概要の力を持ちて…飛び立たん!
近未来編にて登場する巨大戦闘ロボット。オープニングの「今は昔のバビロニア」が示すように古代の産物であり、精神力を燃料に動作するといういわゆる昔のスーパーロボットとしての体裁をかなり忠実になぞったものである。
人攫いを続ける反体制集団「クルセイダーズ」による事件が町中で相次ぐようになった頃のこと。アキラは古物屋に安置されているこのロボットを動かそうと試みる。自身が超能力を持っているからという理由で精神集中させるも動かずじまいであった。
しかし、アキラはクルセイダーズの事件を追いかけるうち、事件の元凶が筑波研究所にあることを突き止める。そこは、攫った人間を液体人間に加工して、それらを大量に混ぜ合わせ、巨大な隠呼大仏に注入させることで、大仏に御出居様(おでおさま)を降臨させ、憎しみに溢れた人間社会を憎しみの無い世界に変えることだった。この計画に陸軍も関わっていることから、アキラは頼れる仲間・無法松を共にしながらも、施設からの逃亡を余儀なくされた。
アキラの妹であるカオリは重い病にかかっており、ブリキ大王の話を聞くと「自分を液体人間にして」という提案をされる。液体人間は精神エネルギーを強化された存在なので、確かに動かすには最適だったが、それはカオリが元の人間ではなくなることを意味していた。(それでも希望した理由は、持病のせいで長く生きられないと思っていて、ブリキ大王になってしまえば、その心配が無くなる上に兄と一緒にいられる、生きられるからというもの)
その最中、無法松が対処しようと「無理を通す」と名乗り出た。
超能力などを持たない無法松は、当初はすぐに挫折してたフリをしてバーで飲んだくれる。その時、精神エネルギーの本質が集中力ではないかと思いつき、バーで取り扱っていた怪しい薬の原料とおぼしき「マタンゴ」を大量服用して、自らトリップ状態にさせるという取り返しの付かない方法(強い覚醒剤を一気に大量に摂取するようなもの)で、一時的にブリキ大王を動かす。しかし長くは持たず、無法松本人も力尽きてしまった。
だが、この時に無法松の心を読んだことで、彼の本心を知ったアキラは、無法松の遺志を継ぐという強い決意により、遂に本当にブリキ大王の起動に成功した。これを使えば液体人間の計画を止められるかもしれない。道中には陸軍の精鋭部隊が大量に待ち構えていたが、古代文明のスーパーロボットの前にはなすすべも無かった(※)。
(※···一応「怒竜」という旗艦は強敵だが、同じX座標に潜り込めば怒竜は何も出来なくなるため、一方的に粉砕することができる。ただし、リメイク版では火炎放射を使ってくるで一方的とはいえなくなった)
ついに隠呼大仏の置かれた日暮里の御出居寺に到着するが、計画はとっくに準備が整っていたのだった。大仏を囲っている池の水、これこそが2000人分の液体人間だった。これを捧げられた大仏が遂に動き出し、「巨大な構造物同士の対決」が遂に幕を開けた。
これを撃退した後は、再びブリキ大王は古物屋の地下に安置されている。
ちなみにブリキ大王は戦闘中のHP表示は3桁が基本である為ブリキ大王は「HP:???/???」となり実は4桁(2032)もある(999以下までHPが減るとHPが999以上ある事がわかる)。リメイク版では常時最大4桁表示となり最初から「HP:2032/2032」表記。戦車や戦闘機の群れの攻撃ぐらいでは蚊に刺されたくらいの強靭っぷりだが、先述の通り「怒竜」のメーザー砲だけは3桁削ってくるので油断してはいけない。ちなみにHP2032は主人公サイドでは唯一ブリキ大王のみである。
このブリキ大王の技がある限りッ!!
