AMX-008ガ・ゾウムは『機動戦士ガンダムΖΖ』など登場する架空の兵器。
ネオ・ジオンの可変量産型モビルスーツである。
小説『機動戦士ガンダムUC』でも現役で登場している。
また、外伝漫画『A.O.Ζ Re-Boot ガンダム・インレ -くろうさぎのみた夢-』では水中用のバリエーション機体が登場した。
機体説明
ガザ系を発展させた機体だが、今までとは異なるフレーム構造、変形機能を持つ。
直結型から内蔵E-CAP方式に変更されたハイパー・ナックルバスター、ガザDよりも大型化されたミサイルを装備しており、従来のガザシリーズよりも、MS形態での対モビルスーツ戦を重視した性能付けがなされている。
反面、クローの廃止によってMA形態での格闘戦にやや不安が出てしまった感も否めない。
ガザEと同時期に開発され、当初はこの機体が「ガザE」となる予定であったが、従来のガザシリーズよりも性能向上が著しかった為、ガザEと並行生産する関係上識別のため別名称が与えられた(なおこれとは別に、本機はガザEの検討プランの一種で、結果としてガザEとしては採用に至らなかったが、埋没させるには惜しまれる性能のために別名称を与えて再び採用したとする説もある)。
本機はフレームからの新規設計機であるが、ガザC、ガザDとパーツの共有率が高かったため、多数が第一次ネオ・ジオン抗争中期以降に投入され、ガザDと共に大戦末期まで第一線で運用された。
本編では、奇襲によりネェル・アーガマを制圧まであと一歩というところまで追い詰めるといった描写もあった。
関連動画
バリエーション
ガ・ゾウム ガンナータイプ(ガ・ゾウム・ガンナー)
ZZ-MSVの一つ。
プラモデル「1/144 ガ・ゾウム」付属組立説明書に登場(型式番号:AMX-008B)。
両肩のミサイルランチャーユニットを長遠距離狙撃用のビームランチャーとレドームに換装、ナックルバスターも連射タイプになっている。ナックルバスターはMA時にはレドームのある左側に装着する。
この機体は後期生産型に属し、主に頭部の形状が前期生産型と異なっている。
ガ・ゾウム マリンタイプ
『A.O.Ζ Re-Boot ガンダム・インレ -くろうさぎのみた夢-』に登場(型式番号:AMX-008M)。
U.C.0091年の火星において、レジオン軍の氷河地下秘密基地にて建造されているインレの奪還作戦に投入された機体。
同作戦は火星に落ち延びたティターンズ残党と火星独立ジオン軍(ジオンマーズ、或いはオールズモビル)の合同作戦であり、インレを操縦可能なティターンズの強化人間を氷河地下基地に送り込むために本機が投入された。
当時の火星戦線では、レジオンの運用する「インレの翼」(ウーンドウォートのファイバーII形態)や攻撃衛星「エレノアサテライト」によってジオンマーズは制宙権と制空権を奪われており、製造中であった宇宙用の機体はそのまま死蔵された状態であった。
同作戦が実行に移されるにあたり、モビルポッドをベースとするガザ系機体の優れた気密性が注目され、これを水中用に改修した本機が急遽投入されることとなる。
機体構造としては、ズゴック系やハイゴッグを思わせる形状に換装された上半身が最大の特徴である。一方で下半身は元のガ・ゾウムの構造をほぼ維持しているが、腰部装甲にわずかの形状の違いが見られるほか、接地面積を増すためと思われるハイゴッグのような補助パーツが脚部接地部に増設されている点、MA形態での脚部展開機構をMS形態でも展開状態で維持している点が原型機と異なる。これら改修点により全体のシルエットが更にハイゴッグに近づき、一見してガザ系機体であるとは分かりづらい様相を呈している。また水中用MSとしては、MA形態が水中での高速移動形態として有効活用されていることが特筆すべき点である。
しかし、本機はゲリラ活動下で急造されたMSであったため、気密性に問題を抱えており、更に水中で変形や格闘戦を行った際のフレーム強度の問題から、本来であれば一出撃ごとのメンテナンスが必要であった。しかしインレ強奪ないしは破壊という作戦目的の性格上、長時間の戦闘や遠距離砲撃などは考慮されておらず、敵防衛網の強行突破と基地強襲という特攻兵器的な使用が前提となっていたため、一度の出撃で使い捨てる形での投入となった。
ガンプラ
『ZZ』放送時に展開された1/144スケールの旧キットが発売されている。