CV.三石琴乃(映画『花の詩女ゴティックメード』)
解説
秘密結社システム・カリギュラで製作されたポリメリゼーション・キャスター(重合人間)であり、齢4000歳を超える超帝國の騎士。正式名称は「L-D-I-20」。
搭乗GTMはゲートシオン・マーク2。
騎士であると同時に超一流のMHマイト(GTMガーランド)としての能力も有しており、星団暦3000年代初頭の時点で4000年以上生きていることからあらゆる兵器の性能に精通している。
星団暦初頭に「ストーイ・ワーナー」と名乗ってクバルカン法国のMHS.S.I.クバルカン(GTMザ・ルッセンフリード、GTMリッタージェット・マーク3)やバキン・ラカン帝国のMHフェードラ(GTMアルタイ)といった数々の名騎を手掛けた。
魔導大戦時に出現するとされる「ショウメ」と呼ばれる存在を探しており、そこに何らかの形でアマテラスが繋がっていると考え、星団のあらゆる歴史を知るカリギュラすら近づけない最大の謎の存在である彼に対して深遠な興味を抱いている。
しかし、アマテラスに対する興味が行き過ぎて、やがてその知的好奇心は恋愛感情へと昇華してしまった。
その後、ベラ国で図らずもレディオス・ソープ(アマテラス)とラキシスと出会い、彼らと共にベラ国防衛に当っていたAP騎士団ツラック隊に合流。エース騎士として活躍し、最終的に400騎以上ものGTMが参戦した壮絶なベラ国攻防戦を戦い抜いた。
戦いの後、ツラック隊での日々があまりにも充実していたことで元々の目的が既にどうでもよくなってしまったツバンツヒは、正体を明かしたアマテラスのスカウトを受けて紆余曲折の末、システム・カリギュラを離反してミラージュ騎士団に入団。
しかし、「兵器の知識は凄いが、あまりにも今の人類社会について知らなさ過ぎるので高校からやり直し」ということで、社会勉強の為にAKDの王国内宮高等学校に強制入学させられることに。
その結果、クラスメイトに家庭科の調理実習で作ったお弁当の中身がババくさいと言われて泣かされたり、試験期間中にもかかわらずツァラトウストラ・アプターブリンガーのファティマ・ハッチ開発に駆り出されて落第したり、アマテラスとイチャイチャすることを妄想してはしゃいだり、フレイム・ランチャーを徹夜でアップデートしてたせいで遅刻して廊下に立たされたりの日々を送るなど、ただの女子高生と成り果ててしまった。
システム・カリギュラは消息を絶ったツバンツヒの捜索のためにAKDにスパイを派遣したが、身も心も女子高生と化した彼女に気づくことはなく、そのまま死亡扱いとして捜索を打ち切ってしまうのだった…。
ちなみに学校では理系男子の間で人気のようで、ラブレターを貰って軽くパニックになったらしい。
遥か後の時代、ウィル星団暦7777年までアマテラスの食事係として最後まで彼に付き合っていくことになるとのこと。
人物
肉体を服装も含めて自由に変形・変化させることができるポリメリゼーション・キャスターと呼ばれる一種のサイボーグであり、星団歴の騎士とは次元が違う「純血の騎士」クラスの極めて高い戦闘能力を誇る。
時折、髪の毛が透けて見えることがあるが、これはポリメリゼーション・キャスターの能力で髪を液状化させているため。
普段の身長は205cm程だが、伸縮自在であり、騎士の力を全開にする際には身長を230cmまで伸ばす(騎士の平均身長は男女共に200cm前後)。高校入学した後はこの能力を使って身長を40cm縮めて165cmにしている。
非常に派手で独特な容姿をしているが、これはシステム・カリギュラの拠点があるスタンド遊星はジョーカー星団とは隔絶した環境にあることから、独自に発達させた文化を持つため。
ツラック隊に合流して以降は目立たないよう、ナチュラルメイクでいるようになった。
ちなみに愛用の下着のブランドは、高級補整下着で有名なブラデリス・ニューヨーク。
