この記事には「暁月のフィナーレ」のネタバレが含まれているため注意!!
「教えてくれ……!
星を善くするという名分は、今消えた吐息よりも重いのか!?」
「やり遂げた者が死ぬというなら……
いつか星が最善に至ったときに、どうする。
よくやったと満足して、死に絶えるのか!?」
プロフィール
概要
創造魔法によって生み出された創造生物の実験場「エルピス」の所長であり、後に十四人委員会からの推薦を受けて就任したオリジナルのファダニエル。
飛行生物創造の第一人者でもあり、創造生物の研究を行っている。
好物はリンゴの砂糖漬け。
ある目的からオリジナルの創造生物「メーティオン」をこの世に生み出す。
性格
情の深い博愛主義者で、創造生物を大切に思っており、彼らが危機に陥った際には、本来古代人が破廉恥であると考える「転身」さえ厭わないなど、創造生物であれど命ある彼らを心から愛している。
一方で古代人にしては珍しく、「死」を忌避する独特な死生観を有している。
エルピスにて創造生物はその生態を研究され、問題があれば都度調整を繰り返されるが、中には破壊衝動が強すぎるなどの理由から「星海へ還すべし」と裁定されるものもある。
それはすなわち「出来るだけ苦痛なく殺し、星を巡るエーテルに還元すること」、平たく言えば殺処分である。
ヘルメスはこうした実状に疑問を抱き続けており、異なる育成環境を試すために都度処分と再創造をしなくても良いように、生物の記憶を操作・改変する機構「カイロス」を作り上げている。
その姿勢は「星の血としてより善く生き、自らの役目を果たしたら星海へ還る」のが当たり前とする、古代人の死生観からはおおいに乖離しており、彼は古代人の生き方そのものにも疑問を感じている。
作中では「炎狼」リュカオンが凶暴性を懸念されて星海へ還される事となるが、処分を察してか暴れ回り脱走した為に討伐しなければならなくなる。
苦痛に喘ぎながら死にゆく獣を抱き、ヘルメスは慟哭しながら告げた。
「魂の寄る辺の海が、深き冥界が、穏やかであらんことを……」
「恨んだまま、赦す必要はない。
その証に、苦しみはここに置いていくといい……」
それを見たエメトセルクは情け深すぎる彼にこの場所は残酷すぎるとして、十四人委員会へ来るよう再度打診している。
ヘルメスの問い
ヘルメスは古代人のその生命の生死に無頓着な価値観に疑問を持っており、その中で死を忌避する自身は異常者なのではないかと疑問視すらしていた。そこで彼はこの惑星外の文明に接触し、その「死生観を問いただしたい」「古代人たちの死生観は間違っていると証明したい」という欲求から、外宇宙文明探索生物として、メーティオンとその姉妹たちを創造した。
メーティオンとその姉妹たちは想いの力「デュナミス」によって集合意識を共有しており、メーティオンはその端末でもあった。
しかし……
ファダニエル
ファダニエルの座を継ぐことになった
今日からよろしく──
前エルピス所長だった先代のファダニエルとは親交があり、退任を決意した彼から後任として推挙された。
先代は優れた研究者にして人格者であり、その先代が自らの役目を果たしたとして退任と同時に星海へ還る事を選んだと聞いた時は動揺を隠せなかった。
生物の知識だけでなく天文学にも詳しい。
終末の災厄が起きた際は、惑星を覆うエーテル流「天脈」の循環と終末の発生に関連があることことを突き止め、天脈の循環不全によって星が腐り始めているという結論に至った。
これにより天脈を強化して災厄を退ける為、そして星に「理性」を与える為にゾディアークが召喚される事となる。
関連タグ
ファイナルファンタジー14:新生エオルゼア FF14 暁月のフィナーレ
古代人(FF14) エルピス(FF14) 十四人委員会 メーティオン エメトセルク ヒュトロダエウス
アシエン・ファダニエル:ヘルメスの魂を持つアシエン。
??????:※ネタバレ注意※原初世界でのヘルメスの転生した姿。
この先、『暁月のフィナーレ』終盤のネタバレ注意!!
「彼方の星に、幸せは……命の意味は……」
「生きる歓びは、あったのだろうか……?」
遂にメーティオンの姉妹達からの調査報告が来るが、それはヘルメスの望んでいた答えではなかった。
アーテリス以外の目ぼしい文明は滅び去り、宇宙には死と絶望が蔓延していることが判明。しかもそれらの負の情報を集積した結果、メーティオンの集合意識は汚染され、生命に死と絶望を与えることを是とした終末装置へと変貌してしまっていたのだ。
悲惨な結果に一度は茫然自失となるヘルメスだったが、メーティオンへの愛着と博愛主義、古代人達への疑心から、その終末装置をも是とした。彼は転身するとエメトセルクやヒュトロダエウスたちの前からメーティオンを攫い、全ての報告を聞き届ける時間を稼ぐため、エルピス最大の施設「ヒュペルボレア造物院」に籠城。プレイヤーやエメトセルクたちはアーテリスの脅威となりうるメーティオンを回収するべく強行突入に踏み切るが、ヘルメスは飼育されていた創造生物をけしかけて抵抗。それすらも突破されると、自ら一行の前に立ちはだかった。
結局は敗れるものの、メーティオンが救いとして終末をもたらそうとするのは、星を善くできないとみなした生物を屠ってきた人と同じだと主張。それが詭弁だと自覚しながらも、エルピスの所長として、人は生きるに足る存在かを裁定すると宣言した。人が命を見つめ直し、生きたいと願い、生きるに足るだけのものであるならば終末は退けられ、そうでなければ星ごと滅びると語るヘルメスは、裁定を公正なものとすべくカイロスを起動。自身を含めた造物院内の人間から、終末装置となったメーティオンに関する一切の記憶を消去すると同時に、メーティオンとその姉妹たちは消滅したという偽の記憶を植え付けた。
こうして、間一髪で造物院からの脱出に成功したプレイヤーとヴェーネスの記憶を除き、メーティオンに関する一切の情報は闇に葬られた。メーティオンは外宇宙へと逃走し、ヘルメス自身もメーティオンが消滅したというショックから、その記憶に蓋をするようになった。
世界の分断後、分かたれた魂の一つは原初世界で幾度の生と死を経て異才のアモンとして転生。
アモンにヘルメスとしての記憶は残っていなかったが、かつてヘルメスが宇宙へメーティオンたちを送ったようにアモンもアラグ帝国の宇宙進出を推し進めていた。
このことについてグ・ラハ・ティアは「ヘルメスもアモンも宇宙に希望を求めていたのではないか」と推測している。