「貴族の義務・・・果たさせてもらうぞ。」
CV:立花慎之介
概要
出自
エレボニア帝国東部クロイツェン州・『翠都』バリアハート市生まれ。
エレボニア帝国の貴族の名門「四大名門」の一つ、アルバレア公爵家の次男。
ユーシスはアルバレア公爵家の次男ではあるが、実父・ヘルムート公爵にはぞんざいに扱われまともに会話すらしてもらえない。そもそも彼はヘルムートが妾に産ませた子であり、元々は母の元で平民として暮らしていたが、8年前に母が亡くなった後に父方のアルバレア家に引き取られる事になる。
父親に引き取られたものの平民に産ませた子など興味を示さなかったため、代わりにユーシスに貴族の作法や家伝来の剣術・宮廷剣術を教えたのが、兄のルーファス・アルバレアであった。ユーシスはルーファスを兄であり父のような存在として慕っていて心の拠り所のようである。
また母方の伯父である「ソルシエラ」のオーナーシェフ・ハモンドも昔から世話になっていて、ユーシスも「ここの味で育ったようなものだ」と評し、ハモンド本人もユーシスを気にかけていた。
公爵家の威光で恐れ敬れるユーシスにとって、この二人が心を許せる数少ない人だったと言える。また、公爵付の執事のアルノーも公爵のユーシスへのぞんざいな態度には思うところがあり、一歩引いた視点からユーシスのことを案じている。
そして、そんな出自のためにバリアハートの貴族達から影で侮辱され続けていた。が、貴族・平民を問わずに子供からは懐かれる人柄と平民や一部の貴族からは同情なども入り交じった好意的な意見が多い。
そして、兄・ルーファスが自らの母校・トールズ士官学院理事に就任、ユーシスもまたトールズ士官学院に入学することになる。
閃の軌跡
入学後、ユーシスは特科クラス《Ⅶ組》に配される。
天才型の人物で初めての事でも卓越したセンスで難なくこなすことができる。また、貴族らしい尊大な態度でどこまでも偉そうではあるが本人に悪気はないようである。部活動は実家でも多く馬に乗っていたことから、馬術部を選んでいる、当初馬術部の同期であるポーラからは貴族という事で煙たがられていたが尊大ながらも彼の真摯な姿に受け入れられるようになった。
「革新派」でカール・レーグニッツ帝都知事の息子であるマキアスとは事ある毎に対立する。
尊大なユーシスに自身のトラウマから貴族を憎むマキアスが突っ掛かり、そこにユーシスが余裕な態度であしらうため、度々胸倉を掴み合う程の大喧嘩に発展して他の《Ⅶ組》メンバーに止められている。
しかし尊大ではあるが横暴ではなく、父が軍備増強のため領民に重税を課して苦しめる姿を苦々しく思っているなど貴族としての良心は持っているほか、同じように尊大かつ傲慢にふるまっていたパトリック・T・ハイアームズからの貴族専用サロンへの招きを頼まれても「興味がない。」と追い払っている。
当初は人を寄せ付けない雰囲気を醸し出していたが、リィンがクッションの役割を果たすことで《Ⅶ組》に少しずつ馴染むようになり、学院際の出し物のバンドではマキアスとデュエットでボーカルを務めルーファスから「昔のそなたでは考えられない」と評されるまでになったが、後の登場作ではユーシス・マキアスともに「黒歴史だ」とコメントしているほど。
また元来子供には好かれる性分であった事もあり、後から《Ⅶ組》に加わったミリアムに懐かれており、調子を狂わされながらも彼なりに相手はしている模様。
PS3版・VITA版ではDLC衣装として私服が用意されている(PS4版「改」では実装されている)。長袖・白マフラー・ジーンズと、ラフなスタイルとも言える。
閃の軌跡Ⅱ
「Ⅰ」終盤の貴族連合軍によるトールズ士官学院侵攻・占拠によりⅦ組もまた散開を余儀なくされる中、ユーシスは同級生のラウラ、エマとともに故郷バリアハート経由でラウラの故郷レグラムに向かうが、その後バリアハートに帰還。兄・ルーファスが貴族連合首魁・クロワール・ド・カイエン公爵の右腕となる総参謀となった事と、父・ヘルムート公の意向により領邦軍の指揮を執ることになる。