- メタルヒット
「はがねの拳が天を突くッ!」
「メタル!ヒィィッット!!」
大きな鋼の拳で敵を粉砕する打撃技。
リメイク版では多段ヒットするようになったりと、強化されている。また、使用時には拳が発光する。ちなみに向きによってメタルヒットを使う腕は左右異なるパターンまで用意されている。しかも戦車相手に殴ると地面にヒビが入る。芸が細かい。
- ジョムジョム弾
「壊せ!蹴散らせ!悪の基地ッ!」
「ジョムジョム弾ッ!」
複数発射される爆裂弾。本来は無かったらしく、藤兵衛が追加したもの。
リメイク版では、ブリキ大王が屈んで地面に腕を立ててから背部の飛行用ロケットの先端からランチャーが展開され発射される。やはり細かい。
- ハロゲンレーザー
「神か悪魔かその姿ッ!」
「ハロゲン!レェェェザァァァッ!!」
広範囲攻撃の全てを焼き尽くす光線。
オリジナル版では複数の細いレーザーで発射部位がわからなかったが、リメイク版では大きく両腕を真上に上げた後にブリキ大王に帯電(?)させて両腕の赤い球状の部分から太いレーザーとして放射されているのがCGムービーなどからわかる。ちなみにこちらもブッ放すと地面に一直線にヒビが入る。もう細すぎて大迫力。
- バベルノンキック
「行くぜ、松ッ!」
「バベルノンッ!キィィィィック!!」
ブリキ大王が大きくジャンプし、落下時の勢いと全重量を掛けた脚で押しつぶすなんともダイナミックな技。
リメイク版ではライダーキック(ロボット作品で言えばイナズマキック)ばりの飛び蹴りとなっており、こちらも多段ヒットするようになっている。ちなみにバベルノンキック後の離脱時にもポーズがあり、スタッフの愛と熱により細かい。
他にも無法松が操縦した際は、敵の光線銃を逆流させる力を見せている。リメイク版では念力によるバリアで押し返すという描写になっている。
ちなみにオリジナル版ではアニメーションパターンがなく、例えばメタルヒットだと単にタックルしてる様にも見えていたが、リメイク版では戦闘時に全ての技でアニメーションする様になっている。
ちなみにリメイク版のブリキ大王の動作はキャラクターデザインを担当した島本和彦氏が描いた同人誌「超級!!近未来編」のものと同じである。
例えるならばSFCまでのスパロボから戦闘アニメーションパターンが増えたスパロボα以降のスパロボになったくらいの進化っぷり。
リメイク版ではアキラの声優を担当した赤羽根健治氏の熱いシャウトもあり、その迫力は推して知るべし。しかもスーパーロボットもののお約束であるエフェクトまで掛かっている始末。しかも大隠呼像がとの戦いでは雲龍・シンデルマン・ヤマザキにもそのエフェクトが適用されている徹底ぶり。
これでもかと盛り沢山の要素にプレイヤーからは「もはやスパロボ」「スパロボにブリキ大王は早く参戦しろ!」と好評価。しかもBGMのインストバージョンが余計それっぽいのにも拍車が掛かっている。
ちなみに今回初の海外同時リリースとなるのだが、ブリキ大王の名前は海外版では「Steel Taitan」となっている。さしずめ「鉄巨人(巨神)」と言うべきか。
専用テーマ曲『GO!GO!ブリキ大王!!』
ブリキ大王には専用のテーマソングがあり、近未来編のオープニングでも使用されている。
ゲームでは一番の歌詞しか存在しないが、当時ファミ通の公募企画で二番以降の歌詞が募集され、
その公募にキャラデザイン担当の島本和彦氏本人が「東京都在住、漫画家 島本和彦(当時33歳)」名義で
一般公募で歌詞を応募し、見事2番の歌詞として採用されてしまったという逸話がある。
ちなみに、3番は一般読者から応募された歌詞を4人分合わせたものを採用している。
1番(ゲームOP)
今は昔のバビロニア
はがねの拳(こぶし)が天を突く
異形の魔神を倒すため
怒りで火をともせ
あつい心が呼びさます
ブリキ大王 我とあり
2番(作詞:島本和彦)
神か悪魔かその姿
古代のパワーが甦る
お前の瞳に映るのが
汚(けが)れた現代(いま)ならば
壊せ! 蹴散らせ! 悪の基地
ブリキ大王 俺とあり
間奏台詞(リメイク歌唱版のみ)
(メタルヒット!)
(ジョムジョム弾!)
(ハロゲンレーザー!)
(バベルノンキック!)
