田所晃
たどころあきら
『LIVE A LIVE』の近未来編の主人公。キャラクターデザインは島本和彦氏。
ゲーム内での表示名はアキラであり、漢字表記のフルネームは取説で表記されている(ゲーム中では「タドコロ」というカタカナの苗字のみ確認できる)。
リメイク版では何故か胸の傷痕がないが、リメイク版でイラスト担当した生島直樹氏は島本和彦氏がTwitterで公開した「超級近未来編R」を見てどうやらつけ忘れていた事に気付いたようである。
…が、2022年5月20日にYouTubeで公開された近未来編PVでは胸の傷がしっかり描かれている。
幼い頃に父親タダシを暴走族集団「クルセイダーズ」との抗争の果てに亡くし、妹カオリと共に孤児院「チビッコハウス」に引き取られた。
その頃からテレパシーやテレキネシス・読心能力等の超能力が使えるようになる。
しかし、人の心を読みすぎることがあり、それが元でケンカに明け暮れる日々を送っていた。
また、年下のワタナベをパシリに使ってチビッコハウス職員の妙子のパンツを盗ませるなど、主人公にあるまじき悪だくみを働く事もあるが、基本的には妹思いの優しい性格で、ここ一番にド根性を見せる熱血漢。
ある日、公園で暇を潰した直後に「クルセイダーズ」に襲われ、兄貴分のたい焼き屋無法松に助けられる。その頃、街では謎の誘拐事件が多発しており、その事件にクルセイダーズが関わっていることを知り、さらに子供を浚った誘拐犯の心を読むとこの事件には更に裏で陸軍が糸を引いていることを知る。
そして事件を追う内に、陸軍が企む恐るべき計画「液体人間計画」を知ってしまう。何とか阻止しようとするも、強大な陸軍と対峙するには巨大メカ「ブリキ大王」の起動が不可欠。だが起動には強大な精神エネルギーが必要であり、無法松やアキラには動かすことが出来なかった。最後の手段として液体人間を注入するという手段があったが、当然そんなことできるわけが無い。
そうしている内に、計画を知ってしまったアキラを抹殺するためクルセイダーズが襲撃。チビッコハウスが放火されてしまい、アキラ達が取り残されてしまった。
この絶体絶命の窮地に無法松はマタンゴという精神増強剤を大量に摂取。極限まで精神力を高めることでブリキ大王を無理やり起動。クルセイダーズを蹴散らしアキラ達の救出に成功する。しかし致死量を超えるマタンゴを服用するという無茶を犯した無法松は、「アキラの父親を殺したのは自分であり、罪滅ぼしでアキラを助けていた」という自分の過去を明かし、力尽きてしまう。
無法松の思いを知ったアキラは、彼の遺志を継ぎ、全身全霊の力で遂にブリキ大王を起動。陸軍の野望を砕くために彼らの元に向かう。一方、陸軍も2000人分の液体人間と祈祷によって最終兵器「御出居隠呼大仏(おでお インコだいぶつ)」を起動させる。
「ざけんなよ‥‥」
「そんなカッコに ならなくてもな‥‥」
「一つにはなれんだよ!」
「なあ‥‥」
「人間と人間が一つに溶け合うことで、争いや憎しみのない素晴らしい世界」を作るためと総帥は主張するが、アキラはそれを上記のセリフと共に否定。
激闘の末、アキラの駆るブリキ大王は御出居隠呼大仏を撃破。陸軍の野望を打ち砕くことに成功する。
そして全てが終わり、ブリキ大王を起動することは出来なくなっていた。
平穏が戻った街では、無法松の残したたい焼き屋の屋台とバイクを継いだアキラの姿があった。
各編のボスの石像が配置されているフロアでのデフォルト配置は御出居隠呼大仏が中央である(中世編やオルステッドを主人公に選ぶと判る)。
この点および、真EDでは魔王オディオ(オルステッド)への
「・・・・ ざけんじゃねーよ・・・・
運命だか何だか知らねーが
そいつは他人や神様が決めちまうモンじゃねーだろ・・・・
自分で決めるモンだ!
