概要
六魔将軍とは真島ヒロの少年・ファンタジー漫画「FAIRYTAIL」に登場する闇ギルド(評議員から解散命令を受けているにもかかわらず、それを守らずに裏で活動をし続けるギルド)の一つ。
その中でもこの六魔将軍はバラム同盟の一角を成している闇ギルドの中心といえる存在で、メンバーは6人(厳密に言えば8人)しか居ないが、そのメンバー1人1人が単独でギルドを1つ潰せるほどの実力者揃いである。
メンバーはそれぞれの「祈り」とコードネームを持ち、それを触媒にして生体リンク魔法(後述)で繋がっている。
傘下には数多くの犯罪魔導士を擁立している(初期に登場した「鉄の森」やレーサー配下の「尾白鷲」など)。
原作では「ニルヴァーナ」編で各々が「連合」の魔道士たちに破れ、評議員に拘束され事実上壊滅したが、アニメオリジナルの「星空の鍵」編では7年後に脱獄した後に、メンバーを2人入れ替え「新生六魔将軍」として再び活動を開始した。
所属メンバー
ブレイン
六魔将軍の司令塔。かつては魔法開発局に所属し、様々な魔法を作っていた。(アニメオリジナルではジェラールやウルティアとの関わりも描かれている)
コードネームどおり知識を好み、古文書(アーカイブ)と呼ばれる魔法の中から「ニルヴァーナ」に関する詳細を見つけ出し、ニルヴァーナを起動させ光の世界の滅亡を狙っている。
顔にあるラインは前述した生体リンク魔法。自身を含め、六魔のメンバーが敗れるたびにラインが消えていき、ラインがすべて消えたとき、もう一つの人格「ゼロ」が現れる。
彼の「祈り」は「ミッドナイトが消えないこと」。これはギルド最強の存在が破れ、ゼロの封印が解けないようにという意味である。
マスターゼロ
(右端。左は『ブレインの中にあるもう一つの人格で六魔将軍のギルドマスター。ブレイン時と比べて、目が赤くなり、体は筋肉質で逞しい体つきに変化し、緑色の軍服のような服を身にまとう。
ブレインと違いなにより破壊を好み、彼に意見をしたクロドアを容赦なく踏み潰すなど、凶悪で凶暴。ブレイン本人もこの人格を恐れており、生体リンク魔法で封印していたほどである。
ニルヴァーナでウェンディのギルド「化猫の宿」を狙うが、ジェラールの金色の炎を食べたナツに敗れる。
クロドア
CV:青山穣
自称・7人目の六魔将軍。普段はブレインの持つ髑髏の杖として眠りについているが、有事の際には目を覚まして活動する。
前述のとおり、ゼロに踏み潰されてしまった。
が、「星空の鍵編」に、「新生六魔将軍」の一員ジャックポットの正体として再登場(復活したのは水晶が残っていたからだと思われる)。
7人目の「新生六魔将軍」を自称しており、イミテイシアの正体をナツらに明かした。
ルーシィが無限城を支配したことで怯えて逃げ出すが、空に散った無限時計の針が刺さり、共に封印された。
アニメ版ではその後もOVA「FAIRY TAIL×RAVE」でまさかの再登場を果たした。
ミッドナイト
六魔将軍最強の魔道士。ブレインの事を「父上」と呼び、非常に慕っている。
普段は眠り続けている(魔法のじゅうたんの様なものの上に乗せられて連れ回されている)が、眠っている最中でも魔法屈折(リフレクター)をバリアーのように張っていて、いかなる攻撃も受け付けない。
初登場から眠り続けていたが、レーサーが倒されたことによりブレインに起こされ、活動を始める。
屈折の能力で「連合」のメンバー、裏切り者となったホットアイ、ジェラールと次々に倒していくが、エルザには屈折の弱点を見破られ、敗北。評議員に連行された。
しかし7年後には脱獄し自らをブレイン二世を名乗っている
彼の「祈り」は「静かに眠ること」。これは奴隷時代に他の奴隷たちの悲鳴や、ジェラールの反乱で起こった騒動で満足に眠ることも出来なかったからである。
屈折(リフレクター)
すべてのものを捻じ曲げて、歪ませる魔法。魔法を跳ね返す、鎧を捻じ曲げて締め上げる、光を屈折させて幻覚を見せる等の正に最強を思わせる魔法。
だが、「人体を曲げることが出来ない」 「屈折を展開する範囲は常に1箇所と限定されている」等穴も多い。
幻覚魔法
屈折(リフレクター)を見破られた後にジェラールとエルザに見せた魔法。ジェラールに過去のトラウマを見せ付けて追い詰めることが出来たが、義眼だったエルザには幻覚は効かず、その直後に敗れ去った。
コブラ
六魔将軍の一員で、「毒竜のコブラ」の異名を持つ男。「聞こえるぞぉ」が口癖で、キュベリオスと呼ばれる巨大な毒蛇をパートナーにしている。
当初はこのキュベリオスを操るからこの異名を持っているかと思われたが、実際には毒竜の力を持つ滅竜魔道士(ドラゴンスレイヤー)だった。
