概要
ゲーム『ペルソナ3』を原作とした劇場アニメシリーズ「PERSONA3 THE MOVIE」における主人公の名称である。
大まかな設定についてはキタローを参照。
CVは原作と同じ石田彰。
人物像
一人称は「俺」。
必要な時以外殆ど喋らない無口キャラ。
原型であるP3主人公からしてクールなイメージが根強いが、一章時点の結城理は一際無関心・無感情ぶりが強調されたキャラ付けがなされている。
物語が進むにつれて、彼本来の不器用かつ繊細な優しさが露わになっていく。
#1における姿
「どうでもいい。死ぬって、そんなに怖いこと?」
異常現象である「影時間」の中でも平然としており、シャドウの襲撃で死が迫っても「どうでもいい」と言わんばかりの態度でいるなど、感性・感情が非常に乏しい。
とはいえ、困っている風花を助けたり、順平の馴れ馴れしさに対して困惑した表情を浮かべていたりと、全くの無感情というわけでもない。
終盤ではバイクを無免許運転しながら風花たちの救援に来るなど熱い面も見せる。
流されるままに特別課外活動部へと参加するが、メンバーとの交流やシャドウとの戦いを経て徐々にではあるが、人並みの感情を見せるようになる。
#2における姿
「みんなと一緒にいると、飽きない。悪くないって思う。こういうの…楽しいって…言うのかな」
「…もうすぐ、終わっちゃうんだな…」
仲間と過ごすうち、少しずつ「楽しい」という感情を抱いていく理。
しかし、ストレガのタカヤの放った「影時間を消せばどうなる」という言葉から、「影時間を消せば仲間たちと別れてしまう」ことに気付いてしまい、戦いを続けるべきか迷っていく。
彼の中に生まれた迷いと執着は、第二章終盤において取り返しのつかない事態に繋がってしまう。
#3における姿
「でも、いつか消えてくんだ。アイギスもきっと」
「違う…俺は! 俺はつながりから逃げたりしない!!」
大切な存在を失い失意の底にいた理は、アイギスや望月綾時の優しさに触れて再び人とのつながりに向き直る事を選ぶ。
しかし第三章終盤で、彼は再び残酷な別れを経験する事となる。
#4における姿
「もう考えたよ。俺はもっと生きていきたい。この世界を終わりになんてしたくないんだ。それがどんなに無理なことだとしても」
「…忘れない。たとえ失ったとしても、必ず取り戻す。みんなとの記憶を!」
友達だと思っていた少年から残酷な事実を告げられ、再び孤独を経験する理。
そんな折、ムーンライトブリッジで出会った女性に導かれ、彼はとある重要な記憶を取り戻す。
運命の日、彼が下した決断は…。
彼の想いが伝わるクライマックスは涙なしには観られないだろう。
発動したペルソナ
劇場版オリジナルの設定として「大型シャドウを倒すごとに対応するアルカナが解放され、そのアルカナのペルソナが使えるようになる」というものがある。
これは「コミュ育成に割く尺がない」という映画ならではの制約に対応した変更であるとのこと(オーディオコメンタリーでのプロデューサーの発言)。
ちなみにアルカナ1つにつき1体というわけではないらしく、同じアルカナから2種類を召喚している描写がある。また偶然なのか狙ったのか、鳴上悠が召喚したペルソナとほとんど被っておらず差別化ができている(共通するのはアラハバキとコウリュウのみ)。
ペルソナ | 話数 | アルカナ | 備考 |
---|---|---|---|
オルフェウス | #1 | 愚者 | 最初のペルソナ 途中で一時的にタナトスに変貌 |
ジャックフロスト | #1 | 魔術師 | 女教皇戦 |
サラスヴァティ | #1 | 女教皇 | 女帝・皇帝戦 |
オベロン | #2 | 皇帝 | 法王・恋愛戦 |
シーサー | #2 | 法王 | 戦車・正義戦 |
ヤクシニー | #2 | 女帝 | 戦車・正義戦 |
トート | #2 | 法王 | 戦車・正義戦 |
トール | #2 | 戦車 | 運命・剛毅戦 |
ジークフリート | #3 | 剛毅 | 刑死者戦 |
オーディン | #3 | 皇帝 | 刑死者戦 |
アラハバキ | #3 | 隠者 | 対ストレガ |
ヘカトンケイル | #3 | 刑死者 | 対ストレガ |
マザーハーロット | #4 | 女帝 | ニュクスアバター戦 |
ノルン | #4 | 運命 | ニュクスアバター戦 |
タナトス | #4 | 死神 | ニュクスアバター戦 |
メサイア | #4 | 審判 | 対ニュクス |
余談
スタッフへのインタビューによると、制作段階では「結城理」ではない仮名で呼ばれており、監督の意向で「愛着の湧かない名前にしよう」ということで「山田月太郎(やまだげったろう)」と呼ばれていた。しかし制作も終盤に入ってこの名前がスタッフ内で定着してくると、むしろ月太郎の名前に愛着を感じてしまい、「もう月太郎でいいかも」とも考えかけたらしい。
もしそうなっていた場合、奇しくも彼の名前に『キタロー』の文字が入ったことになっただろう。
しかし、同じくペルソナ3 原案のアニメである、ペルソナ〜トリニティ・ソウル〜の主人公三兄弟の名前が全員「まこと」とも読めるため、プロデューサーである足立氏がこれは運命と称し、現在の名前に決定した。