確かにそれも 人間の欲望ってヤツなんだろーが・・・・
人間である以上 人間がイヤんなったら・・・・
・・・・おしまいじゃねーか!」
という説得セリフの熱さ(リメイク版ではこの際にオルステッドの胸倉を掴みながら叫んでいるので余計に熱い)から、アキラこそ『LIVE A LIVE』の真の主人公と言われることもあるようだ。ほかにも真エンディングでの全キャラ共通のシーンでもラストを飾っている。…それだけにオリジナル版ではバトルでの使いづらさを余計に残念に思われていたとか。
また、他のメンバーが「????」「鉄の箱?」「何かの部品?」と何に使うかわからないキューブのバッテリーを「バッテリー」と正しく認識したうえで、組み立ててキューブを問題なく再起動させている。一応近未来編ではある程度技術が発達しロボットのようなものを組み立てる描写はあるが、それでも文明レベルが格段に違うSF編の最新技術の塊ともいえる自律型ロボットであるキューブを元通りに組み立てることに成功するとは相当レベルの知識と技術の持ち主なのかもしれない。
解説
超能力者という設定通り、戦闘では範囲・効果共に様々な超能力技を駆使して戦う。
能力成長も力の伸びが悪く、知力の伸びが良いという、典型的な後方支援タイプのキャラ。
無計画にレベルを上げていると力だけが目に見えて低くなり、99に届かなくなってしまうので、レベル上げの際は力だけでも最大値(…と言っても、0か1の二択だが)を吟味した方がいい。(リメイク版でも力の伸び率は0〜1のまま据え置きである。)
というのも最強技のホーリーイメージが低威力ながら攻撃範囲が広く、高原日勝の通打と同様に敵のあらゆる能力を大幅に下げつつ敵にあらゆる状態異常を与えるという強力な技であり、この技の状態異常発生率が何故か力に依存しているためである。
技はほとんどが範囲攻撃で、状態異常や能力低下を起こさせるものが多く、技によっては能力低下が広範囲かつ強力な効果を持つため、敵の集団を一気に無力化させることも不可能ではない。攻撃や回復の超能力も揃っており、回復は他人にも使える上に回復量そのものが多い。ドラゴンクエストシリーズで言えば「ルカニ」を覚える『ドラゴンクエストⅢ』の僧侶だろうか。知の初期値及び伸び率の高さに加えて最強武器の『ド根性グラブ』に石化を除く全ての状態異常耐性が備わっているため、敵の状態異常攻撃に対しては滅法強く、まさにパーティの後衛に適任と言える。ただし、回復以外は火力が低く、更に超能力技は発動まで時間がかかる溜め技なので使いにくい。
基本的にダメージソースは他の仲間に譲ったほうがいいのだが、彼自身をアタッカーにするなら一番使いやすいのが実は初期レベルで習得済みのローキックだったりする。力の伸びが悪いのでどちらにしろ威力はお察しレベルだが、溜め無しで即攻撃可能であり、ある程度レベルを上げると2ヒットが安定するようになるので、最終的には最も効率的な攻撃手段となる。力は装備で補強する事もできるので、実用的なダメージソースになるレベルまで伸ばすことは可能。
近未来編では寿商会の藤兵衛に作ってもらえる『昭和ヒヨコッコ砲』などの近未来兵器を投入すると大分楽になる。
ただし、リメイク版ではどの主人公でもオリジナル版から再調整されると発表されており、アタッカーとしての使い勝手もよくなる様にするとの事。これはキャラクターデザインをした島本和彦氏からも「アキラ弱すぎるッ!」と言われていたかららしい。
サポーターやジャマーとしてはもともと非常に優秀である彼だったが、オリジナル版ではあえて画面上に表示される情報量を少なくしていたコンセプトと反りが合わず、その強みに気づいてもらえなかったのも一因である。
実際調整されたアキラは各種超能力技のチャージ時間が短縮、技によっては即時発動できるようになり、威力も中々のものとなっている上、リメイク版では敵の弱点の攻撃属性が表示される為、豊富な攻撃手段を持つアキラは弱点を狙った攻撃が可能となっており使い勝手がかなり向上している。上記のホーリーイメージも普通にダメージが与えられるようになり、元々強力だったデバフ効果や攻撃範囲とも併せて名実ともにアキラの最強技に相応しい性能になった。なお、かつての主力技であったローキックやエルボーも、近未来編ではクルセイダーズRSに超能力が効きづらい事や、サイコ1号などの強い雑魚敵の弱点属性という事もあり、やっぱりお世話になる事が多い。またホーリーブロウがエルボー同様の手属性かつローキック同様に斜めにも攻撃可能になったため後半はこちらを肉弾戦のメインに起用可能。
