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SF編

えすえふへん

ゲーム『LIVE A LIVE』のシナリオの一つ。サブタイトルは「機心」。
目次 [非表示]

地球にむけて航行中の

貨物輸送船コギトエルゴスム。

その中で今 新たな生命が

生まれつつあった・・・

船内で次々と起こる事件・・・・

メカニックのカトゥーに

作られたばかりのロボットも

乗組員達と共に巻き込まれて行く。


概要編集

キャラクターデザイン:田村由美

主人公:キューブ

元ネタ:2001年宇宙の旅エイリアンなど


戦闘を行うのはゲーム内ゲームのキャプテンスクウェアボス戦のみであり、メカニックのカトゥーによって生み出されたキューブを操作して船内の環境に徐々に慣れながら、次々に起こる事件の謎を解明していくストーリーがメインのシナリオ。

ほぼ戦闘のみで構成されている現代編とは対照的に、最終ボス以外の通常戦闘が一切存在せず、最終ボスにしてもギミックさえ解ければ勝てるし、回復が余裕で間に合い、間違っても力負けすることはない。

いわば、RPGのフォーマットを使って作られたアドベンチャーゲームなのである。

その分、難易度に関しては尖っており、現代編が戦闘システムを熟知していないとたった7戦するだけのシナリオを突破できないのと同じく、こちらもRPGにおけるテキストを熟読しない限り八方塞がりになる関門がある。事件が起こってからテキストを慌てて読み始めても時既に遅し……だったが、リマスター版では後からでも調べられる救済措置が用意された。


ゲーム序盤は多少のいざこざがあるものの、乗組員たちの雰囲気は比較的明るい。しかし原因不明のトラブルにより死者が出始めると乗組員たちが疑心暗鬼に陥りだし、言い争いやパニックを巻き起こしていく。そして平時であれば表面化しなかったであろう人間関係のきしみが取り返しのつかない方向へと発展し、次第にホラーサスペンスの様相を呈してくる。

さらに護送していた猛獣ベヒーモスがコンテナから飛び出した後は本格的なSFホラーとなり、乗組員達が次々と犠牲になっていく。船内のトラップやベヒーモスに触れると即ゲームオーバーになるため、戦闘抜きでもかなりの緊張を強いられる。フロアを移動するといきなり現れるベヒーモスはグラフィックの割にかなり怖いと評判。


ちなみにコギトエルゴスム号の出入り口は与圧室を挟んだエアロックの二重ドアになっているのだが、なぜか電子ロック等の安全装置はないらしくキューブもドアを操作できる。

片方のドアを開けただけでは何も起こらないが、現実のエアロックと違って両方のドアを開けた状態にすることが可能。しかしそれをやってしまうと宇宙に吸い出されてゲームオーバーになってしまう仕掛けが存在する。

コギトエルゴスム号は宇宙空間を航行中であるため、外に脱出したところで何の意味もなく、脱出しろと言うストーリーの流れになることもない(なのでパニックホラーなのだが)。

くわえてストーリー中に船外修理のために船外に出た船員が事故に見舞われるシーンがあり、探索しなくてもそこが船外へ出るエアロックであることをプレイヤーは必ず知ることになる。

そもそもキューブがドアを操作しなければいけない場面がないこともあり、興味本位でわざとやらないと起きないゲームオーバーなのだが、なんとなく開けてしまい宇宙の藻屑となった人は多い。


ミニゲームとして本作の戦闘システムを流用した「キャプテンスクウェア」をプレイできるが、完全な脇道ということもありそちらの難易度は作中全体でも屈指の難しさ。これを難なく突破できたら本作の戦闘システムの習熟具合は達人の領域に突っ込んでいると考えていいだろう。


なお、「マップを探索してアイテムやフラグの回収、謎解きでシナリオが進行する」「触れるとゲームオーバーになるギミック・オブジェクトの存在」「RPG的な戦闘の要素は無い」という探索型ホラーゲームの先駆けとも言われており、本作(本編)をオマージュしたと思われるゲームは多い。


ちなみに海外版ではSF編の表記は『The Distant Future』すなわち「遠い未来」である。おそらくSF(science fiction)がジャンル故に時代そのものを指していないからだと思われる。



登場キャラクター編集


関連動画編集

SF編ショートトレーラー


その他編集

SF編は単独で2回もメディアミックス(漫画・小説)が行われている。ゲーム本編とは違い、どちらも主人公はキューブではない。


短編漫画版は本編のキャラクターデザインを担当した田村由美自身によるもので、小学館のゲーム雑誌「ゲーム・オン!」1994年10月号に掲載。当時同誌は特に力を入れて本作を特集しており、特製の簡易攻略本も付録として付いていた。

タイトルは『SpaceTrap(スペーストラップ) ライブ・ア・ライブ〔SF編〕序章』。サブタイトルに「序章」と付けられている通り、船員達がコールドスリープにつく前、本編でキューブが作られるより以前のコギトエルゴスム号を描いた作品。

この漫画で活躍するのはキューブの前型である試作品ロボット。


短編小説版はアスキーの小説誌「電撃文庫MAGAZINE」2008年11月号増刊『とらドラ! VS 禁書目録』に、企画「名作ゲームノベライズ」の中の1作品として掲載。著者は入間人間

タイトルは『LIVE A LIVE SF編『機心』 ワレ オモウ ユエニ ワレ アリ——』。ゲーム本編と同じ時間軸を、ある意外な者からの視点から描いた内容となっている。