基本的にクールで知的な性格で、初登場時は慇懃無礼で悪気無く他人を見下すところがあるどこか冷淡な人物だった。
しかし、ツラック隊に合流した後、戦災に遭ったベラ国の民や難民達からバッハトマ帝国を倒してベラを守ってほしいという想いを託されたことで、初めて他人から向けられた気持ちを直接受け止めることを経験。これをきっかけに性格が大きく変化し、クールではあるのだが仲間たちには優しく接し、どこか抜けたところも見せる非常に人間的で愛嬌のある人物となった。
なお、この時に難民の少女から貰った幸運のお守りの人形は常に肌身離さず持っている。
アマテラスに対する恋慕については、当初はモラード・カーバイトにその想いを見抜かれてつっつかれた際に顔を赤面させて黙り込んでしまう程度だったのだが、性格が変化してからは思い切り気持ちを外に出すようになり、ミラージュ入りして女子高生となってからは完全に恋するポンコツ乙女と化している。
とても料理上手であり、彼女の作った卵焼きはアマテラスも一口で気に入り、ツラック隊ではGTM用のガット・ブロウの刀身を鉄板代わりにして(ソープ曰く「88ミリ戦車砲を火薬量そのままに水鉄砲程の威力にするくらい難しい」)チャパティとカレーを振る舞ったこともある。
作中の動向
星団暦初頭頃はシステム・カリギュラ配下の「シオの門番」と共に行動を共にしており、星団暦451年に詩女暗殺計画のサポート役としてユーゴ・マウザー教授と共に植民惑星カーマイン(後のボォス星)に降り立り、暗殺部隊のGTMボルドックスとトリハロン皇子の駆るGTMカイゼリンとの戦いで、ボルドックスが敗れて計画が失敗に終わったのを見届けた。
しかし、暗殺計画の成否自体には興味は持っておらず、ベリンとトリハロンに注目し行動を随時監視し、その未来への興味を口にする。そして、1500年後、3000年後に再びこの地に戻ってくると言い、マウザーらと共にスタント遊星に帰還した。
星団暦3031年、イースト・ハスハに出現。「ショウメ」の手がかりを求めて詩女ムグミカ・アトールの預言を受けていたモラードと接触するべく、彼の滞在するミース・シルバーの屋敷を訪ね、モラードから「ショウメ」がセントリー「ブリッツ」の幼生であり、3031年時点でまだ出現していないことを知らされる。
また、GTM制御能力を喪ってしまったアウクソーの処遇に悩むミース達に、アウクソーにフローレスのクリアランスを与えることで保護するという裏技を伝授した。
星団暦3032年、ミースからハスハのAP騎士団ツラック隊にワンダン・ハレーを探し出すように伝言を頼まれて届けに行ったところ、ソープの提案で傭兵騎士として雇われ、切り込み隊長を一時的に務めることに。
当初はこの時代における騎士としての実績稼ぎ程度にしか考えてなかったが、その後、戦災に遭った人々を目の当たりにし、彼らから想いを託されたことで心境に変化が訪れる。
ベラ国攻防戦を戦い抜いた後、ツラック隊で出会ったソープのスカウトを請けてミラージュ騎士団に入団。ツラック隊から支払われる予定だった自身の報酬はベラの難民の子ども達のために使うように言伝を残した。
ミラージュ入りの後、社会勉強のためにAKDのグリース王立内宮高等学校に強制入学させられ、中等部のパナール、じゃーじゃー姫、キンキー、シトロン、イーシーらに因縁をつけられたことをきっかけに親交を結ぶ。
マーク2をアマテラスに献上するためにお披露目会を開くが、自分の身長を縮めたにもかかわらずマーク2のコクピットをそのままにしていたため、サイズが合わずにうっかり緊急変形レバーを踏んでコントロールを乱してしまい、王宮ミラージュ・パレスの朱塔玉座に激突してマーク2に見惚れていたアマテラスに突っ込みかけるという大事故を起こしてしまった。
ツバンツヒは危うく首を刎ねられそうになったものの、マーク2があまりにもカッコよくて凄い騎体だったためにアマテラスが一目で気に入った上、さらにこれを献上して貰えるということで事故の責任は不問となった。