概要
『チェンソーマン』7巻から8巻に登場。
アメリカの三兄弟、ソ連のトーリカとその師匠(国名は明言されていないが「トーリカ(Tolka, Толька)」はロシア系の男性名アナトリーの愛称形のひとつ)、中国のクァンシと共にデンジの心臓を奪取する依頼を受けたドイツのデビルハンター。本名不明。
どこか虚な眼をした禿頭・髭面の老人であり、契約悪魔である「人形の悪魔」の力を使って周囲の人間を意のままに操る人形へと作り変えデンジらを襲う。
任務の報酬として、性別問わず4人の美男美女を養子にすることを要求しており、目的を聞かれた際には「3人は契約に使う。1人は趣味だ」と不穏な言葉を残している。
「サンタクロース」の通り名になぞらえ、「依頼」を「プレゼント」と言い換えるなど他のデビルハンターと比べると得体の知れない不気味さが目立つ。
マキマや岸辺ら公安のデビルハンターからは最も警戒されており、岸辺は「アイツに悪魔を使われたら終わりだからな」とまで言っており、助っ人の玉置もデンジを囮にサンタクロースを誘き出した事について「サンタから逃げるのではなくヤツを殺しておきたかった」と言っている事からいかに危険なデビルハンターかが窺える。
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※以下ネタバレ
正体
デパート内で人形に苦戦していたデンジ達の隙をつき、ソ連のデビルハンター・トーリカが「呪いの悪魔」の力でデンジの殺害に成功。そこに現れたトーリカの師匠はデンジの死体を運ぼうとする彼におもむろに語りかける。
「トーリカ 精巧な人形を作るコツを教えましょう」
「人形にする人間に 人間しか持たない感情を入れること」
「敬愛」
「崇拝」
「哀憐」
「そして隠し味は罪悪感」
そして師匠がトーリカに触れるとトーリカの様子が一変し、見た目は人間そのものであるにもかかわらず自我を失いまるで「人形」のような無機質な表情へと変化した。
真のサンタクロースは師匠であり、これまでサンタクロースだと思われていた老人は師匠の作った「精巧な人形」に過ぎない。師匠のトーリカへの態度も、全てトーリカを「精巧な人形」にする下準備でしかなかったのだった。
戦闘能力
サンタクロース自身が生身の状態で戦闘を行う描写はなく、人形を使役した物量作戦や後述の「闇の悪魔」との契約で得た力で自身を強化して戦う。
しかし周囲の護衛やデンジ本人にも気づかれないようにデンジに「呪いの悪魔」の釘を3回も刺す描写があるなど、生身の状態でも凄腕のデビルハンターである事を窺わせる。
契約悪魔
- 人形の悪魔
サンタクロースが主に使用する悪魔。
触れるだけで人間を人形にする事ができ、さらに「人形に触れられた人間」も人形化するため、ねずみ算式に人形が増えていく。ただしデンジのように悪魔と融合した人間、および魔人は人形が触れただけでは人形にできない。(後に魔人の死体を人形にする描写はあるが、死体だから人形化できたのか後述の闇の悪魔の力なのかは不明)
人形にされた人間は自我を完全に喪失し、手足が刃物等に自在に変形するようになり外見も人形のように変化する。(眉が消えた正円型の目、腹話術人形のような口、球体関節など)
ただし外見の変化に関しては、上述の「精巧な人形」であれば人間の姿を完全に保ったまま人形化できる。
しかし真に恐ろしいのは、人形の命を代償に他の悪魔と契約を結べる事であり、代償に複数の命を要求されるような悪魔であってもサンタクロース自身はノーリスクで契約できるという点である。
事実、サンタクロースは「精巧な人形」である老人を操って彼の命とその養子3人(概要の項目で述べた任務の報酬の子供達)の命を代償に後述の「地獄の悪魔」と契約を結んでいる。
サンタクロースが人形とその養子3人の命を代償に契約を結んだ悪魔。
作中では巨大な6本指の腕だけが描かれており、その腕で契約時にデパート内にいた全ての生物を地獄へと運んだ。
「地獄の悪魔」の力で地獄へ運ばれたトーリカの人形を介し契約した「根源的恐怖」の悪魔。
契約内容は『「チェンソーの心臓」を持ってきた事を代償にマキマを倒せる力を授ける』というもので、サンタクロースに自身の肉片を与える事で契約悪魔である「人形の悪魔」の能力を大幅に向上させた。
「ふ…ふふふ…」
「そういう事なのですね」
「これが闇の力…」
「素晴らしいです 全てを理解していきます」
闇の力によってサンタクロース自身も人形のように変化した姿。
人形自体の強化に加え、他の人形と脳をネットワークのように繋げる事で痛覚や精神ダメージを分散する能力、闇の中でなら瞬時に傷が治る再生力などを得てマキマとデンジの前に立ち塞がった。
さらに夜になり周囲が闇に包まれた事で容姿がさらに変化、再生力なども強化され、デンジの機転によって逆転されるまではクァンシの放つ無数の矢による攻撃すら容易く捌くほどの圧倒的な力を見せた。
- 呪いの悪魔
早川アキが契約していた悪魔と同じだが、釘の形状や刺す回数に違いが見られる。
謎
- 老人の人形がデンジ奪取の依頼を受ける際の報酬である4人の養子について発言した「1人は趣味だ」については、ファンの間ではおそらくトーリカのように精巧な人形に作り変える「人形候補」として育てる予定だったものだと言われているが、あくまで作中の描写からの想像に過ぎないため実際には「使途不明」である。
- サンタクロースの正体について、サンタクロース自身は「人形の悪魔」とも「人形の悪魔の契約者」であるとも名乗っており、以下のようにどちらの説にもそれなりの根拠があるためどちらなのか明確な答えは出ていない。
- 「人形の悪魔」そのものであれば、わざわざ「契約者」とは名乗らないはず。また悪魔であるにもかかわらず「闇の悪魔」と契約をしたことになる。(魔人は悪魔と契約できないことが明言されていることに加えて、マキマが自身の支配下に置かれていない悪魔についてはその契約者を介して力を行使していたことから、悪魔同士の契約はそもそもできない可能性がある)
- 「人形の悪魔の契約者」であるならば高位存在である「闇の悪魔」の前で嘘をついたという事でありリスクが高すぎる。また肉片を食べたのは「人形の悪魔」ではなくサンタクロース自身だったが、人間が肉片を食べる事でパワーアップできるという設定は語られていないし、もしそんな事が可能ならばすでに「銃の悪魔」あたりの肉片を食べてパワーアップしている人間がいるはずである。また、人間の姿から悪魔のような姿へ変身した事から別の説として『「人形の悪魔」と融合したデンジのような存在なのでは』という説もある。
関連イラスト
素顔
第1形態
第2形態