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ゴティックメード

ごてぃっくめーど

永野護の漫画『ファイブスター物語』に登場する人型戦闘ロボットの名称。略称はGTM。2013年の連載再開から登場。 初出は2012年に公開された映画『花の詩女 ゴティックメード』。 ロボットだけでなく映画作品のタグとしてもこちらの方が多く用いられている。

概要

永野護の漫画『ファイブスター物語』、

及び同作のプレストーリーでもあるアニメ映画『花の詩女ゴティックメード』に登場する巨大ロボットの名前。略称はGTM

2013年の連載再開に伴う設定大改訂前のモーターヘッド(MH)及びマシンメサイア(MM)に相当し、それまで登場していたモーターヘッドから差し替えられる形で登場している。

また、本タグはpixivでは『花の詩女ゴティックメード』の略称タグとしても多用されている。

アニメ映画の詳細は「花の詩女ゴティックメード」参照。

Pixiv上では実際に公式で登場しているGTMの他、

ユーザーオリジナルデザインのGTMも投稿されている。

解説

「ハーモイド・エンジン(またはハーモディック・エンジン)」と呼ばれる半永久機関が生み出す無尽蔵の電磁パワーによって動く、全高およそ25m程の人型戦闘兵器。

ツインスイング・オートドライブ・システムという、独自の駆動系で構成されているのが特徴である。

劇中の主な舞台となる「星団歴」の時代より以前、「AD世紀」5000年代に炎の女皇帝の時代に誕生したとされている。

驚異的な身体能力を持つ戦闘人種である騎士(ウォーキャスター)が搭乗・操縦し、剣型兵装「ガット・ブロウ」と盾を用いて超高速の戦闘を繰り広げる。

地上・宇宙を問わず、あらゆる条件下で如何なる兵器も凌駕する性能で戦闘を展開できる、究極の万能兵器であり、戦争そのものがこのGTMを中心に行われる。

通常は幾つかのタイプのGTMが集団を組み、集団戦が展開される。

動力源であるハーモイド・エンジンは周囲のあらゆる元素や光を高エネルギーへ転化するが、GTMのそれは巨大な戦艦や宇宙船が搭載する物よりも遥かに高出力になっており、その天文学的な出力エネルギーの桁数は馬力に換算すると「」を超えると言われる。

騎士とGTM、そしてそれを補佐するファティマの能力が組み合わさることにより、恐るべき戦闘力を発揮する。

その手足の動きや移動速度は最大で亜光速(それも99.9999・・・・%のほぼ光速)にまで達し、騎士能力を持たない常人からはほぼ瞬間移動しているようにしか見えない。

当然、通常兵器では当てることすら困難であり、たとえ「運良く」命中したとしても、ヘリオス結晶で作られた装甲は、毛ほどの傷もつけることができない堅牢さと再生能力を持つため、有効なダメージには到底なり得えない。

GTMを倒すにはこちらも相手同様GTMを投入し、敵GTMに「ガット・ブロウ」のような帯電熱兵器を打ち込み、内部構造を一撃で溶断・破壊する以外にないのだ。

「GTMはGTM以外に破壊不可能」と言われる所以である。

GTMは完成度の高さ故に、ごく一部の例外を除いて改良・改装や新規開発によって機種ごとに極端な性能差を引き出すことはできず、基本的には搭乗する騎士の力量が、そのまま戦力に直結することになる。

一方、超人的な反応速度をもつ騎士であっても、GTMの動作を完全に制御することはできないため、そのサポートとして管制制御を行うための超高性能演算機が必要となる。

当初は「シン・ファイア」と呼ばれるガス状のプラズマ人工頭脳が用いられていたが、後にファティマ(オートマチック・フラワーズ)と呼ばれる人工生命体が使われるようになった。

旧設定のMHやMMが現実の人間の(関節の)動きをデザインの中に落とし込む形でイメージされていたに対し、GTMは人間とは全く異なる構造の関節構造となっており、長い首や折れ曲がった関節、細く小さな胴体に対して巨大な手・・・など、、「人間に似て異なる」非人間的な異様なシルエットとなっている。

