関門トンネル
かんもんとんねる
概要
山口県下関市と福岡県北九州市門司の間にある関門海峡を越える海底トンネルのことで、以下4本が貫かれている
関門鉄道トンネル
1942年に単線開通、1944年に複線開通した山陽本線の下関駅~門司駅間にある在来線用の鉄道トンネル。全長下り3614m・上り3604m。世界最古級の海底鉄道トンネルである。
山陽新幹線用のトンネルとルートが違うのは、本トンネルが海底が最も浅い場所を選び、山陽新幹線用は海峡の幅が最も狭い場所を選んだためである。
青函トンネルや山陽新幹線用の関門トンネルとは違い、上下線が個別に掘られており、複線開通時に制御システムを複線用ではなく単線2組で整備され、その後も複線用に改められなかったことから、上下線が個別に単線として運用できるようになっており、トンネル内の点検時には片方を止めて残った片方による単線運転といった器用なこともできる。
この世界初の海底鉄道トンネルの開通による効果は絶大なものがあり、連絡船に積み替える手間が減ったため関門連絡船時代には積み替えの滞貨であふれかえっていた状況が一瞬にして解決され、開通当時は戦時中ということもあって、関門海峡が機雷で封鎖されても列車がトンネルをくぐって行き、さらに上下各線で別にトンネルが掘られていることから片方を破壊されても残った片方で単線の運行ができるために本州と九州間の交通路の遮断が簡単にはできなくなった他、必要とあれば単線2組の両方を一方通行にしての大量輸送で九州防衛の援軍を本州から送り込むことも可能であった。
竣工時は鉄道省、その後は国鉄の所管を経て、1987年よりJR九州に帰属する。
全線直流電化で、JR九州内では独立状態の筑肥線を除けば、唯一の直流区間(他はすべて交流電化)となっており、JR九州はこの区間のためだけに交直流両用の415系電車を所有している。
かつては下関以西から、東京や関西発のブルートレインや、山陰本線からの客車、気動車、JR九州側からは特急にちりんが運行されていたが、現在は貨物列車を除けばJR九州所属の電車による運行のみとなっており、これらは過去には下関以西の山陽本線にも乗り入れていたが、現在では下関までの運転となっており、在来線での西日本と九州による乗り入れは一切行われていない。
ブルートレインが現役だった頃は関門トンネル区間のみJR貨物が運行を担当しており、JR九州所有のEF81を充当する場合でもJR貨物の機関士が乗務した。