罰ゲームの方
漫画「遊戯王」の「DEATH-T編」で、闇遊戯が海馬に対して行った罰ゲーム。
実の弟のモクバにすら過酷な罰ゲームを執行した程の、海馬の邪悪な心を打ち砕いた。
これにより海馬は廃人同然の状態となるが、遊戯は「砕かれた心を再び組み立てている途中」とモクバに語っていた。
その後海馬の砕かれた魂は、ペガサス島編のラストで「モクバ」という最後のピースを組み入れた事により完成した。
後に海馬は、マインドクラッシュをくらった事による「死の体感」を糧にソリッドビジョンシステムを作り上げる。
アニメ「遊戯王DM」では第1話で海馬が闇遊戯と戦う以前からソリッドビジョンを完成させており、この罰ゲームとは無関係になっている。
また、原作で闇遊戯が行った罰ゲームには描写が残虐な物も多いためかアニメでは罰ゲームの内容がマインドクラッシュに変更されていることが多い。
余談だが、「魂を砕かれる」という名前と罰ゲームの内容から、遊戯王界隈では「(悪い意味で)とてつもない衝撃を受けた」という意味で使われる事もある。
罠カードの方
効果テキスト
カード名を1つ宣言して発動する。
宣言したカードが相手の手札にある場合、相手はそのカードを全て墓地へ捨てる。
宣言したカードが相手の手札に無い場合、自分は手札をランダムに1枚捨てる。
解説
カード名を一つ宣言し、宣言したカードが相手の手札にあればそのカードを捨てさせるという、いわゆるハンデスカードである。
外した場合は自分の手札1枚をランダムに捨てるリスクを負うため、やみくもに使ってもただ手札を損する事になりかねない。
そのため、相手の手札を確認(ピーピング)した後か、相手がなんらかのカードを手札に加えた時などに使うのが一般的。
最近は強欲で謙虚な壺など汎用サーチカードも多いため、とりあえずデッキに入れておいても意外と役に立つ場面は多いだろう。
また、宣言したカードが相手の手札に複数枚あった場合、その全てを捨てさせる事ができるため、相手のデッキによっては1:1交換以上を期待する事もできる。
その他、「とどめ刺せそうだけどゴーズが怖い」と言った場合などにも活用できる。
本当に相手がゴーズを持っていればハンデスで処理可能で、持っていなくても安全を確かめた上で総攻撃がかけられるからである。
このように、勝負をかける前に厄介なカードを宣言して危険を取り除く使い方もできる。
もちろん、外せば自分が手札を1枚失うので、手札を失っても問題ない場合のみ使える戦法だろう。
ちなみに、宣言を外した時に手札を捨てるデメリットは効果扱いになるためランダムとはいえ暗黒界や魔轟神のようにカード効果で手札から捨てて効果が発動するカードのトリガーにも使える。
そのためそれらが主体のデッキではプレイング次第で宣言が当たっても外れても有利になる状況を作ったり、いっそのこと相手がデッキに投入すらしていなさそうなカードをわざと宣言することで相手の手札を確認しつつ自分の手札を捨てるカードとして活用できるため相性が良い。
この場合、「相手がデッキに投入すらしていなさそうなカード」として具体的に何を宣言するかでプレイヤーのセンスが問われる…かもしれない。
と言ってもやはり確実性に欠けるため、最初からメインデッキに入れるより、相手のデッキを見てサイドチェンジで投入した方が良いかもしれない。
なお、当然だが自分の手札が1枚も無いと発動できないので、そこだけは注意が必要である。
しかし、そんなこのカードもあるカードとの組み合わせで凶悪なカードに様変わりしていた。
そのカードとは、何を隠そうダスト・シュートである。(遊戯王カードWiki-《ダスト・シュート》)
ダスト・シュートは相手の手札が4枚以上という発動条件があるものの、ノーコストでのピーピング&ハンデスが可能な罠カード。
その2つが組み合わさったらどうなるだろうか。
まずダスト・シュートで相手の手札を確認し、その中のモンスターカード1枚をデッキに戻す。
そして追撃のマインドクラッシュで、先程見た手札の中から1枚を宣言してハンデスするのである。
この流れで、自分は相手の手札の中から任意のカードを2枚も除去する事ができる。
任意のカードをハンデスできる事の強さは言わずもがな。それが2回も可能というのだから、このコンボは様々なハンデスコンボの中でも一際強力なものであった。
加えて、この2枚は単体でもそれなりに使えるため、コンボパーツが揃わなくても単純なハンデスカードとして使う事も出来た。