一応強化された関係でポゴやおぼろ丸と同様、最終編前に育てすぎるとバトルして仲間にする場合は手強い主人公の1人にもなっている。尤も、アキラはバトルをせずとも仲間にできるのだが。
また、「逃げる」コマンドがアキラ主人公時のみ「テレポート」となる。
通常の「逃げる」コマンド同様に戦闘から逃亡できるが、まれにチビッコハウスにテレポートすることがあり、偶然入浴中の妙子(チビッコハウスの職員)と出くわすことも···。なお、リメイク版では入浴中の妙子のパターンはコンプライアンスの影響か使われていない。
また、最終編では同様にテレポートで逃走した際に「心のダンジョン」に行くことがあり、そこではオルステッドによって滅ぼされた人たちの念を読むことが出来る…が、ある者の心だけは闇に閉ざされているらしく読み取れない。
なおアキラは各編の主人公の内、唯一エピソードのラスボスと生身では戦わない主人公である。
上記の「そうだろ 松ッ!!」のシーンは鬱展開から胸熱展開までバラエティーに富んでいるライブアライブの中でも特に熱い場面であり、本作で一番の名シーンに上げるファンも多い。
リメイク版ではこのシーンがフルボイスで再現されており、担当声優の赤羽根氏の熱演が光る場面でもある。
なお、このシーンを含めてブリキ大王起動時には髪の色が金色になるという演出が追加されている。逆立った髪型もあり、完全にアレにしか見えない。
ちなみに当初の近未来編のシナリオは今よりも陰鬱な物語だったらしく、所々島本作品テイストを採り入れた事でやや緩和されているも、その陰鬱な要素はここぞとばかりの場面で現れる。
例えば、アキラたちも知らなかったとはいえ筑波研究所にて自分達に襲いかかってきた、液体人間W1号―――変わり果てたワタナベの父親を手に掛けてしまった。
アキラの父を意図せず殺してしまった謎の男同様に今度は自分が他人の父親を殺める側になってしまったのはあまりにも残酷な運命だったと言える。
カウンター技のホーリーゴーストと最強技のホーリーイメージでは攻撃時に十字架を持った天使のエフェクトが出現するが、海外版も発売されるリメイク版では海外での宗教上のトラブルを避けるためか、十字架のグラフィックが微妙に変更され護拳の付いたレイピアのような剣になっている。
リメイク版ではコンプライアンスの問題で下着関係のアイテムの名前が変更されているが、そのせいでワタナベに妙子のパンツを盗ませていたイベントが、妙子のヘソクリを盗ませるというものに変化している。
しかもそのヘソクリは園児のためにこっそり貯めていたものである。余計にヤバくなってないか…?
…だが不幸中の幸いか、その後ちびっこハウスは炎に包まれてしまうため、結果的にアキラは妙子のヘソクリを救ったことになるのであった(尤もゲーム中で返すことは出来ないし、藤兵衛に渡して改造させてしまうと永久に失われてしまう)。
スーパーロボット大戦DDでは藤兵衛がブリキ大王に取り付けた転移装置の実験中にスパロボDDの地球に飛ばされてしまう。その際に妖魔帝国に襲われてしまう…と言うのが序章ストーリー。
田所アキラ(表記ゆれ)
兜甲児:中の人繋がりの元祖スーパーロボット主人公。なお、赤羽根氏は2代目(正確には、CBキャラOVA出演の山口勝平氏に続き3代目)だが、初代兜甲児役の石丸博也氏が心山拳老師役で出演している為に兜甲児が新旧そろい踏み、しかも無法松のCVが石川英郎氏、SF編のダース伍長が内田直哉氏、現代編の高原日勝が関智一氏、功夫編のオディワン・リーが櫻井孝宏氏に決まった事でゲッターロボの流竜馬と神隼人、歴代一文字號(OVA版)まで参上という途轍もないミラクルを起こしている、そして2024年夏に放送された『グレンダイザーU』でユン・ジョウ役の下野紘が兜甲児役を演じることになり同じゲームで兜甲児を演じた声優が3人存在することに。
アンジェラ:『聖剣伝説3』の主人公キャラの一人、同社出身でオリジナル版では弱かったがリメイクで強化された、という点で共通している。
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