アルバレア公爵家として果たすべき義務とⅦ組メンバーとの仲間意識との間で複雑な立場に置かれていた。そのためⅦ組メンバーと合流しないつもりでいたが、リィンとの決闘に敗れた事で彼の強い意志を認め、合流を決意、Ⅶ組メンバーでは最後の合流者となる。
父との対決と貴族の責務
父ヘルムート公指示によるユミル襲撃とシュバルツァー男爵(リィンの養父・エリゼ実父)殺人未遂、フィオナ・クレイグ(エリオットの姉)誘拐及び殺人未遂、果ては領内の街ケルディックの焼き討ちという暴挙に思い悩んだ末に貴族連合が父を見限ったことをルーファスから伝えられたユーシスはこれ以上の暴挙を止めるために父を逮捕するべく、リィン達と共に父が籠城するオーロックス砦に突入。帝国解放戦線の《S》や北の猟兵を退けてユーシスは父に投降を迫る。だが、アルバレア公爵は『四大名門の一角の当主』、『正規軍の駐留を受け入れている領民を制裁した』などという見当違いも甚だしい暴論でケルディックの焼き討ちを正当化する。この醜態は当然ながらⅦ組に哀れみさえも抱かせ、同じ貴族のリィンとラウラにも『領地を焼いて良い理由にならない』と切って捨てられた。
神速のデュバリィが敗れても尚、アルバレア公爵はデュバリィに護衛の義務を詰め寄るが、『小娘』と侮辱されたデュバリィは遂に本来言付けられていたことが最初からオーロックス砦の陥落を見届ける=カイエン公爵とルーファスの要請で最初から見捨てるつもりだったと明かした。
加えて、デュバリィ自身もユミルに始まる数々の暴挙には怒りを顕わにしており『我がマスターが見たら真っ先に貴方を成敗していたはずですわ』と、場合によっては自らの手でアルバレア公を手にかけることも辞さなかったと述べて撤退した。実際の所、高潔なデュバリィの性格からして本当に斬っていた可能性もあった。
孤立無援になったアルバレア公爵に対し、ユーシスは仲間達に促され………
「父上――――いえ、ヘルムート・アルバレア公爵閣下。」
「ケルディックの破壊、放火、騒乱及び領民虐待の疑いで拘束させていただきます。」
「どうか神妙にしてください――――」
四大名門の一角のアルバレア公爵家は他ならぬ当主自身の暴挙と愚行を由としない息子達によって貴族連合における地位も、帝国内における名誉も全て大きく損なうこととなった。救いがあるとすれば、妾腹の息子ながら父の蛮行を断罪したユーシスが増税などを始めとしたクロイツェンにおける父の圧政を撤回し、アルバレア家の最低限の名誉を守ったことだろう。そして、これまで見向きもしなかった息子に説教されたことでアルバレア公はようやく観念し、投降した。
その後はトールズ士官学院を奪還し、カレル離宮にて両陛下を救出したのち、貴族連合首魁・クロワール公が魔女ヴィータ・クロチルダに命令させて変化させた煌魔城にⅦ組全員で突入。ついにはその最上階でユーシスらⅦ組の奮戦に業を煮やしたクロワールは人質にとっていたセドリック皇太子を機神・テスタ=ロッサに取り込ませて襲わせるが、これをも撃破したものの、共に戦ったクロウが致命傷を負い、ユーシスはクロウに「マキアスとはよい喧嘩友達でいろよ…」と告げられて、最期を看取ることになってしまう。
『2』で用意されたDLC私服衣装は、半袖黒シャツ・白ジーンズと、こちらも貴族衣装とは一味違うスタイルである。こちらもPS4版「改」では実装されている。
閃の軌跡Ⅲ
内戦終結の功により、ユーシスもまたトールズ士官学院を飛び級で卒業することになった。
兄ルーファスがクロスベル総督として赴任し、父ヘルムートも内戦犯罪人として裁判にかけられている状況により、卒業直前より当主代行としてアルバレア家や領地であるクロイツェン州を治政している。
公爵代行として街を治めていた手腕からリーダーシップとしても能力も上がっており、時にはリィンに代わり新旧Ⅶ組のリーダーを務めるようにもなる。
