「おやおや、随分と無粋な客ですネ……
せめて、華々しくお散りなサイ!」
プロフィール
概要
バトルコンテンツ「クリスタルタワー」に登場するボスの一体。世界設定本では「奇才のアモン」。
派手な衣装を身に着けた髑髏という異形の姿をしているが、これは自らに施した「不死化」の実験によるもの。
性格についてはノア曰く「クソがつくほど生真面目で、ニコリとも笑いやしない陰気な研究の虫」だったとのこと。
経歴
魔科学の天才
第三星暦末期のアラグ帝国に生まれ、魔科学の天才として名をはせる。
一方で当時既に退廃しきっていたアラグ帝国に失望し、新たなる風を巻き込むべく始皇帝ザンデの復活計画を立案・指揮。ザンデと帝国を永遠の存在とする為に「不死化」の研究に着手し、膨大な犠牲の末に技術を確立する。
研究の過程で革命の英雄「ティターン」や、自分とは犬猿の仲だった女魔導士「妖艶のスキュラ」を実験材料として利用。アラグの皇族や忠臣、最終的には自分自身にも実験を施した結果、異形の姿となった。
ザンデの復活と帝国の滅亡
ザンデ復活によりアラグ帝国は最盛期を迎え、南方メラシディア大陸への遠征成功など、世界を制覇した大国として輝かしい歴史を打ち立てた。
しかし一度死を体験しているザンデは人の命の限界を誰よりも知る為、栄光の後に残る虚無感から次第に「闇」へと傾倒。異界「ヴォイド」の大妖異と契約を交わし、世界をすべて無に帰すという妄執に取りつかれてしまう。
やがてザンデに対する反乱が各地で勃発。反乱軍がクリスタルタワーに到達した時、世界に「無」を呼び込むネルギーを獲得する為、衛星バハムート(後のダラガブ)が起動。膨大なエネルギーが地上に降り注いだが、クリスタルタワーを支える地殻はこれに耐えきれず、超巨大地震が発生。土の厄災「第四霊災」となってしまう。
この直前、アモンはクリスタルタワーの中で時魔法を発動。時間を停止させて塔全体を凍結させ、長い眠りについていた。
復活
それから時は流れ、第七霊災の影響でクリスタルタワーが地上に出現・復活。これに合わせてアモンも覚醒した。
聖コイナク財団によるクリスタルタワーの調査に同行した光の戦士一行の前に「異才のアモン」として登場。「帝立歌劇場」にてトリッキーな魔法を多用し、多種多様の使い魔を召喚してくる。
履行技「終幕の熱狂」は食らうとタンクでも即死確定の凶悪な威力を誇るが、発動直前にランダムで数名のプレイヤーが氷漬けになって氷塊として残るので、その背後に隠れる事で回避可能。
ただし位置がアモンにあまりに近すぎると背後に隠れてもダメ(具体的にはアモンのターゲットサークル外周より内側)なので、氷漬けになったプレイヤーが全員アモンの至近距離にいた場合などは、氷漬けになった本人以外は即死が確定してしまう。こうなったら殆どの場合ヒーラーは全員死ぬので、アモンがよほど瀕死でない限り全滅するだろう。
敗北後は、タワー最上階の玉座に座すザンデに光の戦士の危険性を訴え、消滅した。
余談
元ネタは「ファイナルファンタジー3」に登場する敵キャラ「アモン」。
魔道士「ハイン」の色違いであり、エウレカにて「円月輪」を守っている。
関連タグ
ファイナルファンタジー14:新生エオルゼア 暁月のフィナーレ エオルゼア アラグ帝国 クリスタルタワー ザンデ(FF) スキュラ
アモン:表記ゆれ
この先、「暁月のフィナーレ」のネタバレ注意!!
