「それにしてもあの“ゲーム”は楽しい……!!我々特権階級だけに許されたスポーツだと思わんかね?」
データ
概要
住民は皆ゲーム好きだというサウザン星人のアリエナイザー。
遊び仲間としてテンテ星人シロガー、ハンドレ星人デーチョとつるんで「ゲーム」に興じて、白昼堂々とワインを嗜む優雅な暮らしを送る。
「星間評議会」なるものの議長を父に持つ御曹司だがとんでもないドラ息子でもあり、ゲームと称して数々の犯罪に手を染め、中でも「水晶によく似たターゲットボール(このターゲットボールは一定時間持っていると腕輪のような形に変身し取れなくなってしまう)を拾った一般エイリアンをターゲットにし、怪重機でハンティング(殺害)する」というルールの殺人ゲーム『宝探し』を特に好んでいる快楽殺人鬼。
彼自身実に456人ものエイリアンを殺害しているのだが、父親の権力でその都度事件をもみ消され、罪に問われる事は無かった。
因みに劇中で456勝16敗と自身の戦績を語っていた為、16敗分を含めれば彼とその遊び仲間による『宝探し』の犠牲者は472人に上るようだ。
表向きにはレジャー目的に地球に滞在しながら、エージェント・アブレラに大金を積んで最新型怪重機「ミリオンミサイル」を購入し、遊び仲間2人と共に地球でゲームをするためにやってきた。
なおアブレラはお得意さんとしてお坊ちゃまと呼び、「いつも贔屓にしていただいて…」などと媚び諂っているが、自分の考案した「宝探し」を自画自賛しながら楽しむ姿を見て、後ろを向いた瞬間に内心「バカ息子が…」と吐唾していた。ちなみに数々のアリエナイザーと関わりを持つアブレラだが、彼が嫌悪感を示したのはコイツだけであった。
スペシャルポリスの情報によると、サウザン星はとても文化が進んでいる星で、地球では考えられない高さの高層ビル群が雲を突き抜け無数に立ち並んでいるという。
宇宙の様々な重要施設が多い事でも知られ、サウザン星には宇宙中のエイリアンが行き来し、彼等と広く交流しているとされる。そのため顔が広い彼等には名刺を渡すという習慣がないらしい。
劇中での活躍
ある夜、いつものように「宝探し」を行っていた最中にスーパーデカレンジャーロボに妨害されるも、ミリオンミサイルの飛行機能を駆使して翻弄し、半壊させた上でターゲット殺害に成功したため逃げおおせる。
その後、自身の滞在する別荘の周辺で怪重機が目撃されたために、地球署からセン、ウメコが聞き込み調査にやってくるも、知らぬ存ぜぬと白を切るばかりか、地球を「何もないド田舎な惑星だがワインとチーズだけはいける」、セン達を「安月給」とバカにしながら札束を提示(「これをやるからさっさと帰れ」という賄賂を兼ねた嫌がらせ)。
さらに自身の出自を誇示して「その気になれば宇宙警察を動かして君達をクビにだってできる」と豪語し、その態度にウメコは憤慨、温厚なセンも思わず眉を顰める程だった(なお、その後ギネーカはセンからは『帰ると見せかけて、また聞き込み調査をする』という小さな嫌がらせを二度された)。
その後、ターゲットボールをチャンベーナ星人ギンが拾った事から、彼を狙った「宝探し」ゲームを開始。だが偶然にもギンと一緒にいたセンが彼を護衛し、地下に潜ったため、怪重機から降りて追いかけることに。
そしてギンを撃ってゲームセットとなった。
「やった!僕の勝ちだね。これで457勝16敗だ」
この状況にはセンも激昂し、デーチョやシロガーと共に「ゲームと称して多くのエイリアンを殺害した罪」でジャッジメントを行い、デリート判決を突きつけるも…ギネーカ自身は突き付けられた判決(デリート許可の✕マーク)を(文字通り)手で払い除けると
「宇宙最高裁判所だって、僕達には手が出せないさ」
「ありえない判決だ。パパに取り消してもらおう…」
と一蹴。
しかし激昂しながら迫ってくるセンの剣幕を前に危機感を覚え、怯えながらデーチョとシロガーを盾にして身を守ろうとまでした。(この行動からギネーカはこの2人に友情や仲間意識などを一切感じていなかったことが窺える)
