イミテイシア
いみていしあ
概要
CV:ゆかな
新生六魔将軍の新メンバーの一人で事実上のNo.2。別名「擬態と虚偽の標」。
ルーシィ・ハートフィリアの「妹分」として、ルーシィの父であるジュード・ハートフィリアの遺品を持ってきた謎の美女・ミッシェル・ロブスターその人である。
本物のミッシェルは事故で植物状態に陥っており、彼女はその名を騙っていたに過ぎない(本物のミッシェルは茶髪でありイミテイシアとは似ても似つかない姿)。
決してボロが出ないようルーシィの旧友であるフリをして妖精の尻尾に忍び込み、無限時計復活を防止するためレギオン隊(彼ら自身も予期せぬうちに六魔により操られていた)と戦うナツらと行動を共にしていた。
本性は茨や葉を模したかなり露出度の高いドレス(ボンデージにもチアリーダーコスにも見えなくもない)を着用しており、髪は水平に靡き、右目には薔薇の眼帯を巻いている。太く無骨な片刃剣と花型の盾で一対となる魔武器「シリス」を用いて戦い、常に急所しか狙わないという特異な剣術で闘う。痛覚は全て遮断されており、「ミッシェル」だった頃に見せていた疲労も痛みも全て演技である。
一見冷酷に見えるが、執拗なほどルーシィを敬愛しており、「ミッシェル」時代にルーシィと一緒に見せていた笑顔だけは偽りではなかった。同僚である六魔も駒として冷めた目線で見ていたようで、本当はルーシィを独り占めするためだけに無限時計の復活を歓迎していた。そのため、ナツには「今までオレは悪党とも善人とも戦ってきたが、お前ほど迷いながら戦ってる目は見たことが無ぇ」と見透かされていた。
無限時計を破壊しようとするエルフマンやロメオを撃破し、ナツを追い詰めるものの、無限時計に取り込まれたルーシィを前に自分の誇大妄s…もとい全てを犠牲にして追いかけていた「夢」をベラベラしゃべっていたのだが、そのセリフを聞いてブレイン二世(元ミッドナイト)は呆れたように告げる。
無限時計と合体した星霊魔導士は、完全消滅して魂は愚か周囲の記憶からも完全に抹消されるということを。
ブレイン二世がどこまでイミテイシアを信用していたのかはともかく、そのことを知ってようやく自分が駒にするつもりだった六魔から駒にされていた事に気付いたイミテイシアは愕然とし、自分の過ちを知って慟哭する。ルーシィを現世に引き戻すためイミテイシアは無限時計を破壊しようと暴れ回るも、用済みと見なされブレイン二世により始末された。
「ごめんね…姉さん…。 大好き…!」
ぽとり、と力なく落下したイミテイシア。彼女の正体は、幼い頃にルーシィが両親から与えられた人形だった。
幼いころから妹のようにルーシィに愛されていた「イミテイシア」は、誰もがうらやむ幸せな家庭で、ルーシィといつも一緒だった。一見悪趣味に見えるイミテイシアのコスチュームも、子供なりにルーシィが考え付いた草葉の「衣装」が元になっている。
しかし幼くしてルーシィは母・レイラ・ハートフィリアを失い、悲嘆にくれるあまり、楽しかった「過去」を思い出してしまう「イミテイシア」を無意識のうちに記憶の奥底に封じ込めていた。
そしてルーシィは政略結婚を厭い家を出ていき、「イミテイシア」は埃を被って放置されていた。そんな中、無限時計復活を画策したブレイン二世は優れた星霊魔導士として成長を果たしたルーシィを無限時計発動の贄とすることを考え着き、彼女に接近するためのスパイとして「イミテイシア」に人格を付加(エンチャント)させたのだ。
しかし、ルーシィの「友達」である「ミッシェル」としてジュードに接近するうち、ハートフィリア家の人々達に情が移るようになり、いつしか自らの意思でルーシィに思慕の情を抱くようになる(「ミッシェル」の頃語っていた「ジュードの仕事を手伝っていた」とか「彼の死を見届けた」と言うのは全て事実である)。そして、ジュードの遺品である星空の鍵を受け継ぎ、「ミッシェル」として妖精の尻尾に接近した、という次第であった。
無限時計融合のリミットが迫る中、イミテイシアは消えゆくルーシィに事態を収束する方法を伝える。ルーシィとナツにより無限時計は無事崩壊し、一人逃げようとしたクロドア(ジャックポット)も最後に残ったイミテイシアの魔力で封印されることとなった。
結局イミテイシアは元の人形に戻り、二度と「人格」が出てくることは無くなってしまったのだが、それでもルーシィの「友達」であることに偽りはなかった。
彼女は今日も、主を失ったハートフィリア邸の片隅で、ルーシィの帰りを待っているのだから。