そして、それまで無名だったマインドクラッシュは、このコンボが判明したとたんに使用者が激増。
特に先攻のプレイヤーが万が一1ターン目の手札にこの2枚を揃えてしまえば後攻のプレイヤーは実質的に初期手札4枚(しかも6枚のうち最も有用な2枚を失った上で残りの4枚も相手にバレている状態)となってしまうため、先攻のプレイヤーが後攻と比べて圧倒的に有利になる風潮を助長していた。
サーチカードが横行していた当時の環境にもピッタリ合うカードだったため、投入率は日に日に増していった。
結果、2007年3月の制限改定で相方のダスト・シュートと共に制限カードに。
無制限カードから一気に制限カードに指定されており、当時がどういう環境だったのかを如実に物語っている。
なおこの改定では、強力なサーチカードだったE・HEROエアーマンや封印の黄金櫃も制限カードに指定されていたため、主な仮想敵が消える事にもなり結果として採用率も減っていった。
それから2年後の2009年、再び増加したサーチカードの対策の為か準制限カードに緩和される。
が、今度はいわゆる「巻き戻しマイクラ」(後述)などが問題となり、1年後の2010年にはまた制限カードに逆戻り。
そして2011年9月、再び準制限カードに緩和され、しばらくの間は準制限で落ち着いていたが再び優秀な効果を持つサーチカードや手札から効果を発動するカードが横行するようになったためか2013年3月に無制限カードとなった。
さらに、2016年には非公開情報に関する裁定変更が行われた。
「手札を確認する」など非公開情報の確認がテキストに明記されているカードを除き、非公開情報が絡むカードに関しては「公式な処理を定めない」という形になったのである。
このためこのカード単体では確実な手札ピーピングを行えなくなったので、裁定変更により多少弱体化したと言える。
ちなみに、相方のダスト・シュートは2012年に禁止カードに指定されたため、前述の凶悪コンボを使う事は現在不可能である。
巻き戻しマイクラ
このカードが2009年に準制限カードに緩和された頃から問題となっていた、ルール上のいざこざである。
このカードは罠カードなのでスタンバイフェイズに使用する事ができるが、相手がフェイズの確認をせずに進めていた場合、相手が何らかの行動を起こした後に「スタンバイフェイズにマインドクラッシュを発動しようとしていた」旨を伝えればフェイズの巻き戻しが行われるので、相手の使ったカードをハンデスさせる事ができるのである。
例を挙げると、以下の通り。
B「すいません、マインドクラッシュをスタンバイフェイズに発動しようと思ってたのですが、フェイズ確認を行ってませんよね?」
A「あ、すいません」
B「じゃあスタンバイフェイズに巻き戻して、マインドクラッシュ発動。宣言死者蘇生で」
と、いう事である。
ルール上はBの言い分が100%正しいので、上記の例ではAはそのまま死者蘇生を捨てる事となる。
このような事態があちこちで発生したため、結果このカードは制限カードに逆戻りする事となったのである。
無論、フェイズ確認を徹底していればこのような事態は起こらないので、きちんとフェイズ確認は行っておこう。
上記の例で言えば、
A「ドロー、スタンバイ、何かありますか?」
B「いいえ」
A「じゃあメインフェイズ入ります。死者蘇生発動、対象青眼の白龍で」
と言う感じにちゃんと確認していれば、巻き戻しは発生しない。
まどろっこしいと感じるかもしれないが、巻き戻しはマインドクラッシュに限らず、ほとんどの速攻魔法や罠カードで起こりうる事なので、フェイズ確認を行う事はデュエリストとしての常識であると言える。
というか確認を行わないと、大会などでジャッジを呼ばれる事もあるので本当に注意は必要である。
なおアニメではフェイズ確認など行っていない事が多いが、遊戯王5D'sではデュエルディスクやDホイールに現在のフェイズが表示されている様子が確認できるシーンがあることから他のアニメや漫画も含めてそれらの機械で自動的に処理しているものと思われる。
尺の都合とか演出とか色々事情があるのだろうが突っ込んではいけない。
時は流れて
2019年、遊戯王VRAINSにおいてマインドクラッシュが使用された。これによって、twitterトレンドにもマインドクラッシュが入る事になったのだが、使用したのは言うまでもなく彼リボルバーだった。
リンクマジックのハンデスに使用した。