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勇者刑に処す

ゆうしゃけいにしょす

『勇者刑に処す』はカクヨムで連載中の長編小説。電撃の新文芸より書籍化されている。正式名称は『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』。

概要

『勇者刑に処す』はカクヨムで連載中の長編小説。作者はロケット商会。電撃の新文芸より書籍化されている。正式名称は『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』だが、pixivではスペースを含んだタグが作成できないため、『勇者に処す』が使用されている。略称は「勇者刑」。

2020年10月、オンライン小説投稿サイト「カクヨム」にて連載開始。

2021年9月、電撃の新文芸(KADOKAWA)より1巻が書籍化された。

イラストはめふぃすとが担当。

同月に主人公を中村悠一が、ヒロインを楠木ともりが演じるPVが発表されている。

あらすじ

勇者刑──それは、死よりも重い刑罰。その刑に課された罪人は魔王との戦場の最前線で、例え死んでも蘇生され、戦いを強いられることとなる。

そんな勇者たちは、史上最悪のコソ泥、王城を売り飛ばそうとした詐欺師、自分を国王と思い込んだテロリスト、「食人鬼」と呼ばれた暗殺者など、皆並外れた能力を持ちながら、常軌を逸した人格破綻者の集まりだった。

《女神殺し》の罪で勇者刑に処された元聖騎士団長のザイロ・フォルバーツは、彼らと共に過酷な刑務に就かされていた。そしてある戦場でザイロは秘匿された《剣の女神》テオリッタと運命的な出会いを果たす。

「戦いが始まるのでしょう。それも、他者を救うための戦いが。《女神》として、あなたに勝利を約束してあげます。よって──」

「敵を殲滅した暁には、この私を誉め讃え、そして頭を撫でなさい」

ザイロは再び女神と契約を結び、魔王との熾烈な戦いに身を投じることとなる。

用語

・勇者

「魔王と対峙し、死んでも蘇って戦わなければならない」死よりも重い刑罰とされている。命令違反をすると首に刻まれた聖印によって殺されてしまう。蘇生の度に記憶と人格が失われてしまうため、無敵というわけではない。

・魔王

世界に一人だけといった存在ではなく「魔王現象」というもので、各地に存在する。魔王現象は生き物や無機物をベースに突如として発生し周囲の動植物をモンスターにしてしまう。作中開始時点で、人類の生息域の半分を奪っている強大な存在。

・聖騎士

女神を防衛・運用し、魔王現象に対抗する。第十三騎士団まであり、聖騎士団長はそれぞれ《女神》と契約している。聖印技術の発達により、キヴィアのような女性軍人も珍しくない。

・女神

古代に造られた決戦生命体。セネルヴァ・テオリッタを除いて十一体存在する。魔王現象に対抗する「何か」を召喚する力を持ち、聖騎士と契約することで力を発揮できる。人に奉仕するよう造られている。

・聖印

爆発を起こす、切れ味を上げる、異形化を防ぐなど様々な効果を持つ。通常物に刻むもので、日に当てて蓄光することで、光が尽きるまで効果を発揮することができる。

登場人物

ザイロ・フォルバーツ

CV:中村悠一

「そろそろ思いっきり暴力を振るいたい気分だ」

主人公。かつては第五聖騎士団の団長を務めていたが、契約していた《女神》セネルヴァを殺害したことで《女神殺し》の罪を負い、勇者刑に処される。テオリッタと契約を結んだことで、再び女神と共闘することになった。勇者たちの実質的な取りまとめ役。暴力的な人間だが、怒りの理由は真っ当であることが多い。女神の自己犠牲的な在り方に苛立ち、テオリッタと衝突する。恋愛関係には鈍く、パトーシェやフレンシィからの好意にまるで気づいていない。褐色の肌の持ち主で、白いメッシュの入った焦げ茶色の髪をしている。

テオリッタ

CV:楠木ともり

「私は《剣の女神》テオリッタ。人に奇跡をもたらす守護者です」

存在を秘匿されていた十三番目の《女神》。長く眠っていたが、軍部への輸送中にドッタに盗まれたことで起動してしまう。初めからザイロを騎士と認識しており、盗まれたことについても「運命」と断言した。褒められることが好きで、ザイロによく頭を撫でるようせがむ。金髪で、毛先からは火花が飛ぶ。

