概要
ロボットアニメに分類はされるが、主人公は一切ロボ(AT)に乗らず歩兵として戦う異色作でもある。
他のロボットアニメではあまり見かけない「生身の人間の肉迫攻撃でも撃破されうる」ほど脆弱なATの設定を利用した作品ともいえる。
ちなみに声優の大塚明夫氏のデビュー作でもある。
基本的にTV本編の登場人物は出演していないが、小説版の「ジャングル」ではウドの三人やアッセンブルEX-10の面々と交流するなどのファンサービスが行われているほか、お遊びとして、OVA本編にはある人物にそっくりなモブキャラが登場する。
あらすじ
元メルキア軍のAT部隊から懲罰降格された機甲猟兵部隊、シュエップス小隊の一員だったメロウリンク。
味方の陽動作戦の中で部隊は壊滅し、生き残った彼に待っていたのは、彼と死んだ部隊の戦友達が「プランバンドール・スキャンダル」という敵前逃亡と物資強奪を行ったという身に覚えのない容疑での略式軍事裁判だった。
しかし、それらは陰謀で着せられた濡れ衣である事を知ったメロウリンクは脱走し自分達を陥れた将兵達への復讐の旅に出るのであった。
各地を放浪しかつての上官たちを探し出し、彼らのカスタムAT(高位の身分の者が最低野郎のメカに乗っている理由は、現役のパイロットであったり、主人公の策で出撃せざるを得なくなったり、余興で使用していたりと様々である。因みにメロウが追うターゲットの中には、ATに乗らない者もいる)を生身で撃破してゆくメロウリンク。
やがて彼は、女ディーラー・ルルシーや謎のメルキア情報将校・キークと出会い、共にブランバンドール大隊や事件の裏に隠された真相に近づいてゆくが…
登場人物
メカニック
ザキ基地(ドックマン)仕様やメルキア軍本星防衛軍基地仕様、フォックススペシャル等バトリング用の機体などが登場。
山賊・バンデットが有するATの1体。上半身と右腕がスコタコ、左腕と下半身がトータス、顔のレンズは一つ目という、謎の機体。
タートル譲りのアームパンチのほか、ゴツいグライディングホイールと、なぜか陸戦型ファッティーの銃を持った機体が登場し、クメンでゲリラ狩りを堪能した。
上記トータスのお供として似た仕様の機体が登場。タートルだとむしろビーラーゲリラっぽい気がするが…
陸戦型ファッティー
対ATライフル
作中でメロウリンクが使用しているライフル。
全長1850mm、重量約30㎏(パイルバンカーが約10㎏で銃本体は約20㎏とも)。
17mm×115弾を3発装填可能(外部弾倉はなく直接銃に装填するタイプ)。
形式をHR-SAT(-RP47《ルパルサー》)とする資料もある。
照準器は通常通り覗いて使用する以外にも、アタッチメントと組み合わせることでAT用のゴーグルに映像を投影することが出来る(同じ物がパンツァーファウストや迫撃砲の照準器としても使用されている)。また、ゴーグルとの組み合わせは潜望鏡の様に壁向うや曲がり角の先を偵察するのにも使える。
兵器としては旧い分類で、作中でも「旧式」「時代遅れ」と散々な言われようである。
というのも、威力が至近距離から直撃させればATの装甲をぶち抜ける程度なので、機動性が向上している現行機に対して有効射程まで接近するのは自殺行為に等しいからである。
上記の通り、歩兵用の携行火器としてはかなりの重量(実際の狙撃銃や対物ライフルよりも重い)が有るのだが、作中ではメロウリンクがこれを持ったまま動き回ったり、ルルシーが膝立ち状態から射撃している描写がある為、それを感じさせるシーンは少ない。
ペールゼン・ファイルズではゴダンが狙撃される際に給弾システムを弾倉式に変更したものが使用されており、長距離狙撃用の対物ライフルとして転用されている事が窺える。
また32年後である孤影再び(OVA版)ではバニラがこれを背負っているシーンが有る(劇中未使用)。骨董品を持ち出したのかもしれないが、現行品だった場合、かなり息の長い兵器だということになる。
対ATライフルに装着して使用するパイルバンカー(パイルバンカー単体でも使用可能)。
スコープドッグのアームパンチ用50mm空砲を使用して作動する。
また、銃剣として使用される場合もある。
ATに張り付くというまともでない状態に持ち込む必要がある為、宇宙で最も無意味な兵器とさえも呼ばれていたりする。
作中、メロウリンクは復讐対象にパイルバンカーで止めを刺すことに拘っていた。
その他
チェコブ
薪にすると火持ちの良い樹木の一種で、燃やすと青白い火を発するが、刺さると幻覚作用がある棘を持つ。作中ではこれに刺されたメロウリンクが悪夢を見るといった形で復讐劇の元となった事件の経緯が語られる。
ちなみにOVA『赫奕たる異端』のオープニングでキリコが暖を取っていた焚き火に使われていた薪も、実はこれ。