あくまで人間に近い動きを“再現”している程度であるため、稼働時には関節がアッチにいったり、コッチにいったり・・・と、かなり奇妙な動き方をする。

ツインスイング・オートドライブ・システム

GTMの最大の特徴である独特な駆動システム。

「従来のロボットのデザインは高速で可動する関節をどうやって止めるのかという観点が無かった」

・・・という作者・永野護のアイディアから、関節がシャフトを中心とする軸運動ではなく、電磁的に密着した2つの円弧状のパーツ同士のスライドやねじれ運動によって駆動する、『ツインスイング(電磁スイング関節)』という駆動システムによって構成されている。

これによって駆動部にモーターギアなどを必要とせず、運動抵抗を極限まで減少させ、超高速で関節を可動させることが出来る他、パーツ同士の接触面そのものがブレーキとしても働くようになっている。

イメージとしてはざっくりと言ってしまえばスタイリッシュな鋼鉄ジーグ

さらにGTMの関節と装甲は、それ自体が骨格として機体にかかる負荷や衝撃を分散して軽減するダンパーや冷却機関、エネルギー伝導・還元機関などの役目も兼ねており、内部骨格や内蔵構造物の類を必要としないため、凄まじい頑強さのわりに騎体構造そのものはおそろしく簡素に構成されている。

より厳密には「モーターのような駆動装置で関節を動かす」のではなく、「関節自体が駆動装置になっている」と言える。

ただし、手首のみは複雑で繊細な動作を行えるように例外的に内部機構が存在している。GTMの手が他の部位に比べて大きいのはこのため。

稼働時には関節にかけるブレーキで関節パーツが赤熱化するほどの膨大な摩擦熱が発生し、戦闘機動時における関節に溜まる熱やエンジンの発熱は莫大なものとなる。

その対策として、GTMの装甲板やフライヤー()は熱を逃がすための放熱板の役割も兼ねており、特に高出力な大パワー型の重GTMの場合はさらに放熱パーツが追加される傾向にある。

それでも排熱が追いつかずに熱ダレでスイング関節が歪みを起こすこともあるため、多くのGTMは戦闘終了時には装甲の一部を開放するなどして各機関・関節を露出させ、ハーモイド・システムで作られる冷却液で騎体冷却を行う「ラジエーターモード」と呼ばれる放熱形態へ移行する。

基本構造

基本的には背骨脊椎がセットになった2本1組のツインスイング・フレーム(龍骨)を中心に、胸部にエネルギーを生成するハーモイド・エンジン、エネルギーを電力に変換するポリスケール・ジェネレーター及び騎士コクピット、頭部に頭蓋骨に相当するスカルフレームとファティマ用コクピットであるAFシェル、四肢を構成するオフセットされた各種スイング関節が取り付く構造となっている。

GTMの最重要パーツであるツインスイング・フレームは人間の背骨・神経節・腹筋背筋に相当し、これだけで胴体の動き全てを賄っているほか、ハーモイド・システムが発するエネルギーを四肢に伝導する役割を持つ。

GTMの出力とサイズはエンジンとツインスイング・フレームの種類によって決定され、フレーム・タイプによって異なる特性を持ち、ブラウニー・ライド考案の「ライオン・フレーム」、フラム・アトワイト考案の「レオパルド・フレーム」、ストーイ・ワーナー考案で変形機構を持つ「ティーガー・フレーム」などが確認できる。

なお、間違いやすいがGTMにおける「フレーム」とは胴体のツインスイング・フレームのことのみのことを指し、四肢を構成するスイング関節については含まない。

人間が背骨を痛めると体調不良を起こすのと同様に、ツインスイング・フレームを構成するパーツの歪みが、動力部や腕部、脚部の不調や消耗といった形で現れることもあり、こうした不具合は整備専門のメカニックだけでは把握しきれないことも多い。そのため、完全に回復させるには高レベルのGTMスライダー(主任整備技師)やGTMガーランド(設計者)による調整・オーバーホールを受ける必要がある。

操縦システム

騎士が乗り込むコクピットは基本的に胸部のハーモデイド・エンジンとポリスケール・ジェネレーターの間にセットされている。

内部には密着伝達式のコントローラーが採用されており、座席型のメインコントローラー、四肢を覆うサブコントローラー、頭部を保護するヘッドセット、ヘッドセットごと上半身を覆うオーバーヘッド・キャノピーが設置されている。騎士はツインスイング・システムで構成された各部コントローラーに接した状態で搭乗し、その内部で身体を動かすことで、それがそのままGTMの動作へとトレースされる仕組みになっている。