オズボーン宰相の急すぎる改革で損なわれる伝統やその煽りで領地を追われて行き場を無くす領民達を守るべく健在の貴族たちと連携を取りながらリィンらⅦ組に協力している。また、アルバレア当主代行として領邦会議にも出席している。
また、ミリアムもたびたび公爵邸を訪ね、わりと良い関係となっていた・・・・
が、黒キ聖杯にて、ユーシスの状況が暗転してしまう。
閃の軌跡Ⅳ
『Ⅲ』終盤にて兄・ルーファスが実兄でなく、なんと従兄、それも不義の子であったことやミリアムの悲劇的最期とリィンの捕縛、戦いにも敗走を余儀なくされ、エマの故郷・魔女の里エリンに退避するが、ユーシスはミリアムの形見の帽子を手に初代Ⅶ組メンバーの中でアリサとラウラに並んで落胆していた。しかし、後輩である新Ⅶ組のユウナが激昂、一喝されたことによりユーシス含めて他の初代Ⅶ組メンバーとともに目を覚まされることになる。
反攻に出るべく、ユーシスも情報収集のためバリアハートに向かい、その後里に戻った後新Ⅶ組の再結集を待って、リィンが捕らえられている「黒の工房」本拠地へ突入、リィンの救出に成功する。
その後はオズボーンらの起こした『巨イナル黄昏』への反攻のさなか、バリアハートに一時戻った折には、手入れさせていた公爵家に伝わる兄弟騎士剣の一振り・『聖剣エルヴァース』を手にし、最終決戦では同じく『聖剣イシュナード』を手にした従兄・ルーファスと対峙、この際ルーファスからアルバレア家当主と正式に認められる事になり互いにアルバレアの兄弟剣を交える。
そして従兄・ルーファスを破り、兄の敗因は「人に、絆に頼らなかった」と指摘した。そして……その敗因を認めた兄に…
「後は任せて下さい…兄上。ですがその前に、1発、殴らせてもらいます…!」
一発の鉄拳制裁を加えたのである。この拳と、仲間と共に成長した弟の姿は後のルーファスが大きく成長するきっかけとなる。
最終相克の勝利、その後のイシュメルガとの戦いを制してアルベリヒから解放されたフランツの遺言に従って、ミリアムのスペアボディを発見。アルティナと共にミリアムの魂でもある剣を添え、無事に再開した。
創の軌跡
ルーファスのクロスベル再占領に疑念を抱きながらもオリヴァルト皇子夫妻の失踪と帝都の不穏な動きをミリアムと共に調査し、リィンと合流。クーデターを企てた将校達のリィンへの英雄の責任をエリオットやミリアムと共に押しつけと非難した。
その直後、墓地でCとなっていたルーファスに再会。後にロイド達の調査報告と本人からの通信でクロスベルの新総統が偽者であるという確信を得て、初めて兄と共闘。逆しまのバベルにも突入し、元凶を討ち取る。
が、ルーファスが最期の悪あがきを阻止するべく一人で死のうとした事に激昂、ラピスからの支援要請を受けたロイドに同行することでバベルに再突入してもう一人のリィンと再会……間もなく訪れる危機を聞かされるが、エリュシオンと決別した以上は聞くべきでないとロイドやラピスと共に固辞した。一人で死のうとしたルーファスに「今の貴方にはもう一度殴ることすら生ぬるい」と兄がラピスやスウィン、ナーディアと紡いだ絆を示した。その後は、聖ウルスラ医科大学でルーファスと共にクロスベル再独立の調印式を見届けた。
ミリアムとの仲は少し進展しており、以前ほどは邪険にする様子もなく比較的順調な模様。
バトルスタイル
登場作品に共通して得物は騎士剣。物理攻撃力も高く、物理防御力もあることからリィンやラウラと並ぶ前衛剣士として戦うこともでき、魔力も駆使する宮廷剣術使いということから魔法攻撃力も高く、後衛に回りアーツで攻め立てることもできるというⅦ組メンバーでは万能の立ち回りを行うことができる。
固定属性は登場作通じて空×2、風×1で、この固定属性を踏まえて前衛ならば攻撃力アップや命中率アップのクォーツを、後衛なら「空」「風」のアーツ硬直軽減のクォーツを装備していくなど、立ち回る位置を考えつつマスタークォーツやクォーツの装着をしていきたいところ。
対人関係
