「次に会う時には、坊や…君に、死以上の苦しみを味わわせてあげよう フフフフ……」(Episode.29)
「いかがかね? 私の芸術的ポートレートは完璧だろう 『悲しみの仲間達』とでも名付けるか」(同上)
データ
登場話 | Episode.28「アリエナイザー・リターンズ」、Episode.29「ミラー・リベンジャー」 |
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身長 | 192cm |
体重 | 90kg |
出身地 | スぺキオン星 |
罪状 | 124の惑星で一万人以上の人々の自由を奪い、鏡の世界に閉じ込めた誘拐及び幽閉罪 |
ジャッジメント | デリート許可 |
CV | 野田圭一(TV本編Episode.28-29)、穴井勇輝(VSアバレンジャー) |
スーツアクター | 日下秀昭 |
概要
光る物を好むスぺキオン星人のアリエナイザー。
特キョウ指定の凶悪犯にして、デカブレイク(テツ)にとっては両親を殺した憎い仇。
しかも自身が致命傷を負わせたテツの母親が、命と引き換えにテツを助けようとした姿に感動して、自分を救助隊員だと勘違いした母親に差し出されたテツを思わず受け取る等、本物の異常者である。
その一方で、非常に狡猾で知能指数が高く、凶悪犯ぞろいのアリエナイザーの中でも数多くの信奉者を持つカリスマ的存在で、ファンレターまで大量に送られるほど。
しかもジェニオ本人も、ファンの名前や特性を正確に記憶している。
かつてテツによって光の届かない惑星・クリスト星に追い込まれ、逃げ場を失い逮捕されたが、彼の能力(後述)でポートレートとなった人々を解放する手段がなかったためにデリート許可が下りず、監獄惑星アルカポの彼専用の特別独居房に収監されていた。
能力
スペキオン星人の特性により、体を光に変えて光を反射するものの中に潜り込む事ができる。
その対象は金色のワッペン、ファスナー、人間の瞳、ブレスロットル、SPシューター等光を反射する物なら金属から布まで本当に何でもあり。
加えてジェニオはこの能力を解析して、自分以外の物質をも光に変える「ミラーイリュージョン」というシステムを開発したが、それを悪用して多くの人間を鏡の中に閉じ込めており、ポートレート化させて芸術品と呼ぶ。
しかも劇中ではデカバイクロボすらも問題なく取り込んでおり、巨大ロボやそれによる巨大戦をも事実上封印できる点でも、極めて強力な能力と言える。
このように機動力と特殊能力に秀でているが、攻撃力自体にはそこまで特化していない為、武器として剣や銃を用いている。
しかし、特キョウ指定だけあってか、徒手空拳でもデカブレイクを真っ向勝負で圧倒するほどの強さを持っており、ミラーイリュージョンの存在も含めて、リバーシア星人ブリッツ・ヘルズに次ぐ実力者である。
また、あくまでミラーイリュージョンは「ジェニオ本人の固有能力」であって、これを破壊したとしても、上記のスペキオン星人の特性=体を光に変える能力までは失われない為、他のアリエナイザーと違って、ジェニオは自らの圧倒的な実力と知能も相まってかデリート許可の判決を受けても余裕の態度を崩さず全く動じなかった。
作中ではあまり描写されていないが、実はジェニオが行った「バンとテツ以外のデカレンジャー4人を鏡の中に封じ込める」という行動は、もしバンの囮作戦が無ければ「仲間を解放する方法が無い=仲間の死亡または全滅状態にも等しい」という最悪な状況でもあり、アリエナイザーとしての危険度は作中屈指と言える。
スペシャルポリスの情報によると、スぺキオン星は街のそこら中に鏡やガラスが設置されており、夜でもきらびやかに輝いている。住人はこれを用いて瞬時かつ自由にどこでも移動できるため、スペキオン星において彼らが遅刻する事はないらしい。
活躍
Episode.28「アリエナイザー・リターンズ」
デリートしたはずのアリエナイザー達が現れた事件の手がかりを得るためにアルカポへ訪れたテツと面会。
一種の司法取引で自分の信奉者の一人であるパウチ星人ボラペーノの情報を与えるが、かつて自分が殺したテツの両親の最期の話をしてその心につけ込み、彼が流した涙の中に潜り込むことでまんまと脱獄する。
※先述の能力故に、テツはブレスロットルとSPシューターを看守に預け、ワッペンやファスナーには黒いテープが貼られ、サングラスをかける等徹底的な対策をしていたが、涙も光を反射する物という点を突いたジェニオの狡猾さが示された。
Episode.29「ミラー・リベンジャー」
テツに逮捕される前に言い放った「死以上の苦しみを味わわせる」という発言を実現するために地球に襲来し、バン以外のデカレンジャーをミラーイリュージョンで鏡の中に封じ込めると、バーツロイドが操縦する怪重機「メガロリア」で街を攻撃する。
メガロリアを撃退したデカバイクロボに乗っていたバンをも鏡の中に閉じ込めたが、それはミラーイリュージョンの仕組みを解明させるためのバンの作戦であり、その思惑通り胸の鏡を壊せばポートレートになった人間達を解放できることを見抜かれてしまった。
