性欲
せいよく
概要
性行為への欲求、あるいは衝動を指す。食欲、睡眠欲と並んで動物の三大欲求と言われる。
満たさないと命に係わる他の二つと違って、満たさずとも命に支障はない、という違いがある。(その代わり満たさなかった場合、結局その種が滅びることになる。)
動物の生殖本能の現れであり、性行為を行い子孫を残すために存在している。
但し、人間よりも本能に忠実なはずの他の動物にも子孫を残せない同性愛現象が観察されており、必ずしも生殖だけが目的の欲求であるとは限らないと言われている。
とりわけ人間の場合は、性欲の対象や発現のメカニズムが極めて複雑怪奇なものになっており、ひと口に性欲といっても性交に結びつかないものが多い。フェチ、ペドフィリア、マゾヒズム、サディズムなどそのあり方(性的嗜好)は多種多様であるので、「人間だけが変態になる」と揶揄される事も多い。
一般には二次性徴を迎え、生殖能力を獲得する頃に発生するものとされるが、それ以前から明確な性欲を抱いている人、逆に性欲を一生覚えない人も少なからずおり、性的な事柄に拒否反応を起こす人も存在する。性欲の強さについても個人差が大きい。
自制できない性欲は犯罪(性犯罪)に結びつく。セクハラ、強姦、痴漢などは被害者に強いストレスを与え、人格形成に影響を与えるケースも多い。
宗教によっては堕落をもたらす物、慎むべき物とされ、禁欲の対象のひとつとして数えられる。
特にキリスト教は色欲を七つの大罪に含み、同様に不適切な性欲は罪であるとされている。
上記の理由からも忌避感を強く感じる人が多く、子どもが生まれる仕組みを自分の子どもに対して性欲関係の説明を避けてどう説明すればいいか知恵を絞る親も多い。
とはいえ、性欲は恋愛、愛情など人間の感情の基礎になっているとも言われており、なければ人間関係に影響を及ぼしかねない。性欲との適切な向き合い方を学ぶことは人間にとって大切である。