概要
719系などでは置き換えきれなかった仙台地区の国鉄型車両を更新し、輸送量の改善を図るためにJR東日本が2007年より仙台地区近郊の路線に投入した交流一般形電車。ステンレス製の軽量車体で、バリアフリーの観点から東北地方に多い低床ホームに合わせ、ステップを廃止した低床車体(運転台は普通の高さで貫通路部分に段差がある)である。車内も同様の設計思想で設計されている。
番台区分・その他
JR E721系0番台
通常仕様で2両固定編成。44編成88両が製造された。
なお、東日本大震災において0番台のP1編成とP19編成が被災し、廃車除籍・解体となった。一部はJR東日本の社員研修施設に、新潟県中越地震で被災し脱線した200系などと共に保存されている(一般には非公開)。P1編成はトップナンバーであった。
また、磐越西線の快速列車に使われる特別仕様車(指定席設置)やワンマン運転用に新造された車両、ワンマン対応改造車、さらには後述する500番台に改造されたものなど、バリエーションに富む。
JR E721系500番台
仙台空港鉄道との直通運転用の装備を持つ。2両固定編成。
主に仙台空港アクセス線で運用される。
4編成8両が製造され、のちに0番台から改造され編入した編成が1本追加された。
JR E721系1000番台
719系の置き換え用として2016年以降に導入されたグループで、19編成76両が製造された。4両固定編成へ変更されている。0番台と同じく東北本線、常磐線、仙山線で運用されるが、車体の帯の色が桜色になっている。
仙台空港鉄道 SAT721系
500番台とほぼ同じ仕様で仙台空港鉄道が保有する。2両固定編成。2両編成3本が仙台空港アクセス線などで運用される。
青い森鉄道 青い森703系
形式が「703」となっているが、E721系とほぼ同一仕様。青い森鉄道線の運用増で2両編成2本が2014年に新製された。
阿武隈急行 AB900系
阿武隈急行が8100系の代替用として2019年より導入している車両。細部が異なるもののE721系をベースとしている。形式の由来は「阿武急」の語呂合わせ。
2両編成10本が製造される予定で、車体色は赤・青・緑・黄・桃の5色。2022年現在このうち青・緑・黄が1本ずつ導入されている。