チェンソーの悪魔
ちぇんそーのあくま
概要
もしかして:ポチタ?
チェンソーマンの主人公、デンジと一体化した悪魔を指している。
デンジが変身するとチェンソーの付いた姿になることから。
Pixivに投稿されたイラストは基本そのデンジで、ポチタのイラストにこのタグは使われない傾向がある。
余談
作者の藤本タツキと担当編集の林氏が2021年開催のジャンプフェスタのインタビューで語ったところによると、作者の前作「ファイアパンチ」の連載中にはすでに「頭からチェンソーが飛び出すヒーロー」という構想があったらしく、「ファイアパンチ」の次の連載を考えるにあたり林氏に「チェンソーの悪魔」のキャラクターデザインを見せたところ「このデザインは悪役っぽくないか?」と反対されたが藤本が押し切り、「チェンソーマン」の連載にこぎつけた。
以下ネタバレ
※物語の根幹に関わるネタバレにつき、未読の方はブラウザバックを推奨します。
単行本10巻にて、チェンソーの秘密の一端が明かされた。
岸辺らによる突然の襲撃によりマキマは重傷を負う。
そして彼女の復活を阻止するため、公安の襲撃者達は5人の命と引き換えに強大な悪魔を呼び出した。
「地獄の悪魔よ」
「マキマを殺して地獄に落とせ」
燃え盛る体躯を持つ半人半馬のような異形の悪魔。
かつてサンタクロースとの契約によりデンジらを地獄へと落とした悪魔の手で今度はマキマを滅ぼそうという岸辺の作戦は十全であるかに思われたが…
「助けてチェンソーマン」
マキマの助けを求める声に、デンジは虚な眼のまま立ち上がった。そして腹部を裂いて飛び出した腸がデンジの首にマフラーのように巻きつく。
地獄の悪魔を一瞥し、スターターを引いた次の瞬間、地獄の悪魔はバラバラに切り裂かれていた。
これまでのチェンソーの悪魔の面影を残しながらもより異形へと変貌した姿。
体躯は一回り大きく、そして黒くなり、下腕は二つに割れてそれぞれにチェンソーが生え、そして頭部にはハンドルの代わりに数本のツノ。
その異形にはもはやデンジの意識も、面影も残っていなかった。
地獄のヒーロー
以下はマキマが語った「チェンソーマン」の正体や能力である。
- 地獄で誰かが助けを叫ぶとやってくる。そして叫ばれた悪魔はチェンソーで殺され、助けを求めた悪魔もバラバラに殺される
- その行動のせいで他の多くの悪魔に目をつけられて殺されるが、そのたびに何度でもエンジンをふかして復活する
- そしてそんなチェンソーマンをある悪魔は怒り、ある悪魔は恐れ、ある悪魔は崇拝した
そしてそんなチェンソーマンの行動の何よりも恐ろしいのがその能力であった。
「チェンソーマンが食べた悪魔は」
「その名前の存在がこの世から消えてしまうのです」
チェンソーマンに殺され、食われた悪魔はその名前の概念ごと存在も、記録も、記憶も全て消滅してしまう。一度消えてしまえば誰も存在した事すら認識できなくなる恐ろしい能力。
ナチスによるユダヤ人の大量虐殺。我々の世界ならば誰もが知る歴史の暗部のはずが、岸辺はナチスについて何一つ知らなかった。
「ナチス」
「アーノロン症候群」
「第二次世界大戦」
「エイズ」
「租唖」
「比尾山大噴火」
「核兵器」
「かつては存在しその名を持つ悪魔と同様に恐れられました」
「しかしそれらの名前を思い出せるのはもう私しかいません」
「全てチェンソーマンが食べてしまいましたから」
マキマが述べた消滅した存在のいくつかは我々の世界にも存在するものであり、それらがどれほどの恐怖をもたらすものか知っている。
そしてそんな恐怖と並べて語られる「アーノロン症候群」「租唖」「比尾山大噴火」といった我々が知らない言葉。
「存在したと認識する事すらできない」という恐怖が読者にも伝わるように描写されており、それこそがチェンソーマンの能力の恐怖なのである。
マキマの言うところによると、他にもチェンソーマンによって「人なら誰もが持っていた第六感」「子供の精神を壊すとある星の光」「生命が寿命を迎えると死の他にあった4つの結末」などが消滅しているが、もはやそれらがどんな名前を持つどんな存在だったのかは思い出せないらしい。
眷属
チェンソーマンには8人の悪魔や魔人の眷属がおり、それぞれ天使の階級に因んだ名がつけられている模様。
マキマ曰く、彼女と彼らではチェンソーマンに対する「信仰の違い」があるらしいが詳細は不明。
また眷属の内の幾名かは作中で既出の公安所属の悪魔である。
・セラフィム
虫のような頭部と翅を持つ悪魔。何の悪魔かは不明。名前の元ネタは熾天使・セラフィムと思われる。
・ビーム
・ガルガリ
・ドミニオン
4つの眼と4つの耳、獣の蹄のような手足を持つ悪魔。何の悪魔かは不明。名前の元ネタは主天使・ドミニオンと思われる。
・ヴァーチェ
2本指の手足を持つ悪魔。首から上が無いが、ビームらのように戦闘によって無くしたのか元々無いタイプの悪魔なのか不明。何の悪魔かは不明。名前の元ネタは力天使・ヴァーチェと思われる。
・パワー
・プリンシ
蜘蛛の悪魔。名前の元ネタは権天使・プリンシパリティと思われる。
・エンジェル
なお、上記のメンバーには大天使・アークエンジェルに相当する悪魔がおらず、ファンの考察ではある魔人がそのポジションではとも予想されているが現時点では不明。
考察
現在、チェンソーマンが「チェンソーの悪魔」である事を否定する描写は無いが、上述の余りにも強大な能力から「実はチェンソー以外の悪魔なのではないか?」との説も存在する。
- 「chainsaw」のnをhに、wを上下ひっくり返してmに、というようなやや強引なアナグラムで変換すると、「mashiach(マシアハ)」となる。これはヘブライ語で「救世主」を表す言葉である。救世主と言えば最も有名な宗教のナザレのイエスが印象深い。かの救世主はあらゆる奇蹟を以て衆生を救済したが、その一方で彼の教えを否定する人々はおろか彼の弟子達からにすら恐れられたという。すなわち、チェンソーマンは「救世主の悪魔」ではないかという説が語られている。
- 或いはもっと単純にポチタの姿=犬、すわなちDOGをひっくり返せばGODになるという理屈で「神の悪魔」ではないかとも言われている。
- 第二部の戦争の悪魔が「核兵器を吐き出させてやる」という発言から、食べた悪魔を吐き出させることができる模様
- チェンソーマンの心臓はポチタに非常に似ており、ポチタは単にチェンソーマンが弱体化した姿ではなく、チェンソーマンの心臓そのものだったのではないかと言われている。
余談
- 「チェンソーマンが悪魔を食べるとその名の存在が消える」という設定は、物語中盤頃に第2部の設定として思いついたものであり、第1部では軽く触れるに留まったが第2部ではストーリーに深く関わるらしい。(ジャンプフェスタ2022のインタビューより)