栄華の末路が物語る
ああ あの哀れな陛下は正しかったのだ
何を得て 何を築けど やがては終わる
生きるのはただ 無に至る道程でしかないのだろう
その正体は十四人委員会の一人「ファダニエル」の転生した姿にして、現在のアシエン・ファダニエルである。
かつてクリスタルタワーを時魔法で凍結し、復活後に光の戦士が倒したのは、彼が生体複製技術を用いて生み出したクローンだった。
魔科学の天才だったアモンは爛熟した帝国の退廃ぶりや自分の研究を娯楽として浪費する人々の堕落した有様に嫌気がさすようになり、ザンデを復活させることで帝国に更なる繫栄をもたらそうとした。
しかし復活したザンデは満たされることはなく、世界を無に帰すべく、大妖異「暗闇の雲」を呼び出そうとして失敗。帝国は滅亡の危機に陥る。
その直前に現れたエメトセルクによって、アモンは空いていたファダニエルの座に引き上げられ、アシエンになった。
しかし敬愛するザンデの影響によって彼も次第に破滅願望を抱くようになり、またアモンとしての自我が強すぎたことで、十四人委員会のメンバーだった頃の断片的な記憶を受け入れられなかった。
更にアシエンになってからは何度も体を移し替えており、その影響で過去の記憶が朧げになっている。
パッチ5.3にてオリジナルのアシエンが全滅した為に「アシエンの悲願」から解き放たれ、衝動のままに「終末の再現」を希求。
ゼノス・イェー・ガルヴァスと手を結び、月に眠るゾディアークの封印を破壊し、自分ごとゾディアークを滅ぼす事で、「終末の災厄」を遥かな領域から呼び寄せた。
まったく 諦めの悪い人たちですね
こんな場所にまで踏み込んで──
ですが ここまでです
終末を受け入れ 無に還りなさい!
光の戦士は長い旅路の果て、死者の魂が還る星海へと通じる「アイティオン星晶鏡」にて、遂に「異才のアモン」改め「異執のアモン」と対峙する。
更に威力を増した攻撃魔法で光の戦士達を苦しめ、また終盤には「終幕の熱狂」を詠唱。しかし発動直前、懐かしい気配が助けに飛び込み、巨大な氷塊によって盾を形成。これが助けとなり、光の戦士は遂にアモンを倒す事に成功する。
戦いの後、敗れて膝をついたアモンに対し、光の戦士は質問を投げる。
「メーティオンを覚えているか」
これをきっかけとし、アモンはかつてエルピスでヘルメスとして光の戦士と出会っていた事を思い出す。
人として生きていた頃のアモンは繰り返し古代の夢を見ていたが、断片的で曖昧な情景であり、ただの妄想だと思い込んでいた。
しかしアシエンになり、ヘルメスの情報を受け取った時、すべてが繋がってしまった。
自分が夢として見ていたのはカイロスによって消されたヘルメスの記憶だったことを。
アモンは語る。
自分がヘルメスだから終末を呼んだわけではない。
アモンとして生き、苦しみ、その果てに絶望したのだと。
偉大なる皇帝ザンデと強大なアラグ帝国が示した「すべて最後は無となる」という事実が、それを教えてくれた。
故に「終わることこそ、ただひとつの正しい答え」と断じるアモンだったが……
それが正しいと……真理だとわかっているのに……。
どうしてこんな、口にするたび、
何かに負けたような気がするんだ……。
これじゃないなら、私は何を求めていた……?
どういう結果ならよかったんだ……。
自分が……待っていたのは……
望んでいたのは、どんな答えだ……?
アモンとしての記憶とヘルメスとしての記憶の間で迷う中、そこにアサヒが現れる。
アサヒにとって自分の肉体でゼノスに同行した挙句に裏切ったアモンのことは死んでも許せず、自分ごと星海に引きずり込んで消滅させようとする。
そんな彼に光の戦士は歩み寄り「次はきっと、一緒に探そう」と答える。
そして……
何を馬鹿なことを……。
恨んだまま、赦す必要はない……。
こんな愚か者のことは、過去へ置いていくといい……。
私も、謝ったりはしません。
あのときヘルメスがあなたに抱いた心残りを、
永遠に、未練のままにしておいてやりますよ。