(ナツやガジルと違い、竜に教えられたわけではない。ラクサスと同じく、体の中に竜の魔水晶(ラクリマ)を埋め込んで滅竜魔法を手に入れた『第2世代』である。)
彼自身が元々持っている魔法は『聴く』魔法。相手の思考、呼吸、筋肉の収縮まで聞き取れるほどの聴力を持っている。この能力とキュベリオスの猛毒でエルザを瀕死に追い詰め、ナツとハッピーのタッグも苦しめたが、耳が良すぎたのが仇となって、ナツの雄叫びを聞いて失神。
その直後にブレインに用済みとされ、切り捨てられ、最後にキュベリオスの心の声を聞きながら涙を流して倒れた。
彼の「祈り」は「たった一人の友人(=キュベリオス)の声を聴くこと」。奴隷時代から一緒にいたキュベリオスの声を聴きたいがために、彼は『聴く』魔法を会得することが出来たのだろう。
(ただし、最後に本当にキュベリオスの心の声を聞くことができたかどうかは定かではない。)
しかし、7年後には脱獄し、新生六魔将軍の1人として活動。右目に傷が出来て隻眼となり、『聴く』魔法も強化されたのか、以前敗れたナツの雄叫びをものともしなかった。
毒の滅竜魔法
自らの身体に埋め込んだ魔水晶でコブラが手に入れた魔法。発動時は両手が竜人のように変化し、身体に毒をまとわせての体術のような攻撃と、ウイルスを広範囲にばら撒いて相手の自由と命を奪う「毒竜の咆哮」を武器に戦う。
因みに、回復方法は毒を食べることで、実際にキュベリオスの吐いた毒霧を吸い込んで補給していた。
エンジェル
六魔将軍の一員で、紅一点。語尾に「○○(だ)ゾ」とつけるのが口癖でルーシィと同じ星霊魔道士。何かと天使に拘り、鎖骨あたりに羽根のような刺青を射れている。
黄道十二門の一体「ジェミニ」で他人をコピーして情報を奪い、撹乱や同士討ちさせる戦法を得意とし、青い天馬(ブルーペガサス)の星霊魔道士カレン・リリカを殺害した張本人でもある。
(アニメでは2体同時開門に失敗したカレンに止めを刺したということになっている)
ジェミニのコピー能力で一夜から「連合」の作戦を事前に手に入れ、「連合」メンバーに奇襲を成功させ、続くルーシィとの戦闘でも星霊の相関関係を巧みに利用して苦しめるなど、かなりの策士。
しかし、ルーシィの星霊を愛する心に影響を受けた精霊達に裏切られ、ヒビキの古文書から情報を与えられた超魔法「ウラノ・メトリア」の前に敗れた。
かのように見えたが、執念で起き上がりカエルムの砲撃で止めをさすが外し、直後に意識を失い川に流されていった。
(この時、ブレインはエンジェルが死んだと思っていたが直後のコマで「まだ死んでないゾ」と突っ込んでいる)
彼女の「祈り」は「天使のように空に消えること」。過酷な奴隷時代を過ごし、せめて死ぬなら空に消えるようにという逃避だったが、実際には川に沈んでしまった。その後、川に流されているところを評議員に拘束される。
しかし、7年後には脱獄し、新生六魔将軍の一人として活動。星霊の代わりにコインを媒体(コスト)にして天使を召喚する『天使魔法』を使う。
髪が腰ほどにまで伸び、語尾に「○○(だ)ゾ」と言わなくなった。
…かに思えたが、再再登場を果たした第3部ではまた言い始めたゾ。
星霊魔法
自らが所有している星霊の鍵で星霊界とのゲートを開き、星霊を召喚する魔法。
通常は一度に1体しか呼び出すことは出来ないが、使用者の魔力が高いと2体召喚できる2体同時開門を行うことが可能で、エンジェルも会得している。
レーサー
六魔将軍の一員で、モヒカンにサングラスを付けている。鼻も高い。
その見た目どおり、魔道二輪(魔力で動く)を巧みに乗りこなし、グレイとカーチェイスを繰り広げた。彼直属の闇ギルド「尾白鷲(ハルピュイア)」なる暴走族のような集団も束ねている。
そのコードネームと劇中での高速で動く様から、加速系の魔法を使うと思われていたが、実際には「相手の体感速度を下げる」と言う魔逆の能力を使う魔道士だった。
その能力をリオンに見抜かれ、彼の作戦で、レーサーの魔法の範囲外からのグレイの氷の弓矢の一撃で破れるものの、その後に身体に仕込んでいた爆弾の魔水晶でリオンを道連れにがけから落ち、自爆した。
(因みに、原作では爆弾はダイナマイト型で生死不明だったが、アニメ版では時限爆弾に変更され、生存も確認された)
その後、評議員に拘束されていたが7年後に脱獄。新生六魔将軍の一員として再び活動。身体は全身タイツのような服になり、獣のような動きで片言のように呟やいたりと7年の間にかなり変わっている。
彼の「祈り」は「誰よりも早く」。奴隷時代にジェラールの起こした反乱騒動で、自分が逃げ遅れたときのことがトラウマとなっているようである。
ホットアイ(メイン画像のオレンジ髪の首飾りをかけている人、デスネ!)
