ガンスナイパー
がんすないぱー
スペック
概要
ヘリック共和国軍が開発した汎用歩兵ゾイドで、サイズは小型ゾイドに相当。ガイロス帝国のレブラプターとはベースとなった野生体がモロ被りしているが、これは偶然らしい。同じく限定的ながらオーガノイドシステム(アニメのオーガノイドとは別物)を搭載しており、従来機以上の高い性能を持つ。戦闘時にコアを活性化させるイオンチャージャーを背部に搭載している点もレブラプターと共通である。ちなみにコトブキヤから発売されたHMMシリーズ独自の機体設定では、イオンチャージャーではなくルポルド・スコープセンサーとなっている。
レブラプターが白兵戦に特化しているのに対し、ガンスナイパーは近~中距離戦に対応したオールラウンドタイプ。尻尾の尖端部には主兵装のAZ144mmスナイパーライフルを備える。他に腕部のビームマシンガンと背部の8連装ミサイルポッドも持つが、こちらは格闘戦時に強制排除して軽量化する事が可能。
後継機として武装をオプション化して、遠距離狙撃能力と格闘戦能力を強化したスナイプマスターがあり、ブロックスゾイドのウネンラギアもさりげに系譜の一つとされている。
バリエーション
ガンスナイパーNS
アニメ『ゾイド新世紀/ゼロ』に登場。チーム・フリューゲルに所属する凄腕の女性パイロット、ナオミ・フリューゲル専用にチューンナップされた赤いカラーリングのガンスナイパー。狙撃能力に極振りした為か、格闘兵器を持たないシンカーのパイロットに「狙撃は得意なようだが格闘戦はどうかな?」と煽られて冷や汗をかいている。後に同チームに移籍したレオン・トロスのブレードライガーとコンビを組むようになる。
ガンスナイパーLS
同じく『ゾイド新世紀/ゼロ』に登場したチーム・ブリッツのメンバーであるリノン・トロスのディバイソンに代わる新たな乗機として登場したガンスナイパー。彼女の性格が色濃く反映されたカスタマイズが施されており、ガンスナイパー本来の攻撃力と機動性を両立した設計思想と積載能力を完全に無視し、大型ゾイドの重火器をこれでもかと言わんばかりに取り付けている(ちなみにその内訳はワイルドウィーゼルユニット、ビームガトリング×2、レッドホーンの対ゾイド3連装リニアキャノン×2、ディバイソンの8連ミサイルポッド×4)。
小型ゾイドとしては規格外の武装を山ほど装備したことで通常のガンスナイパーのおよそ2倍の重量増となり、歩行はおろか立つことすら困難にも思えるが、劇中では過積載により動作に支障をきたすような場面はなく、そればかりか買い物カゴを片手に軽やかにステップするシーンさえあった。
トリガーハッピーなリノンらしく重火器で撃ちまくる戦法は相変わらずだが、前方以外は完全に死角らしく、劇中でも地の利を活かした戦法や集団での不意打ちという状況もあってか、側面や後方からの攻撃に苦戦するシーンが見受けられ、チーム内で真っ先に倒される事が多いのは相変わらず。ちなみに、同じくガンスナイパーを愛機とするナオミは、このカスタムコンセプトを「邪道」の一言で片づけている。
更にHMM版ガンスナイパーの取扱説明書内では共和国軍のゲリラ部隊に帝国ゾイドの武器を流用し、よく似た武装構成を持ったガンスナイパーがいたという記述があるほか、アニメ『ゾイドフューザーズ』にも同様のカスタムが施された機体が登場している。
ガンスナイパーW2
ガンスナイパーに専用のカスタマイズパーツ・ウィーゼルユニット(以下:WWユニット)を装着した機体で、共和国軍の強襲戦闘隊に配備されている。左右両サイドの可動式のアームにはAZ180mm二連装ビームガンとAZ144mm二連装パルスレーザーガンが付き、背部のレドームはガイロス帝国のゲーターを上回る電子戦能力を持つ。
コトブキヤのHMMシリーズ版ナオミ仕様ガンスナイパーに付属しているWWユニットはデザインや武装に大幅なアレンジが加えられ、AZ144mm二連装パルスレーザーガンの代わりに3砲身のAZ144mmパルスレーザーガトリングガンとスモークディスチャージャーが装備されている。
ハイスナイパー
ゾイドバトルカードゲームならびに機獣新世紀ゾイド公式ファンブック3巻に掲載された砲戦支援特化タイプで、ガンスナイパーの格闘戦能力を切り捨て、遠距離狙撃能力を更に向上させた機体。腕部のビームマシンガンやAZ80mmビームガンを外し背部にレーダーを増設している。
