「雷水風の三魔神よ!」
「今こそその力を合体させ」
「復活のおたけびをあげよ!」
「出でよ! 合体魔神! ゲート・ガーディアン!」
概要
原作マンガに登場した迷宮兄弟の最大の切り札である戦士族のモンスター。自分のフィールド上に存在する三魔神それぞれを1体ずつリリースする事で特殊召喚することができる。
デザインは三魔神が縦に重なり合っただけという非常にシンプルなもの。ある意味、遊戯王名物「乗っただけ」の系譜とも言える。
ただ、このシンプルさは、相手の攻撃手段や特性に合わせて対応手段を切り替え、自身だけでなく他の魔神の防御まで即座に行える長所にもなっていた。
カードテキスト
特殊召喚・効果モンスター
星11/闇属性/戦士族/攻3750/守3400
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの「雷魔神-サンガ」「風魔神-ヒューガ」「水魔神-スーガ」を
それぞれ1体ずつリリースした場合に特殊召喚できる。
解説
シリーズ初にして今なお数えられるほどしか存在しないレベル11のモンスターである。また、地味にシリーズ初の「ガーディアン」の名を持つモンスターである(が、基本的にガーディアン用のサポートカードが活用できるようにデザインされているわけではない)。
OCG化された当時はあの青眼の究極竜に次ぐ戦闘力を誇る最強クラスのモンスターであり、同時にあのカオス・ソルジャーをも上回る最強の攻守を誇る戦士族モンスターであった。しかし、実際のデュエルにおいてこのカードがフィールド上に現れることは滅多に無く、いろんな意味で幻のカードと言える存在だった。当初はプレミアムカードであり、ほとんど再録される機会もない貴重なカードだったのも理由の一つなのだが、最大の原因は「フィールドに出すだけでも苦労するのに活躍がそれほど期待できない」という厳しくも悲しい現実である。
まずゲート・ガーディアンは特殊召喚モンスターであるが、その召喚条件が最初にして最大の関門である。通常召喚(アドバンス召喚)にリリースが2体必要なモンスターを3体もリリースしなければならない(総計9体分のリリース)ので、単純にディスアドバンテージが半端ではない。しかも戦闘破壊やカードの効果などで除去されるとまたリリース要員の確保からやり直し、下手をすれば墓地に送られた三魔神を回収ないし特殊召喚したりする手間も必要になり、ますます面倒な事になってしまう。
登場して間もなくの時点で上記のような惨状だったが、現環境では「ついに三魔神がフィールドに揃った!」その瞬間に激流葬、「ついにゲート・ガーディアン特殊召喚成功!」と思ったら奈落の落とし穴など日常茶飯事であり、当時よりも数段厳しい。戦闘力だけはバカ高い割にカードの効果には一切の耐性を持たないゲート・ガーディアンは、各種除去系カードの格好の的になってしまう。場に出した後でさえも安心できないのだ。
一体のモンスターとして見れば非常に強力に見える戦闘力も、実は意外と本当に高いのか微妙だったりする。仮に攻撃が全て相手に通る状況であれば、三魔神全員で一回ずつ攻撃した方がダメージは大きい(というか、このカードの攻撃力は三魔神の攻撃力の合計の半分である)。また、それぞれの三魔神が持っていた「攻撃してきた相手モンスターの攻撃力を一度だけ0にできる」効果も失われてしまっており、より攻撃力が高いモンスターで上から殴り掛かられると何の抵抗もできない。青眼の白龍の特殊召喚から団結の力発動、これだけで戦局の逆転を許してしまう。
三魔神とサポートカードを共有しにくいのも問題。雷魔神-サンガは光属性雷族、風魔神-ヒューガは風属性魔法使い族、水魔神-スーガは水属性水族、そしてゲート・ガーディアンは闇属性戦士族と属性も種族も見事なまでにバラバラ。共通する点と言えばレベル7以上の重量級モンスターであることくらいか。
そして近年、ゲート・ガーディアンに更なる強烈な逆風が吹きつけ始めた。エクシーズモンスターやリンクモンスターとその特殊召喚という選択肢がデュエル環境に投入されたことで、ほぼ同じ(というよりむしろそれよりはるかに緩い)条件でゲート・ガーディアン以上に強力なモンスターを簡単に呼び出せるようになってしまったのである。しかもこちらの場合はエクストラデッキからの特殊召喚となるため、ゲート・ガーディアンのように「このカードが単体で手札に来てしまい腐る」「肝心な時に手札に来ず特殊召喚不可」「生贄封じの仮面などにより三魔神ごと封殺される」などという事故の心配が少ない(特に手札関連のリスクが無いのは非常に大きい)。一応攻撃力なら確かにゲート・ガーディアンの方が優位というケースは少なからずあるが、ほとんどのカードがその差を補って余りある強力な効果を取り揃えているため、スキルドレイン発動時などのような特殊な状況でない限り優位に立てないのが現実である。
上記のような状況なので、ゲート・ガーディアンがフィールド上で活躍できる機会はほぼ「無い」と断言できてしまうほどに厳しいものとなっている。が、時代が進むにつれて「手札に呼び込める最高レベル且つ最高クラスの戦闘力を持つ戦士族モンスター」という点から、手札の戦士族モンスターを自身の攻撃力強化に利用できるユーフォロイド・ファイターやズババジェネラルと組み合わせるという活用法(?)が見出された。いきなり攻撃力5000前後のバケモノが奇襲を仕掛けてくることになるので、相手からすればたまったものではない。また、アンティ勝負では無類の強さを誇り(絶対最強というわけでもないが)、儀式召喚のリリースは大抵このカード1枚で賄えるなど、「手札に仕込んでおく」ことで活躍する機会が訪れることになった。結局普通に召喚することはできない上、これらの活用法自体が明らかに「普通の」運用法ではないのでリスクが大きい点は否めないが、それでもかつてのようにほぼ全てのデュエリストからデッキに入れる価値さえ疑問視されかけるほど絶望的な状況ではなくなったと言える。また、「神縛りの塚」をはじめ、このカードそのものを場に維持する手段もささやかながら増えてはいるため、最強とはいかずとも、自身での戦闘も一応できるようになった。
ちなみに原作のゲート・ガーディアンは三魔神の効果をほぼ丸ごと受け継いでおり(ただしOCG版とは微妙に効果が異なる)、しかも体を構成している三魔神のそれぞれが個別に攻撃を仕掛け、効果を適用してくる(合体攻撃も可能)など、OCG版より厄介なモンスターであった。しかし、相手側はこのモンスターを「ゲート・ガーディアン」1体としても、三魔神それぞれとしても攻撃でき、魔神を破壊された場合はその分弱化するらしい(劇中では前述のように防御効果を持っていたが、それにもかかわらず「スーガが欠けている状態では強化されたブラック・デーモンズ・ドラゴンの攻撃を防ぐことができない」とされていた)など、OCG版とは異なる弱点も存在した模様。
余談だが、遊戯王GXにてまさかの再登場を果たした迷宮兄弟は、タッグデュエルという独自ルールと互いのカードの効果を利用し合い、デュエル開始から僅か2ターンでゲート・ガーディアンを召喚するという驚異のプレイングを見せている。