六魔将軍の一員で、またの名を「天眼(てんげん)のホットアイ」。頻繁に「金」を連呼し、金さえ積めば国軍とも戦争を起こすほどの守銭奴、デスネ!
口癖は原作版では「○○、デスネ」でアニメ版では少しためが入って「○○、デスネ!」と強調されているの、デスネ! 因みに、ニルヴァーナの影響で改心したときは「○○、デスヨ」と変わるのデスヨ。
六魔将軍の中でニルヴァーナの影響で改心した唯一の一人なの、デスネ!
因みに本名はリチャード・ブギャナンで、エルザやジェラールとともに行動していたウォーリー・ブギャナンの実兄なの、デスネ!
彼の「祈り」は「もう一度弟の顔を見ること」なの、デスネ!
お金に執着していたのは弟を探すためで、本人曰く「弟を探すためとはいえ、ちょっぴり心の中で悪いことをしていた」と感じていたのが改心するきっかけだったのかも、デスヨ。
改心した後はミッドナイトに裏切り者として重傷を負わされたものの、自らの魔法で崩壊するニルヴァーナからナツとジェラールを救い出したの、デスネ!
その後、評議員に拘束されるものの、その間際にウォーリーが健在で、今は世界中を旅していることをエルザから教えられ、安心して評議員に連行されていったの、デスヨ。
7年経った後の新生六魔将軍には加わっていないの、デスネ! 恐らくは今も大人しく受刑していると思われるの、デスヨ。
リキッドグラウンド
地面を柔らかくして、操る魔法なの、デスネ!
アニメオリジナルエピソードでは、幼いときに硬い地面を耕して、ジャガイモを作っていたエピソードがあったの、デスヨ。
「もしも、地面を簡単に柔らかくすることが出来たら……」と言う思いからこの魔法を会得したと筆者は思っているの、デスネ!
天眼
相手の動きをすべて見通す能力、デスネ! 壁の向こうにいる敵でも見通すことが出来るの、デスネ!
コブラの『聴く』魔法とは似て非なる能力だと思うのデスヨ?
アニメオリジナルのメンバー
イミテイシア
「擬態と虚偽の標」と称される美女。右目の眼帯状の薔薇が特徴で、薔薇の葉や蔦で身を包んだ格好をしている。本人曰く、如何なる攻撃でも痛みを感じない様子。
実はルーシィが幼少期の頃の誕生日に亡き母・レイラからプレゼントされた、妹のように可愛がっていた人形であり、ルーシィがいつの間にか忘れられてしまった後、ブレイン二世(ミッドナイト)に利用され、人間としての肉体を与えられていた。
その後、ハートフィリア家の親族・ロブスター家の令嬢「ミッシェル・ロブスター」と偽り、潜入調査をしてジュードの死を見届け、ルーシィの元で情報を入手していた。
「新生六魔将軍」の目的よりも、ルーシィを独占しようとする一心で行動していた。
また、ジュードや「妖精の尻尾」のメンバーを騙していたことの罪悪感もあった様子。
無限時計の始動により、クロドアの口から正体を明かした。(その後もルーシィのことは「姉さん」と呼んでいる。)
ナツとルーシィを気絶させて連れ去ってルーシィを監禁し、ナツを監獄に入れた。その後、監獄から脱走したナツとココ、合流したロメオやエルフマンと交戦するが、ルーシィの意思が消滅してしまう事実を知り、無限時計との一体化を止めようとするが、ブレイン二世(ミッドナイト)によって人形に戻されてしまう。
人形に戻された後は、リアル・ナイトメアの影響でルーシィの心の中へ語りかけ、今までの生い立ちを話した。事件後、彼女の人形は元にあった場所に戻された。ルーシィが星霊界に行った際の回想シーンにも登場した。
余談
六魔将軍のギルドエンブレムは「六マ」の字をエンブレム状にしたもの。オラシオンセイスの意味はスペイン語でオラシオン(祈り)セイス(数字の6)。
もともとは前作RAVEに登場したDC(デーモンカード)内の最高幹部の通称で表記は「六祈将軍」。こちらも6人いる。
六魔将軍のメンバーはブレイン以外はジェラール、エルザと同じく楽園の塔に連れ去られた元奴隷で、その中から魔力の高い5人を選抜して、ブレインが引き取り育てているため全員養父という形である。
(原作では裏設定で、巻末の質問コーナーでもルーシィが「この欄飛ばして読んでる人や、マガジン派の人はミッドナイトがブレインの実子だと思い込んじゃうんじゃないかなー」と発言しているが、アニメでは所々でこの裏設定のシーンが追加されている)
真島ヒロ先生曰く、この名前は仮につけていた名前だったが〆切までにほかに名前が思いつかなかったので正式名称になったとのこと。
関連イラスト
六魔将軍に関するイラストがあったら追加して欲しいの、デスネ!
新生六魔将軍のイラストもお待ちしているの、デスヨ。