バトルカードゲームに記載されているデータによれば形式番号はRZ-030HSで、諸元は全長14.2m、全高8.5m、重量33t。同カードゲームでは固有の特殊能力として特殊徹甲弾が使用可能となっている。
キットについて
ポップアップキット
1999年に旧トミー(現:タカラトミー)より発売。新シリーズにおける共和国軍初の新規設計ゼンマイ駆動ゾイドとなったが、初版は不良品に近い商品(ミサイルポッドの造形が潰れている・転倒防止バーが歪んでいてゼンマイ歩行に支障をきたす等)だったため、キットとしての評価は芳しくない。 レブラプターと同様にイオンチャージャーがゼンマイを巻くリューズとなっており、紛失した場合はプラスドライバーで代用可能。ゼンマイを巻くと腕を振りながら歩行する。下顎、バイトクロー、ミサイルポッドのハッチ、オールレンジデュアルセンサーは手動で可動し、ミサイルポッド上部にあるボタンを押すとスプリング仕掛けによりブースターのノズルが飛び出す。
翌2000年にはナオミ・フリューゲルの愛機のカラーリングを再現した仕様変更品が一部の店舗にて数量限定で発売されたが、成型色による色分けが不可能な箇所を塗装で補っている為、ランナーから切断した時に地の色が露出してしまう。
HMMシリーズ
2009年にコトブキヤより発売。動力を廃したことでよりスマートな体型となり、肩部や脚部に増設された展開式のミサイルポッドなど細部のデザインにもアレンジが加えられている。また、首や尻尾の関節部には可動箇所が設けられ、節々ごとに可動する。同シリーズの特徴でもあるクリア成型のゾイドコアはバックパックと一体化していて、本体からの取り外しが可能。
翌2010年にはワイルドウィーゼルユニットの新造ランナーが追加されたガンスナイパー ナオミ仕様 with ワイルド・ウィーゼルユニットが発売。コックピットに搭乗可能な着座状態のナオミのフィギュアは彩色済みであり、尻尾の尖端部のスナイパーライフルの銃口は対物ライフルのようにより口径が大きなものとなった。通常のガンスナイパーのランナーも残されているので、組み立てる際はいずれかの仕様を選択することになる。
2017年にはガンスナイパーリノン仕様も発売され、こちらには着座状態のリノンのフィギュア(彩色済み)やアニメで使われた買い物カゴとその中身の弾薬やミサイルなどが付属する。ちなみにビームガトリングや対ゾイド3連装リニアキャノンは同シリーズのレッドホーンやダークホーンのキットの流用ではなく、当キットとサイズを合わせるために縮小した新規造型パーツである。
活躍
バトルストーリー
ZAC2100年3月、オーガノイドシステムを巡るガリル遺跡での両軍の戦いにてアーサー・ボーグマン少佐のブレードライガーと共にガイロス帝国のレブラプターの部隊と交戦し、これらを撃破するシーンが描かれている。
ゾイド-ZOIDS-
ヘリック共和国軍の一般兵が搭乗する機体として登場したが、劇中では主に敵役としての見せ場が多く、アニメ『ゾイド-ZOIDS-』のガーディアンフォース編では共和国軍軍警察の特別捜査官と身分を偽った盗賊のドーセットがバンの駆るブレードライガーのEシールドを特殊徹甲弾で射貫いたほか、ヒルツの手に落ちたWWユニット装備の共和国軍のガンスナイパーの中の1機がアンビエントと合体して赤く変色し全身に棘を生やしたトゲスナイパーとなり、バンの駆るブレードライガーと交戦するシーンがあった。
アニメ独自の演出としてスナイパーライフル射撃時にはパイロットシートがどんでん返しのように反転し、狙撃用のスペースに移動したパイロットは伏臥状態で狙撃銃型のコントローラーを使用して敵を狙撃するようになっている。
ちなみにアニメには登場しないものの、スナイプマスターは狙撃手が伏臥状態となって機体背部のスナイパーズシートに搭乗している。
ゾイドフューザーズ
ガンスナイパーLSと同等の重武装を施した無人操縦仕様がザバットと共に多数登場。かつてチーム・マッハストームに所属していた元Ziファイターの卑劣漢マービスがマスクマンに復讐すべく現マッハストームのメンバーらに対しこれらの無人ゾイドを投入して時間無制限の非公式バトルを挑んできたが、コマンドストライカーとライガーゼロフェニックスによって全機撃破された。