ドッタ・ルズラス

「そんなの、ぼくだってわかんないよ! 気づいたら盗んでるんだから!」

勇者。一人で千件をゆうに超える盗難事件を起こしており、あまりに数が多いので複数犯だと思われていた。重度の窃盗癖があり、意図してもしなくても物を盗んでしまう。テオリッタの入った棺桶も聖騎士団からうっかり盗み出してしまった。ピンク髪半ズボンとかわいらしい外見だが、成人男性

ベネティム・レオプール

「うまくやっておきますよ。私を信じてください」

勇者。王城をサーカスに売りかけて大騒動を起こした詐欺師で、息を吐くように嘘を吐く。いかにも有能そうに振る舞うが、実際は全てがその場しのぎ。実家絶縁されている。白髪を三つ編みにし、札のようなピアスを付けている。

パトーシェ・キヴィア

「要塞の防衛を貴様ら勇者だけで担ってもらう。死守だ」

テオリッタと契約するはずだった第十三聖騎士団団長。輸送中のテオリッタをドッタに盗まれた挙句ザイロに勝手に契約されてしまったことで、勇者たちを敵視していた。共に任務に臨むうち、ザイロに惹かれていく。長い黒髪の持ち主。

ノルガユ・センリッジ

「安心せよ、者ども! 我が忠臣たちよ!」

勇者。かつて王城に対して大規模なテロを起こし、多数の死傷者を出したとして勇者刑に処された。自分を国王と思い込んでいる聖印調律の天才。口ひげがトレードマーク。

タツヤ

「……ぐ」

勇者。何故勇者になったのかは不明だが、数百年前に《女神》に召喚された異世界人だと言われている。自我を失っており、半ばゾンビのようになっている。命令に忠実に動き、歩兵として異常な能力を発揮する。失われた後頭部から中身が零れないように錆びた兜を被っている。

ツァーヴ

「よく言われるんスよね、優しすぎる殺し屋って」

勇者。暗殺教団の下で育った暗殺者だが、ターゲットに感情移入してしまい一度も任務を達成することができなかった。替わりに知らない人間をひき肉にして持ち帰っていたことで「食人鬼」と呼ばれ、殺人などの罪で勇者刑に処される。一流の狙撃手でもある。麦色の髪の毛で、歯が欠けている。

ライノー

「共に全人類の幸せのために戦おう」

勇者。「人類の幸福の為に戦いたい」という理由で志願して勇者になった。聖人君子のような振る舞いをするがどこか胡散臭く、命令違反をして懲罰房に入れられることが多い。砲兵として異常な才覚を持つ。金髪の大柄な男性。

ジェイス・パーチラクト

「は!人間の規則なんて知るかよ」

勇者。ドラゴンに異常に好かれる体質で、意志の疎通もできる。ドラゴンの群れを率いて反乱を起こしたことで勇者刑に処された。竜騎兵としても天才的だが、槍術にも優れている。小柄で、青い首巻が目立つ。

ニーリィ

ジェイスが騎乗する女性のドラゴン。宝石のように青く輝く鱗を持つ。ジェイスとは相思相愛の仲。

フレンシィ・マスティボルト

「余計な行動をとって、婚約者の私を不利にしないように」

ザイロの元婚約者。ザイロが勇者になったことで婚約の継続はほぼ不可能になったが、彼女自身は婚約破棄を認めておらず、ザイロを「婿殿」と呼ぶ。毒舌。褐色の肌と灰色の髪を持つ。

小ネタ

本作は一巻が発売するまで、同作者のコミカライズを担当するナカシマ723が制作した非公式のキャラクターデザインを参考にしたイラストが多かった。上記のイラストまとめから内容が確認できる。

作者のTwitterで何度か読者を相手にしたQ&Aが開催された他、小ネタのツイートが行われており、ここでしか公開されていない情報もあるため、より勇者たちについて知りたい方は作者のアカウント内検索を推奨する。また、大々的なツイート群は読者によってmin.tやtogetterでまとめられている。

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