そこへ(恐らくはアブレラが救援の為に差し向けたものと思われる)イーガロイドが駆け付けた隙をついてミリオンミサイルに再搭乗。
新登場したデカウイングロボを新たな標的に『100年物のロマネ・コンティ』を賭けたゲームを、デーチョとシロガーに持ち掛け三人がかりで襲いかかるが、二人が倒されると
「遊びなのになんてひどいことをするんだ!!」
と逆恨みしながら逃走する。(前述した通り、ギネーカはデーチョとシロガーのことを親友だと感じていないと思われるので、単に遊び相手がいなくなったことに腹を立てているだけだと思われる)
だがデカウイングロボにすぐさま追い抜かれ、ミサイルで迎撃しようとするもの全て蹴り落とされた挙句にキックで墜落。そしてスワンからの通信でミリオンミサイルは日本列島を吹き飛ばすことのできる危険物質「アンチグラビティエネルギー」を搭載していることが判明した為、地球上で破壊するのは危険と判断したデカレンジャーはそのまま宇宙に運び上げ……
セン「標的になった人の気持ちを思い知れ!!!」
怒りのファイナルバスターを食らったギネーカはあえなく宇宙のチリとなるのだった。
ちなみにギネーカに銃撃されたギンは無事だった。襲撃される直前にセンと立ち寄っていたもんじゃ焼き屋からヘラをくすねて懐に忍ばせており、それが銃弾から身を守ったのだ(流石に銃弾の衝撃は防げずに気絶していたが)。
余談
- 犬
劇中では犬を飼っているところが見られたが、ギネーカの死後どうなったのかは不明。
- 父親
ギネーカの父親は登場せず、星間評議会がどのようなものなのかも言及はなかった。しかしギネーカの口振りからして自身の権力で息子(と他二人?)の犯罪を次々ともみ消してきたと思われるので、彼にも捜査のメスが入る可能性は十分にある。
- 中の人
声を担当した山口氏は今作がスーパー戦隊シリーズ初出演(その他東映特撮作品には本作以前に『テツワン探偵ロボタック』にてトラボルトの声でレギュラー出演していた)となり、6年後の『天装戦隊ゴセイジャー』にてニュートラルのアインIの声を担当。さらに10年後の『烈車戦隊トッキュウジャー』にてチケット、およびトッキュウチェンジャーを始めとするトッキュウジャーのアイテムの声でレギュラー出演を果たした。
さらに山口氏は「名探偵コナン」においては江戸川コナン…の正体でもある工藤新一役も演じているため、アサシン星人ジンギ(中の人がコナン)共々ネタにされる(別作品で探偵かつ同一人物を演じる演者が揃って犯人役)事がある。
- 名前
出身星と名前の由来は、英語で「1000」を意味する「サウザンド」と鉄鋼王の異名を持つ大富豪アンドリュー・カーネギーから。
デザイン画での名称は「レセブ星人ギネーカ」。
- ちなみに
セレブのエイリアンとの玉の輿を狙っていたウメコだが、後に彼女が結婚したセンはむしろ貧乏育ちだった事がこの回で明かされている(センがギンにもんじゃ焼きを奢った際の一幕)。
金持ちだが性根が腐りきったギネーカと、貧乏育ちでも正義感と優しさを持ち続けたセンはまさに対照的な存在といえ、だからこそ金ではなく「心」で選んだということなのだろう。
- 20年後
2024年公開のデカレンジャー20th『ファイヤーボール・ブースター』の公開直前に配信された出演者セレクションエピソードで他の皆はそれぞれの主役回を選ぶ中、バン役のさいねい龍二氏は自身のメイン回ではなくこのエピソードを選んでいる。
本人曰く「純粋にストーリーがおもしろい」(ほぼ原文ママ)とのこと。ちなみに「この時のメイン回の主役」たるセンちゃん役の伊藤陽佑氏は、先述したジンギの登場回を選んでいる(なお、同回の概要欄での説明文で「俺は名探偵を推理で倒した箏がある」と言及している)。
関連タグ
ムザン星人…ウルトラマンティガに登場する宇宙人。こちらも捕らえたターゲットに発信機付きの腕輪をはめてを別の星に放ち、ハンティングするというルールの殺人ゲームを行っていた。