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雨野たくろうの編集履歴

2020/12/15 23:54:18 版

編集内容:微細な追記

センシティブな作品

花咲ももこ20点! およそ人間の点数とは思えない。こんなレベルじゃ学校来るだけムダだね!」

「だからアタマの空な連中はイヤなんだ」

「同情なんか、やめてくれよ。ひなぎくから見ればボクなんて、勉強しか能のないサイテーなヤツなんだろ……?」

概要

CV:山口勝平

雨野たくろうとは、『愛天使伝説ウェディングピーチ』のキャラクター(画像右)。

聖花園学園中等部に通っている男の子珠野ひなぎく幼馴染

非常に成績優秀な天才少年だが、成績が悪い他の人間を見下し高慢になる悪癖がある。(が、そんな自分自身すらも内心では嫌っているフシがある)

その代わりに運動はまるっきりダメであり、鉄棒逆上がりもできない。

そのことを笑われた屈辱から火摩族のイグニスに体を乗っ取られてしまう。

本来は、自分に出された果物のおやつを山の蝶やカブトムシにやってしまうほどのお人好しで、自己犠牲も辞さず自らを投げ出せる心優しい性格を持つ。(もっとも、それも悪化していて「自分の価値」を見出せない、自己肯定感の皆無な人間になっている)ゆえに争い事などは嫌う性分だった。

しかし、保育園から男女の分化が始まった事でひなぎくが自身から離れると共に体育会系で頭角を現していったこと、また自身の適性がそうした方向に無く体力的に優位であった者たち(および、それを取り巻く腰巾着たち)からバカにされ続けていた事から、自身の精神防衛の手段として「体力面から自分を馬鹿にしている人間を、自分が優位に立てる勉強の力で逆に見下し返す」というタチの悪い対体育会系コンプレックスとも言うべき精神状態を発症するに至っている。

つまり成績の悪い人間を見下し高慢となる悪癖は、このコンプレックスの裏返しによるもので、愛天使に関わるうちに自らの素の性格を思い出していき、ひなぎくとの和解に至ってからは、この悪癖は鳴りを潜めていく事となる。

そのため実は根っからのヘタレというわけでもなく、イグニスと契約させられた後もやりたくないことにはきっちりNOを突き付けたり、女の子が本気で嫌がることは魔力で強制されるケースを除けばやらない等、きちんとした意思と自制心も持っている。その事もあり非力なただの人間の身でありながら「ここぞ」という場面での行動力は、おそらくは『ウェディングピーチ』全キャラ中トップ。

ただ、子ども時代を知るひなぎくは、イグニスとの契約によって変貌した、たくろうのありさまに愕然とした。

アニメ版ではハロウィン回において、ピーチたちを庇うために自ら「ピーチに変装(=女装)して彼女の口上を奪う」という公式が病気なマネをしでかしている。

契約を交わしたイグニスとは、いわば「悪役になったのびドラ」とでも言えるような立場および関係性。しかし、根っからのお人好しゆえに余計な気苦労を背負う事も多く、肝心のイグニスには呆れられる事も多い。ある意味で藤堂武史(あるいは新条アカネ)に、なりきれなかった少年とも言える。

なお、この時代の中学生には珍しく専用デスクトップパソコンを所持しており、プログラミングやCGを嗜んでいる描写がある。(続編のOVAである「ウェディングピーチDX」ではノートパソコンまで所持している)

一方の原作版では「愛天使の抹殺」をあからさまに掲げ、愛天使たちを「天使封じの結界」にまで追い詰めたイグニスに対してついに戸惑いを見せ、幼心に自覚しながら男女の分化によって封じ込めていたひなぎくへの好意を改めて強く自覚。とっさに自らの身を投げ出してイグニスが愛天使に繰り出した攻撃を阻止し「ひなぎくは死んじゃだめだ! ひなぎくが死ぬくらいなら自分がバカにされても軽蔑されても、そのほうがずっといい 」と言い遺して意識を落として瀕死へと至る。だが、その尊い犠牲は、ひなぎく(エンジェルデイジー)を覚醒イベントへと導く事になり、彼女の覚醒の余波によってたくろう自身も治癒浄化され復活する。

イグニスの死後は愛天使たちのよき理解者になった。

漫画原作版では、最終決戦前にひなぎくに告白して両想いとなり、後々に結婚している。

アニメ版の方では、直接的な恋愛関係には至らず、後日談であるOVAでも、友達以上恋人未満な形で終わっている。それでも互いを特別視しているのは間違いなく、後々の展開を期待させる関係になった。

初期設定・裏設定

実は企画初期においてはプリュイの仮の姿として設定されていたキャラクターで、名字に「雨」の文字が冠されているのはそのため。(「プリュイ」とはフランス語で「雨」を意味する)その場合においては「主人公の周囲に潜伏し、前半部クライマックスで人間関係を操作し心理的に追い詰めて主人公たちから寄せられていた信頼(友情)をことごとく裏切っていく」キャラとして企画されていた。

しかし企画が進むにつれて「女の子に見せるには展開がハードすぎる。初手からそんなキャラが出てくるのはテーマがブレかねない」という判断でも為されたのか没設定となり、次に「プリュイの転生」という裏設定に落ち着く。たくろうが漫画版においてプリュイと入れ替わりに登場するのは、このためである。(漫画版ではプリュイの直後がイグニス編。そしてプリュイの転生ゆえに邪悪なウェーブの残り香があったために、本来穏やかな性格にもかかわらずイグニスが取りつきやすかったのである)

原作の富田は物語前半部のプリュイの人気ぶりから「いっそリモーネ(柳葉和也)に次ぐお助けキャラにしよう。モーニングでも着たマスクマンとか」と提案したが、漫画作画の谷沢およびアニメ監督の湯山の双方が「同ジャンル作品である以上、タダでさえ先行作と被るのに、そこまで被せて対抗するのは、いくらなんでもやりすぎだ」と難色を示したために没化した。

(先述の「たくろうがピーチの扮装をする」話は、この没設定の名残)

が、このことで「たくろう=プリュイ」そのものが没となったと勘違いした富田は、後に漫画用に「スカーレット(サルビア)がプリュイの転生した人間と接近する」原作案を出し、谷沢および漫画版担当編集を「表に出ない(読者が知らない)とはいえプリュイはたくろうなんじゃなかったっけ!?」と、混乱させてしまう。結果、その再確認のために漫画版オリジナルの読切作「スカーレット・ラブ」が書かれ、スカーレットの相方としてディーン・バトラーが登場する事となった。(のち、谷沢は「お詫び」の意味も兼ねて自身の発刊同人誌にて「ピーチの本編にはつながらないパラレル」として富田が提案した、この話のダイジェストを執筆している)

その代わり、たくろうに用意されていた初期設定は後半の展開において川浪ひろみポタモス)やペトラーの存在へと昇華されていった。

また「プリュイが人間として愛天使の近くに潜伏する」という展開は学年誌連載漫画版(谷沢学年誌版)ピーチにおいて『氷室くん』というキャラとして使われる事となった。

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