概要
日産自動車が1982年から販売を行っているロングセラーのコンパクトカーである。
初代のK10型が82~92年、2代目K11型が92~02年、3代目K12型が02~10年、4代目K13型が10年〜(欧州仕様は16年まで)と、日本車としては珍しくモデルイヤーがかなり長いことで有名である。
そのため各モデルとも生産台数が非常に多く、2020年現在でも修理や改造用に生産されたパーツのストックが豊富に残っているようである。
手頃なサイズと価格、操縦性の良さに加え丸みを帯びた愛嬌のあるデザインもあり、女性からの人気やクルマにあまり詳しくない層からの認知度も非常に高く、その歴史からもまさに大衆車ともいえよう。
軽量なボディと改造のしやすさなどもあり、スポーツ走行を楽しむユーザーも少なくない。
初代K10には、近年VWのゴルフに搭載されて再評価を受けているツインチャージャー(ターボとスーパーチャージャーの両方が搭載された)エンジンを搭載したモデルさえあった。
欧州などいくつかの地域の仕様車には「マイクラ(Micra)」と言う名称が使われているが、日本でのK12のオープンカー仕様車にもその名称が使われていた。
そのマイクラは2016年に新型が投入され、日本で販売されている4代目のタイ製のマーチと全く異なる外観・メカニズムとなって切り離しがなされている。
マーチをベースに、Be-1などの日産パイクカーシリーズの兄弟車や、光岡自動車による改造でビュートなどの派生車が誕生している。
変わったところでは無印良品とのコラボで登場したK11の派生車種、「MujiCar1000(ムジカー・セン)」も存在した。
車名の由来は「行進」や「行進曲」からで、一般公募による命名であった。
歴代モデル
初代(K10)
ジウジアーロによるデザインが特徴。初期は装備が絞り込まれていたが、後に充実化されていった。CMキャラクターは近藤真彦。
90年代初めに日産が多数送り出した、パイクカーのベースにもなっている。
2代目(K11)
先代の角張ったデザインから一転、丸みを帯びた可愛らしいデザインになった。MTの設定はなく、ATもしくはCVTのみ設定されていた。無印良品とのコラボで生まれたMujicar1000のベースにもなっている。ヨーロッパでも通用する車を目指し、快適性やパッケージングにも注力され、小型車に革命をもたらした。
3代目(K12)
プラットフォームにルノーと共同開発したプラットフォームを採用。初期は3ドアや1000ccモデルもあったが、マイナーチェンジで整理され廃止された。オープンモデルのマイクラC+Cも日本では限定販売という形で販売されたが、英国のあの3人組からは酷評されレビュー中に道ばたに乗り捨てられてしまった。競合車種に比べ全長が短く、後部が丸くすぼまっているため後席の快適性が低く、荷室も狭いという欠点を抱えている。
4代目(K13)
画像は追加設定されたスポーツモデル、NISMO S。
この世代から日本で生産されなくなり、日本向けは製造がタイで行われるようになった。プラットフォームを切り替え、構造の単純化を図ったほか、後席の居住性も改善されている。しかし先進安全装備の追加はかなり遅く、2020年になってからという体たらく。前席のシートも出来が良くなく、疲れやすいため長距離ドライブには不向き。
2021年にメキシコ仕様が欧州仕様のK14マイクラに似た顔つきに変わったが、日本への導入は未定。
関連項目
(欧米への同型輸出車名)
(初代初期の広告キャラクター)