だが、余裕のジェニオはデカブレイクとの一騎打ちでも剣と銃で圧倒し、完璧な芸術的ポートレートとしてデカレンジャーの光のポートレートを見せつけ動揺を図る。
だが、デカレンジャー達に「テツの欠けたポートレートは画竜点睛を欠く駄作」と挑発されて激怒。デカブレイクを徒手空拳で再び圧倒し、そのまま取り込もうと胸の鏡を開いたが、その隙を逃さず放ったデカブレイクのソニックハンマーで鏡を砕かれ、ポートレートになった人達が解放されてしまう。
そして宇宙警察からジャッジの許可が下り、「124の惑星で一万人以上の人々の自由を奪い、鏡の世界に閉じ込めた誘拐及び幽閉罪」でデリート判決を受けるが、それでも自分を光に変える力は健在のため、ジェニオは余裕を崩さないまま、デカブレイクのバイザーを通して逃げようとする。
しかし、バイザー内に飛び込む寸前光速を超えるスピードで放たれたスーパーライトニングフィストで吹き飛ばされ、ライトニングアッパーで空高くかちあげられ「もっと……光を!!」と叫びながらデリートされた。かくして宇宙の巨悪は、かつて自身が殺害した者達の息子によって、その命脈を絶たれたのだった。
OV『デカレンジャーVSアバレンジャー』ではサウナギンナンが復活させた再生アリエナイザーの一体として登場。胸の鏡で相手の体温を奪うことが出来るという新たな能力を獲得しリバーシア星人サキュバス・ヘルズと共にサウナギンナンに必要な熱を集めるべく工場の作業員を襲っていたが実は背骨が一部曲がっているという点をアバレブルーに看破され、該当箇所である第三腰椎を攻撃されてからは劣勢に転じ、そのまま倒されてしまった。
余談
劇中にて確認できる限り、自身の犯行によって出した死人はテツの両親ぐらいである(ジャッジメント時の罪状読み上げからは省略されたが)が、デリート許可が下りている。恐らくその理由は、
『宇宙警察の規定orスぺキオン星の法律では誘拐・幽閉を殺人に匹敵する重罪として定めている』(前者であれば類似のケースが見受けられる)
『ジャッジメント時の罪状読み上げにて省略されただけで、自身の犯行(主に殺人)によってテツの両親を含めて多数の死者を出していた』
『ポートレート化被害者の中で衰弱死した者が極めて多くいた』(実際、封印中の地球署メンバーも苦悶の表情を浮かべており、ジェニオの悪質な性格的に被害者が命を落としても一切気にしないことは、想像に難くない)
のいずれかと思われる。尤も、仮に誘拐罪が現実と同じ程度の重さだったとしても、スペシャルポリスを含めた一万人以上の人々を誘拐・監禁した罪は重大であり、極刑が下されるのは必然であった。
イメージソースは『羊たちの沈黙』の主人公・ハンニバル・レクターで、初登場シーンの描写が酷似している。
出身星と名前の由来はイタリア語の「スペッキオ(specchio・鏡)」と「ゲニオ(genio・天才)」から。名が体を表す怪人である。
声を演じた野田は『百獣戦隊ガオレンジャー』にてクリスマスオルグ/クルシメマスオルグを演じて以来、3年ぶりのスーパー戦隊シリーズ出演となった。また、翌年の『魔法戦隊マジレンジャー』では天空聖者クロノジェルの声を担当した。
なお野田は『銀河英雄伝説』の石黒監督版OVAでフリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルトを演じた事でも有名で、「Die Neue These」版では本作にてドギー・クルーガー/デカマスター役の稲田徹が演じた。
関連動画
関連タグ
才能の無駄遣い:エージェント・アブレラといいコイツといい、優れた頭脳を持ちながらその使い途は「悪事で私欲を満たすため」だけというのが何とももったいない。
他作品の関連項目
ガンツ先生:野田氏が『がんばれ!!ロボコン』とその平成リメイク版である『燃えろ!!ロボコン』で演じていたキャラ。主人公であるロボコンが犯罪まがいな事をやらかしてガンツ先生に説教されるエピソードがあり、教え子達の中には将来犯罪者になってしまうのではないかと心配しちゃうロボットがいる。
ドグラニオ・ヤーブン:後輩の戦隊が戦った組織異世界犯罪者集団ギャングラーのボス。金庫にルパンレンジャーを捕らえていたこともあってか、戦いに敗れた後も死刑にならず拘禁されるに留まっていた。
カガミジゲン、ゲルトゲルト、冥府神サイクロプス、幻獣ミノタウロス拳シユウ:同じく相手を鏡に封じる能力を持った戦隊怪人。特にサイクロプスは頭も回るあくどさも併せ持つ。
ミラーマン(特撮)、仮面ライダー龍騎:こちらも似た能力を持ったヒーローが登場する。
高遠遙一:地獄の傀儡師と名乗る犯罪芸術家で犯罪を芸術だと思い込んでる繋がり。
自分が立てた計画を復讐心を持つ人間に渡して実行させる殺人教唆犯。
J・ガイル:こちらも鏡に関する能力を持つ悪党。味方キャラの肉親を殺したことも共通。
ネッシーのウオボ渦:6年後に登場した怪人。奇しくも断末魔が同じ。
玉壺:自身の悪趣味な芸術性を至高のものと考え、プライドの高さからそれを侮辱されることに耐えられないという点はジェニオにそっくり。また彼も自身の特性により高速移動が可能。