Ⅶ組--トールズで在籍したクラス。当初は四大名門という帝国最上位の地位に加え、何かと衝突するマキアスと並ぶ問題児だった。が、本当の生い立ちを打ち明けて以降は学内の友人にも恵まれていき、兄と伯父以外に気を許せる人がいなかったユーシスにとってかけがえのない存在となる。
リィン・シュバルツァー、ラウラ・S・アルゼイド--Ⅶ組では同じ貴族。ただし、実子のラウラは勿論リィンも養子でありながら家族仲は良好という対照的な境遇。リィンは自分同様『平民と貴族の両方を知る者』として特別視しておりⅦ組内では友としてだけでなく剣においてライバルとしても見ている。
ミリアム・オライオン--Ⅶ組では一番親しい相手。編入以後、散々な目に遭うが口で言うほど邪険にはしていない。卒業後はユーシスを度々訪ね、いつしかミリアムを妹のようにも思っていた。それだけに、黒キ星杯での悲劇ではⅦ組で最も大きなダメージを負い、帰還後は大分ミリアムに対して素直になっている。リィンとアリサほどではないが、仲間内からは少なからずそういう印象を持たれ、当人達も多少なりと意識はしている模様。
マキアス・レーグニッツ--当初は二人揃って二度にわたり実習で足を引っ張るほどの仲の悪さで、Ⅶ組の悩みの種だった。しかし、ユーシスの妾腹の息子という出自を聞いてからはマキアスの方から態度を改め、ユーシスも父の謀略に学友が巻き込まれるのを由としない姿勢から、口で衝突しながらも良き喧嘩友達として修羅場をくぐっていく。
アリサ・ラインフォルト、ガイウス・ウォーゼル--アリサについては誤魔化した苗字の頭文字からそれとなく素性に気付いていた。が、それ以上に『母親に食ってかかっても無視されない』だけアリサは恵まれており、ガイウスに至っては『両親から愛情を受けて育ち、弟妹達にも慕われる』という真逆の環境で、ユーシスにとって眩しいものであった。
ルーファス・アルバレア--実兄と思っていたが、実は従兄。父に冷遇されたユーシスにとって、剣や貴族の心構え、作法を教えてくれたルーファスは正に父親でもあった。が、帝国の行く末を巡って対立し、最後の戦いでは初めて兄を思いきり殴り、それが二人がまともな兄弟に戻るきっかけにもなった。創の軌跡では自らの死を前提とした作戦を実行したルーファスを連れ戻すためにロイドたちに同行。その結果、彼が生き残ったことを心から喜んでいた。
ヘルムート・アルバレア――実の父親。妾腹の息子のユーシスを冷遇しておきながら、内戦では協力させる自分勝手な父親であった。増税に伴う弾圧から始まる数々の蛮行そしてケルディックの焼き討ちが最後の一撃となり、息子達に引導を渡された。その後、多少なりとユーシスとの関係は改善されたが、やはりアルバレア家の家格を貶めた蛮行は『権力の亡者』、『愚か』と断じられている。『閃Ⅲ』では公判が続いており、『閃Ⅳ』以後はその名前すら登場していないことから、クロワール公爵同様断罪されたと考えられている。
ポーラ、ランベルト・マッハ――馬術部の同輩と部長。ポーラからは貴族ということで突っかかれていたが、次第に馬術への姿勢などを認め合う。ランベルトは貴族とは思えない豪快さからユーシスも早い段階で気を許していた。
アンゼリカ・ログナー、パトリック・T・ハイアームズ、ミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエン――同じくトールズ出身の四大名門の貴族子女。内戦や革新派の影響で権威が衰退しながらも次世代を担う『貴族』として帝国の未来のためそれぞれ違う形で協力しながら奮闘している。
関連項目
マキアス・レーグニッツ ルーファス・アルバレア ミリアム・オライオン
エレイン・オークレール――カルバード共和国の遊撃士。父との関係が悪い貴族家系の出身で剣術の達人、父の悪事に責任を感じるなど共通点が多く、何より彼女も父に引導を渡している。加えて、父が度しがたい愚か者であるという点までも共通。(ただしあちらは親としての愛情はある分ユーシスよりはまだ幾分恵まれていると言える)
ククール--母親が異なる優秀な兄と対立するという共通点を持つ。