実家に呼び戻されてしまい、士官学院も休学させられてしまうが、いくつかの見合いを引き受けるという交換条件を受け入れ、学院祭の時にはドレス姿で士官学院を訪れた。
閃の軌跡Ⅱ
学院祭後は帝国の貴族派と革新派の対立が極限に至り、ついに内戦が勃発。アンゼリカも音信不通になっていたが、四大名門筆頭格で貴族連合の首魁・クロワール・ド・カイエン公爵の一翼としてノルティア領邦軍司令を務める父・ゲルハルト(ただし、この行動は忠誠を誓うアルノール皇帝家に反逆しているため、心中おだやかではなかった。)に反旗を翻して、志を同じくしたルーレ市民やノルティア領邦軍の一部を糾合し密かに活動していた。
そしてルーレに潜入してきたリィン・アリサらⅦ組と再会、この時アンゼリカはシスターの法衣姿で登場し、地元で行きつけとされる食堂で話したことは、前作での父・ゲルハルト侯爵の鉄鉱石の横流しを行っていた主犯格が実際は父ではなく、叔父ハイデル・ログナー伯爵で、ハイデルはカイエン公爵に感化されたか、積極的に貴族連合に与して横流しのみならずラインフォルト社第五開発部を背景にして実質ラインフォルト社を乗っ取り、アリサの母・イリーナ会長の失踪・監禁に大きく関わっていたことだった。
この後、アンゼリカもⅦ組に合流。イリーナの救出のため監禁されているザクセン鉄鉱山に向かい、貴族連合に与する猟兵を蹴散らしつつイリーナを救出。加えて、別ルートよりイリーナ救出のため駆け付けたシャロンとも合流し、続いてラインフォルト社本社に地下より潜入してラインフォルト社を事実上乗っ取った叔父・ハイデルが放った人形兵器を撃破した上で、ハイデルをイリーナに引き渡して制裁するほか、父・ゲルハルト侯をⅦ組に同行していたアルフィン皇女の説得のもと貴族連合から離脱させる。
その後は巡洋艦カレイジャスに合流し、カレイジャスでは主操舵手として活動。艦の副長も兼任した。(カレイジャスのことはジャジャ馬かと思ったが意外と素直ないい子と評している)。内戦終結までカレイジャスの舵を執り、内戦終結後は士官学院に復学、トワ、ジョルジュらとともに卒業した。
卒業前には「導力バイクでゼムリア大陸一周の旅に出て、リベール王国、レミフェリア公国、オレド自治州、アルテリア法国周辺を回る。」と述べており、卒業後ゼムリア各地を回った。
閃の軌跡Ⅲ
さらに大陸中東部まで足を運ぶが、東ゼムリア方面に行くのは難しく、帝国の情勢が気になったことで帰郷する。そして、領邦会議では内乱に加担したことで謹慎中の父・ゲルハルトの名代としてログナー家代表代行として貴族会議などに出席している。
前作で悲劇的な最期を遂げた同級生、そしてもうひとりの同級生の暗躍の真相を追う最中、黒のアルベリヒの毒牙にかかり失踪する。
閃の軌跡Ⅳ
「紅のロスヴァイセ」となり、当初は敵として登場。最初は黒の工房にてリィン救出のために現れた《Ⅶ組》女子の前に立ちふさがった。
そして二度目の対決となる海都オルディスではアルベリヒの命令もあったが、何よりも精神が崩壊寸前になっていたクレアを案じて、彼女とともに対峙。戦いの末にアルベリヒの暗示とアンゼリカを拘束する仮面が割れ、クロウとトワの呼びかけにより帰還する。リィンやクロウを初めとする仲間たちと再会を祝し、「巨イナル黄昏」に抵抗していくことになる。
バトルスタイル
登場作品を通じて得物は手甲。前述にもある通りキリカ・ロウランに師事したことで泰斗流拳法を体得し、さらに独自のアレンジを加えて戦う。ブランクがありながらもリィンを追い詰める程の実力を持ち、閃Ⅲ以後はブレイクの概念が加わったことから、アンゼリカの攻撃クラフトは高いブレイク率を持つ。固定属性は「地」×2、「時」×1。
人物
女性だが大の女の子好きで、自分が女であることをいいことに可愛い子には事あるごとにセクハラを仕掛けてくる。女の子に抱き付いたり、はしごを登っている女の子を下から覗いて「眼福、眼福」と言ったりとやたらオヤジ臭いことをやっていた。女性の口説き方はアリサの祖父グェン・ラインフォルトに習ったらしい。
また、『閃の軌跡Ⅳ』では、魔女の里エリンの露天温泉「妖精の湯」入浴時に女性陣と囲まれて至福の表情を浮かべていたが、これを見たアッシュが
「そもそもあんた、ズーレーってわけじゃねぇだろ。」
と半ば呆れたコメントをしたが、アンゼリカは「甘いな。所詮はボウヤというところかな?」と返し、愉悦な表情まで浮かべたことからアッシュも「触らぬ神に祟りなしだ」と言わしめるほどだった。
クロウ曰く目ぼしい女子はかたっぱしからアンゼリカが口説いて虜にしてしまったらしく、多くの男子が寂しい学院生活を送ったとのこと。
基本的には女の子、とりわけ年下がストライクゾーンらしく、『創』のグループミッションではその典型であるティータ・キーア・レンを抱きしめることに飽き足らずローゼリアやラピスにまで手を広げるほどである。
かといって男が嫌いというわけではないらしく、その守備範囲は恐ろしく広いようであるが、見境がなさ過ぎるためにⅦ組は男女全員が半ば敬遠し、普段はジョルジュがブレーキ役をしている。
バイクを乗り回すだけでなく、空中巡洋艦カレイジャス・聖杯騎士団専用艦メルカバ・そしてカレイジャス後継艦カレイジャスⅡの操舵士としてすべての舵取りを行ったことがある。
対人関係
トワ・ハーシェル――親友。同い年だが、小柄で愛らしい外見のトワが一番のお気に入り。友人としては良好だが、トワはアンゼリカの暴走には辟易している。が、本気で怒ったトワにはアンゼリカすら逆らえない。
クロウ・アームブラスト――同級生。薄々と彼の裏の顔に気付いて衝突していたが、それを通じて良き友人となり、お互いに敵対しながらも強い友情で結ばれる。
ジョルジュ・ノーム――入学前からの付き合いで、暴走の多いアンゼリカのストッパーに納まっている。ジョルジュはアンゼリカに好意を寄せている節もあるが、真偽は不明。後に黒のアルベリヒの命令で彼女を殺そうとするが、利用という建前でアンゼリカを助けている。
キリカ・ロウラン――武術の師。家で旅行中に面倒を見られていたらしい。現在の彼女はロックスミス機関の室長だが当時の彼女は遊撃士協会の事務方だったと思われる。
Ⅶ組――二重の意味での後輩達。同じ四大名門や昔馴染みという接点のある顔ぶれもいる。破天荒ぶりは敬遠されているが、先輩として尊敬されている。
緋のローゼリア--齢800とまさに本作の最長老的存在だが、見た目が幼女そのもののためアンゼリカの好みのタイプで、『閃Ⅳ』終盤では襲い掛からんとする掛け合いがあり、さらには『創』では見事にとっ捕まり、「またか、油断した!!」と嘆いたほどである。
関連項目
クロウ・アームブラスト トワ・ハーシェル ジョルジュ・ノーム
ユリア・シュバルツ――『男装の麗人』、『男性より女性の人気が高い』、『変装で淑やかなシスターになりすまして協力する』など共通項が多い。