各部コントローラーは手足などの個別の動作を読み取る機能を持ち、パイロットの身体全体の動作をコクピットそのもの(コクピット内部に組み込まれた各種センサー)が読み取る仕組みになっているため、のけぞりや振り返りといったアクションにも対応可能である。

密着式コントローラーの構造上、GTMが受けた衝撃や敵騎に斬りつけた際のリバウンドショックもパイロットに跳ね返ってくるようになっているが、通常は衝撃緩和クラッチが外れることで衝撃を遮断する仕組みになっている。

ただし、あまりにも受けた衝撃が大きい場合は、クラッチの作動が間に合わない、或いは完全に遮断しきれずに、衝撃の一部がパイロットにまで伝わってきてしまうバックラッシュと呼ばれる現象が発生することがある。

騎士の動きをトレースして伝達する点は設定改変前のMHの頃と同様だが、騎士がGTMの操縦に専念できるようにスイッチ類は極力排除されているなど、コクピット内部はMHのものと比べて遥かにシンプルですっきりとした構造となっている。

また、MHのコクピットシステムは登場する騎士の体格に合わせて個別に調整されており、違う騎士が乗り込む際にはコクピット内部を全て取り替える必要があったが、GTMのコクピットシステムは騎士の体格に合わせてツインスイングによってフレキシブルに可動できるため、交換の必要が無くなっている。

ガット・ブロウ

正式名称はエレクトロ・マグニフィケート・カーソル・ガット・ブロウ。EM-CGB。

騎士、AF(ファティマ)、GTMの主武器である電磁溶解剣。

2013年の設定大改変後にスパイト(実剣)とスパッド(光剣)から差し替えられる形で登場した。

積層ヘリオス超鋼(ヘリオス練鋼)でできた刀身を持ち、刃が無く、圧倒的熱量の電磁プラズマにより対象を溶断する。

さらに騎士の腕力で振るわれることで真空刃と衝撃波を発生させ、離れた目標を攻撃できる点は設定改変前のスパイトと同様である。

そのまま斬りつけるだけでなく、プラズマ弾を撃ち出すライフル銃のように使用することも可能。多くのガット・ブロウはの部分がトリガーの付いたグリップ状となっており、プラズマ・ライフルとして使用する際はこの部分が握把となる。

ただし、人間サイズのガット・ブロウでも15kg以上の重さがあるため、騎士やファティマではない常人が扱うことは難しい。(付記すると現実の両手剣であっても大きなもので5kgがせいぜいである)

GTMのガット・ブロウは騎士が使っているものを、そのままGTMサイズにしたもので、命中と同時に電磁プラズマとその質量で敵の装甲を切り裂く。

刀身部分を構成する積層ヘリオス超鋼は、ミクロ単位で超極薄のヘリオス超鋼を何万層にも渡って重ねて重鋼(かさねはがね)にしたもので、電磁溶解と圧縮によって分子配列を変えて”鍛える”ことで作られている。

これは工場で自動大量生産できるような技術ではなく、現実の日本刀等と同様に刀匠(ガット・ブロウの刀身専門のスライダー)が、電磁溶解ハンマーなるものでヘリオス超鋼をブッ叩いて一本一本鍛え上げて製作されている。

刃が付いていないためは必要なく、携行する際は抜き身のまま持ち歩く。デザインは使用する騎士団や目的ごとに様々で、その固有のデザインそのものが所持している騎士がどこの騎士団や国家に所属しているのかを示す一種の身分証明証ともなる。

通常の物の他に軽量化や刀身に伸縮機能を持たせる等して携帯性を高めた「ヴィーニッヒ」や、より長く重い刀身を持たせて破壊力を強化した「ラングン」等が存在する。

登場騎種

ファイブスター物語

帝騎マグナパレス

ツァラトウストラ・アプターブリンガー

ダッカス・ザ・ブラックナイト

バーガ・ハリ

デムザンバラ

カーバーゲン

ユーレイ

ボルドックス・ガーネット

ラムアド

アーグ・ヴーラ

グリット・ブリンガー

アマルカルバリ

HL1(ハイレオン)

ホウライ

バーガ・ハリBSコブラ

グラーマス

スコータイ

バーガ・ハリESSQ

バーガ・ハリBS-R

グロアッシュ

ハルシュカ

エクペラハ

ハロ・ガロ(ラミアス・エリュアレ)

フォクスライヒバイテ(ファルトリム・ブリンガー)

関連タグ