概要
『冥府の門』幹部「九鬼門」が一角。端正な顔立ちの中年男性の姿をしており、左額に傷がある。
「絶対零度」の異名を持ち、纏う鎧には「ABSOLUTE ZERO」と刻まれ、耳には十字架のピアスを付けている。その二つ名が示す通り氷の滅悪魔導士であり、悪魔のみで揃えられた(とされる)九鬼門に属しながら、悪魔を誅する魔法を使うことができる。
性格は一見アッケラカンとしており、太陽の村を誤って凍らせてしまった尻拭いをしてくれたナツに対しては素直に謝罪したり、全裸で投獄されたリサーナにバスタオルを投げ与えたり(ナツにもやれよ)しているが、戦いとなると狂戦士の如く凶暴に、氷のように冷酷に敵を追い詰める。
彼はその苗字からもわかる通り、17年前に死んだグレイ・フルバスターの父親であった。ナツにも「匂いが似ている」と言われており、それを指摘された際には手のひらを返したがごとく暴行を振るっている。
「もうわかってんだろうグレイ」
「この身体はあの時乗っ取ったモンだよ」
本拠地に攻め込んできたグレイとの戦いの最中、自らがデリオラそのものであり、息絶えたシルバーの身体を奪い取ったことを宣告して嘲笑う。ウルの絶対氷牢を受けて凍死したデリオラであったが、コアだけはマルド・ギールに回収されたのだという。
シルバーはもともと氷の滅悪魔法を使いこなせる素養があり、他の悪魔への抑止力のためにマルドの配下について滅悪魔法を会得したシルバーは、ウルの師弟たちに復讐するため、グレイを追い詰めていく。
氷の滅悪魔法
滅悪魔法とは「悪魔を滅ぼす魔法」であり、滅竜魔導士や滅神魔導士と同じく、氷や冷気を食うことで自らの力を増す魔法である。従って自然に生成されたモノのみならず、氷の魔導士が作り出した氷や雪を食うことでドンドン力を増していく。
それを踏まえてもシルバーの滅悪魔法はあまりに凶悪であり、太陽の村を凍てつかせた際にはほぼ抵抗を受けることもなく巨人たちをコールドフリーズさせた挙句炎すら凍らせていた。
ただしスレイヤー系魔導士のジレンマとして、自らと全く同じ形質の氷を食うことはできない(ナツ曰く「ルーシィおめェよー、自分が契約してるプルーやタウロスを食うのかよ」)。
関連項目
FAIRYTAIL バラム同盟 闇ギルド スカーフェイス ナイスミドル
ブラッドマン:氷の滅悪魔法を使用する。本来は九鬼門の呪法を使うキャラなのだが、彼の技も使える。
以下、ネタバレ注意
分かってたんだよ…チクショウ…
アンタはデリオラじゃねえ!!
俺の 親父だろ
実は前述の正体は全て偽りであり、デリオラは既に死んでいる。
シルバーは九鬼門の一人キースによって蘇った死人であり、数え切れないほどのモルモットの中から唯一生き残った実験体である(ネオミネルバのような人造悪魔ではなく「生きている死人」)。
妻や息子を奪ったデリオラへの憎悪を糧に生き延びたシルバーは滅悪魔法を習得し、冥府の門の眼を盗む傍ら、各地で悪魔狩りを行っていた(太陽の村も住んでいた巨人たちを悪魔と勘違いして襲撃した)。
だが、グレイは死んでなどいなかった。大魔闘演武でグレイが大活躍を果たしていたことを知ったシルバーは、自分の手が血で汚れきっていることにも気づいてしまい、自らが役目を終えたことを痛感した。
冥府の門に乗り込んできた息子に向け、シルバーはあらん限りの嘘を吐き、暴力を叩き込む。そして仇の名を名乗ってまでグレイを焚きつかせ、遂にグレイはシルバーの氷を造形することに成功し、撃破した。
とどめを刺すようグレイに進言するシルバーであったが、その正体に気付いてしまったグレイは「たとえ血の繋がった父親でも、ギルドの敵なら関係無えんだ!!!! そうやって俺達は家族を守ってきた!!!! 俺は……それでもアンタを殺せねえ!!!」と慟哭する。泣き叫ぶ息子に向け、シルバーはそっとすり寄り、優しく抱き留めた。
今際の末に冥府の門の真のマスターである「E.N.D」が炎の悪魔であることをグレイに伝え、全ての真相を知ったジュビアがシルバーの生殺与奪の権利を握っているキースを涙ながらに撃破したことで、遂にこの世を去った(ちなみにジュビアに対しては「グレイの女か…」とやけに嬉しそうに接していた)。
いい男になったな グレイ
お前は俺達の誇りだ
かくしてグレイは滅悪魔法を承継し、物語は大きく動き出していくこととなる。
悪魔の名を騙った男は、愛する妻の所に辿り着くことが出来たのだろうか?
答えを知る者は、誰もいない。