概要
自身のいる場所に混乱を呼び込む → 混乱への対抗者に挑戦する → 対抗者に勝利し能力を吸収する → 新たな能力でよりさらなる混乱を呼び込む、という"混乱"・"挑戦"・"吸収"のアルゴリズムによるループを続けて成長・進化する。
侘助はラブマシーンをアメリカ国防総省に売り渡し、軍事利用を考える米軍は実証実験としてOZを実験場として放った。
基本的な形状・形態は無く、まず小磯健二のアカウントを乗っ取り、初期ケンジから目つきの悪い偽ケンジになってOZをイタズラ程度に荒らしまわった。
が、それも次第にエスカレートし、OZに所属していた様々な人間からそのアカウントを奪い取り続け、その中には交通、通信、電気、水道といった社会のインフラを管理する人間のものも多数含まれていたことからそれらも支配して日本中に大混乱を引き起こした。
事態の収拾に出た池沢佳主馬のキングカズマと戦いにおいては最初こそ圧倒されたが、近くにいた別のOZアバター達を吸収して錫杖と大きな鍵を持ち、背中に輪光(後光)をたたえた筋肉隆々の仁王のような仏像姿へ変身、この形態では逆にキングカズマを上回る戦闘能力を発揮して向こうを返り討ちにした。一般的にラブマシーンといえばこの姿。
この時の騒動は栄の働きにより間もなく落ち着くが、ラブマシーンが引き起こした騒動の余波が後に間接的な栄の死につながったことから陣内家全体から彼女の仇と見なされるようになり、健二を含めた家の男衆により(コネで借りた)スーパーコンピュータを利用した封じ込め作戦が敢行されることとなった。再戦ではパワーアップしたキングカズマに翻弄されて彼等の作戦通りOZタワー内部に閉じ込められてしまったものの、唯一それを知らされていなかった翔太のミスの所為で拘束を脱してしまい、さらにOZの中央タワーを飲みこんで吸収したOZアバターの集合体である巨大な黒い影のような姿へと変化、無数のアカウントを操ってキングカズマを倒してしまった(なお、その後はキングカズマも取り込んだことでその頭にはうさみみが生えたものになった)。
さらに奪ったアカウントの中には気象衛星「あらわし」の制御を司るものもあり、今度はそれを世界のどこかの原子力発電所に落とそうというテロまがいのことまで行おうとした。
三度目の陣内家との対決では家族全員のアカウントを賭けた篠原夏希との花札勝負を挑まれ、圧倒的な賭け金の差と、時間に焦る彼女の隙に付け入ることで追い詰めるが、やがて彼女に共感した世界中の人間がアカウントを持ち寄って勝負に参加、流れが夏希側に傾いたこともあってほとんどのアカウントを奪い返されて元の偽ケンジの姿に戻ってしまう。
ちなみにこの時の残りアカウント数は『2』。
最後に残ったアカウントの一つこそがその「あらわし」制御用のものであり、消去される寸前にそれの軌道を変更して陣内家の家に「あらわし」を落とそうとする。
しかし、侘助が自身を構成するプログラムを書き換えたことで大幅に弱体化、最後は復活したキングカズマの拳を受けて完全に消滅した。
あらわしの方は、健二の活躍によりギリギリの所で落下軌道の修正が成されたおかげで家屋への直撃は免れた。
人間のエゴの被害者としての側面
立ち位置こそメインヴィランで尚且つ世界を危機に晒す災厄ではあるが、一方で当のラブマシーンからしてみればただ単に自らの成長意欲に沿っていただけに過ぎない節があるため、行動そのものには決して悪意や邪念があった訳ではない。
そもそも高性能である反面、当の侘助の開発意図は社会貢献などではなくその名が示す通り家族からの愛情を得たいという、身も蓋もない言い方をすればコンプレックの解消という極めて自己都合なものであった。この他、米国防総省がラブマシーンをOZに解き放ったのもその性能を試行するためという、これまた扱う者の自己都合であり、言わばラブマシーンはそうした人間たちのエゴに振り回されたという見方もある。
更に最終的に生みの親である侘助は義母にして恩人である栄の死によって陣内家の面子と共にラブマシーンの打倒に加担するが、言い換えれば創造者の一方的な都合で裏切られたという解釈も出来る。またラブマシーン自体が善悪の概念を持たない存在であったことから、それをプログラミングしていれば人類に貢献できるAIになることも可能だったかもしれない。
最もOZでの勝手気儘な行動が世界を混乱に陥れ、尚且つ今更プログラミングのし直しも出来ないため、どの道倒さねばならぬ災厄であったことには変わりない。とは言え、第一の切っ掛けは侘助と米国総防省のエゴであったことから、ラブマシーンは人間のエゴが生み出した災厄であると言える。
尚、本作の二作後の作品でも、こうした人間の負の側面が具現化した存在がメインヴィランとなる。
その他
名前の由来は「愛情」に飢えていた過去を持つ侘助自身の「愛されたい、認められたい」という願望から名付けられた。
pixivでのラブマシーンは偽ケンジと仏像姿に分かれる。侘助のOZアバターか息子(?)になっていたり、成長途中の子供っぽい言動で描かれたものも多い。
元となったのはぼくらのウォーゲームに登場する敵デジモン、ディアボロモン。
こちらもクラモン~ケラモン(幼年期~成長期:偽ケンジと近い行動)→インフェルモン(完全体:仁王と近い行動)→ディアボロモン(究極体:戦闘能力激高、衛星の代わりに軍事基地から核ミサイルを発射する)と
3パターンに行動が分かれ、これらの行動もラブマシーンと同じく遊び感覚で行っている。
その他として、ネットワーク世界である《OZ》+初期ケンジ・偽ケンジの有名なあれに似た外見、OZアバター集合体の外見、そして名前の由来である『愛情』から、『ozの名を持つ黒ウサギ』が裏モチーフになっているのではないかと長年囁かれている。
関連イラスト
関連タグ
スカイネット…世界の脅威となるAI繋がり。こちらは人類に対して明確な敵意を持つ。
インドミナス・レックス…こちらも人の手で生み出された世界の脅威繋がり。ゲーム感覚で悪事を働く点も共通。