「雷水風の三魔神よ!」
「今こそその力を合体させ」
「復活のおたけびをあげよ!」
「出でよ! 合体魔神! ゲート・ガーディアン!」
概要
『遊戯王シリーズ』にて迷宮兄弟が切り札として使用したカード。
雷魔神-サンガ、風魔神-ヒューガ、そして水魔神-スーガの三魔神が1つとなった合体モンスター。
外見は以下のように三魔神が縦に重なって人型を成しているだけの非常にシンプルなもの。ある意味、遊戯王名物「乗っただけ」の系譜とも言える。
- 雷……胸から上の全て
- 風……お腹
- 水……腰から下の全て
オフィシャルカードゲームにおいて20年以上ものあいだ不遇なカードとして有名だったが、2023年に強化されてからは対戦で活用できるようになった。
カード性能
カードテキスト
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの「雷魔神-サンガ」「風魔神-ヒューガ」「水魔神-スーガ」を1体ずつリリースした場合に特殊召喚できる。
スペックの強さ
OCG化された当時、あの青眼の究極竜に次ぐ戦闘力を持ち、同時にカオス・ソルジャーをも上回る最強の攻守を誇る戦士族モンスター。
このように額面上のスペックだけなら最強クラスで、漫画やアニメでの活躍もあってかエースモンスターにしか見えない。さらに遊戯王シリーズ初にして、今なお数えられるほどしか存在しないレベル11という事実はオンリーワンの威厳も醸し出している。
このカードの実態は次の項で掘り下げる。
多すぎる欠点
実際のデュエルにおいてこのカードがフィールド上に現れることは滅多に無く、いろんな意味で幻のカードと言える存在だった。当初は公式大会入場者特典であり、ほとんど再録される機会がなかったのも理由の一つだが、最大の原因は「出すだけでも苦労するのに大して活躍できない」という厳しくも悲しい現実である。
召喚条件の重さ
まずゲート・ガーディアンは特殊召喚モンスターであるが、その下準備が最初にして最大の関門となる。三魔神1体の通常召喚(アドバンス召喚)にモンスター2体のリリースが必要なので、三魔神も含めると総計9体が要求される。実際にはリリース要員を用意する手間暇もかかるため、消耗が半端ではない。
しかもリリース要員が戦闘破壊やカードの効果などで失われると最初からやり直し。もし自分から墓地へ送って、手札に回収したり特殊召喚したりするにも面倒なことには変わりない。
カード効果に無力
登場して間もなくの時点で上記のような惨状だったが、時代が少し進んだ環境では「ついに三魔神がフィールドに揃った!」その瞬間に激流葬、「ついにゲート・ガーディアン特殊召喚成功!」と思ったら奈落の落とし穴など日常茶飯事であり、当時よりも数段厳しい。戦闘力だけはバカ高い割にカードの効果には一切の耐性を持たないゲート・ガーディアンは、除去カードの格好の的になってしまう。場に出した後でさえも安心できないのだ。
そもそも先述の召喚条件に関しても、《生贄封じの仮面》などのリリースや特殊召喚を禁止する効果により、簡単に妨害されてしまうのも辛いところ。妨害されなくする効果を三魔神ともども内蔵していればマシだったのだが、もはや後の祭り。
戦闘力の低下
1体のモンスターとしての圧倒的戦闘力も、別の視点だと意外に微妙だったりする。実は合体前後の攻撃力を照らし合わせてみると合体前の合計の半分になっている。仮に攻撃が全て相手に通る状況であれば、三魔神全員で1回ずつの方がダメージは大きく、その視点なら弱体化していると言わざるを得ない。
また、それぞれの三魔神が持っていた「攻撃してきた相手モンスターの攻撃力を一度だけ0にできる」効果も失われており、格上のモンスターに殴り掛かられると何の抵抗もできない。青眼の白龍の特殊召喚から団結の力発動、これだけで逆転を許してしまう。
サポート困難
属性や種族を指定して手札に引き込む(サーチ)、あるいは特殊召喚(リクルート)するカードを採用して、召喚条件を相対的に軽くする手段についても三魔神と共有しにくいのも問題。
ご覧の通り見事にバラバラ。共通する点と言えばレベル7以上の重量級モンスターであることくらいか。
また、地味にシリーズ初の「ガーディアン」の名を持つモンスターなのだが、遊戯王あるあるの「名前が同じだけで特殊カテゴリの専用サポートカードが使える」とはならなかったのも手痛い。
時代の波
そして時代が下るにつれ、さらなる逆風が吹きつけ始めた。エクシーズモンスターやリンクモンスター、その特殊召喚という選択肢がデュエル環境に投入されたことで、比べ物にならないほど緩い召喚条件により、ゲート・ガーディアン以上に強力なモンスターを呼び出せるようになってしまった。
しかも、こちらの場合はエクストラデッキからの特殊召喚となるため、ゲート・ガーディアンにありがちな事態がほぼ起きない。
- 単体で手札に来てしまい腐る
- 逆に肝心な時に手札へ来ず特殊召喚不可
- 相手のカードのせいで三魔神ごと封殺
特に手札関連はノーリスクなのが非常に大きい。一応、攻撃力ならゲート・ガーディアンの方が優位というケースは少なからずあるが、ほとんどが補って余りあるカード効果を取り揃えているため、スキルドレイン発動時などのような特殊な状況でない限り優位に立てないのが現実である。
レベル11の希少性も単に希少なだけで、レベル11をピンポイントでサポートするカードが出現したわけでもなく、かといってレベル11が特段に重宝される転機も訪れなかった。さらに後続のカードにレベル・攻撃力・戦士族それぞれのオンリーワンを塗り替えられていき現在に至る。
解決策
上記のようにゲート・ガーディアンがフィールド上で活躍できる機会はほぼ「無い」と断言できてしまうほど、かつては厳しい状況に置かれていた。