リメイク版の変更点編集

  • コーヒー

リメイク版ではアイテムではなく、アームで頭に乗せて持ち運ぶものになっている。コーヒーはリフレッシュルーム内でしか持ち運べず、外に出るとコーヒーカップが消えてしまう。

そのため、序盤に淹れてすっかり冷めたコーヒーを終盤に渡すようなことはできなくなった。

一方でコーヒーを頭に乗せながらキャプテンスクウェアをプレイするというシュールな光景が生まれたが。


  • デシム

リメイク版ではメインコンピュータOD-10のAIに「デシム」という愛称がつけられた。ラテン語で「10」を意味する言葉である。

また、時勢にあわせてかコンピュータという表現もほぼ全て「AI」に置換されている。


  • コギトエルゴスム

医務室に外部から中の様子を見られる部屋が追加された。

あるイベントにてオリジナル版ではカトゥーと共に医務室内に入っていたが、

リメイク版は医務室外から見守る形になっている。


また、搭乗員の自室にも新たに『3Dホログラムフォトフレーム』が追加され、調べられる。

パソコンや棚の中も調べられるようになり、彼らの更なる一面を見られる。


  • ベヒーモス

リメイク版は田村由美女史のイメージイラストに忠実なデザインになったことで、狭い通路がいっぱいになるほど巨大化したため、遭遇した際のインパクトや追いかけられる恐怖度が増した。

しかも巨大化によって、脇をすり抜けてすれ違うように逃げられなくなった


更に、オリジナル版では一部区画に現れるだけだし歩くだけなので走れば振り切れるが、リメイク版はどこかの部屋に逃げ込むまでは、どこまでも追いかけてくる上に走ってくる

巨体故にコンテナなどの陰から飛び出すような事態はなくなったが、進もうとしている通路から、いきなり顔を出してくる時があるので心臓に悪い。下手したら、狭い通路で至近距離でご対面する場合も。


ただ一度どこかの部屋に逃げ込めば一旦はいなくなってくれる。どこぞの他社の後輩みたいに部屋の前で待ち伏せすることはない。エレベータやハッチに一旦入ることでも振り切ることができる。

また、オリジナル版と同様に、ある理由からレベル3には現れない(その代わり即死トラップが用意されている)。


なお、ベヒーモスのコンテナが置いてあった荷物室は、オリジナル版は広くて逃げやすい場所だったが、リメイク版ではベヒーモスが脱走の際に暴れたからか、コンテナが乱雑に散らかり、ベヒーモスの横を通り抜けられなくなり、ベヒーモスとは反対側の扉に逃げるしか方法がなくなった。ベヒーモスはコンテナを避けて移動し、巨体に反して障害物に引っかからずに滑らかに移動するので注意

その代わりに見晴らしが良くなったので、レベル2よりベヒーモスがいるかどうかわかりやすくなっている。


オリジナル版ではベヒーモスとの初遭遇時は、ベヒーモスのコンテナを上側から入れば、その後現れるベヒーモスから距離を離して逃げやすくなる小ネタがあったが、

リメイク版では必ず下側から入ってベヒーモスがいないのを確認しなくてはならず、ベヒーモスと遭遇するまでは出入り口がコンテナで塞がれて出れなくなっている


  • ロード画面

通常時はロード画面にTIPSが現れるが、終盤になると内容がすべてある文章に変更される。

オプション画面のTIPSは変わらないのでご安心を。


  • パワージャッキ

SFC版だと使いすぎて詰む可能性があった「パワージャッキ」だが、リメイク版では、同じ罠が何度も発動しないこと、使用できる場所が増えたぶん使用回数も増えたことにより、パワージャッキの使用回数で詰むことがなくなった。

またアナログメーター表示で残り回数が大まかにわかるようになったのだが、減り方がなぜか指数関数的(最初は大幅に減るが最後はちょっとしか減っていかない)で実際は役に立たない。プレイヤーをビビらせる演出として一役買っているともいえるが。


  • メモリースキャン

上記にもあるが、ある場面の台詞を読み飛ばすと詰む状況下にて、メモリースキャンによる救済処置が追加された。


関連タグ編集

ライブアライブ

銀河英雄伝説:リメイク版でのヒューイ役の佐々木望氏とカーク役の井上和彦氏が石黒監督版OVAで物語のキーパーソンとして共演していた未来の宇宙を舞台にしたSF作品。ちなみに、カトゥー役の石田彰氏やダース伍長役の内田直哉氏も石黒監督版OVAの外伝の各々別々のエピソードで物語のキーパーソンを演じ、ホル船長役の稲田徹氏は、「Die Neue These」版にて彼の代表作『特捜戦隊デカレンジャー』でスペキオン星人ジェニオの声の人が石黒監督版OVAで演じていたキャラを演じていた。


MOTHER3:「キマイラけんきゅうじょ」でのイベントはこのSF編と同じであり、絶対に倒せない『きゅうきょくキマイラ』との遭遇を避けなければいけない。なお、こちらは通常戦闘自体はある。


BASARA(田村由美):言わずと知れた田村由美の代表作。94年にOVA、98年にTVアニメと2回アニメ化しているが、朱理役(OVA、TVアニメ共に)の井上和彦氏、浅葱役(TVアニメ)・タタラ役(OVA)の佐々木望氏、タタラ役(TVアニメ)の石田彰氏と、奇しくも出演声優陣が同作者つながりでリメイク版に集結する事となった。

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