概要
A・E・ヴァン・ヴォークトの古典SF小説『宇宙船ビーグル号の冒険』の第一話「Black Destroyer」に登場する宇宙生物「Coeurl」。英語ではコゥエァルと発音されるそうだが、翻訳によってはクアール、ケアル、キアルなどの表記がある。
肩から細かい作業も可能な吸盤がある触手を生やした大きな黒いネコ科動物のような姿で、耳の代わりに電磁波の送受信ができる巻きひげのような触角をもつ。
おとなしい動物のふりをしているが、人間と同等がそれ以上の高い知能を持ち、他の生物を殺して細胞原形質(イド)中のカリウムを吸収することで活動エネルギーを得ている。
性質は猫に似て好奇心旺盛で臆病だが、基本的には残忍で狡猾であり、身体から自在に放射線を放つ力を持ち、真空中でも生きることができるなど非常に強力で危険な存在である。
その他の創作での扱い
当時としては斬新なデザイン、原作での描写の巧みさも相まって、
数多くのフォロワーを生み出した。
ところが何せ原作が古いゆえに、元ネタを知らない層が増え、
オマージュ本来の意味を成さない事態になっている。
ファイナルファンタジーシリーズ
初出は『ファイナルファンタジー2』のラストダンジョンで、触手のような髭を生やした黒豹のような初見殺しなモンスターとして登場。
シリーズによっては豹柄のものや「クアール」表記のものもいる。 →クアール
ダーティペア
パートナーの「ムギ」はおとなしい性質に改造された個体である。
TVアニメ版では熊のような大きな猫、OVAの『ダーティペアFLASH』では触手の生えた黒猫姿だった。
ダンジョンズ&ドラゴンズ
姿をモデルにした、存在位置を錯覚させる(所くらまし)能力を持つ「ディスプレイサー・ビースト」が登場する。
ザ☆ウルトラマン
モデルにしたと思わしき「巨大怪猫ヘルキャット」とヘラーのペット「パンサー」が登場した。
未来ロボダルタニアス
クロッペンが飼っている黒豹ノバが登場。これもモデルと思われる。
科学戦隊ダイナマン
メカシンカマシンガンジャガーのモチーフが黒豹及びクァールである。
電撃戦隊チェンジマン
第41話「消えた星の王子!」に登場した、赤い猫のような顔に触手が生えた宇宙獣士ボーラのモチーフである。
新・世界樹の迷宮
グラズヘイムのエリアⅠのボスとして登場。
最初の戦闘では攻撃が全く当たらず、撤退するしかない。