3番(読者四人合体)
挨拶がわりのメタルヒット
ひるんだ敵にはバベルノンキック
地球にやさしい無敵ロボ
時代をこえていま
轟く怒号が地をかける
ブリキ大王 負け知らず
後奏(リメイク歌唱版のみ)
君とあり
また上記とは別に、作曲者の下村陽子氏が作曲中に仮につけていた、
下村さんオリジナルの仮歌詞なるものも存在していたらしく、
「インコ野郎をブチのめせ!」などのフレーズがあったらしい。(参照:2004/07/12の本人ブログ)
しかし本人によれば「すっごいテキトーな歌詞でとても公開できるものではありません(笑)」
「公開したらスクウェア・エニックス社からお叱りが来そうなぐらいの、とんでもなくいい加減な歌詞です」
(参照:2006/03/11の本人ブログ返信)
とのことので、残念ながらおそらく今後も日の目を見ることは無いのだろう。
なお、この曲には公式ボーカル版が存在し、上記のファミ通の企画のプレゼントとして
本作のディレクターの時田貴司氏本人が歌ったバージョンを収録したカセットテープが存在した。
またLALファンの中でも人気が高く、ファンがこの曲をアレンジして歌ったものがいくつか存在している。
さらに2012年、LALサントラ復刻記念として上記の時田バージョンが18年の歳月を経てリメイク。
こちらは大幅にカッコよくリアレンジされ、サントラ初回限定特典としてCD化された。
さらにこの曲がパワーアップして再アレンジされるとはこの時は誰も思っていなかった。
時代を越えて令和(いま)…
そしてリメイク版にてあの影山ヒロノブが「GO!GO!ブリキ大王‼️」を歌唱する事が決定した‼️
(しかも英語版も影山氏のボーカルで歌唱される。)
『ライブアライブ』近未来編主題歌「GO!GO!ブリキ大王!!」メイキングPV
影山ヒロノブ氏 インタビュー
ちなみにリメイクに際してファミ通は当時一般公募で採用された人が名乗り出てきたらコレクターズエディションを進呈という企画をTwitterで発表。→外部リンク
そして案の定、早速名乗り出てきた者が約一名…
なお、歌詞の「神か悪魔かその姿」や「はがねの拳(こぶし)が天を突く」などは、アキラが各技の使用時に戦闘セリフとして発している。
さらには、近未来編OPは、「GO!GO!ブリキ大王!!」がボーカル付きで流れ、それをバックにフルCGのブリキ大王の雄姿が拝めるという超豪華仕様となっている。
元々オリジナル版からスーパーロボットのアニメのOPを意識していたが、リメイク版ではその要素が強くなっている。
そしてサウンドルームでは「フルで歌えるカラオケバージョン」「日本版オープニングバージョン」「英語版オープニングバージョン」が聴ける。(何故かゲーム中のインスト版はリストに入っていない)
皆もカラオケバージョンで「GO!GO!ブリキ大王!!」を歌おう!!
なお、HD-2Dリメイク版のドット絵は制作スタッフが気合を入れすぎて細部までこだわり、プロデューサーの時田氏がお願いしてもいないのに想像の数倍は超えたアニメーションが仕上がってきて、逆に「やりすぎないでくれ!」「もういいですよ」「それやるとゲームが完成しなくなるから!」とブレーキ役となってもまだやろうとしているくらいだったとのこと。
中でもブリキ大王は渾身の出来であり、ドット関連を統括しているリーダーの方が「ブリキ大王だけは自分で描きたい」と、情熱を持って制作してくれたとのことで、ブリキ大王のクオリティーの高さにスタッフ全員が素直に驚いたという逸話があるなど、個人個人のこだわりが発揮されて現場が盛り上がる場面が何度もあったそうな。(参考インタビュー)
最終編にて
- 主人公がオルステッドだった場合、ボスキャラクターの1人として登場する。プレイヤーキャラとして隠呼大仏を動かし、近未来編と同じストーリー上で戦うことになる。
- 主人公がオルステッドでなかった場合、ピュアオディオを撃退した後にもう一度動かせる可能性がある。隠呼大仏との再戦になるが、最終編でのアキラの能力は無関係な上、近未来編より隠呼大仏のステータスが低下しているため簡単に勝てるようになっている。
初の公式立体化
ニンテンドースイッチでリメイクされるライブアライブの数量限定スペシャルパッケージ「ライブアライブ コレクターズエディション」に「ストラクチャーアーツ ブリキ大王」が特典として付いてくる。
いわゆるプラモデルであり、しかもボックスアートを島本和彦先生直々の描き下ろしという豪華仕様。
塗装いらずの組み立て式キットだが、公式からも「好きなようにこだわりの塗装をして組み立てちゃってください」というアナウンスもあり、ちらほらと購入者達(モデラー)がSNSでこだわりの塗装したブリキ大王を公開しているのが見受けられる。ちなみに、島本氏の漫画製作プロダクション「ビッグバンプロジェクト」でもスタッフが組み立てている事を公式Twitterアカウントで公開している。
関連タグ 我とあり
吼えろペン...ブリキ大王らしきロボットの玩具が1コマ登場している。
超級!機動武闘伝Gガンダム...ガンダム連合にブリキ大王らしき機体が参戦している。
オマージュとされているロボット
鉄人28号:太い胴体・背部のロケットに見られる。
マジンガーZ:日本において搭乗型巨大ロボットを定着させたパイオニアであり、内蔵武器・カラーリング・池の水を割る発進シーン、物語の冒頭(主人公が読者に語りかける導入)にいたるまで、様々な点でオマージュ元になっている。リメイク版ではアキラの中の人の事もあって、よりこちらに近くなった。
勇者ライディーン:超能力で操縦する、古代文明のスーパーロボット。
意外な設定
半熟英雄シリーズ:エッグモンスター・マシンナイトの説明に「ライバルはブリキ大王」と記述されている。ちなみに両者が揃った事は一度も無い。ちなみにマシンナイトが登場が先で、半熟英雄第一作からのエッグモンスターである。「対3D」以降から「ライバルはブリキ大王」の記述が見られる。