とはいえ、2023年の強化以前であっても「手札に呼び込める最高レベル且つ最高クラスの戦闘力を持つ戦士族モンスター」という点から、手札の戦士族モンスターを自身の攻撃力強化に利用できる《ユーフォロイド・ファイター》や《ズババジェネラル》と組み合わせるという活用法(?)が見出された。いきなり攻撃力5000前後のバケモノが奇襲を仕掛けてくることになるので、相手からすればたまったものではない。
このほかレベル11に着目し、通常魔法《アンティ勝負》では無類の強さを誇り(絶対最強というわけでもないが)、儀式召喚のリリースは大抵このカード1枚で賄えるなど、「手札に仕込んでおく」ことで活躍する機会が訪れることになった。
結局、真っ当な特殊召喚を諦めているうえ、これらの活用法は明らかに普通ではないのでリスクが大きい点は否めないが、それでもかつてのようにほぼ全てのデュエリストから見放されるほど絶望的ではなくなったと言える。また、《神縛りの塚》をはじめ効果耐性を後付けする手段もささやかながら増えていたため、最強とはいかずとも、自身での戦闘も一応できるようになった。
そして、相手からの妨害が入らないことが前提にはなるが、現代遊戯王の総力を持ってすれば先攻1ターン目に正規召喚でゲート・ガーディアンを立てられる展開ルートを作ることも可能である。
原作・アニメでの活躍
初出は原作漫画。概要で先述したとおり迷宮兄弟の最大の切り札という立ち位置の戦士族モンスター。自分のフィールド上に存在する三魔神それぞれを1体ずつリリースすることで特殊召喚できるのはOCGと同様。
相手の攻撃手段や特性に合わせて対応手段を切り替え、自身だけでなく他の魔神の防御まで即座に行って主人公を翻弄した。
原作のゲート・ガーディアンは三魔神の効果をほぼ丸ごと受け継いでおり(ただしOCG版とは微妙に効果が異なる)、しかも体を構成している三魔神のそれぞれが個別に攻撃を仕掛け、効果を適用してくる(合体攻撃も可能)など、OCG版より厄介なモンスターであった。
しかし、相手側はこのモンスターを「ゲート・ガーディアン」1体としても、三魔神それぞれとしても攻撃できてしまう。さらに、前述のように防御効果を持っていたにもかかわらず「スーガが欠けている状態では強化されたブラック・デーモンズ・ドラゴンの攻撃を防ぐことができない」とされていたことから、魔神を破壊されたるとその分だけ弱化するもようで、OCG版とは異なる弱点も存在した。
その後、アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』にてまさかの再登場を果たす。このときの迷宮兄弟は、タッグデュエルという独自ルールと互いのカードの効果を利用し合い、デュエル開始から僅か2ターンでゲート・ガーディアンを召喚するという驚異のプレイングを見せている。
また、同作ではユベルが超融合神(アニメのみの登場)を融合召喚する際のレベル11・闇属性のモンスターとして、ゲート・ガーディアンが選ばれている。なお、レベル11のモンスター以外は悪魔族で統一されていたため、本来は悪魔族・闇属性のモンスターかつレベルも1〜12を融合素材にするつもりだった事がうかがえる。
2023年の大幅な強化
2023年3月9日、海外にて先行発売された『Maze of Memories』にて「ラビリンス・ウォール」「ゲート・ガーディアン」のカテゴリ化と共に、原作の効果も加味され24年の時を経て大幅な強化を遂げたリメイクカードとして帰ってきた。オリジナルと違い、三魔神3体のリリースで特殊召喚できる準バニラモンスターではなく、3体を除外することによって特殊召喚できる融合モンスターへと変化している。
三体合体の姿はもちろん、二体合体のゲート・ガーディアン3種も収録されている為、規模の大きなXYZと評されることも。
日本では、『WORLD PREMIERE PACK 2023』に収録されて上陸している。また、レギュラーパックの『PHANTOM NIGHTMARE』ではアニメ遊戯王GXに登場した闇の守護神-ダーク・ガーディアンとダーク・エレメントも収録される。
「ゲート・ガーディアン」モンスター
※:「ゲート・ガーディアン」カードとして扱う。
リメイク後 | リメイク前 |
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ゲート・ガーディアン関連カード
リメイク後 | リメイク前 |
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- 魔法・罠カード
pixivでは
原典である「遊戯王のゲート・ガーディアン」を描いたイラストはもちろんのこと、別作品の3人のキャラクターが「縦に積み重なって合体している」系のイラストにもタグ付けされることがある。
ゲーム作品では
原作での召喚方法の再現が難しかったためか、初期の遊戯王関連のゲーム作品では青眼の究極竜と同様に儀式モンスターとして登場している。
ゲート・ガーディアンの儀式 |
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自分の場に雷魔神-サンガ、風魔神-ヒューガ、水魔神-スーガが場にある時発動可能。それらをリリースすることでゲート・ガーディアンを特殊召喚する。 |
※:画像は儀式魔法カードのイメージです。
儀式モンスターとしてはOCGと同じく効果は持っていないが、真DM2のみ三魔神と同じく『ゲート・ガーディアンが戦闘を行う事でコントローラーが受けるダメージを0にする効果』を備えている。
関連タグ
特殊召喚モンスター 効果モンスター 闇属性(遊戯王) 戦士族