辟邪録虫貴
へきじゃろくちゅうき
「ふえぇ」
「鱗雪が言うにはね、わたしは虫の神様で、病気も食べて、鬼も食べて、虫たちに栄光をもたらす存在らしいの すごいでしょー? えへへー?」
基本情報
概要
辟邪録虫貴(へきじゃろくちゅうき)は東方二次創作作品「東方居虫球」に登場する神虫という神を元としたオリキャラ。
final stage(6面)「辟ける邪求む飢えたる神」(威虫宮・最深部)のボス、つまりはラスボスを担当する。
居虫球では唯一特定の(現実の)虫を直接の元ネタとしないボスキャラクターである。
(スペルカードや外見の一部には神虫のモチーフとみられる虫などの要素が含まれるが)
鱗雪によって復活を遂げた強大な虫の神である……と、本人も鱗雪も思っていたのだが……?
(全ルートに配慮した結果二つ名がネタバレになってしまっている)
容姿
頭にはカイコガの触角が生え、ケープの留め具は繭の形をしているがそれ以外に蚕らしい点は見受けられない。
「その姿は蝗とも蛾とも甲虫ともつかない」(設定テキストより)
髪型は外ハネが目立つこげ茶色のセミショートで一部髪色が薄かったり赤かったりする。
昆虫の翅のを模した黒いケープを着用している。
ピンクの半袖ベビーオールのようなものを着ているが、その腹のあたりには牙の並んだ大口のような穴が開いている。その下に見える服は暗い赤色。
そのちょうど下あたりには縞模様のよだれかけ型エプロンを付けている。
茶色のロングスカートは裾部分が白っぽくこげ茶色のぶち模様と、裾の方に血痕のようなものがついている。(あくまでファッションであり実物ではないらしい)
背後には本家の最近のラスボスによく見られるようなオーラがあるが、カラフルなそれらとは違いこちらは黒っぽくはっきりとした四本腕のように見える。(手足と合わせれば合計八本「肢」があることになる)
ちなみにエンディングでは収納している。
種族
「辟邪神」とはおおざっぱに言えば魔除けの神のことであり、彼女の元ネタである神虫もそのひとつ。
ちなみに毘沙門天もこの神に区分されることがある。
国宝の「辟邪絵」によれば、災厄や病もたらす鬼を退治してくれる神様たちのようで、鍾馗が代表的である。
彼女はそんな神々を描いた「辟邪の絵巻」から紙銀鱗雪によって召喚された存在である。
二人とも神虫が復活したものと思い込んでいたが、実は絵巻の記述と鱗雪の認識を軸に生み出された神の類に入るかも怪しい存在だった。
彼女自身は神として存在できる所以である神話や伝承を持たなかったので存在そのものが不安定だった。(あくまで絵巻の記述は神虫のもの)
さらに(絵巻の神虫からの借り物とはいえ)強大な力を持っていながら信仰が薄かったため飢えに飢えてしまった。
本来なら数日で消え失せてしまうはずだったが、様々な要因が重なった結果、現在は力を弱めながらも「病気を食べる神」として存在を確立し幻想郷の新たな神として生きている。
能力
「病気(主に感染症)を食べる程度の能力」
元々は絵巻の神虫からの借り物だった能力だが、現在は自身の物としている。
正確には借り物時代は「疫病(感染症)」を食べる能力であり、それ以外の病気・疾患だと栄養不足になる。
現在は病気全般で腹を満たせるようになっている。
「鬼を食べる能力」
こちらは完全に絵巻の神虫からの借り物。量は一日に三千三百。
この力を察知した鬼たちは危機感を覚えてしまった。
これを持ったまま存在を確立して神として成長を続けてしまえば幻想郷やその周辺のパワーバランスを崩しかねなかった。
現在は失われた力であるが、名残は残っており鬼の力を「美味しそう」と感じてしまうらしい。
彼女の友達には鬼もいるのだが……
「虫を活性化させる能力」
こちらは誕生時、鱗雪の「虫たちに栄光をもたらしてくれる存在」だという認識に影響して獲得した能力。
病気を食べる神として存在を確立した際に一度失われるも、虫たちからの信仰や人々の認識によって弱体化しつつも再び得ることになる。
人物
生まれたての幼児、というか赤ちゃんなので性格の方も幼く、世間知らずで危なっかしい。
悪意もないような無邪気で純粋無垢な性格なのだが背後に鱗雪がいるため霊夢には警戒されている。
基本的には鱗雪の言うことを鵜呑みにしているようで、蓑鬼脅留子のことも鱗雪と同じように名字で呼ぶ。
鱗雪を通さずに出会ったリグルのことは「リグルちゃん」と呼んでいたのでこちらが彼女本来の他者との接し方のようだ。
「威虫宮」
鱗雪が不完全な神だった虫貴を護るため、力に引き寄せられてきた虫たちに作らせた。(ちなみにエタニティラルバも親切心から製作を手伝っている)
虫たちが交代制で飛ばしており、内部は上層と下層に分かれる。
下層(最深部)
自然の光が届かないため、虫貴に強化された土蛍(マドボタルの幼虫)が照明代わりになっている。
虫貴はここで護られていた。
活躍
東方居虫球での辟邪録虫貴
(起こした異変に関しての説明は紙銀鱗雪の記事を参照)
[人間組>博麗霊夢]]の自機が6面に到着するころには、鱗粉異変は収まり食料であるアレルギー疾患の供給はストップ。
自機達が虫貴と出会う頃には既に衰弱状態、消滅の危機を感じていた。
その後お互いの事情を話し合い、「地道に信仰を集めて存在を維持する」ことを提案されるが、消滅への恐怖から暴走してしまいそれを拒否。
「我が名は辟邪録 虫貴、鬼をも食らう虫の神なり」
「されど鬼はここにおらず、ならば人を食らおう」
「我が身を満たし、この世界に居るために!」
と目の前の人間を食べるために襲い掛かって来る。
そして戦闘の終わり際、互いの存在を懸けた戦いであったはずの弾幕ごっこに楽しさを感じた彼女は悔いを無くし、
自身の敗北・消滅を悟りつつも最後にもう一回だけ遊んでもらい、6面は終了となる。
リグルルートではまだ鱗粉異変が収まっていないため元気な姿を見せた。
「病気を起こす虫も平等に元気にして」と要求するリグルに対しては、「病気以外にも信仰もご飯にできればなんとかできるかも」と前向きに返答した。
そして「今日蓑鬼と初めて弾幕ごっこをするけど不安だから練習に付き合ってほしい」とリグルに要求。
リグルはもう蓑鬼とは戦えないことやこの場所に迫る脅威を知っていたが、
(どっちにしろ、まともに弾幕勝負ができなきゃ駄目だわ!)
と考え、練習に付き合うという形で戦闘にになる。
本来ならそのまま消滅してしまうはずの虫貴だったが、とある人物のある手回しにより前述のように新たな神として存在を確立し、幻想郷に生きる神の一柱となった。
その後は鱗雪とともに自身の正体を知ったり(霊夢グッドエンド)、人里で脅留子とともに「疫鬼退治ショー」をして信仰を集めたり(魔理沙・リグルグッドエンド)しているようだ。
エキストラでは直接登場しないが、彼女の出現がある人物を触発してしまい新たな異変の間接的原因になってしまったことが明かされている。
ちなみにリグルルートでは、なんとしてもこの異変を止めたいリグルに頼まれて力を貸していた。